アニメ投稿小説掲示板
ようこそいらしました。ここはアニメ関連の投稿小説掲示板です。 ルールとしては ・何のアニメか記載すること です。また投稿する際の注意点を読んでおいてください。
ホームページへ戻る
逢沢 夏美水越 紗季花木 優香環 凜子夏美の母・父紗季の母・父優香の母・父凜子の母・父浅野先輩・石田先輩その他もろもろ
「…4年も経てば街も変わるのね。」後ろ髪で束ねる金髪の少女が、風で揺られる髪を抑えながら呟いた。中学2年生の頃、私はこの地を離れた。でも、夏休みを経て紗季は一時帰省した。ふと、姫石神社に向いたくなり、足を運ぶ。この石で私達は様々な奇跡を体験したんだ。ずっと昔から―。「この夏は異常気象だよ〜……。」真っ直ぐ御石様に向ってくる二人の少女。「いつもそればっかりだよね?」まだ二人は気づいていない。「あっ!?」急に立ち止まり、ふらふらと歩いていた緑髪の少女が紫髪の少女にぶつかり、よろける。「何?急に止まらないでよ!?」「―紗季っ!」思いの外早く辿り着いたらしい。「へぇ〜もう来てたんだ!メールしてくれれば良かったのに……。」「少し一人でこの町を見たかったのっ。」照れ笑うように言った少女。「―そだ、夏美にはメールしたの?」「うん。きっともうすぐ着くころだと思う!」その頃。電車の扉が開いた瞬間、素早く身を乗り出すオレンジ系の髪をした少女が駅員に"こんにちわ"と言いながら改札口を走る。もうメールを見て早く顔を見たくて仕方ないのだろう。待ちきれず、つい速足になってしまう。そして―。「―紗季っ!」後ろから声が聞こえ、ふと紗季は声の聞こえた方向に目を向ける。そこには、4年前と少し成長した夏美の姿があった。「…少し身長伸びた?」「うん―ちょっと。」皆それぞれ成長していた。そういえば、凜子は髪を伸ばしたようだった。「この4年間いろいろあったね〜。アイドルには程遠いけど、ちょっとしたテレビには出るようになったし、これから、これから〜!それに、夏美なんか男子からも女子からもモテモテなんだよ〜ね〜」「支持率UP!」と、脇から凜子が探りを掛ける。「ちょ―そんなんじゃないって!」顔を赤くして、照れるのを隠すように言う。「あ〜、そういえば、凜子も何とか賞って言うの取って、小説を出したみたいだよ。」「あら、凄いじゃない―私も見たいわ!」「うん。じゃ、今から送るよ!」ピロロロッ♪着信音とともにバッグに手を入れ、携帯を捜す紗季。取り出して手には、小説のファイルが届いており、それを見て言った。「えっ?これ―」「そうだよ!」三人が声を揃えて言う。「優香がメインと言うか―」そこから優香が話を続ける。「私達全員の夏の物語―実話なのだ〜〜!」そして、「タイトルは―夏色キセキ!」にこやかな笑顔で三人が声を揃えた。「じゃ、後から読ませてもらうわっ。」携帯を閉じ、バッグに入れる紗季。「これからどうする?」「私は夏休みまで帰省だからいいけど、どこ行く?」「えっ?じゃ、紗季は一人なんだ―じゃ、皆で家に泊まりに来る!募る想い出話もあるし、一日中騒ごうよ!」夏美がこう言った。「夏美ん家とか久しぶりだな〜」「ほんと4年ぶりだわっ―楽しみっ!」紗季が笑顔になる。久しぶりに見た。紗季の笑顔。これからこの一か月は紗季とずっと一緒。これからまた私達の奇跡の物語が始まりを迎えるんだ!―夏色キセキ 二期のアニメ化を願って小説を書きます。すごく感動したアニメでした。
高校生になった私達。過去と現在は変わらない。変わるのは町並みとか風景だけだった。そりゃ身長や人柄の感じは変わるだろう。でも、逢うとパッとこの子だって分かる。そして、想い出話に変わるんだ。小さい頃から今に至る会話をして、遊んで、つまらなくても充実した時間を過ごして、私達は現在最高に気分の良い日々を送っている。キセキはまだまだ続くって信じてる。一度、御石様とのキセキとお別れしたけど、きっとまた信じていれば叶うってそんな気がするんだ。久しぶりに夏美の家を訪ねた一行。大輝もかなり身長が伸びていた。「おっ大輝じゃ〜ん!でかくなったね〜!」振り返る大輝は、驚きを隠せなかった。「紗季姉〜、来てたんだ〜。」声変わりもしていてずいぶん男らしくなったものだ、と思う。「あら、来たのね―今日は皆さん泊まっていくの?」「うん。あたしの部屋に皆寝るから心配ないよっ。」母の言葉に夏美は楽しいくらいの笑顔で応える。久しぶりに見た。夏美の笑顔を見て、母は感激していた。「やっぱり、紗季ちゃんがいると皆の印象がしっくり来るわ!」「そりゃ、ずっと4人だったし―あたしも慣れるまではずっと向かい側のカーテン開け閉めしてたんだよ!」「どんだけ卑屈なんだよ〜。」「夏美には紗季が必要不可欠っ!」優香そして凜子が声を揃える。「私は、夏美がいなくて喧嘩する相手もいなかったから、退屈だったかな?」「紗季〜、ひどいよ〜―いつもじゃないでしょ、喧嘩するのは……。」4年という空白の期間は嘘のようだった。すぐに馴染み、溶け込む。まるで高校もずっと一緒だったかのように。部屋に飲み物や食べ物を運びながら、無邪気に話す様子は母からも父からも見て気持ちのいい風景だった。「ねぇ、久しぶりにテニスしない?皆でっ!」「そうね。私もやりたいわっ―でも、夏美に勝てるかしら?夏美はテニスで推薦してもらえそうなんでしょ?」その言葉を聞いてかぁと頬を赤く染める夏美。「ちょっと、私より紗季の方が絶対強いから〜。でも、紗季から教わったことを活かしているから、強いのは紗季のお蔭なのよね……。」「やっぱり、夏美は紗季がいなきゃダメ―紗季は夏美がいなきゃダメなんだよ〜。」「二人は最強コンビ、だもんね。」ジュースを飲みながら凜子が優香の後に言う。「しかし、今年の夏は異常気象だよ〜―あっ、夏美、エアコン付けて〜。」「そこにリモコンあるよ〜。」優香のすぐそこにリモコンがあるのを紗季が示し、紗季がスイッチを入れた。「はぁ〜、涼しい〜。」目を閉じ、ゆっくりと涼しい場所のポイントを捜す。「ちょっと何でこっち来るのよ?」「えっ!?あらら、夏美に急接近!?」いろいろ会話も弾み、バカふざけする。「明日、テニス終わったら、御石様のところに行こうよ!それに、紗季は夏休み終了までいるからゆっくり遊べるし。」「…そのことなんだけど、私こっちの高校に転校することになったんだ。」頬を赤裸々に染め、照れそうに言う様子は3人が同意する程に可愛らしい光景。「じゃ、また皆一緒だね!」「そうだよ。これからはあんなに悲しまなくていいんだ―紗季、下田へ再びようこそ!変わった町並みとか新しくできた場所あるから観光しようよ!」4年も経てば、新たに造られた場所もあるだろう。こんなところにこれあったっけ、とか話のネタにはなりそうだ。「今日の予定は、まず花火っ!紗季のいない4年ぶんの想い出を作ろう!そして、これからも想い出を作ろう―私達はいつでも一緒なんだから!」優香の言葉に皆微笑む。優香は私達の中でも特に明るく活発でムードメーカー的存在である。紗季は、友達想いなところがあり、勉強も運動も活発な女の子である。凜子は、一見頼りなさそうだが、少し謎に包まれている女の子。そして、私―夏美は運動活発な女子で、ここにいる皆と仲良く遊ぶゆったりでもあり、マイペースな性格。それほど繋がりもない、と思われがちだろう。だが、私達はフォーシーズンという音楽アーティストが大好きなメンバーである。オーディションに応募したり、祭りではいろいろ歌っている。基はと言うと、凜子のクジラが見えるということから私達の仲は始まった。些細なことがきっかけで仲良くなるのはよくあることだ。「に、してもさ。」と、優香が話を続ける。「どうして急に紗季はここに転校になったの?」その言葉に周りはどうして?と紗季に効き始めた。「医大を目指している私はこっちに医大に詳しい知り合いがいるの。だから、その知り合いに勉強を付けてもらうことになったから、ここに居た方が都合がいいし―何より皆と一緒にいたいから。まあ、明後日一度、東京に戻るけど皆も来る?」また、紗季と一緒に高校生活が出来る。紗季の家にも遊びに行ける。私達は、すぐに明後日の計画について話し合うことにした。夏色キセキ二期に続くことを祈って、小説を書きます。いつも冒険物でストーリー製作が大変なのですが、掲示板の皆様がアドバイスを下されば幸いです。アニメ夏色キセキを見た方、見ていない方もこの小説を見てアニメに興味を持ってください。
4年が経って景色は少しずつ変わっていた。けれど、4人の友情は変わってはいなかった。「明日は、東京だよ?」凛子が少し微笑みながら言う。何年ぶりだろう。こうしてみんなで笑いながら、何かを計画するのは。4年前まではいつもこんな感じに笑っていた。そして、毎日遊ぶ約束をしては何かと問題ばかり起こしていた。「東京行ったら何する?」今度は夏海が言う。「スカイツリー……は前に見たし。紗希がいた町を見るんじゃないの?小春とか千晴もいるし。」「うん。私もまた会いたいし。」夏海の言葉に紗希は反応した。4年間という短い期間だが、紗希にとっては友達―向こうで繋がっていた者同士だった。「こうして4年っていう期間があっても変わらないよね。私達。」「うん。景色は変わっても私達の絆は変わらないよ。夏海がいて紗希がいて私がいて凛子がいる。それだけで私は元気になれるし、自分らしさを忘れなかった。もちろん今もね。」そう。確かにいろいろなことがあった。それは夏の出来事。私達を再び繋いだ御石様。御石様にも感謝だし、何より私達全員が出遭えたことが感謝だった。こうして再び巡り合えたことが何より嬉しかった。脱線はしたものの話を元に戻す。「明日は紗希ん家に出発するから、早めに寝よう。」そう言って電気を消す。四人同じ部屋で布団を固める。そして寝るとか言いながら気がついたら怖い話を始めていた。
夕闇が月に照らされている。窓に差し込む微かな明かりが怖さをより感じさせる。というのも、彼女ら4人は未だ怖い話を続けていたのだった。「……明日は東京へ行くのよ?起きれる?」紗希が眉を細めながら、「もう、寝よう。」と次に言葉を発しそうな目でそう言った。元々東京へ引っ越していた紗希は、荷物の整理を含めて東京に一度戻ることになっている。そのために、今日は夏海の家に泊まり、明日の支度なども含めて余裕を持って疲れを癒したいところだった。それが今はこの現状である。寝たいが、寝れる雰囲気ではない。それは怖い話をしているからではない。そう。ただ怖いだけだった。「私ももう寝る。」優香はそう言って布団をがばっと掛ける。先に怖い話をしようと誘ったのは優香だったのだから、私達3人はおかしくも苦笑しているところだった。「そろそろ、寝よっか。」夏海も眠そうになりながらもそう言う。「そうだね。明日も早いし。ていうか、凛は誰よりも寝るのが早いね。起きるのも遅いし。」凛子はいつの間に寝ていたのだろう。神社の跡継ぎの娘なのだから怖い話には慣れているのだろうか。ただただよく分からないだけだった。次に目が覚めれば朝。私達はようやく寝ることに専念し、ふっと意識が途切れるように気づけば眠っていた。月明かりが打って変わって眩しい太陽が窓からカーテンから陽を射している。カーテンから漏れるその光で私は眩しくて目が覚めた。「紗希?はもう先に起きているか。」残りの二人、優香と凛子はまだ寝ている。紗希は髪の毛にブローを掛けながら、夏海に笑顔で近づいてくる。「―起きた?」そう言われ、私は欠伸をしながらもゆっくりと頷く。「ははっ―眠そうだね?」紗希は笑いながらそう言った。夢じゃない。紗希は此処にいる。私達は4人で一つ。4人がいれば何だって出来るし、おもしろいはずだ。「う〜ん。」優香と凛子は寝返りを打ちながら、互いの後頭部を激しくぶつけ合い、それで痛さで飛び上がるように起きてきた。頭を抑える光景を私と紗希で見ていたら、不思議と笑えてきた。「笑い事じゃない!」声を張り上げながら、優香は言う。凛子は相変わらず眠そうにするが、頭を辛うじて庇っている。やはり痛いのだろうか。「そろそろ起きて準備しないと間に合わないわよ。」これでもかなり寝かせてあげた方だと紗希は言う。確かにそうだろう。時間は10時を回っていた。それに秒針は30を射す。チッチッチと針は動いていく。「そうだね。」と、珍しく優香は真面目そうに起床し、朝ごはんを食べに1階に向かおうとする。それに付いて行く様に私達も降りていく。ご飯を食べた私達は、どことなく寝癖だらけの髪を整えながら、荷物の整理をしていた。今日は東京へ泊まりだろう。恐らくは。なので、一日分の宿泊セットを用いて玄関を出ることにした。「じゃ、いってきま〜す。」声を揃えて笑顔で出かけていく姿を母と弟が見送る。電車の時間も考えた上で私達は行動した。ギリギリと言うべきか余裕と言うべきかちょうど電車が来る時間の少し前には駅に付いていた。それもそのはず。最寄の駅は夏海の家から歩いて数分で付くところに位置していたからだ。「行きましょう。」忘れ物をしないように最新の注意を払いながら、電車へと足を進める。「さらば、下田。」「暫しの別れ〜!」そうした言葉が懐かしくまるで4年前のあのときを思い出せそうなそんな感じで―仕方ない。電車の旅を満喫するために、それぞれ音楽プレイヤーをイヤホンで繋ぎ、耳に挟み込む。ふっ、と静かに眠りに付こうとして。―下田発、東京駅発車しま〜す!そのようなアナウンスが小声で聞こえてきた。
今回で東京に行くのは……。何度目なのだろう。御石様の力で"終わらない夏休み"を希望した後、オーディションを受けに何回も東京に行った覚えがある。もう数十回は行っているのだろう。何度か乗り継いで東京駅に辿り着く。紗希の暮らしている場所に行くのはあれから4年ぶりなのだろう。お互いに受験やらで忙しくて中々会いにいけなかったり来なかったりしていた。電車の中で4人で聞く"フォーシーズン"というアーティストの歌を聞きながら、つい最近新アルバムを出したということで私達は盛り上がっていた。聞いた事のない曲、アルバムだから、聞いた事のある曲も混ざっているだろう。そういうところでは私達はよく口ずさんで歌っている―そんな光景を思い出す。「また来たね、東京!まだ紗希の家までは着かないけど……。小春達、元気かな!」優香はそう呟く。4年前に見た島国の人達はどうしているだろう。元気にしているだろうか、と気になるところがある。それでも、優香はあることを思い出して、ゾッとしていた。そう。優香は極度に船酔いをしてしまうのだ。一応、薬は常備しているが、長旅ではどうなるか分からなかった。いや、想定はつく。きっと前みたいに未だに慣れない船旅に吐き気をまた模様すのだろう。だが、それでも紗希の家には船を使わないと着かない。そのため、優香は維持でもがんばらなきゃいけなかったんだ。
優香の吐き気が収まるのを3人が見守る中、ようやくという表現が正しいと思うが、長い時間船にいたような感覚が鈍く残る。それは、優香の吐き気のことがあり、4人共、それぞれ寝ていないことが原因であった。船を降り、陸地に着いてもまだ揺れている感覚は残っていた。そういう現象を体験したのは今回が初めてではなかった。忘れたいことだろうが、優香は4年前のこの場所への旅行で吐いている。今回は吐くことはなかったが、吐き気だけが優香と3人を襲った。携帯で両親と小春や千晴に着いたことを報告すると、真っ先に港に駆けつけてくれた。「お〜い!」と、呼ぶ声を向くと、そこには小春と千晴が手を振っている姿が見て取れた。すぐに駆けつけ、3人は久しぶりなどという言葉をお互いに掛け合う。紗希は一日ぶりなので、おかえりという言葉が飛び交う。紗希も不意に笑顔になる。どちらにいてもこちらにもあちらにも大切な友達がいる。会えて嬉しいという表現が合っているだろう。「今日は、うちの宿に泊まっていきなさい!」「もちろん、そのともりです。千晴や小春と話もしたいし。」と、私は、声を挙げてそう言った。「夏海!だっけ?」と、小春はそう言う。え?忘れたの?という感じで私は言葉を失った。「ウソだよ!みんな覚えているよ!紗希と夏海と優香と凛子、だろ?」それぞれの顔を確認しながら、そう言う。そして、私達は小春や千晴に連れられて、宿に行くことになった。とても風格のあるこの宿屋はいつ行っても優しい感じに包まれている。案内された部屋は前と同じく和風の部屋だった。「今回は紗希も思い切り、遊べるよね?」私は4年前のあの日のことを密かに思いだし言った。「えぇ。私も今日は思い切り遊びたいわ!」紗希も何か吹っ切れたように言うと、優香が「そうだよ。せっかくまた来たんだから前以上に遊ばなきゃ損だよ。」と声を挙げて言った。しかし、いつになっても綺麗な海だった。透き通った水はまるで深海は見えるぐらいまで透き通っていた。美しく、下に生えている海草までもが鮮明に見える。先ほど、見た海だが、4年前と何ら変わらない現状が今の私達にとって非常にありがたいものだった。島には工場というものはなく、空気も透き通りおいしい場所だ。いつまでもそういう場所であって欲しい。私達は宿での食事が終わり次第、海に行こうという話を持ちかけ、朝方着いてまだ朝食食べていないことを知った小春たちは私達のためだけに早くからご飯を作ってくれていた。そのご飯は4年前の当時とほぼ同じもの。相変わらずおいしいものばかりだった。まるで4年前の記憶が正確に思い出せそうなくらいだった。またそれ以上に楽しめそうな夏休みになることを祈ることが私達にとって高校最後の出来事が始まる。これはほんの些細なキセキの物語。
些細な奇跡から招かれた運命の歯車。それはまた些細なきっかけで動き始める。小さい頃から御石様に囲まれた生活。ずっと願いが叶うと信じられてきた。そして、私達の願いは些細なことから徐々に叶い始めてきて、現在では頼らざるを得ない物となってきてしまっていた。御石様は各場所にそれぞれ位置しており、一つの大きな塊を削って各地に配られたという伝統のある石だった。つまりただの石ころではないということ。それは私達が一番よく知っていることだった。小さな奇跡を始め、それは大きな奇跡へと形を変える。身近にあった御石様の力を遮断させた私達だったが、奇跡は消えず、私達にまた降りかかっていたことを知るのはとても遅い時期になってからのことであった。もう一度友と出会い、故郷に戻り、再び一緒に暮らせるようになった身近な存在へと戻ってきたことを私は嬉しく思っている。そして、今は紗希の荷物取りに島の方へ遊びに来ているという訳だったのだ。ちょうど暖かくなる時間を見計らい、海へと向かう為、水着をしたに服を着る。そして、海に着いたらすぐに泳げると言う訳だ。「お昼から暖かくなるらしいから海に行こう!」という優香の提案を受け、私達は海へ向かうことになった。青い空に白い雲、その空間に包まれた海で、太陽光が海に入り、綺麗に透き通っている。そんな綺麗な海に入れることが何より嬉しかった。みんな、嬉しさで気持ちが上がり、海へと飛び込むように走り出す。パシャパシャと音を立てながら、手で水を救い上げ、掛ける。それから私達は海でしばらく遊ぶことにしたのだった。
4年前。紗希との突然の別れを惜しんでいた。窓を開けて、カーテンを開けても、誰もいない。空っぽの空間がそこにはあった。それでもこの日を待ち望んでいた。紗希が戻るこの日を。現在、東京の島に来ている4人。私達は海で小晴を誘って泳いでいた。紗希は医大に行くということもあり、勉強と遊びを両立させるのは難しそうだった。それでも私達と遊ぶ時間を作ってくれている。そう思っただけでこの紗希のいない4年間は無駄ではなかったと思える。パシャパシャと鳴らす音を止め、紗希は言った。「そろそろ、ご飯だってさ。」朝の早い時間から泳いでいたのだが、それでも外は暑いほどだった。「そろそろ、行こうか?」夏海は目からゴーグルを取り出すと、それを額に掛け、言った。「え〜、遊び足りないよ〜。」いつものように甘える優香を他所に次々と沖から上がっていく。「行くよ、優香。」凛子に呼ばれ、渋々と足を動かす優香。途中海が恋しそうに後ろを振り返りながら歩く。「……また来るから。」くすっと笑ってから、まるで優香を宥める母親のように優しく声を掛けた。宿屋"晴"に辿り着くと、もう島の食材の香りが―おいしい料理の匂いが立ち込めていた。「ん〜、おいしそうな香り〜。」「おいしろうだなんて、うちはおいしんだよ。」突っ張る様に吐き捨てた小晴は少し笑っていた。きっと再会が嬉しかったのだろう。皆で集まって料理を食べる。そしたら何だっておいしいものだ。しゃくしゃく、と天麩羅を頬張る皆の顔は本当に笑顔だった。そして、料理を食べ終わった時、部屋に集まった千晴を混ぜて紗希がいた4年間の島の話を聞かせてもらえることになったのだった。