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アニメ投稿小説掲示板

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[1043] (削除) システムメッセージ - 1970/01/01(木) 09:00 -

投稿された方の依頼により、2011年08月10日 (水) 15時27分に記事の削除がおこなわれました。

このメッセージは、設定により削除メッセージに変更されました。このメッセージを完全に削除する事が出来るのは、管理者の方のみとなります。

[1189] 登場人物 九十九里 - 2010/12/15(水) 16:56 -

登場人物

時村 幹人 
 何事にも無関心でクール。15歳だが身長150cmで童顔なのでよく小学生と間違えられる。


 処理部の一人。幹人のクラスメイト。


 処理部の一人。蝉と同居している。

千葉(五十嵐 司)
 死神の一人。真面目で雨男。

栃木(宵風)
 死神の一人。かなりの細身で17歳だが、死神の中では一番冷酷と恐れられている。寿命があとわずか。
 

 自殺屋。かなりの長身。

烏 カラス
 情報部部長。死神や処理部の観察を楽しんでいる。

雀 スズメ
 情報部の一人。烏の右腕。

雲雀 ヒバリ
 情報部の一人。情報を得るために身勝手な行動が多い。

[1190] 時村 幹人 九十九里 - 2010/12/15(水) 17:24 -

 中学のとき、隣の席の女子と映画館に行ったことがある。彼女のほうから誘ってきた。別にその日は予定も無かったし、断れば後がめんどくさそうだったから、行くことにした。
 映画は恋愛系の映画。ありきたりな内容で正直言ってつまらなかったし実際ポップコーンのほうがまだましだったのでどちらかというと、映画を見にきた、というよりポップコーンを食べにきた、のほうが正しい表現だったのかもしれない。
 彼女は映画を見て涙ぐんでいた。どこにそんな要素があったのかはあまりよく見てなかったので良く分からなかったが、とりあえずティッシュを彼女に渡した。
 泣いているのに、彼女は笑顔で「ごめんね。」と言ってティッシュを受け取った。謝るくらいなら泣かなければいいのに、と思ってため息をついたことが今も鮮明に思い出すことが出来る。
 その後、俺は彼女に映画館の外に連れ出された。ポップコーンのごみを捨てたい、と言ったのに彼女は話を聞いてくれなかった。だから強情な人と関わるのはめんどくさいんだ。
 外に連れ出された俺は、数秒後、彼女に告白された。「今までずっと好きだったの。」そのセリフは確かあの映画でもいっていたような気がする。
 俺は最初勘違いして、「女優さんになりたかったの?」ときいた。彼女は再度泣き出してしまった。意味が分からない。彼女の意見を俺は珍しく肯定したはずなのに、泣かれてしまったら肯定した意味が無い。やはりここははっきりと「君のような人は女優に向いてないからそんなセリフ吐かないほうがいいよ。」と、正直に言ったほうがよかったのだろうか。
 そんなことを考えていたら、いきなり真顔で、「時村君のことが好きなの!付き合って!」と、怒られてしまった。ああ、これがいつかのテレビでやっていた「愛の告白」か。でも彼女は恥ずかしがっている様でもなく、諦めた様でもなく、どちらかというと怒っているようだった。
 怒られても困る。これは「愛の告白」というより「愛の脅迫」なんじゃないのか。歪んだ愛だ。
 そしてまもなく「どうなの?」と彼女に聞かれた。
 どう、と言われても困る。脅迫されているのに否定してもいいのだろうか。いや、さっきの反省をちゃんといかそう。ここは正直に答えたほうが怒られる心配も無いはずだ。
「俺は君の事に興味ないから。それと付き合うのはなんだかめんどくさそうで困る。」
 俺は正直の感想を言った。用はこれだけだろうか。それなら早く帰りたい。こういう無駄な時間より、漢字練習をしていたほうがよっぽどいいと思ったのはこの時が初めてなのかもしれない。
 彼女はまた泣き出した。思ったよりすぐ泣いて少し驚いた。俺はまた親切にティッシュを差し出した。
 しかし彼女はティッシュを払いのけ、そしてまだ怒っていた。
「そうかもしれないけどっ・・・そこまで言わなくてもいいじゃない!!」
 そこまでとはどこまでのことだろう。というより「そうかもしれないけど」っておおよその予想がついているのなら、初めから告白しないで欲しい。というよりどうしてなんだろう。正直な感想を言ったのにまたもや怒られてしまった。
 ああ、今日の天気は快晴だから、暑い。この暑さが彼女を苛立たせたのだろう。多分、そうだ。だから俺を吹き抜ける風が、妙に涼しく感じて心地よかった。日向ぼっこをしてみたくなった。
 でも目の前で彼女が泣いているのでそういうわけにも行かない。確かいつかのテレビで「目の前で泣いている女性を放っておくのは男として最低だ。」といっていたような気がする。それはさすがに嫌だ。彼女のために自分が最低になろうとでも言うのか。
 しかたなく俺は彼女を家まで送っていった。
 

[1192] 時村 幹人 九十九里 - 2010/12/16(木) 21:50 -

 今の話を聞いて分かるように、俺は多分そういうのに疎いんだと思う。そういうの、とは恋愛とか友達関係にだ。でも、この疎さを直そうとは思わない。いや、もしかしたらわざとこの疎さ――無関心を貫いているのかもしれない。それについては俺ももしかしたら認めているし、長所なのかもしれない。この無関心さがあるから、今の俺があり、何も苦労せずにここまでやってこれた。めんどくさそうな事柄には、魂胆から断ち切ろうと言う考えなんだ。
 何にも関わらなければ、俺は普通の学校生活を送ることができいる。そう思っていた。
 でも、それは不可能だ。人は関わりを断ち切ることは出来ない。
 そう確信付けたのは、何も最初からではない。俺の最初の考え方からして、様々な人に出会って、経験して、俺はその考えに至った。
 アリが象に勝つくらい、人が人との関わりを断つことは、不可能なんだ。

「お前は、自分の命にすら興味がねぇのかよ。」
 俺は、今言われた言葉を頭の中で繰り返す。
 そしていつものように聞き流した。
「ってオイ、聞き流してんじゃねぇよ。質問に答えろよ。」
 彼の名前は・・・・・・確か昆虫の名前だった気がする。人の名前を覚えるのはどうにも苦手なのかもしれない。いや、興味が無いだけか。
「オイ、きいてんのか?つーか、今お前物凄く失礼なこと考えていただろ。」
 思い出した。確か蝉だ。変わった名前だ、と思ったのは覚えているし、どうやら名前のとおりうるさい性格なのかもしれない。
「・・・なんでそんなこと急に聞くの?」
 めんどくさいけどとりあえず会話らしい会話をした。
 蝉は、俺が会話したことに少し驚いていた。失礼なのはどっちだ。
「いいから、答えろよ。で、興味ねぇのか?」
 前言撤回。会話をしようとしないのはどうやら蝉のほうらしい。
 これ以上先延ばしても面倒なので、仕方なく返事をした。
「・・・命が無くなったら分かるんじゃない?」
「なんだそりゃ。」
 蝉は意味が分からない、と返してきた。実際俺も深い意味は考えていない。というより、質問の内容自体どうでもいい。
「消えるのは怖いのか?」
「・・・どうだろね。」
「人生疲れてんのか?」
「・・・まだ15年しか生きてないから確かなことはいえないと、思う。」
 ほとんど答えにはなっていない。
 でも蝉も納得したようだ。どこに納得するような要素があったんだろう。
「じゃあ・・・どうしてそんなことを聞くの?」
 今度こそ答えてくれるだろうか。別に答えてもらわなくてもたいしたことは無いのだが。
「別に。お前に知る必要はねぇよ。」
「俺に関しての質問なのに?」
「そうだ。」
 意外に質素な答えだった。その癖にニヤけている。
「そっか。」
「・・・・・。」
 沈黙。
「・・・お前、それでいいのかよ。」
「なにが?」
 蝉は、はあーっとため息をつく。諦めのついたようなため息だ。
 思ったとおり、「俺の負けだ」と、両手を挙げる。何に負けたのかは分からないが。
「だから、知る必要ねぇっつったら追求するのが人間だろ?」
「蝉は人間じゃないの?」
「はあ?俺はちゃんと追求してる。」
「今の言い方が、人間を客観的に見た言い方だったから、もしかしたら、と思って。」
 蝉はじっと俺を見つめた。
 好意のある人を見る視線でなければ、景色を眺める視線でもない。俺の奥、いや、全てを見ようとする視線だ。例えるなら、マジックを披露するマジシャンのタネを必死に暴こうとする観客のようだ。
「そうだな・・・。ただ、人間の人生の終末をみれば客観的な考えになるのかも知れねぇな。」
「見たの?」
 蝉は、俺の率直な質問に苦笑した。
「まあ、な。」
「・・・そっか。」
「だから、追求しろって。まあ、もうなんでもいいや。」
 さすがの蝉も諦めたようだった。

[1193] 時村 幹人 九十九里 - 2010/12/16(木) 22:13 -

 ここで気付いたことがある。
 でも口にするのはやめておいた。
 それを口にすれば、少し面倒なことになりそうだし、なにしろ気分が乗らなかった。
 でも、全ては蝉の行動次第だ。
「ったく、本当無関心なんだな。まあ、いいさ。俺は俺、お前はお前、つまり俺はお前の人生に口出す義理はねぇよ。」
 随分と上から目線なセリフだ。しかし、その言葉はどこか的を当てているような気がする。
 多分、蝉は見てきているからだ。
 結局、蝉は何の行動も起こさず、その場を去った。
 そのことについては、何も感じることは無かった。別にそのことについては悲しくも寂しくも無かった。

 そしてその3日後。
 俺は新たな出会いをした。
 この表現は、恋愛に使う物なのかもしれないだろうが、本来の意味はあっている。
 その人の名前は千葉。20代後半の男だ。
 学校の帰りのことだった。特に何の表情も出さず、つまり無表情で自然体に話しかけられた。
 多分、俺もいつものように無表情だったんだろう。「知らないおじさんの話を聞いちゃダメって言われているんで」と言って、とりあえず立ち去ろうとした。
「そのわりに警戒していないんだな」、と言われた。言われてみればそうなのかもしれない。
「警戒されると思いましたか?」
 少し挑発的だったのかもしれない。
 しかし、千葉は気にするそぶりは見せない。
「まあ、普通であれば。」
 と言うことは、俺は普通ではないのだろうか。とにかく千葉には普通に見えなかったのだろう。
「あなたは」と、言いかけて止めた。この予想が的中するとめんどくさそうなことになることを恐れた。
「俺は千葉だ。」
 千葉は頼んでもいないのに、自己紹介した。
「俺も自己紹介したほうがいいですか?」
「いや、その必要は無い。時村幹人だろう?」
 千葉は俺の名前を知っていた。
「そうです。」
 とりあえず肯定しておいた。間違っていないのだから。
 これには千葉も驚いた。
「あっさりしているな。何故知っているのか、理由を聞かないのか?」
「別に間違っているわけでもないし・・・。どこかで会ってる人だったら失礼かな、と思いまして。」
「さっき知らないおじさん、と言ったと思ったんだが。」
「ああ。」と、ため息のように漏らす。「名前を覚えるのは、どうやら苦手のように感じていて。」
 




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