アニメ投稿小説掲示板
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ども!いい加減夜精更新しろよと突っ込まれる可能性大の月兎です(長ごぶさたしてます!長い間消えていて、やっと来たと思ったら今度は新しい小説かよとか思う存分言ってやってください(またしても長分類としては、ポケットモンスターの小説です。あらすじ不思議な力を体に秘めたイーブイの少女、ソラ。他の誰かも、ソラ自身も、その力には気づいていませんでした。ソラには両親がいません。ソラが生まれた時から、居ませんでした。だから、ソラは両親の声も、顔も知らなかったのです。ただ一つ、両親がソラに残した物…それは、金色に輝くロケットペンダントでした。ロケットペンダントといっても、写真を入れる所はどこにもなく、代わりに、小さな丸いくぼみがあります。ソラは、それを、『お守り』として、いつも身に着けていました。ある日、冒険好きの彼女は、たまたま見つけた洞窟に潜入しました。そこの奥で、ソラは赤く小さな丸い水晶を見つけました。その水晶をペンダントにはめると、ソラは、ブースターへと変わってしまったのです―…gudagudaですみません(何故ローマ字次から本編開始します。
私はどこに行けばいいの? 私は何をすれバイイノ? オ願イ 誰カ教エテ…突然聞こえる声の主 ドコニ居ルノ? 何ヲシテイルノ? ネェ 君ハ誰ナノ…?「ソラ〜!起きなさい!」「ふぁ〜い…」朝から元気な声と、眠たそうな声が響く。ソラは、色違いオオタチのテリューおばさんにたたき起こされた。「今何時?」「七時よ」「え?もう少し寝ていていいんじゃ?」「駄目!遅すぎる!」「まぁまぁいいじゃないか。半まで寝かせれば?」そこに割り込んで来たのが、普通のオオタチのソプノおじさん。「七時半って遅すぎよ!」「君はせっかちだからそれが遅く感じられるんだよ」「そ〜だそ〜だ!」「なによ〜ソラまでぇ〜」そうやって、イーブイのソラとテリュー=シルとソプノ=シルの会話が続いた。「そうだわ!アルンを起こすのを忘れてた!」「もう起きてるよ…」いつのまにか現れたのが、テリューとソプノの娘、オタチのアルン=シル。「おはよーアルゥン!」「おはよ、ソラ」この二人は、とても仲が良かった。しかし、この二人の血は繋がっていなかった。否、そもそもテリューとソプノとも血が繋がっていなかった。ソラは捨て子だった。生まれる前から、居なかった。タマゴのまま、アルン達が住んでいるセピア村の門の前に置き去りにされていたのをシル夫妻に拾われたのだ。“ある物”と一緒に。それは、金色のロケットペンダントだった。蓋の表面には、丸い透明の水晶が埋め込まれている。中は、写真を入れる所はどこにも見当たらず、代わりに小さな丸いくぼみがあった。それが、ソラのタマゴと一緒においてあった。ソラは、そのロケットペンダントを、お守りだと思い、いつも身に着けていた。「ごちそうさまでした〜!」朝ごはんを一番に終えたのは、いつものようにソラだった。「ソラ、食べるの早いわよ。ちゃんと噛んでるの!」「あったりまえじゃん!ほらアルン、ご飯食べたらいつものように探検だよ!」「分かってるって!そう急かさないでよ」数分後、アルンも朝ごはんを終え、ソラとアルンは探検に出かけた。
「今日はどこ行く?」「ん〜、昨日、デカいモモンの木を見つけたから、そこ調べてみようよ!」「え〜?どこにどこに?」そういう会話をしながら、ソラとアルンは、桃色のモモンの実が沢山実っている、大きなモモンの木を見つけた。「うん、たしかにモモンの木だね。甘い香りがする」「でしょでしょ!?早く食べようよ!」「朝ごはん食べたばっかりじゃん…」と言いつつも、ソラは一瞬で木に登り、モモンの実を二つ手に取ると、すぐに戻ってきた。「はい、アルンの分!」「ありがと」お腹が減っていないアルンは、モモンの実はそのまま持っておくことにした。言うまでもないが、ソラはすぐにかぶりついた。すると、アルンは、木の後ろの壁に、ポケモンが通れる大きさの穴を見つけた。「ねぇ、ソラ。これ、なんだろ?」「ふぁい?(はい?)」ソラも穴に気づいたらしく、口の中のモモンを急いで飲み込んだ。「洞窟…かな?」「新しい発見だよ!早く入ろう!」すると声がした。「何を発見したんだ?」
「何を発見したんだ?」「あっアルト!」目の前に現れたピカチュウは、ソラとアルンの親友・アルトだった。「うん、今ね!洞窟を発見したの!でね、早く入ろうって。あっそうだ、アルトも一緒に行く?」その時、アルトの顔が少し赤くなった。「べっ別に、めんどくさいし行っていいけど…別に、お前らの事が心配って訳じゃないんだ!断じて!」「…まいいや、じゃぁ行こ〜う!」そして、三匹は洞窟に潜入した。「うう…真っ暗だよ…」「洞窟だもん、仕方ないじゃない」「ホント情けないなぁソラは」「なっ何よ〜っ!アルトの馬鹿!」「はぅっ!!!」「あれ…?あそこに赤い光が…」「行ってみよう!」「そうだな…めんどくさいけど(←小声)」大きく突き出たテーブルのような岩の上に、赤い輝きを放つ物が置いてあった。「赤い宝石…?なんだろ、これ?綺麗だけど」「水晶だな。赤く小さな丸い水晶」「そうなんだぁ!アルトすっごぉい♪」「えっ…嫌…別に…その」アルトは再び赤面した。「この形…どっかで見たような」アルンはずっと考えていた。「…あぁ!!!」「どしたの?アルン」「これ…ソラが持ってるロケットペンダントの窪みの形と同じだよ!」「えぇ!?マジ!?」といいつつ、ソラは首にかけていたペンダントの蓋を開けた。アルンの言っている事は本当だった。形・大きさがどの角度から見ても同じだ。「…ソラ、その水晶をペンダントにはめてみて」「どうして?」「もしかしたら、何か起こるかも」「俺も同感だ」「…わかった、やってみる」ソラは、ペンダントの窪みに、赤い水晶をはめた。すると、ペンダントの蓋に埋め込まれた水晶が、赤く輝き始めた。そして、ソラの瞳の色が、栗色から燃えるような赤に変わり、体全体が赤く輝きはじめた。「「ソラ!」」二人が叫んだ。すると、ソラの体の光が増した。二人は、あまりの眩しさに目をつむった。 カッ「…えっ…ちょっ…何コレ!?」ソラが慌てていた。二人が目を開けると、ソラは橙色のポケモン・ブースターに進化していた…
「…えっ…ちょっ…何コレ!?」ソラは、橙色のポケモン・ブースターに進化していた。「ソラが…ブースターに進化した!?」「炎の石も使って無いのに!?」アルンとアルトは驚いていた。「もしや…今の赤い水晶が炎の石だったとか!?」「んなわけあるまい」「え〜でも、どうして、どうしてぇ〜!?」一番動揺しているのはソラだった。すると、誰かがやってきた。「みんな〜どうしたの〜!?モモンの木の後ろから、赤い光があったんだけど…」「り、リーブ…」現れたのは、ソラ達の親友、少し赤いリーフィアのリーブだった。「あれ、ソラは!?ていうかそのブースター誰?」「じ、実は〜…」アルンはこれまでの出来事を、リーブに話した。話し終えると、しばらく深い沈黙が流れた。「…ぇ、えぇぇぇぇぇぇぇ!!??」リーブがいきなり叫んだので、三匹はびっくりした。「…で、そのブースターはソラな訳!?」「うん」「ふ〜ん…っていうかソラ、ロケットペンダントの水晶の色、赤だったっけ?」「え?」リーブがそういうので、ソラはロケットペンダントを見た。ペンダントの蓋の水晶は、透明から燃えるような赤に変わっていた。「…ソラ、さっきの丸くて赤い水晶、取れる?」冷静なアルンは、ソラにそう問いかけた。「…取って見る」ペンダントの蓋は簡単に開いた。いつもより少し力が必要だったが。「あ、外れるかも」「ホントか!?じゃぁ外してみろよ」アルトが急かした。カチッ丸い水晶は、簡単に外れた。その途端、ソラの体が白く光り、元のイーブイの姿に戻った。蓋の水晶も、元の透明の色に戻った。「…これは、ソラの能力?」「……そうかもしれない」「ねぇ」リーブが案を出した。「メリー村長の所に行ってみない?村長なら、何か分かるかもしれない」「そうだな」「じゃぁ、行ってみよう!」そして、四匹は村長の所に向かって行った。
「お〜い、村〜長〜!!」「おぉ、ソラにその他ご一行じゃないか!」明るく返事をしたのは、この村の村長、モココのメリー・モコリーナ村長。「『その他ご一行』って…俺達『その他』!?」「我慢するのよアルト。ソラはセピア村で一番の人気者なんだから」「私、ソラの一番の親友なのに…」『その他ご一行』は、ヒソヒソと話をしていた。「で、どうしたんだい?ソラ達。なんか酷く焦ってるようじゃないか」「うん…実は…」ソラ達は、これまでの経緯をすべて話した。「…」また、耳がピリピリするような沈黙が流れた。そして、メリー村長が口を開いた。「ソラ、アルン、アルト、リーブ。お前達は旅にでるんじゃ。そして、その赤い水晶の他に、後6つの水晶が、この世界のどこかに隠されている。お前達は、それをすべて集めるんだ」その言葉に、四匹は動揺した。「そんな…他にも後6つも隠されているなんて…」「しかも、私達が?」「なんで、そんな事を…」「今、この世界は、崩壊の危機に迫っているんだ。後1年も経つと、この世界は、水晶に埋め尽くされてしまう。そのためには、七つの水晶…『虹水晶』を、すべて集めなければならぬ」4匹は、一瞬、冷水を浴びせられたようなショックを受けた。「そんな…!どうしてそんな事、早く教えてくれなかったんだこのクソババ…ぐもっ」「馬鹿!その呼び方でいっちゃダメでしょ!」リーブとアルンがアルトの口を押さえつけた。「ん…?今、『クソババア』と呼んだね?」ギクッ村長の小さな眼鏡が、一瞬光ったと思えば、次の瞬間、アルトは綺麗に黒焦げになっていた。「…もういっぱつ《雷》を落とされたたいかい?坊や」「す…すんません…」「で、なんでそれを教えてくれなかったの?」すると、村長は静かに言った。「もし、私がこの事を知ったとしてもだよ、四匹。私が、知った途端、みんなに『世界が破滅する』と言ったとする。それで、信じる馬鹿がどこにいるんだい?」「そ...そっか」「でも、なんで村長がそんな事を?」「そりゃあ、私をだれだと思っているんだい?神聖なるセピア村の村長・メリー・モコリーナだよ。あるお方と通信して、これを知ったんだい?」「その『あるお方』って…?」すると、村長は笑顔で言った。「世の中には、知らない方がいい事もあるんだよ」「うぅ…」「じゃ、そう言う訳だ。後、旅に出るには、後一人、いるじゃなか…」「後一人…あぁ、“あいつ”か!」+ + +「…で?そんな事になって、僕を連れて旅にでる?」「そうだよ、ティマ〜。そこをなんとか」「お願いだよ、ティマ。俺ら友達だろ?」目の前にいるのは、ソラ達の親友、ブイゼルのティマだった。「…しょうがないなぁ、親友の頼みなら、NOと言えないや。僕も行くよ、一緒に」「本当!?ありがとう、ティマ!」旅に出るメンバーが、全員そろった瞬間だった。
旅立ちの前日―…世界破滅の危機については、村長が集会を開き、住人に話した。そして、夜。ソラは、全然眠れなかった。初めての旅で、わくわくしているのか?それとも、ただ不安なだけなのか?でも、眠れない原因はなんだ?≪そうか、喉が渇いているんだ≫そう気づき、ソラは、藁のベッドから起き上がり、台所へ行った。台所は、灯りが付いていた。そこには、テリューおばさんがいた。「おや、ソラ。まだ起きていたのかい?」「うん。なんか、眠れなくて…。喉が渇いてるんだ」そう言うと、ソラはコップに水を入れた。「…ソラ」「なぁに?おばさん」「…旅立ちの前日は辛いだろう?」「…別に、そんな事ないよ」ソラは、思わずそう言った。「そうかい...でも、何も思うことないよ」そのおばさんの言葉に、ソラの動きは止まった。「…え?」「旅立ちは辛い。自分の村から離れるのが怖い。だけど、何も思う必要はないんだ。何も心に溜める必要はないんだ。悲しい時には、思い切り、泣け。ソラは、ソラのように、自信と希望を持って、どんな事にも真正面から立ち向かえばいいんだ。それが、ソラなんだ。だから、もう、元気をだしな」ソラの目の奥から、熱い物が出てきた。「て…テリュー、おば、さん」そして、テリューおばさんに、思い切り抱きついた。「うわぁぁぁぁぁん」そして、思い切り泣いた。胸の霧を晴らすように。***********短い気もしますが、短かったらすみません。
更新のことなら人に負けてないヒカルです。久しぶりの月兎さんの小説(ポケモン)ですが、今度は冒険もののようですね。イーブイを主人公として、実に王道らしい展開だと思いました。 ただ、冒険の出発がいきなり過ぎだと感じたのもまた事実です。村長のいきなり「旅に出るのじゃ」はさすがに困惑しました。その前にしっかりとした前置きがあるなら別ですが、そうも見えなかったので、ここはもっと詳しく書けばよかったんじゃないかな〜と思いました。 始まって早々批評で申し訳ありませんが、これからの面白い展開を願ってのことですので……それでは是非これから連載がんばってください。
>ヒカルさん確かに旅立ちが急すぎでしたね(焦あらすじにも、『水晶で埋め尽くされて世界崩壊だよワッショイ』と書いていませんし、『それでみんなは旅立つんZEヒャッホイ』とも書いていませんね(ぇでも、読んでいただきありがとうございます。「いよいよ旅立ちだね!」「途中でヘマするんじゃないよ!」沢山の村人に見送られて、ソラ、アルン、アルト、リーブ、ティマは、旅にでようとしていた。「ちょっと待つんだ!」そこで、村長が急ぎ足で出てきた。「ソラ。これを渡す。もし水晶を見つけたら、これにいれるんだ」村長が渡したのは、青緑色の丸いケースだった。表面には、金色の模様が付いていた。「?」ソラが蓋を開けると、中には7つの小さく丸いくぼみがあった。そのくぼみの一つに、赤い水晶がはめ込まれていた。「わぁ!村長、ありがと!」「あぁ。気をつけて行っておいで」「ま…待って!」「ん?」小さなミミロル・シュレンが、駆け足で来た。両手には、何かを抱えている。「お姉ちゃん、お兄ちゃん。これあげる。旅の途中で、これ見て、村のみんなの事、思い出してね」「シュレ…」シュレンから渡されたのは、小さなクリーム色の袋だった。「シュレは…、ソラお姉ちゃん、応援する!!」「シュレちゃん…ありがとう」ソラは、シュレンを思い切り抱きしめた。「じゃぁ、いってきまーす!」「お母さん、お父さん、またね〜!!」「必ず戻ってくるから!」こうして、ソラ達一向は、村を出て行った。(第一章 完結)
ようやく旅にでたソラ達。そこで一匹の怪我をしたポケモンが、ソラ達の前に現れる。その名は、“ダーウィン”。ダーウィンを敵かと思い、さらに攻撃をかましてしまうソラ達。そして、敵ではないと知った時、ダーウィンは、ソラ達と旅することに。すると、さらに、ソラ達の前に、一匹のアンノーン・サノンが現れる。サノンは、ボスの命令で、ソラの能力を狙っているという。その組織名は、“ダーククリスタル”…?!第二章 『湖の青い水晶』スタート!
「…ねぇあっつい〜」「我慢しなさい」「ねぇお腹すいた〜」「我慢しなさい」「ねぇ疲れた〜」「我慢しなさい」「リーブとアルン、さっきから同じ返答ばかりじゃん」「我慢しなさい」「だだこねてないんだけど!今のは」旅は、想像以上に辛かった。「っていうか、シュレンからもらった袋あるじゃねぇか!それ食おうぜ!」「アルト、目が野獣になってんだけど…」「それに食料じゃない可能性があるよ」「いいから開けろよ!」「はいはい…」ソラは、紐を引っ張り、袋の口を開けた。中には、色とりどりのポロックが入っていた。「…ポロックだ!」「ホントか!?早く食おうぜ!」「ん…?ポロックと一緒に紙が…」アルンは、ポロックと一緒に入っていた白い紙の文字を読んだ。シュレンが書いたのか、字が汚くて解読に時間がかかった。―――――――――――――――――――――――――――ー――(星らしきマーク)ぽろっくのあじとこおか(ハートらしきマーク) あかいぽろっく からくてなく。こおげきりょくがあがる あおいぽろっく ぶどうみたいでしぶい。ぼおぎょりょくがあがる ぴんくのぽろっく おやつみたいにあまい。とくこおがあがる みどりのぽろっく くさみたいににがい。とくぼおがあがる きいろのぽろっく すっぱい。すばやさとかいひりつ・めいちゅうりつがあがる くろいぽろっく とってもまずい。たいりょくがかいふくして、ぜんぶののおりょくがあがる おれんじのぽろっく とってもおいしい。ぜんぶののおりょくがさがる(星らしきマークとハートらしきマークがエンドレス)――――――――――――――――――――――――――――――「…特殊な、ポロックだね」「能力が、上がったり下がったりするポロックか」「すべてひらがなだし所々字が間違ってるから、解読しづらかったよ…」「ハイハイ。お疲れ様」「…とりあえず、オレンジのポロックは食べないほうがいいね」「黒いポロックは、まずいけど食べたら有利になるし」「でも、この黒ポロック、ものすごい悪臭がするんだけど…ホントに食えるのか?」「っていうか、お腹すいたよ〜…」「食料なら、さっきあんたが全部貪りくったでしょ」「うぅ〜…」その時だった。「ぅ…うぅ…」「!!」「呻き声!?」「まさか、敵か!?」「とりあえず、みんな、攻撃の準備を!!」「うん!!」ソラは、ペンダントに赤い水晶をはめ、ブースターとなった。すると、草が集まった場所から、一匹のエンペルトが、よろよろと出てきた。「雷!!」「ソニックブーム!!」「マジカルリーフ!!」「ハイパーボイス!!」「火炎放射!!」5匹の技が、エンペルトに当たった。そして、爆発した。
爆発したあと、煙が晴れた。そこには、ボロボロのエンペルトが倒れていた。「…やっべ、攻撃しちゃった…」「うぅ…どうしよぅ…」「取り合えず、気を失ってるから手当てしなきゃ!!」というと、アルンがエンペルトに近づいた。「す…すごい傷…私達の攻撃を受ける前にも、なにか攻撃を受けていたの?」「はっ早く!どこか安全な場所へ運ぼう!」リーブがせかした。数分後「う…うぅん」「あっ目ぇ覚ました!」「…ここは?」「ここは、洞穴だよ」「…洞穴?」すると、エンペルトは、バッと飛びのいた。「…っお前達は誰だ。私をどうするつもりだ!」かなり警戒している様子。「わわっ待って!私達は敵じゃないよぅ!!」「じゃぁ、なんだと言うんだ…!!」「私達は、ある目的で、旅しているの!あ、アタシソラ!!」「私はアルン=シル」「私は、リーブ!リーブ=リカルスティア!!」「俺はアルト=スレイジュという」「僕は、ティマ=シーディア。ティマでいいよ」「あのねっアタシ達、水晶を後6つ集めなきゃいけないの!そうすると、世界が破滅しちゃうの!!」「コラコラ、そんな大雑把な説明じゃダメじゃない!えっと、分かりやすくいうと〜」「分かっている」「ふぇ?」「だいたいの事情は理解した」「理解したの!?」リーブが突っ込んだ。「それなら、私も、その水晶集めとやらに協力しよう」「ホント!?」「そうそう!じゃぁ、名前を教えて貰わなくちゃ!!」「私の名前か?私は―」そして、エンペルトは、静かに名乗った。「ダーウィン。海を渡り、流離う者」
「ダーウィン…さん」「ダーウィンでいい」「っていうか、声からしてダーウィンって♀?」「そうだ」「へぇ〜」「何か悪いか」「いえ、別に…」その時、爆発音がした。「!?」「何だ!?」「外にでてみよう!」「!」外を覘いてみると、アンノーンの集団が、ソラ達のいる洞穴を攻撃していた。そして、その中の一匹のSの形をしたアンノーンが、ソラ達の前に飛び出した。「お前か」「へ?」「お前だな?凛様が欲しがっている偉大な能力の持ち主。とりあえずお前を凛様の前に突き出す」そして、Sのアンノーンは、他のアンノーン達に合図した。「やれ」
いつの間にかけっこう話が進んでいましたね、どもヒカルです。 まず旅の辛さなどがコミカルに描かれていてけっこう面白かったです。それぞれのやり取りなんかも不慣れな旅などという印象を受けました。 ただその後(ここからまた批評なのですが)ダーウィンという者が仲間になっていますが、あまりにあっさりしすぎだと思いました。いやその後色々と事情が明らかになっていくのでしょうが、ちょっとこの急展開はいただけないな〜と。その前になんらかの下準備(ダーウィンを知っていたとか、そんな名前を覚えていたとか)などあったほうが読者としても驚きとともに説得力があります。 さて話には関係ありませんが、アンノーンだなんてなつかしい響きですな〜。全種類捕まえようと奮闘した日々を思い出します。 それではこれからも是非続きのほうがんばってください。陰ながら応援しているヒカルでした。
「ほわぁお!!??」大量のアンノーン達は、一斉にソラ達に攻撃を始めた。「ちょっちょちょちょちょっと待ってよ〜!!何がなんだが分かんない…」すると、ダーウィンが怒鳴った。「もたもたしている暇があるのか!!ハイドロポンプ!!!」ダーウィンが放ったハイドロポンプが、アンノーンの群れの中に突っ込んだ。そして、30匹ほどのアンノーンが、地面に落ちた。「そうだね…」カチッ…パァァァ…ソラは、ペンダントに水晶をはめ、ブースターになり、火炎放射をアンノーンの群れの中に打ち込んだ。アイアンテールでアンノーン達をなぎ倒すアルン。毒毒で相手を弱らせてから、まとめて雷を落とすアルト。草笛で相手を眠らせるリーブ。ソニックブームで次々に相手を落とすティマ。そうして、アンノーン達を倒して行き、残るはSのアンノーンだけになった。「ふぅん!俺のアンノーン達を全滅させるなんて、お前等、中々だな!!」「ねぇ、あんたは誰なの…?なんで私達を攻撃して来たの?」「へへん、俺? 俺はねー… サノン! サノンって言うんだ!」「サノン…?」「俺は、ボスの命令でお前を捕まえに来たんだよ。俺達…“ダーククリスタル”の野望のためにな!!!」「「「「「ダーククリスタル!?」」」」」「ダーククリスタル…?どっかで聞いたような…」アルンがまた考えだした。「とりあえず、アンタ達の好きにさせない!!」ソラは、水晶を外してイーブイに戻ると、シャドーボールを打った。しかし、サノンはそれをひらりとかわし、高い所へ飛んでいった。「ニャハハハ! こっこまでおいでー!」「待て〜っ卑怯だぞ〜!!」「やーい届かないだろう! 当たり前だよな。 だって俺、浮いてんだぜ?!」「くっ…」リーブが歯を噛みしめた。「なら…特殊技で攻撃すればいい!」ソラが、もう一回シャドーボールを打った。油断していたサノンは、真正面から攻撃を受けた。そして、爆発して、煙が上がった。煙が晴れると、サノンはまだ浮いていた。そして、今の攻撃でキレたのか、こう言った。「―― 今、俺に攻撃したな…? ソラ? フルボッコにしてやんよ」
「何が来る…?」ダーウィンが身構えた。サノンの目が光ったかと思うと、光る玉を何個も発射した。その先にいたのは…―ソラ。「キャァァァァ!!!」「ソラ!!」ソラは、光る玉を真正面から受けた。「今のは…目覚めるパワー!?」「当ったりー!格闘タイプ付きでお見舞いしてやったぜ!!」「目覚めるパワーは、使うポケモンによってタイプが変わる技…。アイツが使う技は、格闘タイプだったんだ。そして、格闘タイプは、ノーマルタイプのソラにとって効果抜群…」アルトが言った。「その通り。分かってんじゃねぇか、赤い瞳のピカチュウさん?」「えっ!?」ダーウィンが驚いて、アルトを見た。「赤い瞳…?」「そうだ」「俺を攻撃した罰だ。まず、ソラから倒してやるよ!」そして、またソラに向けて目覚めるパワーを打とうとした時―「リーフブレード!!!」「っ」リーブが、高くジャンプして、リーフブレードを繰り出していた。「リーブ…!」「私の妹に手を出すのなら、この私が許さない!」「っち、生意気だな!」とっリーブは華麗に地面に着地した。そして、今度は静かにこう言った。「妹だけじゃない。仲間に手を加える奴には…草の制裁を」そう言って、葉っぱカッターを繰り出した。「あわわわわ…リーブかキレたぁ…」「リーブが怒ると、大変な事になるからな…」「そうだね。3年くらい前に、アルトなんかボッコボコにされたよね」「そうなのか?」「ちっ…目標変更だ。まず、このリーフィアを撃破するぜ!」「やれるもんならやってみなさい!!」すると、リーブの体が光り始めた。「とっておきよ!覚悟はいい!?ギガインパクト!」そして、リーブがサノンに向けて突進しようとした。が、その時。【お〜い、サァノンくぅ〜ん!】「!!」「何!?」「声…どこから?」「なんでしょうか、 様」名前の所が、上手く聞き取れなかった。【サノン君、そろそろ限界っぽいから、早く帰って来てよ!!】「し、しかし 様、俺はまだ戦えます」【ボスの命令が聞けないの?プンプン!】「わ…わかりました」【あぁ、それと君達】「!!」『君達』とは、ソラ達の事を指していた。【ここから東に歩いたところに、おっきな湖があるよ!君達の探し物は、そこで見付かるよ!】「…え?」【これだけヒント。じゃあね〜!】ブツッ「…何?今の」「さぁ…」「あぁ!!」「どしたの?アルト」「あのサノンとかいう奴がいねぇ!!」「あ!ホントだ、いつの間に」「まぁいいじゃん。一回休もう」「うん!」
ソラ達は、しばらく洞窟で休んでいた。そして、流れ続ける沈黙の中、ダーウィンが口を開いた。「一つ聞きたい事があるのだが…」「え?何?」「ソラがブースターに進化したり退化したりしているのだが、これはどういう事なんだ?」「それはアタシの能力!アタシは、このペンダントに赤い水晶をはめると、ブースターに進化するの。そして、水晶を取ると、アタシは退化するの」「その水晶は、ルビーでは無いのか?」「うん。ていうかアルンの詳しい説明聞いてた?」「…」どうやら、図星らしい。ダーウィンは、本当にマイペースなポケモンだ。「…で、あの時サノンからした無線らしき声、なんなんだろう?」「うん、確か…」“ここから東に歩いたところに、おっきな湖があるよ!君達の探し物は、そこで見付かるよ!”「ここから東に歩いたところ…?」「そこに、大きな湖がある?」「君達の探し物…つまり、僕達の探し物の、水晶だね」「何色の水晶だろ…?」「まぁ、ここで詰まっていても仕方が無い。早くその水晶とやらを見つけに行こう」「うん!」そういって、ソラが洞窟から出ようとした時… グキュルルルルルルル...「あ…」ソラの腹の虫が鳴きだした。「…今日じゃなくて、明日にしよっか」「そだね」「じゃ、食べ物探しにこうよ」「わーい!」今日はここで野宿が決定した。…っていうか、旅先ほとんど野宿だが。
ふ〜…食った食った〜v」そこには、ゴウゴウ燃える焚き火と、木の実の残骸が散らばっている場所(元は木の実がどっさりあった)と、アルト・ティマ・リーブ・ダーウィンと、腹がまんまるにふくれたソラがいた。「…ソラ、食べすぎ」「大丈夫だ。明日には戻っているぞ」「そうそう!前もソラが食料たらふく食って、腹がすごい事になってたけど、3時間くらいで戻ってたじゃない!」「そうそう。よくある漫画のパターンだね」「…って、ソラ寝てるぞ?」「ミルタンクになっちまうな」「あははははは!!!」ずいぶんのん気な一行。だが、まさか木の陰に隠れて目を光らせていたアンノーンには、気づくわけないだろう― 翌 日 。ムックルやポッポの鳴き声をBGMに、ソラ達は湖への道を歩いていた。当然のごとく、ソラの腹は元に戻っていた。「…まだ着かないの?」「ダーククリスタル、いないね」「昨日急に消えてしまったからな」「なんか…罠っぽい」「そう?」「あっなんか見えてきたぞ!」目の前に広がったのは、清らかな水がはった大きな湖だった。「湖だ!」「ここかな?あの時の声が言ってた湖」「あっ見て!」湖の真ん中に、小さな島のような物が浮いていた。そこに、キラリと青く輝く小さな丸い物があった。「二つ目の水晶!?」「待て!まだ確証は無いぞ!」「でも…」すると、ソラの二メートル横で、小さな爆発が起こった。「!!」「待っていたぜ…ソラ!」「あ、あんたは…」「そう、ダーククリスタル下っ端・サノン様、再びさ〜んじょ〜♪」
「サノン!!」「そうだ。また遊びに来てやったぜ〜♪」そう言って、サノンの背後で、沢山のアンノーンが浮かび上がる。「全員で“目覚めるパワー”!!」すると、アンノーン全員の目が赤く光った。次の瞬間、目覚めるパワーの雨が、ソラ達を襲った。「うわぁっ」「キャァァァ!!」悲鳴が上がる。「ハハハハハハ!昨日の仕返しだ!!」「ぐっ・・・このっ!!」すると、次の瞬間目覚めるパワーの雨が止んだ。そして、大量の水がダーウィンに降りかかってきた。「わっ冷たっ」ソラが顔を上げると、ダーウィンが立っていた。すると、ダーウィンは怒鳴った。「まだソラ達の邪魔をするのか!!」「るっせーよ。お前には関係ねーよーだ」「・・・さっきの水は、ダーウィンの・・・?」アルンが呟いた。次に、ダーウィンはバブル光線を繰り出した。サノンは、軽々と避けた。いつの間にか、アンノーンの群れは消えていた。「お前らが行ってた通り、あそこの小島にある物は、青い水晶だよ!!!」そういうと、サノンは青い水晶の方へ飛んでいった。「大変!取られちゃう!」リーブが叫んだ。すると、ダーウィンが走って湖に飛び込んだ。「ダーウィン!!」ダーウィンは、湖に潜って泳いでいった。そして、青い水晶のある小島に辿りついた。「もーらいっ」すると、サノンが先に青い水晶を取った。青い水晶の周りは、目覚めるパワーが渦巻いている。「ニャハハ!もう水晶はもらったぜ・・・!?」突然、サノンに向って十万ボルトが飛んできた。不意をつかれたサノンは、十万ボルトを受けた。その衝撃で、水晶の周りの目覚めるパワーが消え、「コトン」と音を立てて、小島に落ちた。ダーウィンは、青い水晶をくちばしに咥えると、再び湖に潜っていった。「アルトナイス!!」さっきの十万ボルトは、アルトが出したものだった。ソラは、アルトに向ってガッツポーズをとった。「え・・・?あ、ちょ、えっと・・・」アルトは顔を赤くして照れた。「ソラ!」ダーウィンが湖から上がり、水晶をソラに渡した。「センキュー、ダーウィン!」「・・・もう怒ったぞ」「!」ソラ達の振り向いた先には、怒ったサノンがいた。「その水晶は、力ずくでも敵に入れて見せる・・・!」そう言ったサノンの背後には、再び大量のアンノーンが浮いていた。「ソラ・・・」「・・・うん、大丈夫!」ソラは、青い水晶をペンダントにはめ込んだ。と、次の瞬間、青い光がソラを包み込んだ。「っ!!」周りの者は、眩しくてソラから目を背けた。ソラの目が、海のような青に変わった。そして、青い光がさっきよりまして光った。「・・・!」そして、ソラは首の周りに鰭があり、魚のような尻尾を持つ青いポケモン・・・シャワーズになっていた。
「ソラ!!」「今度はシャワーズになったのね!!」仲間が喜び、ソラに群がる。特にリーブは抱きついたくらいだ。。「ちょっぐっ・・・リーブ重いよ〜」「あ〜ごめんごめん!!」すると、急に目覚めるパワーが飛んでくる。慌てて避けたら、アンノーンの集団が攻撃していたのだ。「やべっあいつらの事忘れてた!」「じゃぁ、行こうか。でも、気が進まないなぁ〜」ティマがちょっと困ったように言った。そして、一同はアンノーンの群れに攻撃を始めた。―数分後、ついにサノンだけになった。「ってオイ!戦闘シーン飛ばすなよ!」「仕方ないよ、駄目作者が『めんどくさい』ってほざいて・・・」作者「ギクッ」「それじゃぁサノン!覚悟しなさいよ!」「っくそ〜!!」そういってサノンは目覚めるパワーをソラに当てる。しかし、ソラは平気で立っていた。「それじゃぁダーウィン、いっくよ〜!!」「言われなくても解っている」そして、二人は同時にハイドロポンプを繰り出し、サノンに直撃させた。「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!!」サノンは叫び声を上げた。そして、爆発した。その後、煙が晴れた。そこには、ボロボロになりながらもかろうじて浮いているサノンが居た。「くっ・・・今日の所は負けにしといてやるぜ・・・。しかし、今度会ったときは・・・。ソラ、俺は必ずお前を倒す!」「何度来たって、負けないんだから!!」ソラがそういうと、サノンはフッと消えた。「・・・また、消えちゃった」イーブイに戻ったソラが、ぽつりと呟いた。するといきなり、「ありがとうございます救世主様〜!!!!!!」バグオング並みのビックヴォイスが聞こえ、一同は飛び上がった。「何!?」ソラ達が振り向くと、そこには沢山の水ポケモンだった。そこから、リーダーらしきヌオーが前に出た。「ありがとうございます、救世主様。おかげで水晶の封印が消え、私達は自由になれました!」「・・・は?」ソラ達にはちんぷんかんぷんだった。「私達は前まで、湖の外にでて自由に暮らしていました。しかし、急に青い水晶が目の前に現れました。すると突然、私たちは、強制的に湖の中に引き戻されます。湖の外に出ようとしても、水面が氷のように硬くなり、湖から一歩も外に出られなくなってしまいました」「ふぅん・・・」やっと、ソラ達も理解した。「しかぁし!!」 ビクッまたビックヴォイスが来て、ソラ達はびっくりした。「その時の水晶の呪いは、外部から湖に飛び込んだ場合、普通に泳げるようになります」「あ、だからあの時、ダーウィンは泳げたんだ」「その通りでございます。そして!そこのエンペルト様が青い水晶を取ってくれたのです!」そういって、ヌオーはダーウィンを指差した。「え・・・私か?」「そうだよ!あの時ダーウィン、水晶を取ってくれたじゃん」「ああ・・・あれか」「おかげで、エンペルト様の・・・」「ダーウィンだ」「ああ、これは失礼をば。あらためて、ダーウィン様のおかげで、私達は自由になれたのです!!!まさしく、ダーウィン様は私他の救世主!!」そういって、水ポケモン達は一斉に、ダーウィンに拍手した。そして、ヌオーが続けた。「ダーウィン様、どうか私達のために、この湖に残ってくれないでしょうか?」「え!?」ダーウィンは行き成りの言葉に驚いた。「ダーウィン・・・」アルンが心配そうにダーウィンを見つめる。「お願いします!どうか私達のために・・・よろしくおねがいします!」ポケモン達は一斉に頭を下げた。その様子を、ダーウィンはしばらく見つめていた。すると、突然つぶやいた。「♂のエンペルトが皇帝なら、私は女帝か・・・」ダーウィンは、ヌオーの前に行った。そして振り返ると、こう言った。「ソラ、アルン、アルト、リーブ、ティマ。悪いけど、ここでお別れだ。でも、お前達をした旅、楽しかった」すると、ソラも大声でいった。「うん!ダーウィン、元気で居てね!!」すると、ダーウィンは少し笑うと、水ポケモン達と一緒に、湖に潜っていった。+ + +翌日―「な〜んか突然の別れだったね」「ダーウィンと会ったのが、昔のように思えるぜ」「そうだね」歩きながら、ソラはケースを開けた。そこには、赤い水晶の横に、青い水晶がはめ込まれていた。ソラは、ケースを閉じると、大声で叫んだ。「さ〜て、次も頑張るぞ〜!!!」「わっ」「なんだよソラ、行き成り大声だすな!!」「ドンマイ☆」こうして、ソラ達の旅は、まだまだ続く・・・(第二章 完結)
ある時、ソラ達は、変な村にたどり付く。そこは、塔でいっぱいの村だった。そこで聞いた村人の話では―「この村は、毎日のように雷が落ちるんです」どうやら、雷避けに塔を立てているらしい。しかし、“毎日”とはすごいおかしい。これは水晶の影響なのか?そして、またもや“ダーククリスタル”が―!!第三章『塔の村の黄の水晶』スタート!!
「つっ・・・着いたぁぁぁ」「やっと〜!!」「長かったぜ〜!!」ダーウィンとの別れから二日後。一向は、ある村に辿り着いた。「早速入ってみよ〜!」「そうだね。どこかに宿もあるかもしれないから、そこに泊まろうか」「賛成だ〜!」ソラとアルトは、長旅で疲れたのか、雄叫びを上げた。そして、いざ、村の中へ入ってみた。「・・・あれ?」ソラ達は、頭にクエスチョンを浮かべた。―当たり前だ。村中、塔だらけだったのだから。「なんでこんなに塔があるの!?」「雷でも落ちるのかな?」ティマの言葉は、そのまま現実になった。 ゴロゴロゴロ・・・ ピ カ ッ「うぎゃ〜っ」突然の出来事に、一向は叫び声を上げた。無理も無い。ソラ達の近くにあった塔に、雷が落ちたのだから。「あ、あう・・・」「びっくりした〜」その直後。ゴロゴロ・・・ ピ カ ッ本日二回目。「うぎゃ〜っっ!!!」今度は、さっきとは別の塔に、雷が落ちた。全員、腰を抜かした。「あうあう・・・」「あ、危なっかしいよ、この村・・・」すると、声がした。「そこの旅人さ〜ん、大丈夫ぅ〜?」「!」声をした方を振り向くと、そこには一匹のプリンがいた。右耳には、白いリボンがついている。「は、はい・・・大丈夫です」ティマが答える。「ここはねぇ、よく雷落ちるから、気をつけた方がいいよ〜?あたしもこの村新入りだけど〜」「そ・・・そうなのか」アルトは少し怯えているよう。ていうか君電気タイプだよね。電気タイプだったよね。「あたしぷるん! 宜しくねぇ!」急に自己紹介されたので、一向も慌てて自己紹介をした。「アタシソラ!」「アルン=シルだよ」「アルト=スレイジュだ」「リーブ=リカルスティアよ!」「ティマ=シーディア。ティマでいいよ」「そう・・・みんな宜しくねぇ!!」ぷるんは、満面の笑顔で返した。
「とりあえず、ある人にこの村を説明してもらわないと・・・」「ある人?」「いいから行くよっ」「うわわわわっ」一向はぷるんに強制的に連行されていった。「・・・あ、いたいたっ!!おーいっ」ぷるんがビックヴォイスで叫んだ。「あら、ぷるんさん〜!!」向こうから、誰か走ってきた。それは、パチリスだった。耳に、若干ピンク色がかかっている。「紹介するよっ!この村一番の私立探偵、ミラノ=エントレシアさんでっす!!」「どうも、はじめまして」ミラノは、ペコリとお辞儀をした。「ん・・・?エントレシア?」「どうしたの?アルン」「いや、ちょっと・・・どっかで聞いたことのある名前だって思って・・・・」すると、ミラノはギクリとした仕草をした。「それじゃ、後はミラノさんに説明してもらって!じゃぁね〜」そういうと、ぷるんは走り去っていった。「・・・とりあえず、まずは私の家に来て下さい」「あ、はい・・・」ソラ達一行は、されるがままに連れて行かれた。
ソラ達が連れてこられたのは、豪邸な屋敷だった。そして、その中の一室だ。壁はローズ色で、床もローズ色。そして、茶色のじゅうたんがしいてある。そして、テーブルはガラスだ。ソファはもふもふしている。「では、この村の説明をします」「はい・・・」「この村は、元々雷なんか落ちない、平和な村でした。まだ、立っている塔は一本だけでした。だけど・・・」「ある時、急に塔のてっぺんが、黄色く光ったのです」「!」アルンが、ソラに目で話した。(ソラ!これって・・・)(うん!三つ目の水晶だよ)「どうかしました?」「あ、いえ、なんとも・・・」「そうですか。では、話を再開します。光った後、急に雷が落ちて、一人の村人に当たってしまったのです。あいにく、その村人は水タイプ。重傷で病院に運ばれました。それからなんです。雷は、毎日のように落ち続けています。だから、私達は、避雷針の役目の、塔を何本も建てました」「へぇ・・・」5人、納得。「ここには、電気タイプは私の一族しかいません。いるとしたら、あの人・・・」「え?あの人?」しまったと言わんばかりに、ミラノは口に手を当てた。「・・・仕方ないです。貴方達だけに話します。あの人とは、私の幼馴染なんです。私とあの人は、お互い愛し合っていて、いつか結婚しようと、約束を交わしていた仲でした。でも・・・」「え?」「父上と母上は、私達の許婚を認めませんでした。それどころか、私を、全然別の人と結婚させようとしているのです。しかも、あの人は、急にどこかへ旅立ってしまいました。私に『さよなら』の一言も言わずに・・・」「・・・そっか。悲しい話だね・・・」リーブに至っては、涙ぐんでいる。「・・・アルンさん」「はっはい!?」「あなたはさっき、『エントレシア』という名前をどっかで聞いたことがあると、仰っいましたね」「はい、そうだけど・・・」「私は、名門の資産家エントレシアの令嬢、ミラノ=エントレシアです」ティマとミラノ以外全員が、紅茶を吹いた。
「ゲホッゲェホッ」「れ、令嬢!?」ソラの背中をさすりながら、リーブが叫んだ。「はい、令嬢でございます」「初耳だよ!ていうか令嬢の家の床に紅茶吹いちゃったけどいいの!?」「結構でございます」「いいのかよ・・・」アルトがボソッと突っ込んだ。その時― カッ外が光った。「!?」「雷!?」「いいえ!雷は普通、こんなにはっきりとした黄色い光は出しません!」「ってことは・・・」すると、また外が光った。「一番大きい塔だ!」「あの塔は、この村に最初からあった物・・・」「いってみよう!」「うん!」+ + + ダダダダダダダ・・・キキーっソラ達は、一番大きな塔の前まで走って、急ブレーキをかけた。その入り口に、ぷるんがうずくまっていた。「ぷるん!」「どうしたんです!?」「みんな・・・!あたし、塔が急に光ったから、駆けつけて中に入ろうとしたの。でも・・・!」そうして、ぷるんは入り口に手を差し伸べた。 バチィッすると、入り口は手を拒否するかのように、手に火花を走らせ、跳ね返した。「このように、中に入れないの」「そんな・・・!」「・・・原因はただ一つです」「ミラノ・・・」「ある悪いやつらが、塔の中にある“何か”に触れたからに間違いありません!」「!!」「やっぱり、水晶の能力だ!」「え?水晶!?」「説明は後でする!ソラ!」「うん!」今度は、ソラが中に入ろうとしたが、さっきのように、ソラを跳ね返した。「くっ・・・まるで、結界が張られてるみたい!」「結界・・・」ぷるんは、何気なくソラを見た。すると、ソラの首に下げてある、水晶のペンダントを見つけた。ぷるんは、はっとして、結界を見て、もう一度ペンダントを見た。「ソラ!」「何!?」「そのペンダントだよ!」「え!?」「そのペンダントを結界にかざしてみて!なにか起こるかも!」「・・・わかった」そういって、ソラはペンダントを片手で持って、結界に近づけてみた。すると、ペンダントの水晶が白く光った。そして、結界も白く光る。ソラは、ペンダントを結界に触れさせた。すると、急にペンダントの水晶が黄色に光った。 バシュンッ結界は、弾けるようにして破れた。そして、ペンダントの水晶も元に戻った。「結界が・・・破れた」「早く中に入ってみよう!」「そうだね」そういって、ソラの旅のメンバー、+ミラノ・ぷるんは、塔の中に潜入した。
ダダダダダダダ7匹は、階段を無我夢中で駆け上がっていた。上に行くたびに、ロケットペンダントの輝きが増していく。最上界につくと、全員荒い息をしていた。ペンダントは、とてつもない輝きを放っていた。「ご・・・ごごがざいじゅうがい?」「そうです」「疲れたぁ・・・」「っていっても、どこにも扉はないけど?」「おかしいです。いつもはこの先に大きなホールがあるのに・・・」「ただ、硬い壁があるだけだね」「どうしよう・・・」すると、ペンダントの光が集まっていき、一本の筋となった。「え・・・?」光の筋は、目の前にある壁に向って伸びていった。そして、目の前の壁を貫いた。「これって!?」「この先に水晶があるって事・・・なのかな?」「でも、ビクともしないよぉ・・・」「・・・一斉に攻撃をしてみよう!」「その手があったか!」「それじゃ、みんな攻撃準備、開始ーっ」そうして、ソラはペンダントに赤い水晶をはめ、ブースターとなった。他のみんなも、攻撃の準備をした。「いい?いくよ?3・・・」「2・・・」「1・・・」「たぁーっ!!」壁に、火炎放射、十万ボルト、ハイパーボイス、ソーラービーム、ソニックブーム、水の波動、そして放電が当たり、爆発した。すると、壁はボロボロと崩れ、残骸は消え去った。「やった!崩れた!」「案外あっけねぇな」「仕方ありませんよ。またまた作者が『めんどくさい』って・・・」「駄目作者の野朗〜〜〜〜〜!!!」「あら、早速敵さんのおでましね」「!」目の前には、一匹のクチートがいた。その後ろには、丸い黄色に輝く水晶があった。「黄色い水晶!」「あんたは!!」「また、あのダーククリスタル!?」「そうよ。あたしはコメット。ダーククリスタルよ。でも、まだ下っ端だけど」「コメット・・・。あんたが塔の入り口に結界を張ったの!?」「あら、あたしじゃないわよ。ただ、この黄色い水晶に触れたら、この周りが黄色く光って、入り口に勝手に結界が張られたの。しかも、水晶に触れたら、防御結界が張られたようにあたしの手を跳ね返すし・・・」「この村に毎日雷が落ちる。しかも、塔の入り口には結界・・・それは全部、黄色い水晶の能力だったんだ!」「とにかく、あんた達の玩具になるまえに、この水晶を凛様の所にお届けするわ・・・。この凛様の水晶に、あんた達には指一本触れさせない!!」「それはこっちの台詞っ!!みんなっ!!」「うん!」「おー!!」こうして、ソラ・アルン・アルト・リーブ・ティマ・ぷるん・ミラノvsコメットの戦いが始まった。
「シャドーボール!!」ソラは、シャドーボールを繰り出した。それを、コメットはひらりとかわした。「!!そんな・・・」「リーフブレード!!」今度は、リーブのリーフブレード。「アイアンテール」すると、コメットは鉄のように硬く光った角で、リーフブレードをガードした。そして、リーフブレードとアイアンテールは、そのままがっちり組み合った。「♪」コメットは、余裕の表情で笑っていた。≪コメット、笑ってる・・・?≫その時だった。 ガチンッリーフブレードとアイアンテールの組み合いが崩れたかと思うと、アイアンテールはリーブの腹を直撃した。「あうっ」「リーブ!!」すると、コメットはにやりと笑った。「抵抗をする子には、お仕置きね」「!!」「お仕置き!!」コメットは、角を黒く光らせ、それをリーブの腹に直撃させた。「きゃぁぁ!!」リーブは吹っ飛ばされて、ソラの前で倒れた。「リーブ!!」どうやら、腹は急所だったようだ。すると、今度はティマが飛び出した。「水鉄砲!!」水鉄砲は、コメットに直撃した。「ぐっ・・・」コメットは、一瞬苦しそうな表情を浮かべた。・・・が。「な〜んちゃって♪」「え!?」コメットは、水鉄砲を跳ね返した。それが、ティマに直撃した。「うわぁぁぁ!!!」「ティマ!!」この様子を、ミラノは我慢出来なくて叫んだ。「あなたは、何を企んでポケモンを傷つけるのですか!?」すると、コメットはミラノをにらみつけた。「あんたには関係ないけど、あたし達は凛様の為に、水晶を奪うのよ・・・そして、そこのイーブイを連れて帰るの・・・そうすれば、世界は凛様やあたし達の物になる・・・!!」「そんな事、やってもいいと思ってるのですか!?この世界は、あなた達の思い通りにはなりません!!ここは・・・みんなの世界です!!」「五月蝿いわね!たかがパチリスの癖に!!ラスターカノン!!」そういって、コメットはミラノに向ってラスターカノンを繰り出した。ラスターカノンは、どんどんミラノにむかってくる。「・・・っっ」「ミラノ!!」すると、ミラノの前に、黄色い影が立ち塞がった。そのまま、ラスターカノンは爆発した。ミラノは、しばらく目を瞑っていたが、全然痛みを感じない。そっと目を開けると、ミラノは驚いた。それは、青い瞳をしたピカチュウだった。「久しぶり、ミラノ」「・・・く、クレル・・・ちゃん・・・?」
「久しぶり、ミラノ」「・・・く、クレル・・・ちゃん・・・?」「ま、まさか・・・」そして、クレルちゃんと呼ばれた青い瞳のピカチュウは、こっちを向いた。「はじめましてだね。僕は、クレイル=テナート。ミラノの幼馴染だよ」「ま、まさか、ミラノがいってた、約束を交わした仲って・・・」「そう、僕だよ」「久しぶりです、クレルちゃん・・・」「だっだから、クレルちゃんって呼ぶなよ!僕の名前はクレイルだ!」「ふふふ・・・いいじゃないですか」「よくないよ!」その光景を、ソラ達は笑いながら見ていた。すると、ソラ達の横で、ラスターカノンがかすった。「っ!」「もう・・・許せないわ」「コメット・・・」「何がなんだか知らないけど、一人増えたって同じよ!全員、ここでぶっつぶしてやるわ!おしおき!」そういって、コメットはクレイルに向って、お仕置きをした。しかし、クレイルは攻撃をかわした。「アイアンテール!」クレイルのアイアンテールが直撃した。「あああ!!!!」コメットは叫び声をあげた。「アルト君」「ああ」そういって、二人は技をあわせた。「「十万ボルト!!!」」W十万ボルトは、コメットに直撃した。コメットは、痺れて動けなくなった。「うぐっ・・・」「ソラ、今のうち!」「うん!」ソラは、水晶を外してイーブイに戻ると、黄色い水晶の元へ猛ダッシュした。そして、水晶へ手を伸ばした。すると、水晶の周りを囲んでいた結界は、消えた。そして、ソラは水晶を掴んだ。「待てぇぇぇ!!!」痺れから開放されたコメットは、ソラの元へダッシュした。すると、それをリーブとアルン、ティマが足止めした。「ソラ!!」「うん!」 カチリソラは黄色い水晶をペンダントにはめた。すると、周りが黄色の光に包まれた。ソラの体が、黄色に光り、瞳の色も雷のような黄色へと変化した。 パァァァァァァっ光の強さが増し、そして、光が弾けるように消えた。そして、ソラは・・・とがった黄色と白の毛をもち、首の毛がなくなった体を持つ、サンダースとなっていた。
「何…何が起こったの…?」コメットは戸惑っている。「やったねソラ!」「うん!」「今度はサンダース…電気タイプね!」「コメット! 今度こそ負けないよ!」「ふん! まだそんな負け惜しみを言うの…? 姿形が変わったって、全員ぶっ倒してやるわ!」そういって、コメットはラスターカノンを打ってきた。しかし、それをソラは軽がる避ける。「十万ボルト!!」ソラの十万ボルトは、コメットに直撃した。「くっ・・・う・・・お仕置き!」今度はお仕置きがソラに直撃した。「きゃっ」「ソラさん、加勢します!」「うん!」「十万ボルト!」「放電!」二つの技は重なり合うと、コメットに直撃した。「きゃぁぁぁぁぁ!!!」ものすごい悲鳴をあげるコメット。しかし、まだ観念していないのか、負けじとラスターカノンを打つ。二人は、素早さを生かして、ラスターカノンをかわした。しかし、かわした後ラスターカノンが飛んでいった先にいたのは、アルトとクレイル・・・「あ」「ヤバイ!他のポケモンの事忘れてた!」すると、アルトはにやけた。「心配御無用だぜぇぇぇ!!!! 十万ボルトぉぉぉぉ!!!」そういって、アルトとクレイルは一斉に電撃を放つ。ラスターカノンは、十万ボルトの威力に押されて、消滅した。「今目の前でありえない事が起こったけど大丈夫だよね?」「運営スレで苦情がくると思う」そういうのは裏で言って下さい。「くっ・・・まだまだ! まだなのよ!」コメットは叫ぶ。すると、目の前には、ソラ、アルト、クレイル、ミラノの電気軍が立ちはだかった。「いい加減に・・・」「観念しやがれコノヤロぉぉぉぉぉぉ!!!」そのアルトの発言を合図に、四人は一斉に電撃を放った。そして、電撃は気持ちがいいほど簡単に、コメットに直撃した。「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」コメットは悲鳴を上げた。そして、しばらく動かなかった。すると―・・・【はぁい終〜了!】「えっ・・・また!?」また、どこからか声がした。【コメットちゃんも、今回頑張ったからもう戻って大丈夫だよぉ〜】「しっしかしボス・・・アイツらから水晶は奪わなくて大丈夫なのですか!?」【大丈夫大丈夫〜! また別の奴に奪わせるから〜。ひとまずコメットは戻ってねぇ〜】「か・・・かしこまりました・・・」【あ、そうそう・・・ソラとかいったっけ?】「えっ・・・」【また邪魔したら、そろそろ私も怒っちゃうなぁ〜。次変な事したら、こっちも幹部の鳥籠の蓋をあけるからね?】「・・・こっちだって、何度来たって負けないよ!」【クスクス・・・楽しみにしているよ】すると、次の瞬間、コメットは消えていた。
「きっ消えた…?」「ダーククリスタル…また逃げやがったな…」アルトは不機嫌な様子。「まぁいいじゃん♪水晶も無事手に入れたし」「そうだな」ソラは、水晶を外してイーブイに戻った。そして、ケースを開けると、青い水晶の隣の窪みに、黄色の水晶を押し込んだ。「とにかく、一旦戻りましょうか」「うん」そう言って、ソラ達は塔の階段を駆け下りていった。まず、最初にミラノが塔の外に出た。それから、クレイル、アルト、アルン、ティマ、リーブ、ぷるんが順々に外に出た。そして、ソラが外に出ると― ―ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ「うわっ…地響き…!?」すると、ソラ達が出てきた塔が、黄色い輝きを放った。「わわわ…」「みんな、一回避難しよう!」ティマの合図で、全員は一回塔から離れた。塔の黄色い輝きは、他の避雷針の役目をしている塔を照らした。次の瞬間、避雷針の塔達は、黄色に光る粒子を上げながら、消えていった。そして、その粒子は、空へと舞い上がっていった。「…塔が…消えた…」「もう、雷は無くなったんだね」「やっぱり、雷は水晶の仕業だったんだね」「ふん、人騒がせな水晶だぜ」6匹がそんな会話をしているうちに、ミラノとクレイルは、そっと場を離れて、どこかへ行った。それに気づいたぷるんとアルンは、二匹に気づかれないように、そっと後をつけていった。お久しぶりです&新年あけましておめでとうございます(遅い新年最初の更新でございます。
ミラノとクレイルは、みんなから話を聞かれないように、林へ行った。アルンとぷるんは、そばにあった一番大きな木の後ろに隠れた。「…クレル、ちゃん」「だから、クレルちゃんはよせってんだ! いい加減普通の名前で呼べ!」「ごめんなさいですぅ。でも、守る気全然しないのですぅ」クレイルは、溜息をついた。「…クレルちゃん、どうして…どうして、挨拶もせずに、行ってしまったのですか?」「…お前は、幼い頃に、結婚しようと約束したのを覚えているか?」“クレルちゃんクレルちゃん! 私、クレルちゃんの事、だぁい好き!”“僕も、ミラノの事、大好きだよ!”“私、大きくなったら、クレルちゃんと結婚するの! してくれるよね?”“勿論だ! 大きくなったら、結婚しよう!”“うん、約束!” 約束― やくそく― ヤクソク―ミラノの脳裏に、幼い頃の記憶が蘇った。「勿論、覚えています」「よかった。でも僕、ミラノは別のポケモンの事と婚約する事…俺、知ってたんだ」「えっ…」「僕は思った。今の僕じゃだめなのか? 今の、弱いままの自分じゃだめなのか? …そう思って、僕は旅にでたんだ。お前と結婚できる、強いポケモンになるために―」ミラノの澄んだ瞳から、涙があふれた。「ミラノ。もう一度言うよ」「ク、レル…ちゃん…」「ミラノ、こんな僕でいいなら―」ミラノの視界が、涙でぼやける。「―結婚して下さい」ミラノは、涙をぬぐうと、満面の笑顔でこう答えた。「勿論ですよ! “クレイル”」すると、どこからかミラノのデンリュウがやって来て、ミラノにこう伝えた。「ミラノお嬢さま! さっき、お嬢さまの婚約者のエレキッド様から連絡がありまして、別の方と婚約する事になり、お嬢さまとの婚約は取り消しという事です」ミラノとクレイルは、驚いたように顔を見合わせた。デンリュウは、クレイルに気づくと、「はて? あなたは、クレイル様…」「あっえっと、お久しぶりです。じっ実は僕…」「わかっていますよ」「…え?」すると、デンリュウは、にっこりして、こう言った。「きゅうきょ、ご主人様に伝えておきます」ミラノとクレイルは、また顔を見合わせると、満面の笑顔で笑った。アルンとぷるんも顔を見合わせると、フフッと笑った。+ + +「お世話になりました!」「いえいえ、気をつけて行くんですよ」「クレイルさんとミラノさん、お幸せに」一同は、村の門の前にいた。「結婚式には出席できないけど…おめでとうございます」「ありがとう」クレイルは、優しく返事をした。「ソラ達、水晶集め頑張ってね!」「うん! ぷるんも元気でね!」すると、アルトとクレイルは偶然目があった。「あっ…」「アルト君、それじゃぁね」「は、ハイっ!」「それでは、お元気で〜!」「じゃぁね〜!」こうして、ソラ達は別れていった。しかし、アルンは少し疑問を感じていた。―何故ぷるんは、ソラのペンダントで結界をとくことが出来るのが分かったのか?謎に包まれたぷるん。そんなぷるんとソラ達は、またどこかで会いそうな予感―?(第三章 完結)
5人は、モノクロ村へ来た。そこには、おんぼろの大きな屋敷があった。とりあえず、村人に尋ねて宿を取り、5人は村の中を探検する事に。さっきのおんぼろ屋敷はなんなのかと、村人にたずねると―「あぁ、あれ?あれは幽霊屋敷だよ?」…はい?第四章 幽霊屋敷の黒の水晶、スタート!
「つ、ついたぁ〜」「ぜぇ…ここが…」「モノクロ村…?」一向は、ある村の入り口で仁王立ちしていた。“モノクロ村”看板には、そう書かれている。一向は、モノクロ村に辿り着いた。実は、セピア村を出る前に、メリー村長からこう言われていたのである。〜回想〜「とりあえず、まずはモノクロ村を目指すのじゃ」「モノクロ…村…?」「そう、モノクロ村。セピア村と同じく、地図に乗っていない」「ええっそんなぁ! そしたら、どの方向へ行けばいいのか分からないじゃない!」「大丈夫じゃ。ここから東へ行けば、着く」そういって、メリー村長は、東の方向を指差した。「お、大雑把な説明…」「そして、モノクロ村についたら、サーナイトの女性がいる」「サーナイ…ト…?」「そうじゃ。名はキオンと言う。キオンとわしは、昔から同じ博士仲間として仲がよかったのう…。簡単に言えば、友達だったのう」(友達にしては年齢の差ありすぎだろ!)一向は直に思ったが、自分の身のために言わないことにした。「では、話を続ける。キオンに会ったら、次の目的地を教えてもらうのじゃ。あ、そうそう、キオンに、これを渡して欲しいのじゃ」そういって、メリーは中サイズの箱を渡した。「? これは?」「秘密じゃ。中身をみたら―…どうなるか分かっているのう?」そう言って、メリーは眼鏡をキラリと光らせる。その台詞で、ソラ達は、ゴクリと唾を飲み込んだ。「後、キオンに次の目的地を教えてもらうのじゃ。以上」そういって、メリーはいつの間にか読んでいた本にしおりを挟むと、バタンと閉じた。〜回想終了〜「でも、箱の中身はなんなんだろう?」「見ない方がいいと思う」「だよね…」そういって、ソラ達が村を歩いていると、目の前には、大きな屋敷があった。ただの屋敷ではない。壁のペンキは所々剥げて、窓ガラスは割れている。目の前の門は錆びており、錠は壊れていた。そして、中が薄暗い。一言で言えば、幽霊屋敷。「これ…なんだろう?」「もしかして、キオンさんの自宅…?」「んな訳が…明らかに普通のポケモンが住んでいる雰囲気しないもん」「うん…」だが、ソラ達は気づかなかった。ソラの首にかけてあるペンダントが、黒く淡く光り、反応していた事に。その時だった。 ≪―…。 ―…≫「―今、何か聞こえなかった?」ティマが尋ねる。「え」「ホラ、耳を澄まして…」 ≪―ぁぁ。 ―っ…≫「…うん、何か聞こえた」アルンの顔が真っ青になった。否、それだけじゃない。全員、顔面蒼白していた。アルトにいたっては、気絶寸前だ。そのうめき声は、屋敷の中から聞こえてくる。否、うめき声じゃない。 ≪―ぁぁぁぁ。 ぎゃぁぁぁぁぁ―≫叫び声だった。アルトが泡を吹いて倒れた。「ぁ…ぁ…」リーブが、何かを呟きながら、アルトの尻尾を掴む。「―出た」そう言って、ソラは、一回深呼吸をすると、叫んだ。「お化けぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」「ギャァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!」その叫び声を合図に、一向は逆方向に向って走り出した。アルンは、リーブに引きずられる形で。その時、ティマが何かにぶつかった。「わっ」「ぎゃっ」二人とも、額にあざを残して倒れた。「―いてててて…」「あいたた…」リーブがティマを、ソラが何かを抱え起こす。「す、すみません。よそ見して走っていて…」「私は大丈夫。こちらこそ…あら?」「えっ…」一向は、改めて、ティマがぶつかった者を見た。白い肌に、緑色の頭部。そして、胸からは赤い角が伸びている。間違いなく、サーナイトだ。「も、もしかして…」「キオン…さん…?」
「あなたがキオンさん…?」すると、そのキオンらしき者は言った。「いいえ、私はキオンではありません」「…え?」「なんで…? メリー村長の話だと、♀のサーナイトって…」「まぁ、あなた達はメリーさんのお知り合い! メリーさんがセピア村から送るっていったのは、あなた達なのね!」「…へ?」「キオンは私の姉です。私は、モノクロ村副村長、シエラと申します」シエラに連れて行かれたのは、『カントリー』という言葉がよく似合う、大きな屋敷だった。さっきのおんぼろ屋敷とは大違いだ。そして、屋敷の中へ入り、シエラに案内されたのは、『村長室』と書かれたドアの前だった。シエラは、コンコンと二回ノックすると、「キオン姉さん、入りますよ」そして、返事を待たずにドアを開け、一同は部屋へ入った。「姉さん、メリーさんが言っていた、セピア村からの団体がやってきました。「あ〜、セピア村から? あ〜そうだそうだ、んな事言ってたような…」そういって、キオンは顔を上げた。それは、シエラによく似ていたサーナイトだが、普通のサーナイトとは違い、緑色の所が水色…いわゆる、色違いだった。「は〜は〜、ようこそセピア村に! あたしはモノクロ村村長、キオンだよ! メリー村長から話は聞いているよ! なんでも水晶集めをしているんだって?」「…どうやって通信手段を…?」「…ん?」すると、キオンは、アルンが持っている箱を見た。「あぁ! やっときたぁ! 欲しかったんだよね〜これ! メリー村長にお礼いっとかなきゃ!」そういって、アルンからその箱をかっさらい、ソラから三つの水晶が入ったケースをかっさらうと、別の部屋へ行ってしまった。「お〜い、キオンさ〜ん?」「すみません、姉はいっつもあの調子で…」シエラが申しわけなさそうな顔をした。「今、お茶を入れますね」そういって、シエラもどこかへ行ってしまった。「ああ…キオンさん…」「なんというマイペースな…」シエラが入れてくれた熱々の紅茶は、とても美味しかった。5匹とも、すぐに飲みほしてしまった。そして、ソファに全員座り、いつの間にか戻ってきたキオンが、コホンと咳をした。「それでは本題に入るね」そういって、キオンはさっきソラから奪い取ったケースを、ソラに返した。「そのケースに、少し装置を組み込ませておいたよ。君達が持ってきてくれたメリー村長の贈り物をね。例えば…ソラ、それ開けてみて」「?」ソラは、そのケースを開けた。「あけましたけど…それが何か?」「ね? 簡単に開くでしょ? だけど―」すると、キオンは一匹のゴルバットの助手を呼び出す。そして、今度はゴルバットがそのケースを開けようとした。が、開かなかった。「ふぅ…開きません」ゴルバットはソラにケースを返すと、どこかへ行ってしまった。「この通り、ソラ達などの味方と見なす者にしかそのケースは開けられないよ。赤の他人とか敵には、絶対に開けられないんだ」「へぇ…」「だから、敵さんに奪われても安心なんです」「ほぉ…」アルンが感心している。「ところで」ティマが言った。「モノクロ村に入った時、あのおんぼろ屋敷に通りかかったんですが…あれはなんなのでしょうか?」「ああ、あれ? あれは幽霊屋敷だよ」「「「「「…へ?」」」」」
さて、これは、ソラ達がまだセピア村にいる間、バレンタインに起こった出来事である。「今日はどこ行く? アルン」「そうだね、どこがいいか…」すると、背後から、何かが現れた。「お二人さん」「ひぎゃぁぁぁぁぁ!!!」いきなり背後からリーブが現れたため、ソラとアルンはビクビクしていた。一応説明しておこう。この頃にリーブは、まだリーフィアではない。リーフィアの進化前、ソラと同じイーブイだった。その時のソラとリーブの見分け方は、ソラは首にロケットペンダントをかけていて、リーブは普通のイーブイより少し色が赤い。「し、心臓止まるかと思った…」「なあに? リーブ」「あら、二人とも知らないのね? 今日は2月14日。バレンタインよ」「あ、そういえば」「ばれんたいん?」ソラが頭にクエスチョンを浮かべる。「えっ…もしかして、ソラ知らないの? バレンタイン」「うん。初めてきく」「はぁ…しょうがないなぁ」そこで、リーブが溜息をつく。そして、リーブは説明をしようと、口を開いた。「バレンタインの血の歴史…ローマ帝国の時代。ローマでは戦争をやっていた。政府は、兵士が愛する人と別れるのを嫌がり、それで戦場に行きたがらなくなるのを恐れていた。だから、兵士の結婚を全面的に禁じていた。だけど、ウァレンティヌスという司祭がこっそりと兵士の結婚を実行していた。しかし、それが政府にばれ、捕らえられて処刑されたのが2月14日。ちなみにこの話は伝えられ方によって少しずつ異なっている。血のバレンt」「ちょ〜〜〜っと待ったぁ! そんな棒読みでそんな事話すなぁ! ソラに変なイメージもたれたらあかんやろ!」アルンがなぜか関西弁の口調となり、リーブの口をふさいだ。ソラがリーブの話を聞いて、ガタガタと震えている。「ここ…一応ポケモンの世界だからね? 作者が住んでいるような世界ではないからね? だからローマとかの単語は出てこないはずだよ?」「冗談よ冗談♪ちょっと怖がらせようと思っていってみたかっただけよ♪ バレンタインと言うのは、女の子が男の子に、チョコレートを送る日なの。それも、好きな男の子にね♪」さすが熱血リーブ。恋愛の話は大好きなようだ。「えっ…好きな、男の子?」「そ。ソラにもいるでしょ? アルトとかアルトとかアルトとかアr」「ちょっとやめてよ〜! 大体アタシには好きな人いないし!」ソラが顔を赤くして叫ぶ。「ふ〜ん…」リーブがソラを疑った目で見下ろす。アルンはそんな二匹の様子を見て、クスクスと笑うと、言った。「とりあえず、チョコ作ろう。男子軍(っていっても二匹だけだが)の為にね」「さんせ〜!」ソラが、急に目を輝かせて言った。「ソラ…あんたチョコ食べたいだけでしょ?」アルンがソラを見て呆れた。+ + +「買出し終わったよ〜!」リーブが、大きな紙袋を背負って、走ってきた。そして、紙袋をテーブルに下ろすと、「ふぅ」と溜息を付いた。余程重かったのだろう。「どんなチョコ買ってきた?」「ん〜、とりあえず、板チョコと生クリーム」ソラが紙袋を開けると、中には何十枚のものミルクチョコレートと、生クリームが入っていた。「買いすぎじゃないかな…」「まぁいっか! これくらいあれば作れるしょ!」「うん!」そうやって、チョコ作りが開始された。
「ねぇねぇ、これにウブの実入れたら美味しいと思わない?」そういって、湯銭で溶かされたチョコレートにウブの実を突っ込もうとするソラ。「待てい! 甘酸っぱいチョコレートなんて考えられるか!」それを必死に止めるアルン。今日だけは、アルンもキャラが変わっている。「ってぎゃぁぁぁぁ!!! リーブ! あんた入れてんのそれ塩! 砂糖じゃねぇ!」「えっ嘘!?」「いっもけっんぴ♪いっもけっんぴ♪」「コラァァァ! ソラ、チョコにいもけんぴ入れるな!」「えぇ〜? いもけんぴ美味しいじゃん」「そういう問題じゃない! ちょっと、チョコにコーヒーいれたらアカン! あ―…」その光景を窓から見ていた、男子軍。実は、さっきの女子の会話を、聞いていたのである。「ちょこれいと…!」目をうるうるにし、よだれをたらしながら見つめているアルト。ティマは、ふぅと溜息を付くと、小声でいった。「先が思いやられる…」+ + +ティマとアルトが呼び出されたのは、セピア村にある、星屑丘。夕陽に当てられた、丘は、オレンジ色に染まっていた。「さて! 二人とも、来ていただき、誠にありがとうございます! 今日はバレンタインなので、チョコを男子軍にくれてやります!」あの後、アルンは二匹を必死に止めたりして疲れきっているため、口調が変になっていた。アルトが歓声をあげた。ティマは顔色がさえない。あのチョコを食べたら、どうなるか知っていたから。「とりあえずっ早くチョコくれチョコ!」「はいはい、ちょっと待って…」そういって、リーブが綺麗にラッピングされたチョコレートを二つ取り出した。「はいアルン!」「サンキュ!」ソラが、顔を赤くしながら、それでも明るく、アルトにチョコを渡した。リーブも顔を赤くしている。「…ティマ」「あっ…はい、姉さん!」ティマがリーブを姉さんと呼び始めたのも、この頃からだった。「これ…」そういって、リーブも、ティマにチョコを渡す。そして、耳元でそっと囁いた。「―」「え?」それは、ティマには聞こえていなかったらしい。その時だった。リーブの体が光始めたのは。「えっ…」「リーブ、今進化!?」リーブの体が、どんどん変わっていく。そして、リーブは、新緑のポケモン、リーフィアへとなっていた。赤い色は、そのままだが。「うわぁ、進化だぁ!」「すごい…」「姉さん、おめでとう!」「あっえと…」リーブも、自分が今どんな状況なのか、上手く飲み込めていなかった。そして、二人がチョコを口にいれようとするのを、アルンがストップをかけた。「え?」「なんだよ〜」アルンが不満げに言う。「このチョコを食べるなら、覚悟はしておいてね」「は?」アルンは、あの時の光景を良く見ていなかったから、クエスチョンだったが、ティマはその言葉を理解していた。その後、二人は一度、地獄へトラベルした。〜END〜
ゆうれいやしき?全員の脳内で、字が平仮名に変換された。アルトが、失神した。「ちょっアルトぉぉぉぉぉぉ!!!!」「なんでそんなんで倒れるわけ?」「もしかして、アルトさんて…怖がr」「だぁぁぁぁぁぁ!!! うるせぇぇぇぇぇ!!!!」「あ、復活した」「ははぁ…そういう事…」リーブがアルトを疑わしげな目で見る。否、全員アルトをそんな目で見ていた。アルトの体から汗がドクドク出ていた。+ + +その日は、各自モノクロ村を探検するようにと言われ、解散した。ちなみに、宿はキオン宅だ。そして、リーブは運動しに、ティマは宿(?)でのんびりと過ごし、アルンは買い物、アルトとソラは散歩。そして、二匹がおんぼろ屋敷の前を通りかかったとき。ペンダントが黒い光を発していた。「…え?」アルトが、それを見止めた。「ソラ、今、ペンダントが…」「へ? どうかした?」二匹が、屋敷の前を通り過ぎる。すると、ペンダントの光が消えた。そして、再びアルトが見ると、光は無い。「? 気のせいだったか?」「???」そして、全員は夕食を済ませ、眠りについた。宿の一室。もうすぐ満ちる月が、藍色の空を照らしている。窓から差し込む藍色の光が、眠りに落ちたソラ達の顔に映っている。しかし、何者かによって、その光が遮られた。『ククク…みいつけた』『みいつけた…』『『この世を光へと導くイーブイ…』』窓の外に立つ二匹の姿。それは、月の光に照らされ、余計不気味に見えた。
【…で? あの水晶イーブイは見つかったんだ】「その通りでございます、ボス」【まったく、君達の方向音痴で道に迷って、さらにイーブイ達を見失ったせいで、時間かかったよぉ】「…方向音痴なのはボスからの遺d…むがっ」「ちょっと、言ってはいけないのよ!」【ん〜? なんか言った〜?】「はぅっ…」「いえ、何も」【とにかく、四つ目の水晶は奪っといてね。よろしく頼むよ、幽霊屋敷の潜入調査】一瞬、間が開いた。「…っ無理無理無理無理かたつむりぃ!!」「無理です! ノーセンキューなのです! 幽霊駄目! 私幽霊駄目!」【私だって幽霊無理だよ? だからお願いね】「…うぐぅ」「…かしこまりました、 様…」【そうそう、後あれの捕獲もね。ソラ…否、 のね】+ + +アルトは、ずっと考えていた。「気のせいだと思ってたけど…やっぱり、あの幽霊屋敷の前を通ったとき…ソラのペンダントは光ってた…。しかも、黒く。でも、ソラは気付いていない…やっぱり…みんなに言ったほうが…」「どうかされましたぁ? アルトさん」「ぎぃやぁぁぁぁぁ!!!!」「あ、すみません」「し、シエラさん…はぅあぅ…頼むから…気配消して近づいてくるのだけはやめてくれ…いやマジで」「分かりましたぁ。で、どうかされましたか?」「嗚呼、実は…」「「「「ソラのペンダントが光ってた!?」」」」数分後、シエラはアルトから聞き、急遽全員を集めたのだ。「本当なの? アルト」「ああ、本当だ…。一瞬気のせいだと思ってたんだ」「なんで教えてくれなかったの!?」「だから、気のせいだと思ってたんだよ!」「ふぅん…じゃぁ、その幽霊屋敷に、水晶がある可能性は高いね」「うん、だよね…」「そいじゃ、決まりだね」「…ふぇ?」「幽霊屋敷に、水晶を取りにいくんだよ? 当たり前でしょ」
「あれ? なんだか急に頭が痛くなってきたぞ」「私なんだか具合悪い…」「あ、僕ちょっと用事思い出しちゃった」「アタシお腹が痛い…食べ過ぎたかな」「ゴルァァァァ!!! 仮病使ってサボろうとするんじゃねぇ!」「このまま世界が水晶に覆われてもいいのですか!?」その言葉で、全員は逝く準備を始めた(あ、字が違う当初の目的を忘れていたが、七つの水晶を全て集めなきゃ、世界は水晶に覆われる…いわゆる、「水晶化」が始まってしまう。ちなみに、「水晶化」と言うのは、キオンが勝手につけた名前だ。「よぉぉぉぉし!!! 準備完了!!!」「ショック死するかもしないけど、逝ってきます!」「だから字ぃ違うって!」そして、キオンとシエラが加わり、一同は宿を出た。『ボス、遂に奴等が動き出したようです』【あ、そう? だったら早く君達もいきなよ】『う…』『何いまさら怖気ついてるのよ! 早く行くわよ。…エナ』『…嗚呼、そうだね。モコ』「さて、遂にやって来てしまった…」「そうだね…」「んじゃ、潜☆入♪」そう言うと、キオンはシャドーボールで門の錠をぶち壊した。「のぉぉぉぉぉぉ!!! 何やってんですかぁぁ!!!」「え? いいじゃん、どうせ誰も住んでないし」そう言って、頭に音符マークを浮かべながら歩いていくキオン。「あっちょっと待って、トイr…」そう言って、逃げ出そうとするアルトの尻尾をアルンは鷲掴みにした。「ごめーんくーださーい☆」そして、キオンは扉を開けた。「ギギギ…」と不気味が音が響き、埃が舞った。全員は、死ぬ覚悟で、屋敷の中に入っていった―
「あぁぁぁぁっもうっどこなのよこの部屋はぁぁぁ!!!!」「ちょ、姉さん、大声出しすぎ…」「どぉしたんだろぉね〜♪」ある“幽霊屋敷”の一室。三匹はいた。始まりは数分前、一同が幽霊屋敷を探索していた。「どこなんだろうね、水晶」「さぁね」すると、ビシビシビシ…バッキャァァァァン「!」「!!」「!!!」リーブ、ティマ、キオンのいる床が、抜けた。「ぎぃやぁぁぁぁぁぁ!!!!」「いやっふぅ♪」「あ〜れ〜…」当然、三匹落ちる。「リーブ! ティマ!」「姉さん!!」そして、さらに、ガタッアルトのすぐそばで物音がした。「ヒィィエェェェェェェェェェ!!!」「あっアルト!!」高速移動で逆方向へ逃げ出すアルト。それを追いかけるソラ。「ちょっソラ、アルト!!!」「いっちゃ駄目ですよぅ!!!」そして、3グループに“離れ離れ”になった。まず、リーブ、ティマ、キオン。「う…困ったな…」「お尻打った…」「るんたっるんたった〜♪」何故かキオンは上機嫌。スキップまでしている。多分、充分パニクっているのだろう。すると、ティマが何かを見つけた。最初は、薄暗いのと、埃にまみれていて、気付かなかった。「…これは?」それを拾い上げる。そして、ついた埃をはらう。それは、錆びたぜんまいだった。一方、シエラ、アルンチーム。「あぁぁ…アルト今頃失神しているんじゃ…」「まぁまぁ…そういうあなたもお気を確かに…」歩く度に、ギシギシと音がする。埃が舞っていて、息もしづらい。「ん、この扉は?」「さぁ…なんでしょうか…」アルンは、その扉を開けた。ギィィィィ…本。本。本。あたり一面に、本が並べられていた。「ここは…書庫…?」ここは、一段と埃が酷かった。色々な本が、本棚に並べられ、色々な本が、床に散らばっている。アルンは、床に落ちていた本を、一冊拾い上げてみた。パンパンと埃をはらう。表紙に書かれていた文字が、読めた。「モノクロの…神話…?」「はて、なんでしょう?」いつの間にか、シエラも来ていた。最初のページをめくる。古代ポケモン文字で書かれていた。アルンは、元々古代ポケモン文字を勉強していたため、読めた。所々かすれていて、読めなくなっている字が何個かある。『モノクロの神話 古代モノクロの国 他の国よ 小さな国 三代目王 アム ット 子 マ ィルス マ ィルスは 町娘 恋に落 た それを ったアム ット王 怒 狂う』ボロボロになったページを、めくる。『マ ィルスと 娘 エリゼを 引き離 うとする しかし 二 は 離れな っ 王子 一般のポケモ と 婚す 事を 禁じ れて る 王は エ ゼを捕 え 斬首刑 し エ ゼ 死ぬ 嘆 悲し だマ ィルス王子 自 命を絶つ』そして、またページをめくった。『そ 後 モ クロ王国 閉 て 村となる 王宮 屋敷と る その屋 の中 今も、マ ィルス王子 エリ は 亡霊と り 彷徨っ いる…』そこで、最後だった。「…そんな事があったなんて」「いえ、これは神話です。実際にあるのかは分かりません」シエラがやけに深刻な顔をして言ったので、思わずアルンは吹きだしそうになった。「…だよね」そういって、本を適当に本棚に戻した。「じゃ、出ようか」「そうですね」そういって、出口へ向う。その時、シエラが何かに躓いた。「きゃっ」「あっシエラさん…」「なんでしょう、これは…」「…?」それは、かなり古びた小さな木の箱だった。小さな穴が一つも付いている。蓋があるが、開けてもどうにもならなかった。「一応、持っておきましょう」「うん、それがいいよね」一方、ソラ、アルン。「ちょっとぉぉぉ!!! みんなとはぐれちゃったじゃない!」「うるせぇぇぇぇ!! 俺のせいじゃねぇ!!!」「…ビビッてたんでしょ?」「びっビビッてなんかねぇよ…」すると、 −うっ うぅっ…−「―?」 −…リゼ…エリゼ…−「…エリゼ?」「なんの…声なんだよ」アルトがガタガタ震えていた。声は目の前の扉から聞こえてきた。半開きになっている。ソラは、その扉を開けてみた。キィ…音がなった。「あっ」「ヤベ」もう、手遅れだった。いつの間にか、外は夜になっていて満月の光が 空を照らす。部屋の窓からさしこむ月の光は、淡い光で部屋を照らす。身体は透けていて、その身体の向こうが見える。絶望の残った瞳を、ゆっくりと二匹へ向ける。それは、エルレイドの亡霊だった―
満月の光が、部屋にさしこみ、三匹に降り注いでいる。月に照らされたその身体は、透けていて、向こうの景色が見えた。そして、感情を捨てきったガラス玉のような真紅の瞳。その瞳が、ゆっくりと動いて、ソラ達を映した。何故、身体は透けているのに、自分達の姿が見えるのだろう?そんな疑問を、考えている暇はなかった。殺される。唐突的に、そうソラ達は感じた。嗚呼、何故自分は、この幽霊の領域に踏み込んでしまったのだろう。とたんに、罪悪感と、後悔がこみ上げてきた。すると、エルレイドは、突然睨んだ。−―お前達か! エリゼをギロチンにかけたのは−「へ?」なんという勘違いだ。−父上の勝手で、エリゼが殺された。お前達は、父上の家来なのだろう!?−「えっ違う違う違う…。ていうか、エリゼって誰?」−とぼけるな!!−とたんに、エルレイドはサイコカッターを繰り出してきた。それが、ソラの頬をかすった。その傷口から、真紅の液体が流れている。「とりあえず、まずは倒さないといけないみたいだっ。放電!」「シャドーボール!」シャドーボールが電気に包み込まれ、それがエルレイドの直撃した。 ―ドッカーン窓が割れ、煙があがった。しばらく、何も起きなかった。が。−甘い! リーフブレード!!−エルレイドが煙から走ってきた。腕には、緑色に光る刃。その先には―「ぐぁぁぁぁっ」「アルト!!」アルトが、リーフブレードをまともに受ける。一回お仕置きとしてリーブから受けたことがあるが、それよりずっと痛い。「こうなったら…」ソラが、ブースターに進化した。「火炎車!!」−リフレクター!!−火炎車が直撃したかと思ったら、リフレクターで受け止められていた。−インファイト!!!−エルレイドは、ソラに拳や蹴りを叩き込んだ。「あああああ!!!」ソラは吹っ飛び、壁に叩きつけられた。「いってて…」「ソラ、いい考えがある。…」アルトが、ソラに耳打ちをした後、エルレイドの前に立った。「高速移動!!」−なっ…−アルトが、エルレイドの周りを猛スピードで周り始めた。−この…なんのつもりだ…−「〆はアタシ!!」−!?−アルトが高速移動をやめた。そして、エルレイドの前には、一匹のシャワーズが。「波乗りぃっ」ざっぱーん
※少しグロい表現があります。ご注意下さいその頃、キオン、リーブ、ティマチームは…「早く合流しないと…」中庭を彷徨っていた。薄暗い中を、淡い月の光が照らしている。止まってしまった噴水は、石化してしまったかのように見えた。冷たい風が三匹の間を通り抜け、不気味だった。「…」「ん? どしたの? ティマ」「…あ、あれ…」ティマが震える声で呟く。そして、ティマの視線の先をたどってみると―「―!!!」リーブとキオンは硬直した。その視線の先には、ロズレイドがいた。しかも、首から先がなく、首から流れる新鮮な赤が、身体を染めていた。「ひっ…」リーブは恐怖で足がすくんで動けなくなった。そして、その首無しのロズレイドは、こっちをむいた。否、正確にはわからない。ティマが一歩後ずさりした。すると、冷たいものが足をあたった。「っ―」そして、その冷たい物を見ると―「ひっ…」「首…!?」血にまみれたロズレイドの生首が、転がっていた。白いはずのロズレイドの頭の薔薇は、自分の血で赤黒くなり、口からは血泡を吹き、全てを失った黄色の瞳は、絶望と哀しみが宿っていた。「イヤァァァァァ!!!!!! なんなのよ、これぇ!!!」「今まで気付かなかった。夜になるとこんなのがあったなんて…」「ひとまず逃げよう!」動けなくなったリーブの手を引き、ティマとキオンは、屋敷内へ駆け出した。後ろを、振り返ると、その亡霊は追いかけてきていた。ドタドタと階段を駆け上がり、きしむ廊下を走っていた。その時―バキィッ「うわぁぁぁぁ!!!!」「キオンさんっ」床が抜けて、キオンが穴に落ちそうになる。そのキオンの手を、ティマがしっかりと掴んだ。そして、キオンは宙吊りという状態になった。この手が離されれば、キオンは真っ暗闇に落ちていくこととなった。「くっ…」「大丈夫ですか、今引き上げます!」しかし、体重が重くて、なかなか引き上げられない。その時―ペタ…ペタ…「あっ!!!」さっきのロズレイドの亡霊が、自分の首をもって、こっちへ歩いてきていた。何故か、暗闇の中にいるのに、ロズレイドの姿はくっきりと見える。ロズレイドが歩いた道は、赤黒い点々が付いていた。亡霊はどんどん迫ってくる。木のくずがパラパラと、穴の中へ落ちていく。「ぐっ…重い…」「ティマ、早く!」「ちょっ姐さ…無茶いわ…」そして、亡霊がキオンに手を伸ばした―
−ほんっとうに申し訳ない!−「えっと…いや…その…」「…プエックション!」アルトは、ブルブルと濡れた体を震わせた。−でも本当に申しわけない! 君達を父の家来と勝手に思い込んで…−「いや、こっちも急に波乗りかましちゃってすみません。アタシはソラ!」「俺はアルトだ」−そうか。私はモノクロ王国三代目王子、マティルスだ−「ほうほう、モノクロ王国…」しばらく、沈黙が続いた。「はぃぃぃぃぃ!!??」「王子!? 王国!?」−王子だ。このモノクロ村は、元々小さな王国だったのだ−「ちょっ王様いたの!? 凄かったのこの村!?」−…一応、だが−「でさぁ、昨日叫び声が聞こえたんだけど」−あぁ、それは私の泣き声−「え?」−どうも昔からの癖で…なんか大声で泣くと叫び声になってしまうのだ−「恐ろしい癖だ…」「で、なんで泣いてたの?」−…実は…−シエラ、アルン視点「そしたら、怒った王様が王子様の愛人をギロチンにかけたっていう事になりますね」「そうだね…。そんなに引き離さなくても…」「世の中わからない事ばかりですぅ…」二匹は歩いていた。すると―「ティマ、早く!」「ちょっ姐さ…無茶いわ…」「ティマっリーブ…」「キオン姉さん…」その向こう側にいるのは…首無しのロズレイド。そして、そのロズレイドは宙吊りになっているキオンに手を伸ばしている。アルンとキオンは、とっさに技を繰り出していた。
『薔薇ノ町娘ト王子』「新しい王子が誕生したぞ―!!!」城の中でそんな声が響き渡ったのは、昔々のある時。モノクロ王国で、一匹のラルトスの王子が生まれた。それと同時刻。ある小さな小屋で、一匹のスボミーが生まれた。そんな二匹が巡りあうなんて、思ってもいなかった。そして、時が過ぎて、ラルトス王子が立派なエルレイドになり、スボミーはロズレイドの女性となった。「王子がまた脱走したぞー!!」王子は、昔から城から脱走する癖があった。そして、今日も普通のエルレイドとして、町の中に紛れ込んでいた。すると―ゴツンッ「わっ」「キャァッ」不運な事に、王子と町娘が衝突した。町娘が抱えていた紙袋から、果物がこぼれ落ちてしまった。「こっこれは申し訳ない…!!」「いえ、大丈夫です…」急いで王子は、落ちた果物を拾い上げ、町娘に渡す。「では、私はこれで…」「あの…待ってください!!」向こうへ行こうとする王子を、町娘は呼び止めた。「…?」「あの、これ、私だけじゃ食べきれないから、一つ貰って下さい…」そういって、町娘は、大きな果物を王子の手に乗せた。「あ、ありがとうございます…」そういって、王子はもう一度町娘の顔をみた。それは、顔立ちの整った、ロズレイドの女性だった。ロズレイドは、にっこりと笑う。不意に、エルレイドはこう言った。「あの…是非、お名前をお聞かせ下さい…」「えっ…」一瞬途惑ったが、ロズレイドはこういった。「私は…エリザと申します、王子」「えっ…何故私を、王子と…」「いえ、顔を見たら、王子様かと…」王子は、やれやれと型を落とした。「そうですか、エリザさん。私は、マティルスと申します」「はい、マティルス王子!」そういって、二匹は別れた。その夜、王子は一人、部屋にこもっていた。エリザから渡された果物を見つめながら、王子は確信していた。自分は、エリザの優しげな声と笑顔に、恋をしてしまったのだと。
後に悲惨な運命へさらされるであろう、王子と町娘は、毎日、見回りがいない明け方の、城の庭で会っていた。そんなある日―「あの―王子」「?」もじもじしながら、エリゼが言った。「…好きです」そのまま、エリゼは赤面した。王子は、自分の体が内側から熱くなるのを感じた。「…私も君の事が好きだ、エリゼ」そのまま、二匹は唇付けをした。朝日の光がふわりとつつみこみながら。+ + +たった数時間しか会えない二匹。だが、二匹の愛は想像もつかないほどに膨らんでいた。「なにぃっ!!! マティルスが一般のポケモンと付き合っていると!」「そ…その通りでございます、アムレット王」高い王座に座っている一匹のエルレイド。召使であろうポケモンは、そう言った。もう、すでにマティルスとエリゼとの愛は、城中で知れ渡っていた。「ゆるせん…許せん!!!」アムレットはバン、と机を叩いた。「今すぐにそのポケモンを処刑しろ!! …いや、明け方にそのポケモンを捕まえろ!!!」+ + +「マティルス王子、おはようございます」いつものように、白い薔薇をなびかせたエリゼが挨拶をする。「ああ、おはよう、エリゼ」二匹の挨拶は、「おはよう」しかなかった。明け方しか会えない関係だから。「そろそろ、その敬語とか、かたぐるしい口調やめないか?」「えっ…いえ、あなたは王子様だから…」「いや、大丈夫だ。王子の私が許可している」「…分かったわ。マティr」「見つけたぞ―!!!!」「「!?」」二匹が振り向いた先には、沢山の王の家来。その先頭には、アムレット王が立っていた。「マティルスは、他国の姫としか結婚を許されん! お前のような薄汚れた町娘とは、会うこともゆるさん!!」「えっ…」「父上! エリゼは…」「そのロズレイドを捕まえろ!」「「「はっ!!!」」」そのまま、エリゼは縄で腕を縛られ、連れて行かれた。「エリゼぇぇぇぇ!!!!」マティルスがその後を追おうとしたが、また家来によって取り押さえられた。「父上! エリゼをどうするつもりだ!」「当たり前だ。姫でもない奴と交際しているポケモンは、処刑だ!」処刑―その言葉が、マティルスに重く突き刺さった。自分が、エリゼと会う約束さえしなければ、こんな事にはならなかった。否、自分がエリゼとぶつからなければ、こんな事にはならなかった。そもそも、自分が生きていなければ。 ジブンガイキテイナケレバ。マティルスは嘆いた。そんなマティルスを見下ろしながらながら、王は言った。「もう一度、あのロズレイドとあわせてやろう。ただし、断頭台の前でな」父の冷酷な言葉が、マティルスの心を刺した。自分だけ大きな権力を持っている。だから、自分勝手な行動ができる。そんな父親が、憎くて憎くてたまらなかった。気がつけば、自分は断頭台の前にいた。腕を縛られたエリゼを見ていた。家来に背中を押されて、一歩、断頭台の前に踏み出す。そして、マティルスの方を振り返った。『マティルス、あなたが大好きです』エリゼは、声を出さずに、そういった。普通のポケモンには聞き取れないはずなのに、マティルスはそう言っていると思った。出あった時と、同じ笑顔で。そして、、断頭台の刃は、エリゼの首へと落ちていった。その夜、マティルスは自室に閉じこもっていた。そして、テーブルに置いてあるナイフに、震える手を伸ばす。ナイフは月明かりに照らされているのに、冷たかった。一瞬、エリゼの笑顔が思い出される。そのまま、マティルスは、自分の喉を裂いた。朝、召使が部屋を開けた時には、王子は、血まみれのまま冷たくなっていた。ナイフを片手に。だけど、その魂は、まだ天高くへ行っていないようだった。『薔薇ノ町娘ト王子』完
「ハイパーボイス!」「シャドーボール!」二つの技を受けたロズレイドの亡霊は、後ろ向きにゴトリと音を立てて、倒れた。それは、まるで糸が切れたマリオネットのようだった。「キオンさっ」その隙に、ティマがやっとの思いでキオンを引き上げた。「ふぅっ…」「う〜、ごめんごめん」「大丈夫!? キオンさん」「一応だけど…」「それより…あれ何?」アルンが、倒れているロズレイドを指差した。首が、ちかくに転がっている。すると、そのロズレイドの胴体が起き上がった。「!!」全員は警戒する。すると、ロズレイドの首がふわりと浮いた。その首は、ふわふわとロズレイドの体に引き寄せられて―カッポリと、体のあるべき場所へ戻った。人形のようなギリギリといびつな動きで、こう言った。 −…つれ…って−「えっ」空間に吸い込まれてしまいそうなかすれ声だった。 −つれ…てって…あの方の…とこ…ろ−「あの方って…?」そのロズレイドの頬に、透明な物がつたった。 −…マティ、ルス…−すると、ロズレイドはバタリと倒れた。そして、首が胴体から離れた。「…マティルス…?」「とにかく、この屋敷には何かがいるのかも…」「っまさか!!」『マティルスは 町娘と恋に落ちた』『マティルスと町娘 エリゼを 引き離そうとする』『王は エリゼを捕らえ 斬首刑にさせ エリゼは死ぬ』『嘆き悲しんだマティルス王子 自ら命を絶つ』『その屋敷の中 今も、マティルス王子とエリゼ は 亡霊となり 彷徨っている…』「…連れてってあげましょう! マティルス王子の所に!」「えっ王子?」そのままシエラは、ロズレイド…―否、エリゼの体を背負った。亡霊なのに、透けて落ちないのが不思議だった。そして、アルンは、エリゼの首を持った。そのまま、二匹は走り出した。「えっちょっ待ってぇぇ!!!」そして、残された三匹も後を追った。
一方、その頃。アルトとソラとマティルスは、廊下を走っていた。「うわ〜んいつまでたってもみんなに合流しないよぉぉぉぉぉ!!!!!」「うるせぇぇぇ!!! そんなに簡単に合流できるかぁぁぁぁ!!!!」−そ、ソラさんにアルトくん! 落ち着くんだ!−で、その時―天井に、穴があき、何かが振ってきた。そして、その何かは、綺麗にアルトに激突した。「ぎゃっ」「「みぁっ」」「ちょっアルト!?」−大丈夫か!?−「いてててて…」「いたた・・・もう、なんでそんな所にいるのよ! 危ないじゃない!」「いや、このポケモンは悪くないって…」その時、ソラとマティルスは、振ってきたものの正体を見た。そして、その二匹のポケモンも、ソラを見た。「あぁぁぁぁぁぁ!!!!」「ぐぇ」そして、そのポケモンは立ち上がった。やはりアルトを踏む結果になったが。「見つけたわエナ! このイーブイがボスがおっしゃっていた水晶イーブイよ!」「いや、一昨日も見たよ・・・?」「あれ、そうだっけ?」−君達は・・・?−「あんた達、やっぱりダーククリスタルなの!?」ソラが戦闘態勢をとる。「うっ・・・ばれてしまったらしょうがない・・・」「いや、バレバレだから・・・」そして、片方の♀はポーズをとって、「私はニドラン♀のモコ! ボスのお気に入りよ! ボスの命令ではるばるやってきたわ!」そして、もう片方の♂はポーズをとらずに、「僕はニドラン♂のエナ。ごめんね、妹がこんなんで・・・」「ちょっと、なによ! 妹がこんなんって・・・まぁいいわ、私達双子のダーククリスタル!」「ふっ・・・双子・・・?」その時、「いっ・・・いいから、そこをどけてくれぇ〜・・・」「あっゴメン!」「本当にゴメン・・・妹がこんなんで(←小声」そして、二匹はそこをどける。アルトは立ち上がると、のろのろとソラ達の所にいった。「とにかく、四つ目の水晶を奪いにきたなら、そうはさせないぜ!」「いっくよぉ〜・・・」そして、ソラがケースから青の水晶を取り出す。「あ〜、それはお断りよ」「え?」「今戦ったら体力消耗するでしょう? だから、次戦う時は、四つ目の水晶の前でね! 行くわよ、エナ」「あ、うん・・・」そのまま、モコとエナはどこかへ消えてしまった。「・・・何がしたかったんだ・・・?」
最期のエリゼの笑顔。エリゼの首を断ち切った断頭台。一瞬、マティルスはそれを思い出した。そして、顔をしかめた。「? どうしたの?」−いや、なんでも・・・−「・・・ならいい。早く行くぞ」―エリゼは今どうしているのだろう?もう天に上がってしまったか?それとも、まだここに留まっているか?そんな事を考え始めたら、声が飛び込んできた。ソラの声だ。「あれっ・・・なんか模様があるよ?」白い本棚。しかし、その本棚の塗装は剥げている。金色の淵は、埃にまみれて剥げているが、本棚の横の部分に、剥げずにキラキラと輝いている金色の模様があった。「これは・・・三日月の模様?」「そうかもな・・・なんでボロボロにならずにこれだけ・・・」−父上の愛用していた本棚だ・・・−「えっ・・・そうなの?」その三日月の模様は、窓から差し込む月の光に反応してキラキラと光っているようだった。ソラ達がはその本棚の捜索を始めた。何か手がかりがあるかもしれない、と。ソラが本棚の上に上って調べていると、ちょうど首にかけているゆらゆらと揺れているペンダントが、模様にあたった。カツン。その時、ペンダントが、黒い輝きを放った。「えっ・・・何?」ペンダントからほとばしる黒い光。それは、本棚の三日月の模様と繋がっていた。そして、その三日月の模様が、黒く光始めた。ズゴゴゴゴゴゴゴゴ「のわっ」「キャッ」その突如、地震が起こった。外の土地に被害がない。この屋敷全体が揺れているようだった。その揺れで、ソラは本棚から振り落とされた。それと同時に、本棚は、右へとずれはじめた。「こ・・・これは・・・」−父上は、こんな仕掛けを作っていたのか!?−そして、本棚は完全に右へとずれた。そして、揺れは止まった。「んな・・・!?」本棚があった場所には、黒い穴がぽっかりと空いていた。ちょうど、ポケモンが一匹ずつはいれそうな穴だった。「・・・とにかく、行ってみよう! 水晶は、この先にあるかもしれないよ!」「おう!」−エリゼ・・・!−約一名、違うことを考えながら、ソラ達はその穴に突入した。+ + +「・・・なんだったんだ・・・!?」その揺れは、キオン達まで伝わっていた。「みんな、怪我はないですか!?」「何とか・・・」「・・・揺れは上から・・・?」「行ってみよう」そして、キオン達もそこへ向かいはじめた。
コケッ「ぎゃん」−ソラ、大丈夫か?−「あいたた・・・なんかここ落ちてるもの多くない? つまずくよ」「確かにな・・・」−父上の秘密の物置だ。まさかここにあるとは・・・−「秘密の物置ってなんだよ! カッコイイのか!?」「でもこういうアトラクションってたっのしー☆ こんなのセピア村にもあったらなぁ」「アトラクションじゃねぇよ!」しばらく、マティルス曰く「秘密の物置」の中を探索していた。「ん? あそこに何か光輝く物が・・・」「水晶じゃねぇの?」本の山の中から、光が漏れていた。その本をどかしてみると、黒い水晶だった。「やったぁ!」−何という美しい水晶だ・・・−「・・・でも、なんか見つけるのあっさり過ぎねぇ?」「うっ・・・」−確かにあっさりしている・・・−「仕方ないよ、筆者がまた面倒くさいって・・・」「20日も更新さぼってやがったのにあの駄目兎の野郎ぉぉぉぉぉ!!!」「ギクッ」←筆者「ていうか何回登場すれば気が済むのよ駄目筆者は」
「クスクス…まんまと引っかかったわ」「は?」水晶があった場所の天井…そこには、小さな穴が開いていた。そして、その天井の上には、モコとエナがいた。「ここで水晶を見つけさせて、後で油断した隙に全員ボカンとやっちゃうわけ。そのまま黒い水晶だけじゃなく、赤青黄の水晶も一気に手に入れて、お持ち帰り! どう? 完璧だわ!」「いつの間にそんなの考えたんだ…でも、 達はああ言ってたよ?」『なんか見つけるのあっさり過ぎねぇ?』「ギクッ」「だから、この作戦は失敗なんじゃ…」「ううううるさいわね! 絶対に成功するはずよ!」「そうかなぁ…」ギシギシ…がしゃんっ「ギャッ」お約束、床が抜けてモコとエナは落ちた。「いたたたた…何回床抜けるのよ」「そうとう古いみたいだね…」「あっ…あんた達は!」ソラ達は出口から出ようとしている所だった。「はぅあっ!!」「ほら、ばれた」「なんだ、水晶を奪いに来たのか」「何よ! 『なんだ』って」−だって、弱そうだしな−ブチッ「いっ…言ったわね!? いいわ、私達の力、思い知らせてあげる! エナ!」すると、モコとエナは大きくジャンプをすると、空中で回転し始めた。「くっ来るぞ!」「何…!?」「秘儀、『紫の舞』!」そのまま、モコとエナは毒針を乱射し始めた。三匹は、毒針の雨をまともに受けた。「わぁぁぁぁ!!!」「キャァァァッ!!」−ぐっ…−「アハハハハハ!! まだまだこれだけじゃすまないわよ!」二匹は着地すると、「影分身!!」2匹、3匹…どんどん分身を出していき、ソラ達を囲んだ。「秘儀、『分身蹴り』!!」モコとエナの、分身達は、一斉にソラ達に向かって二度蹴りを繰り出した。直撃。「アハハハハハ!!! これで思い知ったわね、私達の強…!!??」三匹がいるはずの所には、何もいなかった。エナが上を見ると、マティルスが二匹を抱えて宙に逃れていた。マティルスは着地すると、ソラはケースから黒い水晶を取り出した。「今度はこっちのターン!! いっくよぉぉぉ!!!!」そのまま、ソラはペンダントに黒い水晶をはめた。途端、ペンダントは黒い輝きを放ち、ソラの瞳は漆黒に染まった。そして、光は強まる。光が晴れたら、ソラは漆黒のポケモンへと進化していた。イーブイの首を覆うふさふさとした毛はなくなり、スラリとしたしなやかなシルエット。身体の所々には、金色の輪が光っている。―そう、月光ポケモン、ブラッキー。
「はぅっ…。首のふさふさ無くなってスースーするぅっ!!」「進化しての第一声はそれか!!!」すぐさまアルトが突っ込む。「くっ…進化された…!! 厄介だわ!」「あ〜あ、変な作戦を決行するから…」「うるっさいわねぇ!!! エナは黙ってなさい!!」「ソラ!!!」「あっ…みんな…!!!」そしてそんな馬鹿双子(片方だけ)に追い討ちをかけるように、残りのメンバーの到着した。マティルスは、アルンとシエラががかかえているエリゼの体を目に止めた。−エリゼ…!−アルンとシエラも、マティルスに気がついた。「あれがもしかして…!!!」「くっ…いいわ! 全員倒しちゃうわよ!! エナ!!」「否、ボスからそんな命令だされてないから」そんなエナも声も届かず、モコは毒針の体制をとった。エナも、嫌々とモコと同じようにする。「秘技、『紫の舞』!」「悪の波動!」毒針は、空しくソラの放った悪の波動にかき消された。「うぐっ…」モコが焦りの表情を見せる。「もう、こうなったらエナ! 完成したばかりのあの技、いくよ!!」「え゛・・・」すると、モコはエナの頭上にジャンプすると、宙返りをした。「秘技、『氷の女王の怒り』!」モコとエナは、同時に冷凍ビームを繰り出した。その二つのビームは、重なりあい、一つの玉となった。そして、その玉はソラに向かって発射された。しかし、その玉はソラの鼻先のカーブを描いた。「あっ…」エナが「失敗した」と呟く。そして、その玉は、ちょうどシエラとアルンがいる所に突っ込んでいった。−エリゼぇぇ!!!−「あ、マティルスさん!」マティルスは、シエラとアルンの所へ突っ込んでいった。
爆発が起きた。その爆風で、ティマが持っていたぜんまいが吹き飛ばされ、アルンの足元に落ちた。続いて、白い霧がシュウシュウと立ちこめる。「あ・・・あ・・・」「マティルスさんっ!!」二人の前で手を広げ、苦しそうな表情を浮かべるマティルス。その背中には、所々痛々しい氷が張り付いている。「ぐっ・・・」「あ〜ら、幽霊にも攻撃が当たるのね! びっくりしたわ!」「・・・てん? これは、ぜんまい・・・?」アルンが、先ほどの爆風で飛ばされたぜんまいを拾い上げる。そして、あの木の箱には、穴が一つある事を思い出した。「まさか・・・っ」アルンは、あの木の箱を取り出し、穴とぜんまいをあわせる。「これで終わりよっ!!」それと同時に、モコがマティルスにむかって走っていく。カチカチカチ・・・ぜんまいを回す音が、聞こえた。あとがき短いっ!! そしてグダグダ!