たとえば、面接の日にまさかの2度寝だとか、受験票を神棚に置いたまま忘れてきたとか。
普段のオレであればこんな失敗はしないはずなのにっ・・。
何でこんなことになったのか・・。
草刈りを任されてもう何年になるだろうか。
試行錯誤を繰り返し、だんだん監督(義父)の監視も緩んできた。
昨日は仕上がりを気にし過ぎ、やや時間がかかってしまったので
今日は無駄な動きをなくしてきぱきとやろう。
指示された範囲を目算し、「1時間30分で終わらせる。」そう自分で目標を立てた。
そもそも草刈りぐらいでこの鼻息の荒いのがいいようにでるわけがない。
福島の中通りとはいえ、冬の間は雪に覆われる畑。
5月の終わりだと雑草はまだ若く細い。
予定より早いペースでオリャ、オリャッと刈り払ってゆく。
いい具合に僕の後ろに広がってゆく更地。
自分の成長ぶりにやや酔いつつ
ちらっと横目で義父の様子を窺うが、特にこちらを気にしている様子はない。
実は昨日この草刈り機の調子が悪く、今朝の作業前にメンテナンスをした。
エアクリーナーを一度も替えてないらしく
スポンジには古い油と土や草が絡みついていた。
メンテナンス後の試運転では、ブルン、ブブン、ブーーーーン・・快調だ。
さすがオレ。たいしたもんだ。(←バカの典型)
調子に乗ったまま、一通り指示された範囲の草を刈り払い、
時計を見るとまだ1時間しか経っていない。
「よしっ!ここはこのくらいでいいバイ!」
と監督(義父)の声。
「やはりエンジンをメンテナンスすると調子いいですねぇ。」
と意気揚揚な僕の後ろから監督が
「あれ、なんか落ちた・・。」
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