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No.4266  畑人 見習い日記。   投稿者:ハミングバード   投稿日:2015年06月07日 (日) 23時05分 [返信]

たとえば、面接の日にまさかの2度寝だとか、受験票を神棚に置いたまま忘れてきたとか。

普段のオレであればこんな失敗はしないはずなのにっ・・。

何でこんなことになったのか・・。



草刈りを任されてもう何年になるだろうか。

試行錯誤を繰り返し、だんだん監督(義父)の監視も緩んできた。

昨日は仕上がりを気にし過ぎ、やや時間がかかってしまったので

今日は無駄な動きをなくしてきぱきとやろう。


指示された範囲を目算し、「1時間30分で終わらせる。」そう自分で目標を立てた。

そもそも草刈りぐらいでこの鼻息の荒いのがいいようにでるわけがない。


福島の中通りとはいえ、冬の間は雪に覆われる畑。

5月の終わりだと雑草はまだ若く細い。

予定より早いペースでオリャ、オリャッと刈り払ってゆく。


いい具合に僕の後ろに広がってゆく更地。

自分の成長ぶりにやや酔いつつ

ちらっと横目で義父の様子を窺うが、特にこちらを気にしている様子はない。


実は昨日この草刈り機の調子が悪く、今朝の作業前にメンテナンスをした。

エアクリーナーを一度も替えてないらしく

スポンジには古い油と土や草が絡みついていた。

メンテナンス後の試運転では、ブルン、ブブン、ブーーーーン・・快調だ。

さすがオレ。たいしたもんだ。(←バカの典型)


調子に乗ったまま、一通り指示された範囲の草を刈り払い、

時計を見るとまだ1時間しか経っていない。


「よしっ!ここはこのくらいでいいバイ!」

と監督(義父)の声。


「やはりエンジンをメンテナンスすると調子いいですねぇ。」

と意気揚揚な僕の後ろから監督が


「あれ、なんか落ちた・・。」





No.4269  投稿者:ハミングバード   投稿日:2015年06月08日 (月) 00時27分

僕の後ろに落ちていたのは今朝に変えたばかりの

エアクリーナーの中身(スポンジ)だった。


このスポンジは本来「カバー」の内側にあるものだから

どのタイミングだか、草刈り機からこの「カバー」が外れて無くなっているということだった。

そう、朝に僕が外してからまた取り付けた「カバー」が。


何はともかく無くしたカバーを探すことになった。

落とした範囲は草刈りをした範囲だ。解りやすい。

雑草のボリュームは薄く、探す前から容易に見つかるはずとタカをくくっていたバカが一人いたことは

これまでの経緯から賢明な皆様には解るはずです。


畑を1周見て回ったがカバーは見当たらない。

黒く光るプラスティック製の部品が見つからない訳がない。


動物園の檻の中のクマのごとく2周、3周、右へ左へと歩き回るうちに

それまでのさわやかな汗とは違う変な汗が額を流れ

耳鳴りのような音が自分を包む・・。


「最初から着いてなかったんじゃない?」

(いや、朝ついていたのは僕が一番よく知っているんです・・。)


「普通、簡単には外れないんじゃないかしら?」

(そうです、つまり僕がちゃんと着けなかったんです・・。)


義母の思いやりの言葉は、逆に一歩一歩確実に僕を追い詰めてくる。


総勢4人で畑をウロウロしはじめてから1時間は経っただろう。

「車の方には無かったワ・・。」

「少しお茶でも飲んだら・・」

「刈った草を引っ掻き回しちまったからなぁ・・。」


無くしたカバーが見つかるという方向とは逆行した会話が僕の耳を通り過ぎてゆく。


(たぶん、続く)






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