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『忍たま小説集』の続編です。この話は第1部・第2部と分かれています。第1部は雷蔵達が卒業するまでの話。第2部は滝夜叉丸達が卒業するまでの話。前回と違って着々とキャラクターを進級・卒業させます。※流血シーン・シリアス・残酷シーンも含まれています。
☆前作のオリキャラ名前 高本 友一学年 三年い組→四年い組委員 用具委員年齢 12歳星座 水瓶座血液型 A型得意科目(実技) 石火矢と火縄銃と火薬類得意科目(教科) 歴史と数式苦手科目(実技) 戦輪苦手科目(教科) 忍者文字好きな食べ物 鯛料理・刺身全般嫌いな食べ物 匂いのきつい物・セロリ好きな花 白い花全般家族 父・母(故人)・祖父一人称 俺口調 丁寧・敬語ばかり使う外見 前髪は土井先生と似ているがボリュームはちょっと控えめで毛先が少しばかり不揃い。髪の長さは結べば背中が隠れる程度だが解くと腰に付くほど。ストレートヘアーで色は黒。顔は黒味の掛かった青い瞳はちょっと大きめで活き活きししている。鼻筋はよく、頬にはあまり肉は付いておらず顔の輪郭はほぼ留三郎に似ている。二年の時と比べると美しさは少しばかり取れ、かっこよさが引き立つ。体格はくノ一が羨ましがられるほどスタイルはいいが本人はこのスタイルを結構気にしている。体格に似合わず結構力がある。背丈は四年時の三木ヱ門とほぼ同じ高さ。性格 真面目で芯が強く誰にでも敬語を使うが歳相応に未熟な一面もある。一番苦手なもの くだらない喧嘩(これを自分の方に持ち込まれると別人のように切れて言葉遣いも変わる)イメージ声優 (三年時)宮本充 (四年時)宮野真守名前 尼崎 新平学年 五年ろ組→六年ろ組委員 生物委員(委員長代理)→生物委員長年齢 14歳星座 魚座血液型 O型得意科目(実技) 手裏剣全般得意科目(教科) 簡単な書き取り苦手科目(実技) マラソン・乗馬苦手科目(教科) 文学・数式好きな食べ物 干物全般・こんにゃく料理嫌いな食べ物 特になし好きな花 黄色い花(特に向日葵が一番好き)家族 父・母・殺蔵(異母兄)一人称 俺口調 普通外見 前髪は眉が完全に隠れるぐらいの直毛で少し分けている。髪の長さは結べば背中が完全に隠れるぐらいで解けば太股が隠れるぐらいの長さ。細くて癖のないストレートで色はちょっと濃い目の紫。顔は四年と比べるとかっこよさがますます引き立つようになり、異母兄・殺蔵と並ぶぐらいになる、背丈も五年時の八左ヱ門と並ぶぐらい高くなる。体型は華奢に見えるが脱いだら程よく筋肉が付いている。性格 悪質な悪戯はもう引き起こさなくなったが子供っぽい性格やめんどくさがりは健在。前向きで明るくみんなのお兄さん的存在者へと変化する。そのおかげで五年に進級した直後にくノ一にもてるようになった。一番苦手なもの めんどくさいこと・長時間じっとすること滝夜叉丸達のことを略して呼んでいる。滝夜叉丸→滝三木ヱ門→三木喜八郎→綾滝夜叉丸達は最初は渋っていたが最近になってはもう諦めたらしい・・・イメージ声優 辻谷耕史名前 川本 兵士学年 六年い組→戦場医委員 保健委員(保健委員長)年齢 15歳星座 乙女座血液型 O型得意科目(実技) 薬関係・爆薬類全般得意皆目(教科) 保健関係苦手科目(実技) 火薬類苦手科目(教科) 外国語(ポルトガル・南蛮)好きな食べ物 野菜全般・蒸し料理嫌いな食べ物 脂っこい物好きな花 夏に咲く花家族 父・母一人称 俺(目上には私)口調 普通外見 前髪は伊作とほぼ似ている。後ろは縛れば留三郎と同じで解いたらショートシャギーっぽくみえる。髪の色は紺顔は目つきは留三郎よりも少し鋭く紺色の瞳。顔の輪郭もよく目つきが鋭い以外では普通の青年。体型は兵助とほぼ同じで身長は勘右衛門と同じ高さ。性格 性格 優しくて誰からも慕われるお兄さん的存在だか『不運』と呼ばれると別人のように切れる。一番苦手なもの お化けやオカルト全般イメージ声優 中村悠一名前 夏野 亮学年 三年い組→四年い組委員 図書委員年齢 13歳星座 獅子座血液型 AB型得意科目(実技) 剣術得意科目(教科) 忍者文字苦手科目(実技) 弓道・火矢苦手科目(教科) なし好きな食べ物 魚料理・ロールキャベツ嫌いな食べ物 アルコールを使った料理好きな花 スミレ・タンポポ家族 全員5年前の戦で故人一人称 俺口調 普通外見 髪型は前髪は右側の方は傷口を隠すかのように覆いかぶさっており、左側は瞼が付くか付かないほど。長さは結べば背中が隠れるほどで解いたら脹脛につく長さ。毛先が癖のあるストレートで色は明るい赤。顔は右目から耳朶に目嗅げて大きな火傷の跡があり深緑の瞳は留三郎と同じぐらいに鋭い。顔の輪郭もよく、五年生も渋々認めるほどかっこいい顔つきをしている。体型は孫兵とほぼ同じだか身長は三之助よりも少し高い。性格 ワイルドに見えるが後輩思いで社交的。一番苦手なもの 戦・孤独イメージ声優 草尾毅名前 尼崎 殺蔵年齢 22歳→23歳職業 アワビ城忍者隊首領兼プロ忍者星座 蟹座血液型 A型十八番忍術 剣術・爆薬類・妖術(妖術は少ししか使えない)好きな食べ物 果物全般・卵料理嫌いな食べ物 特になし好きな花 紫色の花全般家族 父・義母・新平(異母弟)一人称 私口調 普通外見 髪型は前髪は新平と同じ。後ろは常に下ろしてあり脹脛が隠れるぐらいの長さ。結べば仙蔵よりもちょっと長め。髪の色は新平よりも少し薄い紫。顔は濃い紫色の瞳に新平よりも少し小さめの目。顔は新平よりも整いすぎている。表情は常にポーカーフェイス。体型は華奢でしなやか。色白。性格 冷酷だと思われがちだが情に厚く、誰からも信用されている。一番苦手なもの 騒動イメージ声優 津田健次郎
キャラ投稿者・とかげ〜なさん【名前】一ノ割優読み方:いちのわり ゆう誕生日:おうし座血液型:AB型髪色:淡い黄褐色髪型:長次みたいな前髪と長すぎず短すぎない後ろ髪目の色:黒成績:優秀運動神経:結構ある役職(立場):学級委員長武器:忍び刀必需品:忍たまの友、腕章、実況用マイク好きなもの:平穏、友情嫌いなもの:私利私欲のための闘争趣味:風景を眺める性格:生まれついてのリーダー格だがちょっとお茶目。率先して事に当たるタイプイメージ声優:冬馬由美【名前】二俣川玲次読み方:ふたまたがわ れいじ誕生日:さそり座血液型:A型髪色:茶色髪型:ぼさぼさの髪。原作小平太をイメージすれば分かるかと目の色:黒成績:あんまり良くない運動神経:飛び抜けてる役職(立場):体育委員武器:苦無と己の肉体必需品:塹壕掘り用の苦無、バレーボール好きなもの:自由嫌いなもの:束縛趣味:筋トレ、ランニング性格:小平太2世。豪快で自由奔放、テンションの高いトラブルメーカーイメージ声優:竹内順子【名前】三鷹陽大読み方:みたか ようだい誕生日:しし座血液型:B型髪色:濃紺髪型:アニメ版の文次郎みたいな感じ目の色:黒成績:そこそこ運動神経:そこそこ役職(立場):会計委員武器:袋槍必需品:帳簿、電卓好きなもの:筋道の整った話嫌いなもの:煩わしいこと趣味:散歩性格:真面目。といってもくそ真面目では無く、ちょっと茶目っ気がある感じイメージ声優:白鳥由里【名前】四ツ谷竜馬読み方:よつや りょうま誕生日:おとめ座血液型:O型髪色:銀灰色髪型:短めの後ろ髪目の色:赤成績:優秀運動神経:そこそこ役職(立場):保健委員武器:千本必需品:救急箱、予備のトイレットペーパー好きなもの:仲間達と過ごす時間嫌いなもの:平穏を乱されること趣味:皆とのお喋り性格:伊作2世。素直で優しいため、誰にでも好かれるイメージ声優:小桜エツ子 【名前】五反野良一読み方:ごたんの りょういち誕生日:やぎ座血液型:B型髪色:濃灰色髪型:あちこちに飛び跳ねた短めの後ろ髪目の色:黒成績:そこそこ運動神経:結構ある役職(立場):生物委員武器:鎖鎌必需品:虫取り網、虫かご好きなもの:平穏嫌いなもの:トラブルを持ち込まれること趣味:昼寝性格:大人しい。苦労人であり玲次のストッパー役も兼ねているイメージ声優:愛河里花子【名前】六本木博希読み方:ろっぽんぎ ひろき誕生日:うお座生血液型:O型髪色:茶色髪型:食満みたいな前髪と割と長めの後ろ髪目の色:黒成績:割といい運動神経:そこそこ役職(立場):火薬委員武器:手甲鉤必需品:消火器、火薬壷好きなもの:仕事で思い切り活躍できること嫌いなもの:気分を凹まされること趣味:日向ぼっこ性格:おっとりしていて天然。ロマンチシストでもあるイメージ声優:大谷育江【名前】七光台源堂読み方:ななこうだい げんどう誕生日:おひつじ座血液型:AB型髪色:薄い茶色髪型:緩いウェーブのかかった長めの後ろ髪目の色:黒成績:優秀運動神経:そこそこ役職(立場):図書委員武器:縄標必需品:貸出票、本の貸し出し記録好きなもの:頑張りを認められること嫌いなもの:怖いもの趣味:読書性格:泣き虫で甘えん坊。そのため初対面で「名前負けしている」と言われるイメージ声優:こおろぎさとみ【名前】八街浩介読み方:やちまた こうすけ誕生日:てんびん座血液型:A型髪色:茶色髪型:刷毛のような割と短めの後ろ髪目の色:黒成績:そこそこ運動神経:結構ある役職(立場):用具委員武器:鉄双節棍必需品:工具一式好きなもの:好奇心をそそられること嫌いなもの:つまらないこと趣味:ネットサーフィン性格:無邪気で好奇心旺盛。騒ぎが起きるとすぐ首を突っ込みたがるイメージ声優:平野綾 【名前】九品仏吉彦読み方:くほんぶつ よしひこ誕生日:かに座血液型:B型髪色:黒髪型:仙蔵に負けず劣らずの長いサラスト髪目の色:黒成績:優秀運動神経:そこそこ役職(立場):作法委員武器:宝禄火矢必需品:化粧道具好きなもの:自己を高められること嫌いなもの:作業の邪魔をされること趣味:自主トレ性格:クールで向上心が高い。ちょっと短気な一面もイメージ声優:松本梨香【名前】十日市場響読み方:とおかいちば きょう誕生日:みずがめ座血液型:A型髪色:黒髪型:ツンツンしていて割と短めの後ろ髪目の色:黒成績:そこそこ運動神経:割とある役職(立場):保健委員武器:各種毒薬必需品:竜馬の項目と同じ好きなもの:面白いこと嫌いなもの:面白くないこと趣味:悪戯性格:兎に角やんちゃっ子で悪戯大好き。しかし自重は弁えており礼儀正しくもあるイメージ声優:西村ちなみ【名前】百合ヶ丘レイナ読み方:ゆりがおか れいな誕生日:ふたご座血液型:A型髪色:水色髪型:特徴的な前髪とその尖った尻尾みたいな後ろ髪目の色:青成績:優秀運動神経:そこそこ役職(立場):くのいち生徒武器:仕込み小刀必需品:手鏡と櫛好きなもの:自分が好きだと思うもの嫌いなもの:自分が嫌いだと思うもの趣味:風魔忍術の修行性格:ボーイッシュで元気。ちょっとツンデレ入ってるイメージ声優:釘宮理恵【名前】千駄木ミミ読み方:せんだぎ みみ誕生日:いて座血液型:O型髪色:淡いピンク髪型:全体的にふわふわした髪目の色:茶色成績:割といい運動神経:そこそこ役職(立場):くのいち生徒武器:鉄扇必需品:喉飴好きなもの:可愛いもの嫌いなもの:気持ち悪いもの趣味:歌と踊り性格:所謂「姫系」。照れ屋で夢見る乙女イメージ声優:水樹奈々キャラ投稿者・妖精ホルンさん名前;新里武(しんざと たける)学年;一年は組委員;保健委員年齢;10歳特徴;短髪で茶色。瞳は黒。人称;僕 君 〜さん 上の人だと先輩。参考台詞;「僕、武です。色々と仲良くしてください。」「ふぅ。何とか出来たよ。」「僕、薬を作るのが得意なんだ。」「あ!待ってください。先輩!!」口調;乱太郎と同じく年下や年上にも関係しなず敬語を使う。性格;元気で明るい性格その他;家がもともと薬を作る専門で保健委員でも活躍。男子では結構モテる方。乱太郎を先輩と思っている。成績は優秀。
一年と二年は学年以外ほとんど変わっていません。一年い組→二年い組→三年い組一年ろ組→二年ろ組→三年ろ組一年は組→二年は組→三年は組二年い組→三年い組→四年い組二年は組→三年は組→四年は組三年生孫兵(四年時)生物委員→(五年時)生物委員長代理左門(四年時)会計委員→(五年時)会計委員長代理作兵衛用具委員長代理三之助(四年時)体育委員→(五年時)体育委員長代理藤内(四年時)作法委員→(五年時)作法委員長代理数馬(四年時)保健委員→(五年時)保健委員長代理三年い組→四年い組→五年い組三年ろ組→四年ろ組→五年ろ組三年は組→四年は組→五年は組四年生滝夜叉丸(五年時)体育委員長代理→(六年時)体育委員長喜八郎(五年時)作法委員長代理→(六年時)作法委員長三木ヱ門(五年時)会計委員長代理→(六年時)会計委員長タカ丸(五年時)火薬委員長代理→(六年時)火薬委員長四年い組→五年い組→六年い組四年ろ組→五年ろ組→六年ろ組四年は組→五年は組→六年は組五年生雷蔵(図書委員長)→アサリ城の忍び忍者(三郎と双忍)三郎(学級委員長)→アサリ城の忍び忍者(雷蔵と双忍)兵助(火薬委員長)→トコブシ城の忍び忍者八左ヱ門(生物委員長)→フリー忍者ちなみに勘右衛門は原作ではまだ委員会が決まっていないので今のところは無所属という形になります。(分かったら修正します)→フリー忍者五年い組→六年い組五年ろ組→六年ろ組 新米忍者文次郎・小平太・長次(フリー忍者)仙蔵(サクラ城の忍び忍者)留三郎(カカオ城の戦闘員)伊作(戦場医)
一年は組は初めての火薬の勉強をしていた。「火薬を扱う時は充分注意するように」「「はーい!」」早速火薬の調合を慎重に扱い始めた。「う〜〜〜・・・」少しうなり声を上げて火薬を少しずつ混ぜる陽大。「うむぅ・・・」火薬の原料の粒を細かく砕き、計量を難しそうに測る博希。真剣な顔をして小さい手で出来るだけの火薬を調合する一年は組・・・教師はこれを見て笑顔で頷いた。「よしよし・・・皆真剣でよろしい」数時間が経った・・・「はぁ・・・出来た」額に浮かんだ汗をぬぐって完成品の火薬を見る陽大は嬉しそうな顔をした。「三鷹、火薬調合は凄くいいが今回の火薬は焙烙火矢の火薬調合だ、石火矢の火薬調合じゃない」「あっ・・・」今日の火薬の勉強は焙烙火矢だったが陽大の作った火薬は石火矢用の火薬だった。「先生、出来ました」吉彦が火薬調合ばかりではなく焙烙火矢本体も作り終えた。「凄いが火薬調合だけで焙烙火矢は作れとは言っていないぞ・・・九品仏」勝手に焙烙火矢を作らないようにと注意した。「みんなも勝手に火薬調合を変えたり焙烙火矢を作ったりしないように」教師は更に注意を追加した。そして武も火薬調合を終わらせた。「これでいいかな・・・」不安そうに呟く武。「先生!出来た火薬、一度火をつけてもいいですか」響は自分で作った火薬の試し討ちをしたいと言ってきた。「あああーーー!!!ダメだ!!!」教師の叫びも虚しく響は調合した火薬に導火線を嵌めて、火をつけた。「大丈夫ですよ、教科書を見ながら作ったし、試し討ち用は焙烙火矢の火薬調合よりも断然威力を弱めに調合しましたから」素人判断の火薬調合をした響は大丈夫と自信を持って言ったとき・・・チュドーン!!!!!!「な・・・なんだ!!!」校庭で実技の授業をしていた二年は組は一年は組の教室がある方向を見上げたとき黒い煙が出ているのを目撃した。「大変!火事だ!!」乱太郎はすぐに保健室に向かい、救急箱を取りに行った。山田先生は残りの生徒達にバケツリレーをして火事を止めるように命じた。1時間後・・・「はぁ・・・はぁ・・・」一年は組の教室は黒こげになっており、生徒教師には怪我は無いものの体中が煤だらけになっていた。「この馬鹿者が!!素人判断で作った火薬に火をつけて爆発事件を起こすとは!」「ごめんなさい〜」響は泣きながら謝った。「一年は自分勝手なことばかりして本当にいかん!火薬調合は間違えるわ、勝手に火薬調合は変えるわ、焙烙火矢を作るわで!!!」教師はガミガミ叱ったが山田先生がそれをさえぎった。「まあまあ、何事も経験ですし、火薬調合は初めてですからもうその辺で、今回のことで彼らも火薬は危ないものだとよーく分かったことですし、もう二度としないという約束を守るのだったら説教はこのぐらいに・・・」今回のことで火薬を甘く見てはいけないという言葉と心から反省する一年は組を見て教師は渋々頷いた。「・・・まあ、山田先生がこういうのでしたら今回は多めに見ましょう」2度目は無いと思えと忠告を出し教室掃除に取り掛かった。「僕達も手伝います」庄左ヱ門達も手伝うと言って来た。掃除は二年は組の協力もあって早く終わらせることが出来た。乱太郎と響は雑巾と桶を綺麗に洗って用具倉庫に戻した。「そんなに落ち込まないでよ、私達だって去年、火薬の事で散々苦労したんだから」乱太郎の言葉に響は目を大きくした。「忍術学園に入って初めての火薬調合を間違えて教室を爆発してね・・・土井先生に凄く怒られたことがあるんだ」「先輩も同じような経験を!」「うん、でも、私達の場合は一度だけじゃないんだ、2度3度も同じ繰り返しで何度も怒られたことが・・・」去年のことを思い出して苦笑いする乱太郎。「・・・誰だって最初は素人当然・・・か」「?」「この言葉・・・友一先輩から聞いたんです、前に薬を作るのに失敗して左近先輩に凄く怒られたことがあるんです、落ち込んでいる僕に友一先輩が励ましてくれて『誰だって最初は素人当然のこと、失敗を重ねるごとに上達して行くからくじけないで下さい』って言われたことがあるんです」「友一先輩らしい言葉だね」乱太郎はくすっと笑った。「大丈夫だよ、次は絶対にうまくいくよ」「うん!次は先生の言うとおりにしてちゃんとしてみるよ」やっと元気が出た響を見て乱太郎はホッとした。そして数日後に再び一年は組は火薬調合の授業に入ったが今度は教師の言う事を聞いて、火薬調合をした。結果は全員合格となり教師は満面の笑顔で褒めたてたのは言うまでも無かった・・・完次回予告 滝夜叉丸の不満
「ああっ・・・凄く美しい・・・私の身体・・・顔・・・髪・・・」体育倉庫に置かれている巨大鏡で自分自身をうっとりと見る滝夜叉丸。「四年の時も美しかったが五年になった私は更に美しさが磨きかかっている・・・」ああ〜っとうめき声を上げて自身の美しさに惚れ惚れし続けた。「滝〜・・・」体育倉庫に大量のプレゼントを持った新平が現れた。「尼崎、どうしたんだ、まさか私の美しさの秘訣を聞きにでも」「ううん、滝の美しさには興味ない!」キッパリと笑顔で言わなくてもいいと断った。「はい、おすそ分け」数個プレゼント渡した。「これは・・・」「くノ一の女の子達から貰ったお菓子類、俺こんなにいらないし何個か下級生にあげているんだけど・・・全然減らないんだ」だから滝も手伝ってと言い、数個お菓子を渡したのだ。「く・・・く・・・くノ一にだどぉお!!!」これを聞いて滝夜叉丸は新平に酷い憎しみを抱くようになった。今までくノ一にもてなかった彼が進級した直後にくノ一にもてるようになったと聞き心底腹を立てたのだ。「どうしたんだ?滝」用が無いなら帰るぞと言い体育倉庫を後にした。その入れ違いに玲次が泥まみれで倉庫に入ってきた。「滝夜叉丸先輩ー!」「・・・玲次か・・・どうした・・・」怒りを露にしながら玲次に話しかけた。「遊ぼ!」「私は誰にも負けないほどの美を磨きたいんだ、泥まみれの体育委員はもう終わったんだ!!!これからの体育委員は『美』を磨くようにしなければならーーーーん!!!!!!」もっと外見の美しさを磨き続けると大いに張り切る滝夜叉丸。「そんなことしなくても先輩は充分綺麗ですよ」玲次はへらっと笑いながら滝夜叉丸の美を認めていた。「本当か!玲次」「うん!滝夜叉丸先輩は学園一の美少年ですよ」「そうかそうか!玲次は偉いぞ!!!私の美しさを認めるなんて!」上機嫌になった滝夜叉丸は玲次を褒めた。「そうだ!同級生から貰った菓子、全部やるよ」さっき新平から貰ったお菓子を全部あげた。「ありがとう、早速友達と食べようと」お菓子を受け取るとすぐに体育倉庫を後にした。「そうか・・・私の美は学園一か・・・よーしもっともっとこの美を磨き続けるぞ」天狗になり懐からブラシを取り出して髪の手入れを始めた。「よし!これでいいかな・・・」髪のセットを終わらせた滝夜叉丸は鏡で自分自身を見つめなおした。外見はそんなに変わっていなかったがきちんと綺麗になっていた。「この美さえあれば私もくノ一に・・・」くノ一に囲まれて幸せいっぱいの自分を想像しながら体育倉庫を後にしてくノ一が集まっている場所に向かった。すると・・・「キャーキャー!!!」「尼崎先輩カッコいい〜」「殺蔵様と互角のかっこよさね〜」うっとりと新平を見つめた。狼の散歩をしているところにくノ一と会って歓声を上げられていたのだ。「そんなにカッコよくねーよ!俺は」ツーンとした態度を取ってこの場を去る新平。「殺蔵様みたいに無理にクールに装う尼崎先輩も素敵〜」「うんうん・・・」メロメロになるくノ一達を見て滝夜叉丸は新平の傍らに姿を見せた。「滝・・・」「忍術学園一の美男子忍たま、平滝夜叉丸、ただいま参上!」かっこよくポーズを取って決める滝夜叉丸。「邪魔!どいて!!」「あんたなんか興味ない!」「外見はかっこいいけど性格はカスじゃ何の意味もないわよ!」鼻であしらいこの場を不愉快そうに去るくノ一。「・・・・・・」「やーい!くノ一に嫌われたー」新平は子供のようにからかいながら落ち込んでいる滝夜叉丸にとどめを刺した。「くぅ〜・・・」滝夜叉丸は唇を噛み締めて悔しさを堪えるしかなかった・・・完次回予告 拾った子犬
雨の日・・・「うわぁ!急に雨が降ってきたぁ」金楽寺にお使いに行っていた良一はその帰り道に急な雨に巻き込まれた。早く帰ろうと走っている時、足元に何か濡れているものが当たった。「ん?」足を止めて足元を見ると、こげ茶色の子犬が良一に擦り寄っていた。「・・・可愛い」あまりにも愛くるしかったため良一はこの子犬をそのまま学園に連れて帰ってしまった。子犬を長屋に入れ込み、良一は子犬の身体を乾かした。「うわあ、モコモコ可愛い〜」毛が乾くと毛皮がふっくらとして可愛さが増した。「山麓丸、子犬だよ」イグアナの山麓丸に子犬を見せる。子犬の方も山麓丸に興味深々で近くに匂いをかいだ。「おい、良一」新平と八左ヱ門が良一の部屋に入ってきた。「あっ、先輩」子犬は2人を見るとすぐにそばに駆け寄りきゅーんと鳴いて懐いた。「子犬か・・・可愛いな」新平は子犬を持ち上げて抱いた。「この子犬、どうしたんだ?」良一は一部始終を説明した。「そうか・・・だったらお前に初めての課題を出そう」八左ヱ門は良一に生物委員としての課題を出した。それは、子犬を最後まで面倒見ることだ。「最後まで面倒を見る・・・」「ああっ、生き物はいったん飼ったら最後まで面倒見るのは人として当然だからな」いつも言っていることを改めて言い直した。「うん、この子犬の世話、ちゃんとするよ」「ああっ、分からないことがあったら俺か尼崎に言え、哺乳類の世話の方法はよく知っているからな」こうして良一はこの子犬を飼うことになった。「まずは名前を決めないと・・・君、女の子?それとも男の子?」オスかメスか分からずにいた。「う〜ん・・・尼崎先輩、この子犬、性別分かります?」未だに新平の腕に抱かれている子犬を見て質問した。「こいつはオスだな、玉が付いている」お尻のほうを見て性別を確認し、床に下ろした。「オスか・・・名前は男らしいのにしなきゃね」「全身茶色だし、茶々丸って言うのはどうだ?」茶々丸・・・「いい名前だね、今日から君は茶々丸だ」良一も気に入ったためこの子犬の名前は茶々丸に決定した。「次は何をすればいいの?」「しつけだな、明日、しつけに関する本持って来てやるよ」「ありがとうございます」こうして良一は生物委員入って初めての大仕事が任された。茶々丸はすぐに一年は組の人気者になった。「可愛い〜」「モコモコだぁ」竜馬と博希も茶々丸に夢中だった。「ところでこの子の家はどうするの?」「友一先輩が飼育小屋の隣に犬小屋を作ってくれるって」茶々丸を撫でながら家のことを説明した。「でも、犬って何を食べるのかな・・・」犬が好む食べ物のことはあまり知らずに何を食べさせればいいのか分からなかった・・・その時、友一が一年の長屋に尋ねた。「良一、茶々丸君の小屋、完成しましたよ」「ありがとう、見に行ってもいい?」「いいですよ」茶々丸を抱き上げて飼育小屋に向かった。飼育小屋に着くとすぐ隣に小さい小屋が建っていた。「茶々丸、新しいお家だよ」茶々丸を下ろして小屋に入るように進めた。すぐにその場に向かい、小屋にもぐりこんだ「・・・気に入ったみたいだ」すっかり小屋の中で寛いだ。茶々丸が忍術学園に来てから一年は組の方はにぎやかになった。しつけは大変だったがどうにか基本のしつけはマスターして学園の番犬になった。「茶々丸、ご飯だよ」良一が犬用の肉を持って来た。最初は戸惑ったがどうにか犬の飼い方を覚えたようだ。茶々丸は餌が目の前に置かれるとすぐに食べ始めた。「普通なら『待て』を覚えさせる人がいるけどこういうのは犬のストレスが溜まるからやらないほうがいいといっていたからね」餌を食べ終わると円らやな目で良一を見上げた。「美味しかった?」頭を撫でてたずねた。茶々丸はきゅーんと鳴いた。「じゃあ、お休み」そろそろ部屋に戻らなければならないので良一はここで茶々丸と別れた。その夜・・・皆が眠りに落ちた頃、事件が起こった・・・「兄貴、忍術学園に大量の金がありますな」「ああっ・・・これで当分は食いつなげるぜ」2人の男が金庫を荒らしていた。「さてっと、周りに気付かれないように引き上げるぞ」金の入った風呂敷を持って引き上げようとした時・・・「キャンキャン!!!」子犬の鳴き声が聞こえた。「子犬か・・・」下の方をみると威嚇している茶々丸に目が付いた。茶々丸は更に鳴き続けた。「煩いんだよ!!!周りに気付くだろうが!!!」その中の一人が刃物を持って茶々丸に突き刺した。「キャイン!!!」突き刺したにもかかわらず容赦なくズタズタに肉体を引き裂いた。茶々丸を刺し終えるとすぐさまに学園を後にした。翌朝・・・「今日も授業か・・・めんどくせ・・・」新平は欠伸をしながら井戸に向かおうとしたが飼育小屋の前に人が集まっていた。「ん?どうしたの?」周りの人を押し退けて奥に進んだ。すると泣きじゃくる良一とそれを励ます八左ヱ門が目に入った。「どうした!良一、竹谷先輩」「あっ・・・実は茶々丸が・・・何者かに・・・」血まみれで倒れている茶々丸を目にやった。「・・・ひでぇ・・・もう・・・死んでいるじゃねえか・・・」新平もこれを見て怒りを覚えた。「一体誰なんだ!こんな悪質なことをしたのは!」「昨日の金庫荒らしの奴だ!金庫を調べてみると金がなくなっていた」今、先生達が犯人を追いかけていると言った。「ううっ・・・うぇえ〜」良一はどんなに八左ヱ門に励まされても泣き止めずにいた。「泣くなよ、犯人が捕まればその犯人をボコボコにしろ」徹底的に仕返しをすればいいと言うと良一は更に泣いた。「うわあああん!!!うええええ〜」「尼崎!こんな事したって茶々丸が帰って来る訳ないだろうが!むしろ虚しさを感じるだけだ!」「悪い悪い・・・言い方を間違えた、犯人を捕まえればその犯人にも謝罪させろ」八左ヱ門に叱られた新平は訂正した。「許す許さないかはお前が決めることだ、しかし謝罪をするだけでもいいだろ、なっ」これを聞いた良一は軽く頷いた。半日後には教師達の活躍により金銭が戻って来て、犯人も捕まった。しかし、犯人達は窃盗ところが茶々丸を殺したことに関しては全く謝罪どころか反省の色も見せずにいた。「ううっ・・・酷いょ・・・」最低人間!っと泣き叫ぶ良一。「最低人間!最低人間!最低人間!!!」気が済むまで怒鳴り続けると淡を切ったかのように泣きじゃくった。「もう・・・誰も信じたくないよぉおお!!!うわあああん!!!」八左ヱ門にしがみ付き『誰も信じない!』と喚いた。事件から数日・・・良一は未だに元気を取り戻さずにいた・・・これを見た孫兵達は心配になって来ていた。「伊賀崎先輩、どうしましょう」一平が尋ねてきた。「・・・どうするって・・・良一にとって初めて経験することだからな『死』は・・・」孫兵も一年の頃に動物の『死』を目撃したことがあった。しかし、いつまでもいじけちゃダメだと思い、辛いながらもようやく元気を取り戻して行ったことがあった。でも、良一の場合は違った・・・いつまでも元気を取り戻さずにいたのだ・・・「良一がいつまでも元気ないのは嫌だ!」「うん・・・」虎若と三治朗が良一を励ましに行こうとしたとき新平に止められた。「よせ!ヘタに励ますと更に落ち込むだろうが!」「じゃあ尼崎先輩はどのように良一を元気付けてくれるんですか?」「俺の場合は放置する」「尼崎先輩らしい・・・」新平らしい答えを聞かれて少し呆れる虎若と三治朗。「いや・・・しばらくそっとしとけば絶対に元気になってくれるって、人間って言うのはこういう生き物だからな」「もう!皆尼崎先輩みたいな単純バカじゃないんですよ!」「なんだと伊賀崎!俺の何処が単純バカなんだ!」「こういう性格が単純といわずになんと言うんだ!」孫兵と新平の口論が始まり、虎若達はすぐにここから少し離れた。「相変わらず仲が悪いな・・・尼崎先輩と伊賀崎先輩・・・」「うん・・・」苦笑いしながら2人の喧嘩を見続けた・・・結局良一が元気を取り戻したのは1週間後だった・・・完次回予告 一番大切な先輩
図書室ではきり丸と亮が当番をしていた。「きり丸・・・」「なに、亮」きり丸が年上である亮を呼び捨てにしているのにはわけがあった・・・亮ときり丸は昔、同じ村に住んでいた幼馴染であり、そして戦での生き残りだったのだ。2人は戦が起こる当日、きり丸は山に山菜を取りに、亮は村に残って時を過ごしていた・・・そして何の前触れもなく戦が始まって村が焼かれたのだ。当然住む場所も両親も失った・・・亮は奇跡的にも命は無事だったが今朝までなかった右目から耳朶辺りまでの大きな傷が出来てしまった・・・きり丸は山菜を取りに村から離れていたため怪我はなかったが村と両親を失ったことにショックを受けてしまった・・・2人はそれ以来一度も会うことはなく、それぞれの道で生き延びることを選んだ。きり丸は一人の力で生活費を稼ぐためにバイトをした・・・亮は親戚に引き取られるもののハーフという理由と右目の傷のせいで虐待を受けられ、僅か1年で家を出て行き一人で生きて行くことを選んだこと・・・そして、幸せを奪った城に復讐を果たすために、禁断の妖術を身に付けたのだ。「きり丸・・・お前は復讐を考えたことはないのか!」「復讐って・・・俺と亮の村が焼かれたものに対する復讐か?」「ああっ・・・お前は悔しくないのか!家も・・・村も・・・愛する者も・・・全て戦で焼かれたことに!」力んで言う亮に戸惑いを覚えながらもきり丸は口を開いた。「それは・・・確かに悔しいっすよ、でも過去に囚われるよりも今を生きたほうがいいかなと思っていたが・・・」「・・・今を生きることはお前には出来ても俺には出来ない・・・因縁を断ち切れないほどまで来てしまっているんだ・・・」この因縁を断ち切るためには復讐を果たすしかないと弱々しく呟いた。「・・・亮・・・分かったよ亮、亮のやりたいようにやればいいさ」きり丸の言葉は意外なものだった。「何も前向きに生きて行くことばかりが人生じゃない、『過去の鳥籠』の名と呼ばれる過去を断ち切るために復讐を果たせばいいだけだ」「きり丸・・・・・・」亮は涙を溢してきり丸を抱き締めた。「亮・・・俺も友一先輩と田村先輩のような先輩後輩関係になりたい・・・亮と俺とはいいコンビネーションになれると信じているんだ」どんなことがあっても俺は亮を信じる、亮と共について行くよ。「きり丸・・・」「たとえ乱太郎達を敵に回したとしても俺はずっと亮について行く!」「きり丸!!!」亮のさっきの言葉できり丸もまた、復讐を果たしたいと思うようになった・・・かつて過去に囚われた自分を思い出しそして少しばかり過去の因縁を持つようになってしまったのだ・・・完次回予告 豆腐と野菜
食堂では今、殺気に覆われていた・・・いつもは仲がいい兵助と兵士が互いに怖い顔でにらみ合っていた・・・「今・・・なんと言った・・・」「何度も言わせるな・・・兵士」「ふざけるなぁああ!!!!!!」兵士は力いっぱいテーブルを叩いた。その反動で食物の入っていた食器が少し浮いた。「な・・・何・・・何で久々知先輩と川本先輩が喧嘩をしているんだ・・・」食堂に入ってきた五年生達はこの状況に少し戸惑った。「凄い圧迫感だな・・・」滝夜叉丸は呟いた。「滝・・・三木・・・綾・・・この喧嘩、どっちが勝つと思う?」新平のこの言葉に3人は軽くずっこけた。「お前な・・・怒るぞ」「さっきの発言は冗談だ」「冗談なら言うな!止めに行くぞ」「は〜い」冗談はこの辺にして4人は兵助と兵士を止めに入った。「まあまあ、先輩方、ここは一つ穏便に・・・」「そうそう・・・」滝夜叉丸と喜八郎は兵士を、三木ヱ門と新平は兵助を止めた。「離せ!平!綾部!!」「田村!尼崎!俺達にかまうな!!!」「「こいつとは決着をつけてやる!!!」」ついに決闘を申し込むほど怒りに満ち溢れていた・・・「決着って・・・落ち着いてください!」「そうですよ、一体原因は何ですか?」滝夜叉丸と喜八郎は兵士に喧嘩の原因を聞いてきた。「・・・野菜・・・」「は?野菜?」「・・・そうだ・・・野菜こそ栄養の王様というものだ!!!」兵士のこの言葉を聞いて滝夜叉丸と喜八郎は大きくずっこけた。「いーや!!!豆腐こそ栄養の王様というものだ!!!その上、低カロリー・高たんぱく質と言う物だ!!!」「野菜は豆腐には持たない栄養質たっぷり!その上にいろんな種類があるものだ!だから野菜こそ栄養の王様だ!!!」「なんだとぉ!豆腐をバカにするのか!!!豆腐だっていろんな種類があるんだ!絹ごし・木綿・豆乳・おからといったもの・・・そして色んな料理法がな!!!」「野菜だって料理法がいくらでもある!炒め物・蒸し物・揚げ物・そして軽くゆでたり生で食べることも出来るものだ!!!」この話を聞いていくうちに滝夜叉丸達は喧嘩を止めるのが馬鹿らしくなってきた。「馬鹿馬鹿しい・・・飯食うぞ」「ああっ・・・」「友一がくだらない喧嘩が嫌いになった気持ち・・・よーく分かったよ・・・」「おばちゃん、俺、Bランチね」2人の口論は食堂が込み始めるまで行われたのだった・・・完次回予告 抜群のコンビネーション
「友一先輩!」浩介が遅れながらも用具倉庫に来て作業をしている友一を呼んだ。「何ですか?」「友一先輩にお客さんが来ていますよ」「お客さん?誰だろう?」友一は自分に客人が来るなんで珍しいなと思っているところに作兵衛が声をかけてきた。「いいから早く行って来いよ、客人を待たせるものじゃない」「あっ・・・はい」金槌を足元に置きすぐに食堂に向かった。食堂の前に来ると有頂天になっている三木ヱ門と遭遇した。「あっ・・・田村先輩」「友一!お前もやっぱり呼ばれていたんだな!!」「えっ・・・ええっ、先輩もですか?」「ああっ、照星さんがここに来ているんだ、そしてここに来るようにって伝言が来たんだ」一体何の話だろうとワクワクしながら食堂に入った。「虎若といい田村先輩といい・・・照星さんの前ではすごいミーハーですね・・・」友一は苦笑いしながら食堂に入った。食堂の中に入ると照星が座っており、二人が来るのを待っていた。「若様、田村君」「あの・・・『若様』じゃなくって『友一』で構いませんよ」どうも他人に『若様』と呼び慣れていない友一は苦笑いしながらこれからは名前で呼んでくださいと頼んだ。「分かった・・・今度からはそう呼ぼう」照星は頷き、一枚のチラシを見せた。「全国火縄銃大会・・・2人で一組の大会か・・・」三木ヱ門はチラシを取って読み上げた。「ああっ・・・君たちのコンビは優れていると学園長から聞かれて・・・」君たちならこの大会に優勝は出来なくとも高成績は納められるんじゃないかと付け加えながら大会出場に進めた。「勿論出ます!!!照星さんの一番弟子であるこの私が照星さんの誘いなんか断るわけありません!!!」「先輩・・・」自惚れた性格・・・最近やっと収まったかと思ったのに・・・「友一!友一も出るよな!なっ!!」「う・・・うん・・・」圧されていたため友一は頷くことしか出来なかった。「今度の休日に大会が行われる、場所は佐武村だ」「分かりました」照星は日にちと場所を教えるとすぐに学園を後にした。「プロ忍者って忙しいんですね・・・」これを報告するとすぐに帰るなんで・・・「ああっ・・・今度の休みが楽しみだ〜」三木ヱ門はワクワクしながら食堂を後にした。その夜・・・「羨ましいよ!!!友一先輩ぃい!!!」照星が忍術学園に来たと聞いた虎若は凄く羨ましそうにしていた。「だって虎若、あの時間帯は二年生は全員で校外学習に出ていたじゃないですか」「ううっ・・・」「まあ・・・そんなに悲しそうにしないでくださいよ、今度の休みにまた会えるんだし・・・火縄銃大会、虎若も当然見に行きますよね」「うん・・・」その時に会えばいいじゃないかと言った所でようやく落ち着いた。当日・・・全国火縄銃大会が佐武村にて行われた。当然学園からも応援が来ていた。「凄い人ですね・・・さすがは全国の火縄銃名人が集まっている所ですね、しかも応援者も結構いるし・・・」待機場所にて集まっている友一は少し緊張していた。「友一!」友一の前にアワビ城の殿と殺蔵が立っていた。「父上!殺蔵さん!どうしてここに・・・」「全国火縄銃大会の主催者に呼ばれて来たんだ、アワビ城の鉄砲隊は毎年、佐武村に行われる火縄銃大会にて採用するからな」「へー、そうだったんですか」どうやらこの話は初耳だったらしく友一は頷いた。「私はそのお供でここに来た、見たところ友一も参加するみたいだな」「はい、田村先輩とダッグを組んで出場するんです」「そうか・・・友一なら優勝は簡単だな」「そんな・・・俺は優勝目的で出場を決めたのではなくて・・・」半分強制に出場を決められたんだと言おうとした時・・・「友一!!!」火縄銃を持った三木ヱ門が笑顔で友一のところに来た。「もうすぐしたら僕達の出番だ」「あっ・・・はい」「僕もこの桜子でバッチリと優勝を決めてやるまでだ!」『桜子』と名前をつけている火縄銃に軽くキスをしながら高笑いをする三木ヱ門。「酷い性格だ・・・っていうかよくこんな奴と付き合っていられるな・・・」殺蔵は無表情ながらも突っ込むほどだった。「あははは・・・まあ彼はこう見えても結構優しくていいところはあるんですよ」苦笑いしつつも必死でフォローした。「じゃあ・・・頑張ってきます」「ああっ、頑張って来い」友一は頷き、愛用の火縄銃を持ってフィールドに向かった。フィールドには既に先客がおり、中央には大量の的が刺さっていた。2人で一組・・・どちらかが的を多く撃った方が勝ちと言うルールなのだ。「それでは第一試合!始め!!」審判の合図と共に仕込が終わった火縄銃が発射した。的がどんどん打ち抜かれて行く。「何だ!あの2人!!」「すげえ!早すぎる!!」対戦相手の2人は三木ヱ門と友一のコンビネーションの凄さに驚きを隠せなかった。最後の的が打ち抜かれたときブザーが鳴った。「そこまで!勝者!忍術学園!!!」対戦相手は的を一つも打ち抜くことなく敗北した・・・「な・・・なんという息の合ったコンビだ・・・」「性格は凸凹だか・・・凄い」主催席に座っていた殿と殺蔵も驚きを隠せないほどだった。大会は順調に進んで行き、ついにファイナルを迎えた。「三木!友一!」待機場所に三年生と五年生が2人の様子を見に来た。「皆さん!」「どうだ、調子は?」「まあまあですね・・・」少し苦笑いして答えた。「友一・・・お前少しは自信を持てよな」三郎次は自信を持ったほうがやりがいがあると言ったが友一は首を横に振った。「確かに少しは自信は持っていますよ、でもその自信を調子に変えてしまうのが怖いんです、調子に乗りすぎると失敗しやすいっていいますし・・・」「友一らしい答えだな」「まあ、自信を調子に変えてその調子を自惚れに変えた見本が2人もいるし、友一はこれが丁度いいんじゃないか?」新平は滝夜叉丸と三木ヱ門を見ながら笑いこけた。「どういう意味だそれは!!!」「尼崎ぃい!!!」三木ヱ門と滝夜叉丸の怒りは新平に向けられた。「本当のことじゃねえか・・・」不貞腐れながら呟いた。「まあ・・・ファイナル頑張れよ」「ありがとう」ファイナルに入り、今までよりも難しい的打ちが行われていた。火縄銃の仕込み、命中率、スピード・・・全てをこれに束ねて戦いにヒートを迎えていた。「友一先輩に田村先輩・・・苦戦しているみたい・・・」応援席に座っていた陽大は心配そうに呟いた。「大丈夫だよ陽大、友一先輩は絶対に勝つ!僕はそう信じている」浩介は真剣な目でこの戦いを見届けていた。今の所は両者は同点。的は残り1枚・・・両者は息を切らせながら熱が篭った火縄銃を持って構えていた。(だいぶ熱くなっている・・・これ以上撃つのは危険だ・・・)友一は銃口を見ると1発が限度だと読み取った。(撃つことが許されるのは1度だけ・・・次はない)三木ヱ門は一か八かの賭けに載ることにし銃口を的に向けて発射した。火縄の音が聞こえると的は抜かれていなかった。「クッ・・・」三木ヱ門は悔しそうにしながら火縄銃を地面に落とした。「田村先輩!後は俺に任せてください!!」「させるか!!!」対戦相手も負けまいと火縄銃を発射したが相手のほうが火縄銃に熱を篭りすぎていたため引き金を押したと同時に暴発が起きた。「うわあっ!」「大丈夫か!」もう一人の相手が心配そうに駆け寄った時・・・ドウン!!!最後の的が打ち抜かれた・・・「はぁ・・・はぁ・・・」友一は打ち抜かれた的を見つめた。ブザーの音が大きく響きそして審判が大声で宣言した。「今年の全国火縄銃大会優勝者は忍術学園!忍術学園でございます!!!」「勝った・・・」未だに放心する友一。「友一!凄いぞ!!」三木ヱ門は興奮しながら友一を揺さぶった。「あっ・・・はい・・・」やっと我に返った友一は頷いた。「よく頑張った!でかしたぞ!!」学園長は2人を褒め、褒美として学園長手製の写真つきサインを渡した。「・・・・・・困るんだよな・・・」「あははは・・・」2人は苦笑いしながらサインを受け取った。・・・本当は欲しくなかったが学園長の機嫌を損ねると後が大変だったため仕方なく受け取ったといった方が正しいが・・・「友一君、田村君」そこに照星と虎若の父でもあり佐武衆の鉄砲隊頭でもある佐武昌義も姿を見せた。「照星さん!」「優勝おめでとう、2人のコンビネーションは今まで見てきた中よりも優れている、ぜひとも佐武衆の鉄砲隊に入ってもらいたいものだ」昌義は2人の火縄銃の腕を認めていたため就職採用を持ちかけてきた。「すみません・・・俺達、まだ就職等は考えていないんですよ」「僕もまだ五年ですし・・・この話は1年後にお願いします」2人は今は就職の事に関してはお断りしますと丁重に断った。「そうか・・・分かった、では時期が来たらまた誘うことにしよう」昌義は頷き、大会の優勝の表彰状が授与され全国火縄銃大会は幕を下ろした。「殿、今年の鉄砲隊の採用者は?」殺蔵は殿に尋ねた。「・・・私は決めたんだ・・・どうしてもあいつを・・・アワビ城の鉄砲隊に就職させると」「あいつって・・・友一とコンビを組んだ田村と言う奴ですか?」「ああっ・・・性格はともかくあいつの火縄の腕は優れている、もっと磨けばアワビ城の鉄砲隊の部下よりも・・・いやアワビ城の鉄砲隊首領よりも上を行くと思うんだ」今回の大会を見て殿はすっかり三木ヱ門のことが気に入ってしまったようだ。「そうですか・・・でも、この話は来年までお預けと言う形になりますが・・・」「なに、来年まで待てるさ」友一は見る目があるなと呟きながらアワビ城に引き返して行った完次回予告 用具委員会のピクニック。
「ピクニックですか?」「うん」浩介は用具委員全員とピクニックに行きたいとねだった。「響と武と竜馬から聞いたんだ、昨日の休みに保健委員全員でピクニックに行ってきたんだって」その話を聞いたため自分も用具委員と一緒にピクニックに行きたくなったのだ。「たしかにここ連日、いい気候ですね」雲ひとつのない空・・・まぶしすぎる太陽・・・そして梅が満面に咲かれていた・・・「よし!今度の休み、用具委員全員でピクニックに行きますか」これを聞いて浩介は大喜びした。「友一先輩!おやつはいくらまでですか!!」「バナナはおやつに入りますか!」「干し芋はおやつですか?」喜三太達も浩介と同じようにはしゃいだ。「あははは・・・果物はおやつに入りませんよ、干し芋は入りますけど・・・」作業をしながらピクニックのことを話しまくった。「友一の奴・・・食満先輩に似て来ているな・・・」作兵衛は下級生と楽しく話をしているところを見るたびに留三郎の面影を思い出していた。「富松先輩も行きます?」作業を終わらせた友一は作兵衛も誘った。「あっ・・・ああっ、行くよ」これを聞いて友一は軽く微笑を浮かべた。「そうですか、じゃあお弁当を作るのを手伝ってもらえます?」「いいぞ・・・手伝う」「助かります、しんべヱは結構食べますからね」いっぱい作らないといけないし・・・っと付け加えながら大工箱を片付け始めた。今日の委員会活動が終わったにも関わらず、作兵衛は用具倉庫の中に立っていた。留三郎が卒業してからもう数ヶ月が経った・・・未だに作兵衛は名残惜しかった・・・寂しい・・・凄く寂しい・・・「食満先輩・・・」・・・先輩に会いたい・・・あっという間に日にちが過ぎ今日がピクニックに行く日を迎えた。その日は晴天で温かい風が降り注いでいた。友一は食堂を借りて弁当を作っていた。焼きたての玉子焼きに揚げたての鶏のから揚げ、おばちゃんの作り置きのウインナーに野菜炒め、そして海老天のおにぎりとイクラの入ったおにぎりとネギトロの入ったおにぎりをこしらえた。「富松先輩遅いな・・・」いつまでも作兵衛が来なかったため弁当は友一一人で全部作った。「・・・・・・」ようやく作兵衛が食堂に来た。「あっ、おはようございます、富松先輩」「ああっ・・・おはよう」詰め込まれた弁当を見ると作兵衛は遅くなってごめんと謝った。「いいえ、気にしないで下さい」「本当に似て来ているな・・・」「誰ですか?」「食満先輩に・・・」留三郎に似てきていると言われ友一は思わず息を呑んだ。「・・・数ヶ月は経ったな・・・食満先輩達が卒業してから」「そうですね・・・」友一はこれを聞いて全てを読み取った。作兵衛は未だに寂しい思いをしているんだと・・・「富松先輩」友一は作兵衛の背後を回りそっと抱き締めた。「確かに俺も寂しいですよ・・・でもいつまでも寂しさを心の中にしまっちゃ駄目ですよ・・・」こんなことをしたって過ぎた時間は戻せないんですよと聞き、作兵衛は目を少し大きく見開いた。「人にはそれぞれ卒業をしなければならないものがあるんです、別れというものもあるんですよ」『永遠』なんていう言葉はない・・・人にはいつか『卒業』『別れ』がある・・・「先輩・・・いつまでもこんな風だと周りの迷惑になりますよ、何も先輩だけじゃないんですよ食満先輩がいなくなって寂しい思いをしているのは」確かに友一の言うとおりだった・・・「・・・・・・」「大丈夫ですよ、いつかまた会える時が来ますよ」満面の微笑を浮かべる友一。「・・・ありがとう友一・・・」俺を元気付けてくれて・・・っと呟きながら目尻を擦った。「さてっと・・・そろそろ行きますか」包んだ弁当箱を持って立ち上がった。「皆集まっている頃だし・・・」「ああっ、いい天気になってよかったな」2人は笑いあった。この日のピクニックは大成功を収めたのは言うまでもなかった・・・完次回予告 予算会議前夜
今年もこの時期がやってきた・・・そう年に3回はある予算会議!会計委員室では今、明日行なわれる予算会議の準備をしていた。「会計委員長代理!」陽大が帳簿を持って来た。「とても丁寧にまとめているな、助かるよ」きちんと書かれた字を見て陽大を褒めた。「田村先輩、今年の各委員会の予算、必要経費は大幅にアップしてそれ以外はかなり下げていますね」団蔵は今年とは違った予算の組み合わせに疑問を感じていた。「ああっ、必要経費はとても必要なものだからな、その分、雑費や開発費は大幅にカットだ」必要経費を除く費用は全てカットしたのだ。「さてっと・・・もうすぐで終わるからそれまで頑張るぞ」はーいと大きな返事をした。数時間後・・・「やっと全部纏まった・・・」大量に詰まれた帳簿を見てホッとため息を漏らした。「よく頑張ったな、陽大」三木ヱ門は一番頑張った陽大を褒めた。「団蔵先輩、佐吉先輩、左門先輩」完成したと同時にぶっ倒れた団蔵と佐吉と左門を叩き起こした。「もう部屋に帰りますよ」「ふぁあ〜い・・・」フラフラと立ち上がり、そして千鳥足で部屋に戻って行った。「明日の予算会議は昼過ぎに行なわれるからな、送れずに来いよ」「はーい!」明日は授業は午前中まで!午後からは各委員会の予算会議が会計委員室で行なわれるのだ。完次回予告 再び予算会議
そして迎えた予算会議の日。各委員会はまずそれぞれの場所に集まってこれからの策を練った。「川本先輩、保健委員の予算は・・・」「ああっ、必要経費が結構認められている、必要な薬草は学園にもあるし実家からも薬草が届くからな・・・」兵士は今朝会計委員から貰った予算が書かれている紙を見つめた。「今学期はこれぐらいで上等だ、雑費等の低下は納得行かないが・・・まあ仕方ないだろ」雑費等については納得は行かなかったが必要な薬草等を買うお金が認められたため今学期の予算はこれで行くことにした。「あの、トイレットペーパーと包帯は?」響が質問してきた。「トイレットペーパーも包帯の予算も必要経費に含まれている」「消毒液とアルコールは?」「それも認められている」兵士の言葉に響はがっかりした。「響・・・何がっかりしているんだ?」「だって・・・こうすんなりと認めちゃ面白くないよ・・・」響は予算会議は各委員会と会計委員の激しい戦いだと聞いていたため面白いことが起こりそうだとワクワクしていたのだ。しかし、保健委員長の兵士がすんなりと予算等を認めたため保健委員の方は面白いことが起こらないと確信したためがっかりしたのだ。「お前な・・・」兵士は呆れ顔で響を見つめた。図書室では・・・「雷蔵先輩、図書委員の予算は?」「うん、これぐらいあれば必要な本が買えるよ、それに本の修理費も認められている」図書委員の方も必要経費増加を認められた。「よかったすね」「うん、雑費は下がったけど、必要経費は全て認められたんだ」今学期は戦う必要はないみたいだなと微笑みながら言った。「雷蔵先輩・・・」源堂は雷蔵の裾を引っ張って戦わなくてもいいのとたずねた。「うん、今学期は戦う必要ないんだよ」頭を撫でながら安心してと優しく言った。これを聞いた源堂は不安がなくなりぱあっと顔を明るくした。用具倉庫では・・・「割と多く認められているな」用具委員のほうも修理費、材料費、道具費が認められていた。「しかも、去年よりも多い・・・」作兵衛は驚きを隠せなかった。「本当ですね、必要経費が大幅に上がっていますよ」傍らに友一が顔を除かせて予算が書かれている紙を見つめた。「田村先輩って以外にも太っ腹ですね」去年までは必要経費でも大幅アップは認められなかったのに・・・っと言った。「富松先輩、友一先輩、用具委員は戦わないんですか?」浩介の質問に友一は笑みを浮かべて答えた。「ええっ、今学期は戦わなくてもいいんですよ」「そんなぁ〜折角、この日に備えて鉄双節棍の特訓をしてきたのに〜」プーっと頬を大きく膨らませて不満をこぼした。「あははは・・・まあ・・・次の機会がありますよ」軽く頭をポンポンと撫でて落ち着かせた。火薬倉庫では・・・「今学期は雑費は少しばかり入っているけど・・・必要経費は0か・・・」兵助はがっかりした。火薬委員は火薬等は学園側が購入するため予算会議で勝つことはほとんどないのだ。「まあいいじゃないですか、少しだけ雑費認められたんだし」三郎次の言葉に兵助はそうだなと頷いた。飼育室では・・・「伊賀崎!!!お前な!!!少しはペットの数を減らせよな!!!!!!」新平の怒鳴り声が部屋中に響いた。生物委員の予算は必要経費は他の委員と比べると40%カットされていたのだ。「飼育小屋で飼っているペットはほとんど孫兵のペットばかりだからな・・・学園側が認めた飼育費用は全て却下されて・・・」八左ヱ門は苦笑いしながら仕方ないなと諦めた。「竹谷先輩!これ以上ペットの数を増やさないようにしろよな!!!世話するのめんどくせーよ!!!」「分かった分かった・・・」分かったから落ち着けと新平を宥めた。「尼崎先輩って凄くかっこいいのに性格は正反対だね・・・」良一は未だに新平の外見と性格のギャップに慣れずにいた・・・体育倉庫では・・・「三木ヱ門の奴・・・ふざけているのか・・・」紙を見て怒りを露にする滝夜叉丸。体育委員の予算は実技に必要な道具の購入だけしか認められていなかった。「でも、去年よりも少し上がっているじゃないですか」金吾の言うとおり、去年は体育委員の予算は80%もバッサリとカットされていた。しかし、今年は予算は40%も手に入ったのだ。「しかしなぁ!!!」納得いかーんと言おうとした時・・・「先輩!!」玲次がバレーボールを投げてきた。「うわっ!!!」ボールが滝夜叉丸の頭に直撃した。「遊ぼう!!!」「あのな・・・」「あそぼ!あそぼ!」無邪気に催促する玲次。「こういう性格・・・本当に七松先輩に似ているな・・・」大きなため息をつく滝夜叉丸。「滝夜叉丸先輩、今学期の予算はこれぐらいで我慢しましょうよ」体育委員が予算を使う必要はあまりないし・・・と言う金吾の言葉に滝夜叉丸はため息をつき四郎兵衛と三之助を呼んで玲次の遊びに付き合うことにした。作法室では・・・「・・・・・・」喜八郎がじっと紙を見つめた。作法委員の予算は必要経費アップを認められていたが開発費はほとんどカットされていた。「開発費が足りない・・・」喜八郎はそう言うとすぐに立ち上がり藤内達を呼んだ。「抗議に行こう」「いいじゃないですか・・・必要経費アップ認められたんだし・・・藤内の言葉を無視して、兵太夫と伝七は喜八郎の意見に賛成した。「吉彦も行こう」「うん」吉彦ですら、喜八郎に付いて行った。「だから必要経費だけでいいじゃないですか!!!」藤内は大きなため息を吐き渋々喜八郎と協力をする羽目になってしまった・・・会計委員室では・・・「全然来ませんね・・・」いつでも戦う気満々で待ち構えていた会計委員。「どうやら皆・・・納得したんじゃないか?」左門の言葉に団蔵達は頷いた。「田村先輩、必要経費を結構上げたから・・・」「そうだな・・・」夕方経っても誰も来なかったため今学期の予算はこれで納得したと判断し、片づけをしてから会計委員室を閉めた。「晩飯でも食べるか」三木ヱ門の誘いに団蔵達は頷いた。「今日の定食、トロロ定食だって」陽大は定食楽しみだなとワクワクしながら食堂に向かおうとしたとき・・・「うわあ!!!」落とし穴に落ちた。「陽大!」団蔵と佐吉は陽大を助けようとしたが2人も同じように落とし穴に落ちた。「おいおい・・・何しているんだよ」左門は3人を助けた。「喜八郎か!!!」「その通り」茂みから作法委員全員が姿を見せた。「どういう意味だ!予算納得行くように挙げただろうが!!!」「開発費が大幅にカットされているんだよ、どういう意味?」「開発費は必要経費じゃない!必要経費以外のアップは全て認めないからな!!!」これを聞いて喜八郎は子供のようにブーブー言った。「全く・・・何考えているんだ・・・」喜八郎を無視して先に進もうとした時、三木ヱ門も落とし穴に落ちた。「うわあ!」同時に再びドスンと落ちる音が響いた。「2重落とし穴でーす、しかも穴は凄く深いよ」「僕と伝七の共同作戦です」兵太夫も顔をのぞかせた。「きさまらぁああ!!!!!!」「助けて欲しかったら開発費を上げろ!」「く・・・クソぉ・・・作法委員の奴等〜」悔しさを噛み締め、穴から出るために開発費をあげることを認めた。恐らく会計委員は一生作法委員に勝つことは出来ないだろう・・・完次回予告 異母兄弟
授業が終わり、一年は組は仲良くサッカーをしていた。「よーし行くぞ!シュート!!!」玲次の凄いシュートが壁に直撃した。「凄いな、玲次!」「へへっ、もう一丁!」もう一つのサッカーボールにシュートをぶつけるがコースが大幅にずれた。「ああっ!!!」サッカーボールが青年にぶつかろうとした。「お兄さん!危ない!!」優が叫ぶと青年は左手でサッカーボールを受け止めた。「お兄さん!大丈夫ですか!!」「・・・ボールは人に向けて投げるな」サッカーボールを優に返した。「ごめんなさい・・・」優は学級委員として謝った。「まあいい・・・許してやる」青年はこう言うと去った。「か・・・かっこいい」後から来たは組も青年のかっこよさに見惚れていた。「凄くかっこいい・・・」「世界一の美青年と言っても通用するほどだよ・・・」「はぁあ〜・・・素敵だ」すっかり虜になるほどだった・・・「どうしたんだ、お前ら」後ろから虫籠と網を持った新平が声をかけた。「さっき紫髪の美青年をみたんです、凄くスタイルがよくて色白で・・・クールで・・・」「殺蔵だな・・・お前たちが見たのは」新平はぺらっと青年の正体を明かした。「殺蔵さんって言うんだ〜・・・このかっこいいお方・・・」「ああっ、トッププロ忍者と呼ばれる奴だ」トッププロ忍者と聞き一年は組は更に歓声を上げた。「尼崎先輩は殺蔵さんを尊敬しますか?」「さあな・・・全然興味わかねーな」そっけない態度を取るとまた虫探しに入った。「尼崎先輩って本当に何を考えているのか分からない性格だね」「うん、どんなに無関心な人でもトッププロ忍者が忍術学園に来ているといったら興奮するような物なのに・・・」優と良一はさっきの新平の素っ気ない態度を見て少し腹を立てていた。「どうしたんですか?」大工箱を持って一年は組とすれ違う友一。「あっ、友一先輩」浩介はさっきあったことを全て話した。「へー、殺蔵さんに会えてよかったですね」「うん!すっごくかっこよかった!!!」「なのに尼崎先輩ったらこういうのには無関心なんですよ!!」すっごくかっこいいしトッププロ忍者だって言うのに興味を示さないなんで・・・っと怒る良一。「そう言えば君達は知りませんでしたね、尼崎先輩と殺蔵さんの関係に」「えっ・・・」目を大きく見開く一年は組。「尼崎先輩と殺蔵さんは兄弟なんですよ」「「「ええーーーー!!!!!!」」」当然驚く・・・「兄弟といっても実の兄弟ではなく異母兄弟・・・腹違いの兄弟なんですよ」「腹違い?」「どうして腹違いの兄弟なんですか?」優は興味深々で質問して来た。他の子もきらきらした目でワクワクしながら話を聞こうとした。「えーと・・・それはですね・・・」友一が説明しようとした時背後から殺蔵が立っていた。「おい!こういうのを子供に話してどうする・・・こういう史上最低な過去話は子供に教える必要はない!」「あっ・・・ごめんなさい」友一はすぐに殺蔵の存在に気がつき、頭を下げて謝った。「他人には聞かれたくない話みたいだね・・・」「うん・・・」「一体何があったのかな・・・」浩介と武と吉彦はヒソヒソ声で話した。「まあいいじゃない、こんなにかっこいいし・・・気性もいいし・・・」「うんうん、かっこいい男の人には色んな秘密があるんだよ、ちょっとムカツク性格も持っているが・・・」「ちょっと偉そうだし性格悪そう」優と玲次と響は言いたい放題を言っていた。「お前ら・・・泣かすぞ」お約束の『でっかいヒソヒソ話』だったのでこの話は殺蔵も全部聞いていた。「まあまあ・・・今回は俺が余計なことを言ったからこうなったんだし・・・怒りを向けるのなら俺に向けてください」友一は責任は自分にあると言って殺蔵を落ち着かせた。「・・・」殺蔵は落ち着くと、新平の居場所を聞いてきた。「尼崎先輩なら蛇達のご飯を集めるべく虫の採集に行きました」良一がこう答えると礼を言うと一言を告げこの場を後にした。「こんなもんか・・・」虫籠の中にある虫とミミズ類を見て呟いた。「・・・って何で俺が伊賀崎のジュンコ達の餌を採集しなきゃならないんだ・・・」まあいいけどよ・・・っとぼやき、飼育小屋に向かおうとした。「おい・・・」背後から殺蔵が声をかけた。「よう、殺蔵」「フッ・・・相変わらず変わっていないな」「まあな・・・」「今度のゴールデンウィーク、連休取れそうだ」「そうか・・・」「義母さんが帰って来いと言っているがお前のほうは帰れそうか?」「まあ・・・帰れるといえば帰れるが・・・」「フッ・・・義母さんも物好きな奴だな・・・昔、自分の夫が結婚前にどっかの知らない女の間にガキを作ったにもかかわらずその成長したガキを自分の子供と同様に扱いやがって・・・」殺蔵が就職を決まったと同時に新平の母が血の繋がった子供がいるという事を夫に聞かされた。最初は無茶苦茶怒ったり離婚を持ちかけたが殺蔵を見て自らかこのことを話すと可愛そうになり、同情を持つようになった。そしてこう言った。「可愛そうに・・・ゴミ同様に捨てられて・・・こんなに苦労していたなんで・・・」「ねえ・・・もしよかったら家族にならない?」この誘いを聞いた殺蔵はすぐに断った。理由は『愛人との間に出来た子供を手元に置いたら世間の印象が悪くなる』「気持ちだけ受けとく・・・私ももう21だ・・・一人でも生きて行ける」「気を使わないで、腹を痛めて産んだ子ではなくとも大切な家族じゃない」これを聞いた殺蔵は長い間黙った・・・「・・・・・・一緒に住むことは出来ないが貴女と新平を家族と同様に認める・・・」それ以来、殺蔵は義母を家族として扱い、新平の方は以前は憎んでいたが憎むべき相手が違うと判断して以来実の弟と同様に扱うようになった。でも・・・実の父に関しては和解はしたものの未だに嫌ってはいたが・・・「そこがお袋のいいところなんだよな、ちょっと教育には煩いが」2人は小さく笑いを響かせた。この光景は実の兄弟と触れ合うのと同じように見えたのは言うまでもなかった・・・完次回予告 留三郎再び
「ごめんください」一人の青年が忍術学園の門を叩いて来た。「はーい」小松田が入門表を持って門を開ける。「あっ!久しぶりだね」その人物を見るとすぐに笑顔を浮かべ、入門表を差し出した。青年はサインをするとすぐに中に入ってある場所に向かった。用具倉庫では小道具の修理と点検に入っていた。「これも・・・これも・・・これも・・・全部壊れている」作兵衛は苛々しながら壊れている物と壊れていない物を分けていた。「全く、いくら用具委員が修理をするからといってもちゃんと丁寧に扱えよな!」愚痴をこぼしながら修理に入っていく・・・「軽く100個はありますね・・・」これを見て苦笑いする友一。「一年生達、道具の手入れの授業、また教わっていないのかよ」いつもならもう教わっているだろうがと愚痴をこぼしながらどんどん修理を終わらせて行った。「やっと終わったぁあ〜」修理が終わった道具を見て大きなため息を吐いた。その時・・・「しんべヱ!喜三太!平太!友一!作兵衛!」懐かしい声が用具倉庫に響いた。「「「あっ!食満先輩だ!!!」」」3人は留三郎を見るとすぐに飛びついた。「「食満先輩、お久しぶりです」」友一と作兵衛も嬉しそうに留三郎に近付き挨拶を交わした。「作兵衛!お前、凄く背が伸びたな」留三郎は作兵衛の成長にすぐに気が付いた。「もう四年ですよ、大きくなるのは当たり前じゃないですか」「そう言えばそうだったな」互いに笑いあった。「あの・・・食満先輩、何の用でここに戻ってきたんですか?」「ああっ、新しい一年生を見るためだ」留三郎がここに来た目的・・・それは新一年生を見るためだ。これを聞いた友一は思いっきりずっこけた。「新一年生を見るためって・・・そんな理由で・・・」「いいじゃないか、今日は俺は休みだ」「まあ・・・別にいいけど・・・」本当に子供好きなんですね・・・っと呟いた。「ところで新一年生は?」「演習場にいますよ、一年生達、今日初めての火縄銃を使っているんです」「演習場だな、じゃあ早速!」留三郎は礼を言うとすぐに演習場に向かった。「毎年ああなんですか・・・」友一の言葉に作兵衛は頷いた。「毎年一年生が来るとすぐに用具委員に入らないかとスカウトしながら新一年生の顔と名前を覚えるんだ・・・」「将来、いいお父さんになれますよ・・・絶対」演習場では一年は組が輪になって火縄銃のことを話していた。「凄く重かったよ・・・」「こっちは火薬の匂いに慣れない・・・」初めての火縄銃なのか皆慣れないことばかりだった「それにあれだけ苦労したのに的に命中しないし・・・あーあ・・・」玲次は的に当たらなかったことに悔しさを感じていた。「ねえ、忍術学園で一番火縄銃の上手い人にコーチを頼もうよ」「賛成!」優の言葉に皆賛成した。「で・・・誰が火縄銃が一番上手いのかな・・・」「やっぱり五年ろ組の田村三木ヱ門先輩だよ、あの人、凄く綺麗だし・・・火器にかけては忍術学園一の腕を誇るし・・・」三木ヱ門と同じ委員である陽大はぜひとも火縄銃のコーチは三木ヱ門にするべきだと力んで言った。「僕は二年は組の佐武虎若先輩かな・・・佐武衆の鉄砲隊の組頭の息子だし・・・火縄銃について詳しいし・・・」良一は虎若をコーチに付けたかった。「いいや!僕としては三年い組の高本友一先輩だ!成績優秀で火器にかけては学年一の頭脳と神経を誇る優れたお方だ!」浩介は友一の方がいいと言って来た。「いいや!田村先輩だ!」「虎若先輩!」「友一先輩の方がいい!!!」とうとういがみ合う3人。「お前達!何しているんだ」留三郎が声をかけてきた。「お兄ちゃん、誰?」優が留三郎に問いかけてきた。「俺はここの卒業生の食満留三郎だ」自己紹介を終わらせるとは組が輪になっている中央に火縄銃が置かれていた。「なんだ?火縄銃に苦戦しているみたいだな」「すごい、見ただけで分かるの?」「まあな、で、何処に苦戦しているんだ?」留三郎は火縄銃を持って問いかけてきた。「教えてくれるの?」「ああっ、基礎ぐらいは教えてやるよ」「「やったぁ!」」未だにいがみ合っている陽大と良一と浩介を呼んで留三郎に火縄銃の基礎を教えてもらった。その夜・・・留三郎は明日、任務があるため一年は組に基礎を教えた後このまま帰った。食堂では一年は組は留三郎のことで話が持ちきりだった。「もう本当にかっこいいよね〜」「うんうん」「どうしてあんなに優しくてかっこよくて火縄銃に詳しい人が忍術学園の先生にならなかったのかな・・・」「知らないのか?忍術学園の教師になるには相当の成績が必要なんだよ」「そういうものか?」話がどんどんヒートアップして行った。「何楽しそうに話しているんですか?」友一が定食を持って話しかけてきた。「友一先輩、実はね・・・」浩介は興奮しながら昼間にあったことを話した。「そうですか、食満先輩に火縄銃のことを教えてもらったんですか」よかったですねと微笑んだ。「食満さん、すっごくかっこいいね、なんか僕・・・憧れちゃうよ」「僕もだよ」「俺も」留三郎を尊敬する一年は組・・・(食満先輩・・・よかったですね、尊敬される人になって)友一はこう思いながらおかずに口を運んだ。完次回予告 ゴールデンウィーク
桜が終わり木に緑色の葉が満面している時期にゴールデンウィークが始まる。「今日からゴールデンウィークだ!」校門前に私服姿の忍たま達が次々に学園から出て行った。皆、今日から10日あるゴールデンウィークを利用して家に帰るのだ。「今日から何しようかな〜家に帰ったらまず母ちゃんのご飯を食べて・・・それから」これからの計画を話しながら帰宅して行く下級生。「う〜ん・・・ゴールデンウィーク中は晴天に恵まれそうですね」高く上る太陽を見上げながら背伸びをする友一。「なあ、ゴールデンウィーク中、一度会ってちょっとした旅行でも行かないか?」「ああっ、いいなそれ」「賛成!旅行費は割り勘で」三郎次の誘いに乗る左近と久作。「友一も一緒に行こうぜ」「ええっ、いいですよ」今年のゴールデンウィークは何の予定も無かったため友一も誘いに乗った。「で・・・きり丸は今回も土井先生のところか?」私服を着込んだ亮はそっけない態度できり丸に話をかけた。「ああっ」「人に頼るのはあまりよくない行為だぞ・・・」「亮って意外とわがままだよな」「どういう意味だ」少しむっとした。「孤独を嫌うのにどうして人に頼るのが嫌いなんだ?」「俺は人に頼ると自分自身の弱さを見せ付けられるみたいで嫌なんだ、孤独は嫌い、だか人には頼りたくないんだ」亮はそう言うと、すぐに学園を去った。「亮・・・」きり丸は去っていく亮を止められずにただ見続けるしか出来なかった・・・一年は組は・・・「ゴールデンウィークだ!」玲次は大はしゃぎしていた。「10日間もあるんだ・・・何して遊ぼうかな〜」「う〜ん!楽しみ!!」優と良一もワクワクしていた。「じゃあ、また学園で会おうな」「さようなら」それぞれ散って行く一年は組。今日から楽しいゴールデンウィークだ!しかし・・・・・・「全校生徒は宿題を部屋にわざと置くだけでは飽き足らずゴミ箱に捨てるとはなんと言うやつらだぁあ!!!!!!」山田先生がゴールデンウィーク用の宿題を粗末に扱う忍たま達に対して怒りを露にしていることは誰も知らなかった・・・完次回予告 一人で背負うなよ!
・・・亮・・・・・・亮・・・・・・亮!一人で背負うなよ!!!俺達も共に戦うぜ!・・・るせぇ・・・うるせぇ・・・うるせぇえんだよ!!!「!?」大木の上に眠っていた亮ははっと目が覚めた。「チッ・・・」右目の傷を軽く触れた。「・・・あの時のことを思い出しちまった・・・」ゴールデンウィークが始まる5日前・・・「亮、今度の連休、どこか行くアテあるか?」図書室で本を読んでいた亮に話しかける作兵衛。「いや・・・ないが」「だったら俺の家に来ないか?春休みに両親にお前のことを話したら『いつでも泊まりに来てもいいよ』って言ったんだ、寝泊りする場所、無いだろ?」確かに、亮は戦孤児で寝泊りする場所が無かった。「馬鹿馬鹿しい、いくらお前の両親だからって俺を見ればすぐに追い出すのが目に見えているよ!」亮は南蛮人と日本人のハーフでただでさえ真っ赤な髪のせいで周りから気持ち悪がられていたが、戦で負った右目の傷のせいで周りからは心底嫌われてしまっていた。「俺は孤独は嫌いだが人に頼りたくはないんだ、助けを求めたらそれだけでも殴られたからな俺の場合は」助けを求めただけで殴られた・・・泣いても殴られた・・・亮は孤独は嫌いだが人間不信は未だに治ってはいなかった・・・この人間不信を治すには・・・因縁を晴らすしかない!「亮!一人で背負うなよ!!俺達も共に戦うぜ!同じ四年の仲間じゃないか!!!」作兵衛の言葉を無視して本を元の場所に戻し図書室から出て行った。「亮!人間は一人じゃ生きていけねぇんだよ!」馬鹿馬鹿しい・・・俺はいつだって一人で生きてきた・・・『孤独』は嫌いだが人には頼りたくない・・・助けを求めたくない・・・こんなことをしたら『弱虫』『負け犬』扱いされてしまう・・・俺は弱くない!絶対に一人でも因縁を晴らしてみせるまでだ!「悪く思うな・・・作兵衛・・・」亮は呟き、再び眠りに落ちた。完次回予告 武、大活躍!
ゴールデンウィークはあっという間に終わった・・・忍たま達は一日早く忍術学園に戻り明日行なわれる授業の準備をしていた。「明日の授業はなんだっけ?」「明日は午前は教科、午後は実技、そして放課後は委員会活動」陽大の質問に答える優。「明日から本格的の授業か・・・」一年はゴールデンウィークが終わると同時に授業が他の学年と互角に厳しくなってくる・・・実施訓練や社会見学と言ったものが当たり前のようになるのだ。「あっ・・・油紙がない・・・」武は油紙を切らしているのに気が付いた。「ちょっと油紙買ってくるよ」私服に着替え、お使いに行ってくると言い出した。「忍術学園は油紙は必要な分以外は置かれていないって言っているし・・・町に行くついでになんか買ってきて欲しいものある?」「いや、なにもないよ」「こっちも」欲しいものはなかったため武は頷き、外出許可書を出して町に向かった。「まいどあり」町に着き油紙を買い、そのまままっすぐ学園に戻って行った。「♪〜」呑気に鼻歌を歌っている時、キュンっと鳴く声が聞こえた。「?」耳を澄まして聞くとまたキュンという鳴き声が聞こえた。武はその方向に足を入れて声の主を探し始めた。しばらく進むと白い毛を纏った子狼を見つけた。この狼は両足に怪我を負っていた。「大丈夫!」武はすぐに狼に近付いた。「怪我している・・・」狼を抱き上げて、このまま学園に持ち帰った。「ただいまぁ」学園に戻り、部屋に戻った武は自分の座布団の上に狼を乗せた。「そのまま待ってね」一度部屋を去った。しばらくすると右手には救急箱と薬草を左手には生肉の入った器を持って戻ってきた。「今、怪我の手当てをするからね」薬草をすりつぶし、その薬草を傷口の上に塗り、包帯でしっかりと固定した。「はい、2〜3日すれば傷口塞がるよ、ご飯食べる?」生肉を目の前に差し出すと狼は勢いよく食べ始めた。「そうか、美味しいか、これぐらい食欲あればすぐに元気になるね」微笑む武。「武、帰っていたのか?」優と玲次と陽大が部屋に戻ってきた。「おっ、可愛い子犬だな」「白くて綺麗だね」「かわいい〜」狼の存在に気が付くとすぐにその場に集まった。「犬じゃないよ、狼だよ」「狼か、それにしても凄いな、武」優はいきなり武を褒めてきた。「狼は野生の生き物で警戒心の強い生き物なのに・・・その警戒心をほぐすことが出来るなんで」「怪我をしていてそれで連れて帰ったんだよ」どうやら狼は怪我を負って体力も失っていたため警戒心が欠けてしまっていたようだ。「3日後には完治するから完治したら元の場所に帰してあげようと思って・・・」「武って優しいな」「へへっ・・・」ほのぼのの一時・・・3日後には狼の怪我も完治して、武は優達と共に狼を山に放して見送った。完次回予告 戦輪サークル
休日の朝・・・演習場では早朝にもかかわらず五年生が協力し合って手裏剣の練習をしていた。「いいかタカ丸さん、手裏剣は『投げる』んじゃなくて『打つ』んだ」タカ丸は同級生の説明を聞き手裏剣を『打った』「あ〜あ・・・端のほうだ・・・」「でも、前よりもか上手くなっているじゃないの」喜八郎が褒めてきた。「そうかな・・・」「うん、前は外れてばかりだったけど・・・」その時、遅くながらも三木ヱ門と新平も演習場に姿を見せた。「おはよう」「うーっす・・・」いつもの調子を見せる三木ヱ門とだるそうな調子を見せる新平。「尼崎、手裏剣の腕、優れているだろ?」「まあな・・・」「ちょっと見本を見せてくれないか?」「いいぞ」新平は袖の中から針手裏剣を取り出した。「『ハリー君』で見せてやるよ!」『ハリー君』を打って的に直撃した。「おおっ!百発百中!!」小さい拍手が周りに響いた。「ハリー君って・・・尼崎君も武器に名前をつけるようになったんだ・・・メモメモ」タカ丸はメモした。「いや・・・そこはメモしなくても・・・」思わず突っ込む三木ヱ門。「他にも名前を付けている奴あるぞ、暗殺手裏剣の『フライス』と戦輪の『リンク』と八方手裏剣の『ハッカ』後は・・・」「もういい・・・」名前はともかくその名前にセンスがないぞと心の中で思ったがあえて言わなかった。「それにしても腹減ったな・・・」さっきから腹の音が聞こえていた。「そうだな・・・朝飯にするか」一度手裏剣を片付けて食堂に向かった。食堂で一人で朝食を取っている滝夜叉丸。彼は手裏剣の練習に誘われなかったのだ。「滝夜叉丸先輩」朝食を持って滝夜叉丸の前に来た友一。「さっき演習場を見たんですけど五年生、手裏剣の練習をしていましたよ、何で先輩はそれに混ざらなかったんですか?」鮭の塩焼きを口に運びながら演習場での出来事を話し始めた。「実は・・・私は友がいないんだ」「ええっ!友達・・・いないんですか?」「そうなんだ・・・」悲しそうにため息をつく滝夜叉丸を見て友一は心を痛めた。(かわいそう・・・)「ごちそうさま」朝食を平らげ終わると滝夜叉丸は立ち上がった。「あの、滝夜叉丸先輩!」「なんだ?」「よかったらサークルに入りませんか?」「サークル?」友一は懐から一枚のチラシを取り出した。「これです、俺もサークルに入っていてそのサークルは自分の興味を持った分野から好きなのを選べるんですよ」場所は忍術学園よりもちょっと遠い場所だったが入会費・授業料は無料だった。「へー、入会費と授業料は全て無料か・・・」色んなサークルがあった。手裏剣・火器・火薬・忍者に関するものだけでなく日常生活に必要な知識も蓄えられるサークルもあった。特に滝夜叉丸が興味を引かれたのは『戦輪サークル』もあった。「決めた!戦輪サークルに入る!」「そうですか、戦輪は滝夜叉丸先輩の十八番ですからね、それを利用すれば友達が一杯出来ますよ」「そうなれば、今から行く!」滝夜叉丸は行く気満々だった。「そうですか、俺は今日用具委員の集まりがあるから行けないけどこのチラシの端に地図が載っているから」「ああっ、ありがとうな、友一」礼を言うとすぐに外出届を提出してサークル会場に向かった。「なんかさっき、滝の奴、すげぇいきおいで食堂が出て行くのを見たがなにがあったんだ?」滝夜叉丸が出て行ったと同時に新平達が食堂に到着した。「ああっ・・・実は・・・」友一は一部始終を説明した。「・・・友一、滝夜叉丸にこういうのをあまり勧めないほうがいいぞ」三木ヱ門は肩に手を置いて大きくため息をついた。「どうしてですか?」「・・・半日もすればすぐに分かる」「?」三木ヱ門の言葉が分らないまま用具委員の集まりに参加し、用具倉庫の掃除に取り掛かった。「意外にも早く終わりそうだな・・・これが終わったら葛饅頭でも食べに行くか?」作兵衛の誘いにしんべヱ達は賛成した。「友一先輩も一緒に行きましょうよ」「・・・ごめんなさい、今日はちょっと・・・」どうしてもこの言葉が気になるため作兵衛の誘いを断ろうとしたとき・・・「あの・・・友一君」小太りの男が用具倉庫に訪ねた。「あっ、オーナー」この人はサークルを結成したオーナーだった。「どうしたんですか?」「実は・・・君の勧めでサークルに入会した人がいまして・・・それを返しに来たんですよ」オーナーの傍らを見ると意識を失っている滝夜叉丸が倒れていた。「滝夜叉丸先輩!!!」一体何があったんですかと尋ねた。「何があったとかって・・・話せば長い事ながらにも・・・」「長くても構いませんから話してください」そう言うと早速話し始めた。サークル会場に来た滝夜叉丸は友一の勧めでここに来たと言い、入会をした。早速戦輪サークルに入ると戦輪の練習に熱を入れる者がいた。滝夜叉丸はそれを見て懐から戦輪の『輪子』を取り出し、的のど真中に命中させた。「すげぇ!」「戦輪を扱うのは相当苦労するのに・・・凄いぞお前」「羨ましいぜ」生徒は滝夜叉丸を尊敬の眼差しで見つめた。「なあ、お前、名前はなんと言うんだ」「私は滝夜叉丸、戦輪を使わせれば忍術学園ナンバーワンの美少年だ!」髪をかきあげながら気取った自己紹介をした。「なあ!俺にも戦輪の扱い方、教えてくれよ!」「いいだろう」これを聞いて周りはわぁっと歓声を上げた。「滝夜叉丸、これも何かの縁、是非俺のダチに・・・」「その前に、皆には大切なことを言わなくてはならない!私の優れている頭脳を、そして私のこの美貌を・・・」「「「へっ・・・」」」滝夜叉丸と友達になろうとした者は目を点にさせた。「私は忍術学園の中では実技も教科も常にトップ!実技は全てを優れており教科も常に満点、尚且つこの美貌は学園一の美貌を持つ・・・ぐたぐた・・・そう何度も言おう・・・ぐたぐた・・・」長い自慢話を始め、それが3時間以上も渡った。「こいつがこんな奴だったとは・・・」「げんめつ・・・」生徒達は3時間以上も滝夜叉丸の話を聞いていたが完全に愛想が尽きていた。その時、オーナーが戦輪サークルの方に足を運んだ。「皆さん、戦輪の勉強はちゃんと出来ているか・・・」ぐだぐたと自慢話をする滝夜叉丸を見て立ちすくんだ。「いつからここ・・・自慢話サークルになったんだ・・・」「こいつが来てからです」「凄く迷惑な奴です」「さっさともとの場所に返しましょう」もはや『尊敬』を失った生徒達は滝夜叉丸を強引に気を失わせ、オーナーはそれを学園に返して今に至る・・・「そうだったんですか・・・」友一はようやく三木ヱ門の言ったことが理解できた。「全く・・・こういう性格を改善しない限り友達作りなんか到底無理です!」オーナーは滝夜叉丸を睨みつけた。「滝夜叉丸先輩がこういう性格だっていう事・・・うっかり忘れていたよ・・・オーナーや皆さんには悪いことをしてしまいましたね・・・申し訳ございません」「いえ・・・友一君が謝ることはないよ、じゃあ私はこれで」オーナーが学園から去ると、しんべヱ達が用具倉庫から出てきた。「友一、何があったんだ?」「あははは・・・詳しい話は後にしますよ」「友一先輩も、葛饅頭食べに行きましょうよ」「ええっ、そのつもりですよ、その時に話します」滝夜叉丸を放っといて用具倉庫を後にする用具委員。サークルでの友達作りは失敗を終わってしまった・・・完次回予告 委員会対抗大掃除大会!
学園長は学園を見て顔を凄く顰めていた・・・「汚い・・・汚すぎる・・・」最近の忍術学園は外見だけではなく部屋も凄く汚れていた。「もう我慢できーん!!!」とうとう学園長の堪忍袋の尾が切れ、全校生徒を校庭に呼び出した。「学園長の奴・・・急に全校生徒を集めやがって・・・どういうつもりだ?」こっちは暇じゃないんだと愚痴をこぼす高学年。「全校生徒諸君!最近君達は掃除に手を抜いたりサボったりしておるな、酷い・・・酷すぎる、なんじゃこの学園の汚さは!!!」学園長の言うとおり、忍術学園は最近凄く汚く見え、そして修理をしなければならないところは未だに修理はしておらず、雑草はボーボーだった。「確かに学園長のおっしゃるとおりです・・・」教師達も言い返す言葉はなかった。「いくら授業や予習や復習や友達付き合いや委員会で忙しいからといって掃除をだらけてもいいという理由にはならん!!!」いつもにも増して真剣な叱る学園長を見て生徒達は黙りこくった・・・「そこで今日丸一日学園中の大掃除じゃ!グループは各委員会と分れるように!」学園長の思いつきで委員会対抗大掃除大会が開かれた。「ケーッ!ただ働きかよ」きり丸は渋い顔をして嫌がった。「そう露骨な顔をするな・・・誰だってわがままじーさんの気まぐれに付き合うのは嫌さ」「こらぁああ!!!」学園長はきり丸と亮の元に走ってきてすぐに持っていた杖で2人の頭を強くたたいた。「今、なんと言った?」「年寄りは邪魔だからさっさとくたばって天国に行けと言ったんだ」亮の言葉に学園長は更に頭を小突いた。「〜〜〜っつぅうう・・・・・・」「夏野先輩・・・段々きり丸の無駄口が移っていますよ・・・しかも、こっちの方が悪質・・・」久作は呆れながら気を失っている亮に話しかけた。「一番早く綺麗に掃除を終わらせた委員は褒美として食堂のタダ券半年分をプレゼントする」「タダ券付ならやりまーす」「お前な・・・」掌を返したかのような態度を取るきり丸に呆れる亮。「亮も頑張ろうよ、タダ券のために」「はいはい・・・ジジイの命令を聞くのは嫌だが仕方ないか・・・」こうして委員会対抗大掃除大会が始まった。完次回予告 2代目小平太!?
重大なお知らせがあります。最近、サイト更新・プライベートの方が多忙で本編を投稿する時間がないので本日を持ってここでの投稿は打ち切りとさせて頂きます。つきましては今度から本編はサイトの方で更新して行きたいと思いますので見たい方はサイトに方に起こし下さい。今までここで小説を見てくださった皆様、そしてアンケートに答えてくれた皆様、本当にありがとうございます。これからはサイト中心となりますがなにとぞよろしくお願いします。