アニメ投稿小説掲示板
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オリジナルキャラクターです!恋BLEACHを描いていきたいです。*新キャラ*・颯真 優貴(ソウマ ユキ)髪は黒いショート。目が赤い。クールな性格だが仲間思い。ルキアの心友。山本元柳斎の義理の娘的存在。・斬魄刀「颯坐(フウザ)」解号「牙をたたせ」黒く巨大な虎のよう。解号すると小さくなり、クナイのようになる。口にくわえて戦闘する。ソール・ソサイティで一番切れ味がするどい。少しでも触れると、深く傷を負わせる。・雷牙・地雷卍解「从刀颯坐(ジュウトウフウザ)」・百花雷
空は青いけど…―――深い森の中…――「優貴ー! どこだよぉー!!」怖い…。優貴、どこ?「修兵…大丈夫?」泥だらけの顔をした女の子、優貴。何もない貧しい世界で出会った少女。手にはいっぱいの木の実。「私から離れるなって、言っただろ?」「だって…優貴ぃ…速っい…グスン」僕は……泣き虫だ。まるで、僕が女の子みたいだった。いつも優貴は、僕を守ってくれる。そばにいてくれる。それが、当たり前だった。「泣くな…男だろ?」頭に手を置いて、なでてくれるのが嬉しい。身長は、やや僕のほうが低い。でも、そっちのほうがいい…。そっちのほうが、落ち着く――――「…うわぁー!!」バシャーンッ!―――「ったく…修平のばか。魚が逃げただろう?」優貴の言葉が悔しくて、また泣く僕。「うっぅ…うぅ…」「……ふぅ…ほら、」白い細い手がゆっくり差し伸べられる。いつも、僕はこの手につかまってる。「修平、泣くなって」「…うぅ…っん…」空は暗くなって―――二人で採った木の実や魚を、たき火を囲み食べる。「…なぁ、修平」たき火の煙で、優貴の顔はよく見えない。「……んー??」魚を食べながら、ふと返事をする僕。おいしいなぁ。今日はごちそうだね。「……私は多分…死神に連れていかれる」手が…止まった。いま…なんて言ったの?「……え」「修平…私の力……分かるだろう?」私の力時々優貴は…急にうなり始めて、苦しそうになる。体から黒いオーラみたいなのが出てきて、それを優貴の体を覆いつくす。一瞬、何かの動物みたいな声がする。僕は…何度か、襲われた。「死神は…私が危険な存在だと、私を捕まえに来る…。それに、これ以上修平を傷つけるわけにはいかない」僕はちらっと、自分の腕を見た。何ヶ所か消えない傷が…まだある。これは、優貴に……。「…そんな!! 優貴がいなくなったら僕は……」涙がポロポロとまた流れ出す。やだよ…。ずっと、ずっと一緒だったんだ。なのに…?「私も…嫌だよ。でも……」自分の胸を抑え、一つ涙を流した。初めて見た…。優貴が泣いてるところなんて…。「じゃ…じゃあ! 逃げよう!!」「…え…」「僕と一緒に逃げよう!! 死神が来る前に」涙を拭って、優貴の腕を掴んだ。今、気づいたんだけど…。僕はいつも掴まれてばっかりで分かんなかった。優貴の腕は…こんなにも細いってことを。「…修平」「僕が優貴を守る! だから逃げよう!」「……だめなんだ…。死神の気配を感じる…」目を閉じて、耳をすませる。「近づいてきてるんだ…」風か、小動物か…草が少し動くだけで怖くなる…。「でも!! 頑張って走れば大丈夫……」赤い瞳…その瞳の中に僕は写っていて…。少しぼやけて写ってる…。それは……優貴の目から、涙が流れてるから…。「…修平…お前は逃げろ。私と一緒にいたら、お前も危険な存在だと………う″ぅっ!」また……この悪い感じ……。優貴の体から、黒いオーラが流れ出る。「…にげ…ろっ!!!」苦しそうに言う優貴。あたりに優貴のうめき声が響く。それは…まるで怪物のようだった。「ゆぅ…き……!!」「あ″ぁぁぁぁぁ!!!!」怖い……怖い……また……優貴に襲われた記憶が蘇る……。『やめてー!!!』怖い……「いたぞ! ここだ!!!」声が聞こえたと思うと、黒い服を着た人達が、一斉に出てきた。刀を抜いて、僕たちを囲む。「あ…あぁ…ああ……」頭が真っ白になった。もしかして、この人達が……死神?「そこの子供! いますぐそいつから離れろ!」そいつって…優貴の……こと?「い……嫌だ!!!」声が震える…。この人達は…なんなんだ……。「そいつをよく見てみろ!! そいつは……化け物だ!!」化け物ゆっくり…隣にいる優貴を見た……。黒い大きな塊……。ゆっくりと…動く……。「…ゆ………」言葉が失った…。大きな黒い……虎…?牙が長く…黒い雲をまとっている……。黒い…電気?すべてが黒に染まった……化け物…。「…ひぃっ…!…逃げろガキ!!」腰が抜けたって言うのかな……。怖い……。これは、優貴じゃない…。化け物だ…足が…動かない……。すると……―――「……うぅぅぅぅ」低い声…大きな口と牙が僕に迫ってくる…。恐怖で声も出ない…。「やめろ!!!」死神が一斉に…襲い掛かってくる。体が…浮いた。服を掴み、僕を大きく投げ飛ばす。そのとき…少し聞こえたんだ。さようならって――――死神の刀が、形を変えて…化け物に襲い掛かる。血が噴出した。その血は…化け物の……。いや、優貴……でしょ?「ウァァァァァァアアァァアァァァ!!」奇妙な悲鳴をあげ…化け物は倒れた。一切…化け物は反撃しなかった。ずっと……僕を見ていた。それから…優貴は死神に連れて行かれた……。最後に見たのは…光の綱で運ばれていくところだけ…。あれは確か、「鬼道」だと優貴は言っていた…。「……ゆ………き」あれから…その後僕はどうしたんだろう……。泣きつかれて……寝てしまった……。優貴がいない…初めての夜だった……。
痛い…苦しい…寒い…悲しい…寂しい…修平―――「…ちょっと……あんた、大丈夫か?」鉄と土のにおい…。…誰かの声……。「まだ…子供じゃないか」「かわいそうだな…」何人も…いる?かすかに目を開けた……すると―――「あ、あんた…大丈夫か?」白い…着物?死神ではない。ここは……檻の中…?「びっくりしたぜー。なんでお嬢ちゃんだけ、檻の中なんだろうなぁー」「ひでーもんだぜ、なぁ?」「あぁ」「そうだな」なんだ…?檻の中にいる、動物を見るよな目…。私は……?「みなさん、こんにちわっす」明るい声……。…誰?白い着物の人達が道を作る。その道を通ってきたのは…―――「…!!」黒い…着物。死神……だ。だめだ…殺される……。「あ…君がこの前来た、新しい子っすねぇー」顔がよく見えない…。死ぬ……ものか!!「…お前……なにするつもりだ」「…おっと…そんな怖い顔しないでくださいよ」私は…生きているのか?なぜ…殺さなかった? 死神……死神……殺してやる。そうだ…私の力なら、こいつらに勝てる…。そして、修平を迎えにいこう。こいつらなんか……殺して……。「だめっすよ」「…!」「殺すなんて…あなたは自分の力をコントロールできていないんだから」こいつ……!私の考えていることを…!!「…きれいな瞳っすね。いい色だ」そう言って…私と一緒の檻の中へ。私と同じ目線にまでしゃがみ込み、手を握った。「…ちょっとだけ……僕の話、聞いてみませんか?」温かい手だ……。優しそうな顔……。心が…安らぐ。だから…か…?「………うん」思わず、頷いてしまった。死神は檻から出し、洞窟の中を案内した。私は…ここにいたのか?ここは……何なんだ?死神には殺されると思っていたが……。「ここは、蛆虫の巣と言います」「蛆虫の…巣?」「はい、『危険分子だ』と判断されたものが集められている囚人達の巣です」「…危険…分子……」「…君は小さいのに、頭が良いっすねー」罪を犯したわけでもなければ、そのまま放置するわけにもいかない…。そんな者達の巣…。「君の中には強大な化け物がいる。それを、斬魄刀の力にして、君が操るんです。君はきっと…強くなる……」斬魄刀…?昔…聞いたことがある。でも…よく覚えていない。でも…あの刀だ。私を切った……あの死神達の…。「つまり…なんだ?」「君は……死神になったほうがいいっす」「…!」私が…死神?「なにを!「君は…」「さっきも言いましたが…強くなる」まっすぐ…私の目を見て言った。いつも…怖がられていた瞳…。真っ赤な瞳。それを…こいつは褒めてくれた。「僕を信じてください」死神を信じるなんて……嫌だ。でも…この力をコントロールし…また、修平と……。「お前…名前は?」「浦原喜助っす!…えーっと…」「颯真優貴だ…………喜助さん…… 死神になります」
ここは…なんて辛い生活だろう。喜助の許可で私は檻から出てもいいと言われた。「興奮しない限り、優貴さんの力は発動しない」と喜助は言った。興奮とか…私が幼いから、きっと簡単に説明したんだろうな……。ここは、どこへ行っても同じ風景。周りは嫌な感じの奴ばかり…。霊圧って言葉を喜助から教えてもらった。喜助は何度か来てくれて、私の話相手になってくれた。修平は…どうしているだろうか?心配になって…喜助に助けを求めるが、喜助は、「もう少しの辛抱」と言った。ここでは、死神は斬魄刀を持ってはいけないと言われているらしい。だから喜助は刀を持たず、危険な状態で来る。だから…――――時々、囚人達に襲われたりしている。でも……喜助は強い。「喜助…お前、隈できてるぞ?」「いやぁー!昨日も研究してて…でも、優貴さんが……」「優貴でいいよ…。てか、そう呼んでくれよ」「え?あーそうっすか?じゃあ…優貴で」喜助といると…どうも心が早く動いて痛い…。体温がいつもより2度は上がっているんじゃないかってぐらい…熱い。時間はかかったが……分かった。たぶん私は………喜助のこと――――それから、何ヵ月後―――「優貴さん、やっと抜け出せますよ……」眩しい…。たくさんの死神と…白い羽織を着た女の人。その隣には喜助。私は喜助の力で、蛆虫の巣を抜け出せた。「ほぉー…想像していた子より、ずいぶん可愛い子じゃな」「でしょでしょー夜一さん」…どうやらこの人は、夜一さんと言うのか…。他の死神達は、あの人に深く頭を下げている…。あの人は…一体?「……喜助」と、喜助の着物の裾を少し引っ張った。「ん? どうしました?」しゃがみこみ、私の口元に耳を傾ける。「なぜ、あの女の人だけ白い羽織をしてるんだ?」「あぁー。あの人は、二番隊の隊長なんです」「……隊長?」「はい。優貴が真央霊術院に入ったら、色々分かりますよ」「真央…霊術院」「死神になる学校です。その学校を卒業したら、死神になれるんすよ!」「お主は今からそこに行くんじゃ。私が頼んで、今すぐ入院できるよう頼んだ」「……ありがとうございます」「…良い子じゃ!」乱暴に、私の頭を撫でる。細くスラっとした体…。綺麗な髪。こんな美人が、隊長なのか……。森を抜け、真央霊術院に移動となった時―――私の周りを死神で囲んだ。「……っ」怖くなった…。あの夜を…―――思い出す……。「…あのー夜一さん」「なんじゃ?」「僕、優貴の隣に行っていいすか?」「ん?いいぞぉ。じゃが、小さい子に鼻の下伸ばすんでないぞ」「なんですかそれ!」そう言って…―――喜助は私の右で歩いてくれた。胸が高鳴る。首を思い切り上に向けなければ顔が見れない。なんて…高くて、遠い。だから、少し嫉妬する。あの隊長さんは…喜助とよくお似合いで――――森を抜けると、綺麗な建物がたくさんあるところへ出た。「…ここが、尸魂界っすよ」そう喜助は呟いた。あたりをよく見ると、死神がたくさんいる…。でも、私と同じ歳の人なんて……いない。もちろん…修平はいない。「さぁ、こっちっす」尸魂界―――ここで私の、新しい生活が始まった。
「おい…あいつなんだよ?」「まだ子供じゃん! 私達よりぜんぜん歳下だし…」「ここもなめられたもんだなぁ…」生徒の陰口…―――クラス分けの試験は私はしなかった。私のクラスは2組だ。死覇装ではなく、男女では色が違う着物を着た。少し、大きい…。「おいテメー」天井から声がしたと思った。上を向くと、体が大きい男子生徒が私を睨んでいた。「なんでテメーみたいなガキがこんな所にいんだよ」「…………」私は…もう色んな大人から怒鳴られてる。村から村へ、窃盗を繰り返してきたのだから。こんなことじゃ、どうも怖くなれない…。「無視してんじゃねーぞ!!」そう言って、私の頭を手で掴んだ。私の小さな頭は手の中に納まってしまう。だが―――急に生徒は手を離した。「や、やめなよぉ! そいつの瞳、気持ち悪い!」「あ…あぁ……変な霊圧だ……」化け物を見るかのような瞳―――この赤い瞳のせいか…?なぜ、人は私を怖がる?修平は……なぜ、私を怖がらなかった?喜助は……なぜ、あんなにも私に優しい?なぜ……だ?「破道の三十一、赤火砲!」周りから、そんな声が交互に耳に入る。手から赤い玉が、大きな音を立て的に向かう。死神が用いる霊術の一つ。私を…縛った術でもあるのか……。「すごぉーい! 的に当たったじゃーん!」「でしょー!」的に当てた人達は、互いに褒めあっている。じゃあ…そうすればいいのか?「次っ!」私の前にいた女子生徒がいなくなる。前に立ち、的へと手を突き出す。「破道の三十一…」周りと同じく、手から赤い火魂が音を立てる。的に届かず、地面に落ちる人もいれば、的にかする人もいる。私も…―――「赤火砲」ドォォォォ!――――「な、なんだ!?」黒い煙が、私達を覆う。かすかに見えたのは、的はなくなっていた。「っす…すげぇ…」でも…―――逆効果だった。「あの子…気持ち悪い……」「あぁ…」廊下やクラス…―――私の居場所は、ない。「はぁっ!」木刀が床に落ち、音が響く―――「一本!」組み手で男子生徒に勝っても―――「気持ち悪い…」そんな声は消えない。じゃあ、私はどうすればいい?どうすれば…あなた達は、私を受け入れてくれるのだろうか…―――でも、それでもいいと思える時がある。「で、どうすか優貴? 死神のお勉強は♪」「………あぁ…いいんじゃないか……」たまに、喜助は遊びに来てくれる。そのたびに、私達は屋根の上で、月を見ながら何気ない話をする。「……どうしたんすか?」「……いや、私がどんなに成績を残しても……周りは認めてくれない…」屋根の上に寝て…月をじっと見つめる。なんだか懐かしいんだ。よく、修平が眠れない夜は、二人で月を眺めた。「この赤い瞳のせいか…妙な霊圧のせいか…」「……あなたを見ている人は、きっといます」「………そうか?」「はい、少なくとも私は見ていますから」そんなさりげない言葉に…胸が痛くなる……。「がんばれ」そう言って…大きな手は私の頭を撫でてくれた。暖かくて…嬉しかった。
私も早く、喜助に追いつきたい。歳は追いつかないから…せめて、一緒の所にいよう。早く…卒業しよう。周りの目なんか気にせず、私は早く早くと卒業を目指した。「斬」「拳」「走」「鬼」高め続けた。早く、早くと―――そして、死神になったら修平を迎えに行こう。そんなある日だった―――「喜助…遅い」いつものように、屋根の上で喜助を待つ夜。すると…――――白い羽織…が目の前に現れた。「いやぁーすいません!」白い羽織…―――背中には「十二」と書かれていた。「……喜助…お前……」「あ…優貴は知らなかったっすかね?僕、隊長になっちゃったんすよ」「……すげぇ…」うまく…言葉が見つからない。喜助は、隊長になった。彼は…もっと、もっと遠くへ行ってしまった…。「…お前は…どこまで距離を伸ばすんだよ…」「…は、はい?」「……いや、なんでもない」少し悔しくて……言えなかった。「隊長就任、おめでとう」なんて……。私も、死神になったら護廷十三隊に入る。そして十二番隊に入って…喜助のそばにいる。いたい。「いやぁー僕、似合わないでしょ?」「…ぷっ…そうだな」だから、待っててくれよ…―――小さい幸せだった…喜助―――それがいま、なくなろうとしていた。数ヵ月後―――「喜助……また遅い」少し久しぶりだ。最近、喜助は何かの研究でしばらく会えないと言っていた。すると今日…地獄蝶が私の元へきた。「…喜助だ」今日、会えますよ久しぶりに、喜助と話せる。嬉しかった。「しかし……」なにか…妙な感じがする…―――いま、何かが…起こっているなにが…ある?その夜―――いくら待っても、喜助は来なかった。「……喜助?」知らなかった。喜助の身に何が起こっているかなんて……。ただ…いやな霊圧を少し感じた。それだけだった。その夜だけじゃない。あれから喜助は……二度と現れなかった―――数年後―――私は、真央霊術院を最短で卒業することができ、その実績で、護廷十三隊に入隊することができた。籍はもちろん、喜助の十二番隊と決めている。しかし…久しぶりに会うのは緊張する…。寂しさとか、悲しさじゃなくて…心配だった。あの数年前に感じた、霊圧は…なんだったのだろうか?新品の死覇装。まだ、新しい匂いがする。そして…―――出会った刀、「颯坐」腰に付け、初めて護廷十三隊へ―――でもまずは…―――護廷十三隊の総隊長の元へ。そう隊長に呼ばれ、部屋の前へ。「…失礼します」実は…総隊長が誰なのか、まだ知らない。ガチャっと音がし、広い部屋の中へ―――「……颯真 優貴」……え…―――目の前が真っ白になった…―――「お…お前……」「…総隊長に向かって「お前」などとは…随分しつけがなっておらんな……」山本元柳斎重國…―――「……祖父…」何十年前…―――こいつは……!!!「………お前が総隊長だったとはな…」「ずいぶん大きくなったな……まぁ、わしはお前の成長を見るために呼んだのではない」「……くっ…」相変わらず…むかつくじじいだ…。「お前…希望の隊が十二とは言うが…お前はそこに向いてはいない」「…なっ!!!」「なぜ、お前は十二番隊に入りたいのだ…?」「…十二番隊隊長、浦原喜助隊長の下につきたいからだ」「浦原……喜助」「…あぁ……」数年ぶりだが……きっと喜助は私を覚えてくれている。そして、ちゃんと言う。「隊長就任、おめでとう」と。「浦原喜助は……いない」………!!!!いま…こいつは……なんて?「な…嘘を言え! 喜助は十二番隊の…」「奴は尸魂界を追放された」………追放!!??なぜ喜助が!?なぜ……!この数年間の間に……なにがあったんだ!?「一体、何があったんだよ!!??」「口を慎め!!!」「…………」「浦原喜助のことは、もう禁句とされておる…。部外者に話すことは許されない」なぜ……!!なにも言ってくれなかったんだ……私は喜助の……何だったんだ………!!!「お前の真央霊術院での実績を眺め、お前は私の隊、一番隊への入隊を勧める」……喜助は………もう……いない……。寂しさ、悲しさ、辛さそれがいま…憎しみに変わった―――「……はい」憧れの十二番隊…―――憧れのあなたの隣…―――優貴〜!そうなんすか?いやぁ〜君はきっと…強くなる……もう、さよならだよ…――――
優貴…行かないで…―――「お…おい……お前、大丈夫かぁ?」「生きてるかな?」かすかな声…。ゆっくりと…まぶたを開けた。「あ、目開けたぞ!」ぼやけながら、ハッキリ写る人…。誰…?「…ん…」重い体を起こし、まぶたをこすった。目の前にいたのは、僕と同じ歳ぐらいの人達で、僕を囲んでいた。「……え…誰?」きょとんとしている僕に、優しく話しかけてくれた。「お前さ、もしかして一人なの?」「だったら、俺らの仲間になったら?」よく見ると、着物はぼろぼろで僕と似ていた。この2人も…一人だったの?優貴以外の人達と、仲間になったことがなかったから…嬉しかった。「………うん」「よっしゃ! お前、名前は?」「……檜佐木修兵」「そっかぁ…そいつ、死神に連れて行かれたんだな…」「かわいそうだなぁ…」「殺されたのか?」「ううん…分かんない……。でも、殺されてはないと思う」「え?なんで分かんだよ」「……いや…遠くに、優貴がいるような気がするから」この胸の中に…いると思うから。そう確信して、寂しい気持ちを抑えた。虎彦と牛次との生活は、すっごい楽しい二人が元々住んでいた家は、少しボロかったけど、なかなかの家だった。「おーいいくぞぉー!」「おーう! 修平はー?」「いいよー!」三人一斉に川に飛び込み、魚を捕まえたり、誰が一番木に早く登れるかなど…。男の子らしい遊びをしてたくさんして過ごした。「よーいっ…どん!」おいかけっこは、僕の得意中の得意。「修平は速えーなぁ…」そう言って、虎彦は地面に腰を下ろし、息を切る。だって当たり前。僕と優貴は…いつも走っていた。このガキー!泥棒ー!!『修平! 逃げろ!』生きるために、走っていた。「…修平?」「…あ、」「なにボッーとしてんだよ! 行くぞ」「…おう!」そのおかげなのか…僕は少し、男らしくなったと思う。でも、夜になるとたまに…――――『修平、大丈夫か?』やっぱり、優貴を思い出す。僕のお母さんみたいで、お姉さんみたいで…。ずっと、一緒にいてくれた人。優貴を思い出すたんびに、涙が溢れる。優貴、いまなにをしているの?大丈夫?どこか痛くない?会いたい…―――たくさんの日々が流れた、ある日―――「なぁなぁ、今日はもっと奥の森に探検しに行かねーか?」牛次が、木の棒をぶんぶんと振り回し言った。「お! 面白そう!! 修平も行くだろ?」「森って…大丈夫かよ?」「大丈夫だって! なんか出たら、俺がこれで倒してやるからよ!」「それただの木の棒じゃねーかよ」子供の冒険心に心が揺られ、僕達はいつも遊んでいる森の奥深くへと入った―――ここで、僕の運命が変わったんだ―――
奥へ、奥へ…――――一歩、一歩…足が進むたび、胸がザワザワする。この胸騒ぎはなんだろう…?楽しみとか…そうゆうの?なんか違う…―――なんか……―――嫌 な 予 感 が す る …二人の笑い声が、だんだん遠くなる。足が重くなる。僕だけが感じる、この嫌な感じ……―――「…待って」似てるんだ。「二人とも待て!!」あの時と…―――…にげ…ろっ!!!ギャァァァァァァ!!!――――「「「!!!」」」一斉に声のするほうを向く。「…………」声が出なかった。白い仮面を被った、でかい化け物…。……あれは…いったい……「うわぁぁぁぁ!」「なんだあれ!」でも、ひとつだけ……わかる。「……ろ」僕達は……こいつに、殺 さ れ る「逃げろ!!」震える声を必死に出した。足が…重い…。逃げろ、逃げろ、逃げろ…。殺される。「修兵! あれなんだよ!」「いいから逃げろ!」三人一斉に、先へ向かって走る。でも、長い舌のようなものを伸ばし、追いかけてくる。僕ら子供の足じゃ……逃げられない。「……う、うわぁ!…あぁ……あぁぁぁ!」死にたくない恐怖。怖い恐怖。いつも怖いときは……―――優貴が…手を差し伸べてくれた……。ねぇ……優貴はこんなとき、どうするの?わかんないよ…。教えてよ…。僕……何もできないよ。「優貴……」必死に叫んだ…。もしかしたら、優貴が助けてくれるかも…。修兵!僕は…いつも優貴の背中を……見ていた。逃げろって……。僕は、たくさん逃げてきた。誰も……守れない。「うわぁぁ!!」虎彦…―――「うあぁぁ!」牛次…―――大切な人を……―――守れない…なんて、嫌だ。「……うぅ…」足を…止めた。立っている感覚がしない。今にも大声を出して大泣きしたい。でも……守らないと。「こい! 化け物!!」近くにあった、太く大きな木の棒を掴み、襲い掛かってくる舌に思い切りぶつけた。しかし、何度も襲い掛かってくる。でも…これなら食い止められる。「早く逃げろ!」そうだ。そうだった。優貴は……いつもこうして、僕に逃げろと言っていた…。そうでしょ? 優貴…―――「なにしてんだ! 早く!」その瞬間―――舌が僕を巻きつけ、仮面…あれは顔なの?顔の近くへ持っていき、大きく口を開けた―――こいつは…僕を食べる気なんだ……。殺される……。怖い……。「…あ………あ……」死にたく……ないよぉぉぉ!!一瞬…―――風が吹いた―――気がついたら、僕は地面にいた。薄っすら目を開けると―――「やれ!」…白い…服?あれは…羽織。背中には九の数字が。その人の声で、一斉に刀を持った人たちが化け物を倒した。………この人達は……?よく見ると……みんな黒い着物を着ている。………死神?「……おい坊主」この人は、他の死神に命令していた。きっと、リーダーなんだろうなぁ。「早く逃げろ。ここは危ない」「…………」何もいえなかった。ただ……かっこいい。胸に書かれている6と9の数字。この人達は……かっこいい。ただ、それだけ。あっという間の出来事だった。その人たちは一斉に消えた。……………あれが死神?僕の心の中に憧れというものが湧き出てきた。