ゾイド系投稿小説掲示板
自らの手で暴れまくるゾイド達を書いてみましょう。
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共和国と帝国の戦争は終結し互いが平和へと努力していく時代となった。だが数年後、大陸から離れた海域にニカイドス島という島が発見され、両国がその島に生息する野生ゾイドの調査を行うために調査部隊を派遣、調査を行っている時・・・。両部隊が「お前達の部隊の攻撃を受けた」と誤解し再び戦争が始まってしまった。戦争を引き起こしたトラブルは島に生息する野生ゾイドが起こしたものだったのだが・・・。それさえも島に住む「ある男」の陰謀に過ぎなかった・・・。この事態に共和国大統領ルイーズ、帝国皇帝ルドルフは信じられないと思いながらも、長い葛藤の末、応援の為にさらに軍の部隊をニカイドス島に送った・・。だが戦争が終わってから時が経っていたせいもあり、両軍共に人手不足となっており、この頃から少しずつ注目され始めたゾイドの技の優劣を競い合う競技「ゾイドバトル」で腕の立つものを兵として雇う事も少なくなかった。そして今・・・ニカイドス島に一人のゾイド乗りがやってきた。彼は今、共和国部隊の本部基地の目の前に立っている。「戦争に勝つためってのは気にいらねえが・・・ゾイドバトルの時よりも強え奴に会えるのは間違いねえな!腕が鳴るぜ!!」男の名はダイゴ・シシガミ・・シールドライガーを駆る、ゾイドバトルで負け無しであった男である。
初めまして。ブレイダーといいます。ゾイドインフィニティの小説を書いていこうと思います。ちなみに僕は別のサイトでもゾイド小説を書いているのですが、その小説はゾイドインフィニティのアフターストーリーといった感じで、主人公は暗い過去を持っていたり・・・なんですが、こちらはゾイドインフィニティ本編がベースで主人公も暗い過去などは無くただゾイドで戦う事が好きで、その中で何かを掴もうとする・・・。といった内容になっています。良かったら皆さん読んでみてください。
ダイゴは共和国本土で手続きを済ませていたので、基地に入ってすぐ身分証明の確認などのチェックを受け終えると足早に格納庫へと向かった。「よっ!待たせたな、ライガー・・・そうさ、ここからが始まりさ!俺とライガーの最強伝説のな!」ダイゴが愛機・シールドライガーに話し終えると同時に呼び出しがかかった。「これより新人パイロット研修を行います。新人パイロットの方は自分のゾイドに乗って練習場へ速やかに移動してください。」「よーし!剛に生きる俺の強さを見せてやるぜ!!」ダイゴはライガーに乗りこみ練習場へと向かった。ダイゴが練習場につくとすでに対戦相手となるパイロットがコマンドウルフに乗って待っていた。そのパイロットはダイゴが着くなり「ハッハッハ!天が呪われし島に遣わせた惑星Ziの英雄チャクト様!ただいま参上!!」と笑いながら言った。ダイゴはチャクトのセリフを聞いて「自分を英雄だとか言う奴にロクな奴いないな・・」と思った。「ん?お前かぁ、俺の対戦相手は・・。なんだか弱っちそうな顔してんな。まあ、お前は俺に秒殺される運命だろうが、悪く思うなよ!それが俺とお前のセンスの差って奴だからよ。」「へっ!挑発してくるじゃねえか!!お前こそ・・・俺の奥義を見るがいい!生涯の自慢になるぜ!!」互いを挑発しあう二人・・・それを裂くかのように試合開始を告げるオペレーター声が上がった!「開始!」「一丁、派手に行くか!!」先手を打ったのはダイゴだ。一気に突っ込み、展開式ミサイルポッドを撃つ。「お前、戦場の戦い方がわかってねえみたいだな!これがその戦い方だ!」チャクトのコマンドウルフはミサイルを悠々とかわし逆にダイゴのライガーに高速で突進、8連装ミサイルポッドを撃つ。だがダイゴもやはりミサイルを次々とかわしていくが、そのうち数発が当たりそうになる。「おっと!それなら・・・!」ダイゴはライガーのシールド発動させてダメージを防いだ。そして再び突進を開始する。「行くぜ・・・オラァ!!」至近距離まで近づき、ストライククローを放つが・・「見切った!そこだ!!」コマンドウルフはストライククローをかわし、逆にストライククローで返した。「うおっ!ちっ・・・強いのは口先だけじゃねえわけかよ!!」「もう観念しろよ!」コマンドウルフが再び8連装ミサイルポッド、そして2連装ビーム砲を撃ってきた。ダイゴのライガーもまた、それをかわしながら突っ込んで行く。「もう一撃ぶち込むぜ!!」チャクトは叫びと共に再びストライククローを決めようとした・・・だが!「こいつで・・・決まりだぁ!!!」ライガーは突然背を向けると同時に左に身をかわし、振りかえる反動で強力なストライククローを決めた!コマンドウルフはその一撃でシステムフリーズ、ダイゴの勝利となった。「お前の単純な技じゃあ俺は倒せねえよ!出直しな!」「くそったれ!次はこうはいかねえからな!!」チャクトは捨てゼリフと共に傷ついたコマンドウルフでなんとか格納庫へ戻った。試合終了後、ダイゴに女性のオペレーターが話しかけてきた。「ダイゴ二等兵・・・あなたは軍にいた経験があるのですか?」「軍?そんなのに入ってた事なんてねえよ。全て我流さ!!ゾイドバトルでは負け無しだったがな!」「ええ!?それであの腕前・・・すごいです。あなたには期待しています。どうか頑張って!」女性オペレーターは少し驚きながらもダイゴに感心し、去って行った。「まず一人!調子いいねえ!!」ダイゴの戦いはまだ始まったばかりである・・・。
どうも初めまして、管理人のヒカルです。いや〜それにしてもダイゴ強いですね〜。今まで負けなしとは・・・何だか一匹狼みたいですね。次も楽しみにしているのでがんばってください!
荒涼とした大地にゾイドが2体・・・シールドライガーとコマンドウルフだ。パイロットは無論ダイゴとチャクトである。「部隊は・・隊長の・・・ザザ」通信らしき物が入るが女性オペレーターの顔も声もノイズにかき消されてしまう。「だー!基地との通信が全く取れねえじゃねえか!!さすがはトライアングルダラスの近くだぜ!」「ああ、まさかこんな電磁波まみれの荒野に野郎二人。笑えねえブラックユーモアだぜ・・・。」「それはコッチのセリフだ!くそ、それに部隊からはぐれて演習で恥をかかせてくれたこいつと二人っきりだなんて!」そうこうしているうちに帝国部隊のレッドホーン2機が襲いかかってきた。「げっ!おまけに敵襲かよ・・いいか、俺の足手まといにだけはなるなよ!」「誰に言ってる・・・。ま、いいか!今日も派手に暴れるぜ!!」ダイゴ、チャクトはそれぞれレッドホーンを撃破に向かった。「チャクト、お前はこの前のバトルで戦場での戦い方を俺に見せたな・・・なら今度は俺が我流の戦い方を見せてやるぜ!!」ダイゴはそう言うとさらにレッドホーンへと突っ込んで行く。レッドホーンはダイゴのライガーを撃破するべく、すべての武器を一斉発射した・・だが。「当たらねえぜ!お前等のお座敷流の技には一生負ける気がしねえ!」ダイゴのライガーはレッドホーンの攻撃を全てかわしきった!だが次の瞬間、レッドホーンは出せる限りのスピードを出してライガーに突っ込んできた。「野郎、特攻と来たか!なら!!」ダイゴもぶつかるほどの勢いで突進する!そして・・「ドラゴンアッパーーーーーー!!!」ライガー、レッドホーン共に激突すると思われた時、ダイゴの叫びと共にライガーはジャンプすると同時にストライククローでアッパーのようにレッドホーンを打ち上げた!!レッドホーンは完全にシステムフリーズ、動かなくなった。「俺の奥義は我流でね。お前にゃ見切れねえよ!!」ダイゴとほぼ同時にレッドホーンを仕留め終えたチャクトはダイゴの戦いを茫然と見ながら言った。「我流・・・だと・・冗談だろ・・なんで我流であんなすげえ戦いができるんだよ・・。」ダイゴとの力の差に愕然とするチャクト・・・だがすぐに元気を取り戻した。チャクトの目前に美しい少女が立っていたからだ。紫の長い髪、東洋の巫女のような華麗な衣装、全てを見透かすかのような澄んだ碧の瞳・・・。「ん・・?女の子・・・。何でこんな所に・・って、んなことはどうでもいい!!かわいい女の子なんだ!助けねえとな!本部、こちらコマンドウルフ。前線で難民を発見した!カキュー的速やかに確保する!」だがその少女はチャクトの事は眼中に無いらしく、ダイゴの方を見つめていた・・・。ダイゴもその少女に気付く。「女の子・・・か?綺麗だな・・・けど、なんで俺を睨んでるんだ?」そう、少女はダイゴを睨んでいた・・・。ダイゴへの明らかな敵対心を見せながら・・・。
「なあ、なんで君はあんな所にいたんだい?名前は?この島には前から住んでいたのかい?」「・・・・・・。」チャクトは戦場で出会った少女を連れて色々な質問をするが少女は黙ったままだ。「ちぇ、さっきから何にもしゃべってくれねえのな」少女はチャクトのコマンドウルフのタンデムシートに座っているが、その視線はダイゴに向けられている。その視線は刺すように冷たい視線だ・・・。「あいつ・・何で俺を睨んでるんだ?まったくわからねえ。俺はあいつに会った事なんてねえし・・・。」ダイゴが少女の視線に悩んでいる間に帝国のゾイドが襲いかかってきた。「ちっ・・・すまねえ!この邪魔者やっつけたら基地まですぐだからよ!」「俺は先に行くぜ・・・チャクト。うおりゃあ!」チャクトが少女に話している間にダイゴは敵ゾイドの内の一体、セイバータイガーに飛びかかって行った!「あの野郎!抜け駆けしやがって!!」チャクトは負けじと他の敵機に向かって行った・・。セイバータイガーはダイゴのシールドライガーが向かってくるのを見るや、ウェポンバインダー、3連衝撃砲を撃ってきた。だがシールドライガーは突進しながら全てかわしてしまった!攻撃をかわされたセイバータイガーは突進してストライククローで攻撃してきた!「見えてるぜ!おらっ!!」シールドライガーはセイバータイガーのストライククローを自らのストライククローで弾いた!「これでもくらいな!!」シールドライガーはとどめのストライククローを決めた!セイバータイガーは後ろへ吹っ飛び、動かなくなった。「物足りねえな!まだまだ行くぜ!!」シールドライガーは残る敵機に向かってさらに突進して行った・・・。戦闘が終わり、ダイゴとチャクトは一旦ゾイドから降りた。「お前らの単純な動きじゃあ俺には当たらねえよ!出直しな!!」「ひっでえな・・・お前。もう敵機で動ける奴いねえぜ・・。」ダイゴの決めゼリフに呆れるチャクト・・・。その時ダイゴの頭の中に冷たい声が聞こえてきた・・・。「あなた・・人間じゃない」「!?・・気のせいか」ダイゴの様子に気付いていないチャクトはコマンドウルフのコクピットを見て驚いた。「な!あの子がいない・・・一体あの子はなんだったんだ・・・?」「ゾイドの子・・・でいいんじゃねえか?あいつ、俺達には興味無くて、ゾイドしか目に入ってなかったみたいだぜ。」「なんでそんな事分かるんだよ?」チャクトの問いにダイゴは「頭の中で悪口言われた・・・」と答えた・・・。
ダイゴはチャクトにあの少女が自分の頭の中に悪口を送ってきた事を話すが、全く信じてもらえかった。それどころか基地に帰還したあともチャクトに馬鹿にされる始末だ。「ダイゴ・・お前、戦い過ぎで頭おかしくなったんじゃねえか?幻聴まで聞こえてくるなんてよ・・・」「もう悪口は止めてくれ・・ったく、ただでさえ俺は少女の悪口で気分悪いってのに」「もし本当なら・・・あの少女の声が聞こえてきたんだろ?俺も悪口言われて見たいねー!冷たく綺麗な声で!」「チャクト・・・お前は変態か?」「変態じゃねー!!」この繰り返しである・・・。次の日、共和国部隊に新たな任務が命じられた。ダイゴ、チャクト、その他のパイロットはそれぞれの探索場所に散開し、指示を待った。しばらくして女性オペレーターが任務の内容を伝える。「今回の任務は皆さんがそれぞれ散らばった場所から行方不明になっている第5部隊隊長を捜索、保護する事が目的です。単体での行動ですので、迂闊な行動はとても危険です。必ずこちらが送る指示に従ってください。」「おいこら、今回は俺が一緒じゃねえんだから、あまり無茶はすんなよ!」「わかった、わかった・・・。本当はお前がいないほうが楽なんだがな・・」「何か言ったか!?」「いいや、何も!おっしゃあ!行くぜ!!」ダイゴ、チャクトはそれぞれの場所で探索を開始した。探索を開始して数分、指示された方向より少し外れて離れた所に洞窟が見える。中で何かが光っているようだが・・・。「怪しいな・・・ちょっと行ってみるか」ダイゴが向かおうとするとオペレーターの怒鳴り声が通信に入った。「ダイゴ少尉!ルートから外れていますよ!勝手は行動は危険といったはずです!」「あー、すまねえ。隊長は見つかりそうも無いから他の奴に任せる。俺、怪しい洞窟調べるから」ダイゴは通信を切った。ダイゴが洞窟に入ると、そこは帝国軍の小〜中規模の兵器工場のようだった。いくつかのゾイド用の武器が完成したまま残されており、メインシステムも起動していた。「ここを叩き潰せば・・帝国の奴らにかなりの痛手を与えられるな・・。って!?」工場の調査を始めて数分後、もう一機自軍のゾイドがいる事に気付いた。「基地・・?こんな洞窟に?ってダイゴ!お前何してるんだよ!」「それはこっちのセリフだ!だがまあ・・この基地に気付いたって事はお前は勢いだけの男じゃないって証明にはなったじゃないか。よかったよかった・・。」「ざけんな!こうなったら、このチャクト様とお前、どちらが早くこの基地をぶっ壊せるか・・・な!?基地が崩れる!?」基地が崩壊を始めた直後、再びオペレーターからの通信が入る。「だから言ったでしょう!これは敵軍の罠です・・。とにかく、急いで脱出してください!」「ち!こうなりゃ、さっさと脱出するぞ!!」「わかってら!!」シールドライガーとコマンドウルフは猛スピードで出口へ向かった。出口へ向かう途中、2機のゴジュラスがやってきた。ちゃんと共和国マークもついている。ダイゴが通信を試みた。「すまねえ!手を貸してくれ!!」だが、次の瞬間・・・ゴジュラスはダイゴとチャクトを攻撃してきた!「ははは!ばかめ!!まんまと騙されおったな!死ね!」ゴジュラスに乗っていたのは帝国兵だったのだ!「この野郎!姑息な手使いやがって!!だが退路はねえ・・・ぶっ倒して進むまでだ!行くぜ、チャクト!」「なんでお前が仕切るんだよ!って言ってる場合じゃねえ!!」ダイゴとチャクトはゴジュラスに挑みかかった・・。ゴジュラスはロングレンジバスターキャノンを装備していなかったため、なんとか倒す事ができた。だが基地の崩壊はもうすぐであった・・・。「ダイゴ、何モタモタしてんだ!早くしろ!!」「ち・・・チャクト!先に行ってろ!俺は別ルートから脱出する!なーに、心配するな!軍の経験無しでもこういう所の場数は踏んでるんだ!」「しゃあねえな・・・必ず帰ってこいよ!」ダイゴとチャクトは一旦別れ、数分後基地は崩壊。二人は別々の出口から脱出した。基地の崩壊が終わり、その跡地の前にダイゴとチャクトが出会ったあの少女が立っていた。瓦礫に埋もれてダイゴとチャクトに倒されたゴジュラス2体が倒れている・・。1体はもう完全にゾイドコアが停止していた・・・。もう1体も虫の息だ。「可哀想に・・。こんなに傷ついて・・・。つまらない人間達の為に。今、痛いのを治してあげるからちょっと待っててね。」少女がまだ息のあるゴジュラスに手をかざすと不思議な光が放たれ、ゴジュラスの傷が回復していく。しばらくして、ゴジュラスは完全に回復した。「ごめんね・・もう1体は助けられなかった。」ゴジュラスは首を振った。少女の謝罪に「いいんだ・・・」と答えるように。そしてゴジュラスは何処に去って行った・・・。
う〜んそれにしても一体少女は何者なんでしょうかね〜謎は深まるばかりです。しかしダイゴ・チャクト強いですね〜。しかも我流の技もカッコよかったです!次も期待しています。
危うく敵軍の罠に落ちそうになったが、どうにか切り抜けたダイゴ。だがチャクトと別のルートから脱出したため、部隊からは大きくはぐれてしまった・・・。ダイゴはそれからずっと基地を探してさまよっているのだ。その間何度か敵に遭遇、それを撃退しながら進んでいる。「まいったな・・・完全に迷っちまったぜ。下手すると・・遭難に等しい状況だぜ・・・。」ダイゴが言葉を漏らすと共に通信が入った。女性オペレーターからだ。「応答、応答願います!」「本部か!?こちら、ダイゴ・シシガミ。自分の位置が特定できない・・・。ナビゲートを頼む!」「良かった・・・無事でしたか。ではナビゲートを・・基地からずいぶん離れていますね。どうしてこのような事に?」「すまねえ・・・敵の基地から脱出する時にはぐれちまった。今回のミスは完全に命令違反した俺の責任だ・・厳罰は覚悟してる。とりあえず基地に着くまでナビゲート頼むぜ・・・。」ダイゴの答えにオペレーターは少し考えてからこう答えた。「今回だけは私が許します。卑しく思われるかもしれませんが、私はこう見えてもそれなりに立場は良いので、司令官には出来る限り処罰を軽くするように言っておきますから。」「本当にすまねえ・・ありがとな・・・」ダイゴはオペレーターに礼を言うと、彼女の指示に従いながら再び進み始めた。しばらくするとシールドライガーの警報音がなり始めた。同時にオペレーターが指示を送る。「基地へ向かう道の直線位置に敵機!撃破して道を開いて下さい!」「おっしゃあ!敵はどんなゾイドだ?」「アイアンコングですが・・大丈夫ですか?」「心配するな!久しぶりに派手なケンカができるぜ!」ダイゴは気合一声、アイアンコングに向かっていった。アイアンコングは装備されている武器を一斉発射してきた!「数撃てば当たるってもんじゃ・・・うおっ!?」ダイゴのシールドライガーはミサイルを2〜3発食らった。「だったら!飛び込んででかい一撃ぶち込んでやるぜ!!」シールドライガーは猛スピードでアイアンコングに近づいてストライククローを決めようとしたが・・。「共和国の狗が!!」アイアンコングは強烈なストレートをシールドライガーに浴びせた。「ぐああああ!!この野郎・・俺は軍になんか興味はねえ!ぶち切れたぜ!!」ダイゴは雄叫びを上げ、再び突撃する。「愚かな!アイアンコングにライガーごときがかなうものか!」アイアンコングが再びシールドライガーにストレートを決めようとした、その瞬間!「オラァ!!兜割り!!!」シールドライガーは空高く飛び上がりアイアンコングのストレートをかわした。そのまま、落下の勢いを利用してストライククローの一撃を振り下ろす!その刹那、あと少しでクローがコングのコクピットを直撃しようとした時、ダイゴはあの少女の言葉を思い出す。「あなた、人間じゃない・・」その直後、ライガーはコングのコクピットにクローを当てず、胸に命中させた。アイアンコングは沈黙。もはや戦闘不能であった。「なんかすっきりしねえが、とにかく!我流の奥義、お前さんのお座敷流には辛かったろう?」「ひ・・・ひぃ、ひゃああああ!」コングのパイロットは機体を捨て逃げ去った・・。戦闘が終わり、ダイゴが通信モニターに目をやると女性オペレーターが悲しそうな、納得のいってないような顔をしている。女性オペレーターはダイゴに質問してきた。「さっきの言葉・・本当ですか?軍には興味が無い・・。それは国にも興味が無いと言うことですか!?」「ああ・・国の動きなんざ興味はねえ。大体共和国の大統領は本当にやらなきゃならない事をやろうとしていない。大統領と帝国の皇帝は親友だってのを聞いた事があるが、本当に今この戦争を終わらそうと思っているならまず二人で腹を割って話し合うべきだ。互いが傷つくのを恐れてそれさえもしようとしない国の事なんざ信用なんて出来ねえ・・・できるもんか」「だったら・・どうして軍に志願したんですか!?」オペレーターが怒鳴り出す・・ダイゴは少し考えてから答えた。「強い奴と戦いたいから・・・だな。このご時世にそんな理由で戦争に参加する奴なんか俺ぐらいだろうが・・」ダイゴの言葉にオペレーターはしばらく黙り込んでしまった・・・それからこう答えた。「ゾイドバトルでは満足できずに戦場の戦いを体感したくて志願したのですか。そうですか、私は貴方を人格者だと思っていましたが・・それは間違いだったようですね・・。」「軽蔑してくれて結構だぜ?なんなら、さっきの罰を軽くするの取り消ししても良いが・・」「いいえ。約束は約束ですから、貴方の命令違反の罰は軽くするように必ず言いますから・・・。さっきの言葉は・・・私も大人気無かったですね」「まあいいさ・・引き続き案内頼むぜ?」ダイゴは後味の悪さを感じながら、再び歩き出した・・・。
「もう少しで基地です。頑張ってください」オペレーターのナビゲートに従い進む事、数時間。ようやく基地の近くの砂漠までたどりついた。そこで突然妙な通信が割りこんできた。「まだ私の研究を大陸の奴らに触れさせるわけにはいかないのだ・・・。」「おかしいです・・近くに交戦記録も無いのにどうしてそんな通信が・・・」オペレーターが言い終わると同時に、ダイゴの体に悪寒が走った。強い奴、けれど自分が求めているような強い奴とは全く違う嫌な気配・・・。同時にライガーの警報機がなる。「・・!ダイゴ少尉、すぐに離脱してください!引き返してでも離脱してください!!前方に巨大エネルギー反応!危険です!」だがダイゴはオペレーターの通信が入っても離脱しなかった・・・。逃げるのは負けと同じだと思っていたからだ。「すまねえ、ナビゲートはもういいぜ。必ず戻るからよ!」ダイゴは通信を切った。それと同時に高エネルギー体の正体が姿を現した・・・。「これはまた・・笑えないジョークだ・・・もう伝説でしかない大量殺戮ゾイドが目の前にいるとは」そのゾイドはデススティンガー・・・デスザウラーにならぶ「悪夢の伝説」とも言えるゾイド。ある狂気の古代ゾイド人の手によって復活したが、共和国、帝国の手によってデスザウラー共々絶滅させられたはずであった・・・。「考えたってしょうがねえ。ただ一つ言える事はあのでかいサソリをぶっ飛ばす以外に俺に生き残る方法は無いって事だけだ!行くぜ!!」ダイゴは叫びと共に悪夢の怪物に挑んで行った・・。ダイゴは一気に突撃後、シールドライガーのミサイル、ビーム武器全てを一斉に撃った。こんな化け物相手ではとてもじゃないが得意の肉弾戦は挑めない。ミサイル4〜5発はデススティンガーに当たった物の、ほとんど効いていない様だ。すると今度はデススティンガーが大口径衝撃砲を撃ってきた!!「このっ!ぐあっ!!一撃だけでこの威力・・・シャレにならねえ!」シールドライガーは6発の衝撃弾の内1発を受けた。それだけでいくつかのシステムがダウンした・・・。「冗談じゃねえよ・・・俺は・・こんな化け物に負けて死ぬのか・・?純粋に強いゾイドに負けて死ぬなら本望だが、化け物に負けるのだけはごめんだ!」ダイゴがそう言った直後、頭の中に声が聞こえてきた。それは以前に会ったあの少女の声だ。「生き残りたいのならよく聞いて。正面から戦ってあいつを倒そうなんて思わないで。自分の身を守る事を考えて。一つ一つの攻撃はすごい威力だけど、後には必ず隙ができるわ。少しでも動きを止めてくれたら私がなんとかできるかもしれないから!」「アドバイスありがとな・・けど、倒すのは諦めないぜ!いよいよ俺の禁じ手の封印を解く時が来たか!」ダイゴの心に絶望は無い。ダイゴのシールドライガーは再びデススティンガーに挑んで行った・・・。
ダイゴはデススティンガーの側面に回りこむと、ありったけの武器を撃ち込んだ!それでもデススティンガーの動きは緩まなかったが、最初に攻撃を当てた時よりも大ダメージを受けたようだ。その直後、デススティンガーは大口径苛電粒子砲を撃ってきた!「うおっ!?危ねえ、危ねえ!さすがにあれをもらっちまったら間違い無く負けていたぜ・・」ダイゴは何とかかわして、再び、射撃系武器でデススティンガーを攻撃した。何度か攻撃を重ねる内に、デススティンガーは少しずつ動きが鈍くなってきた。「よし、もう少しだ!後は隙のデカイ攻撃を誘ってそれを避けさえすれば・・・!」デススティンガーは最後のあがきに両手のハサミ、エクスシザースを突きだし突進してきた。シールドライガーはエクスシザースが当たる直前でかわし、デススティンガーの側面に再び回りこんだ。「行くぜ!究極奥義・・・獣牙龍王拳!!!」ダイゴの叫びと共にシールドライガーがストライククローを振り下ろす!それと同時にクローから全てを覆い尽くす青白い巨大な光の奔流がデススティンガーのゾイドコアを貫いた!!デススティンガーは3〜4回もがいた後、完全に活動を停止した・・・。謎の少女はダイゴにテレパシーでアドバイスを送りながら、ダイゴが戦っている砂漠に向かった。そしてたどり着いた時にはもうダイゴはデススティンガーを倒していた。少女は驚きながらもダイゴに再びテレパシーで言葉を送る。「大丈夫?怪我は無い?」「ああ・・なんとかな。半分死んでいるが・・・」「今の内にそこから離れて・・・。またあいつがやって来ないうちに・・・」少女がテレパシーを切って去ろうとした時、ダイゴはそれを引き止めた。「待てよ・・!お前、この前俺に「あなた、人間じゃない」とか言ったろ!なのになんで俺を助けたんだ!?」「自惚れないで・・・私は・・あなたを助けたんじゃないわ・・・。」少女はそう言い残すとテレパシーを切り去って行ってしまった・・。「おい!どういう意味だ!くそ!テレパシーを切りやがった・・・。一体何者なんだよ・・人の事睨んだり助けたり・・・とにかく基地へ戻ろう・・。」ダイゴは疲れ果てた体のまま、シールドライガーで基地への道のりを歩み始めた・・。少女は戦場となった砂漠から離れた所からダイゴが基地へ戻る様子を見ていた。「それしても・・デススティンガーをたった一人で倒すなんて・・・。あの人だったら、もしかすると・・ううん、あの人も大陸の軍人だものね・・」悲しげに呟く少女の隣には彼女を守るように白いブレードライガーが立っていた。「行こう、ミラージュ。絶対にこんな無駄な戦い止めさせなくちゃ」少女はそう言うと白いライガーに乗りこみ、何処かへと走り去って行く。砂混じりの風が吹いた時、その姿はどこにも無かった・・・。
ダイゴはデススティンガーを辛くも撃破し、ようやく共和国基地に帰還した。ダイゴは基地に着くや、シールドライガーを整備班に預けるとすぐに自室に戻り、睡眠に入った。そしてダイゴは昔の夢を見る・・。その夢はダイゴがゾイドバトルを始めたばかりの頃の夢だ。ダイゴはニューヘリックシティでゾイドバトルの相手を探していたが、突如街中で爆発が起こる。いまだにゾイドを使って戦争を引き起こそうとする過激派が少数ながら存在しており、その内の一つとなる組織が無差別テロを行ったのである。ダイゴがテロの現場に駆けつけた時、そこには悲惨な光景が広がっていた・・・。「エミ、エミ!目を開けて!いやああああ!!」すでに動かない娘を抱き涙を流す母親。その叫びがダイゴの心に宿る修羅に火をつけた。ダイゴはテロ組織の集団めがけてシールドライガーで襲いかかり、次々と倒していった。テロ組織のリーダー以外のゾイドはたいしたことはなかったが、リーダーのゾイドはジェノザウラーでありかなりの苦戦を強いられる。だがダイゴは一瞬の隙を突き、究極奥義・獣牙龍王拳を決めた!「これでも・・・くらいな!!」その時のダイゴの叫びはテロリスト達への憎しみが込められていたであろう・・。ダイゴの究極奥義をくらったジェノザウラーは後ろに吹っ飛び、胴体真っ二つになると共に爆発、炎に包まれた。テロ組織のリーダーであるパイロットも死亡してしまった・・・。「俺の強さは天下一・・・地獄に逝っても忘れるな」すでに死んだテロ組織のリーダーに決めゼリフを言った所で目が覚めた。「嫌な夢を見たな・・・それにしてもまた禁じ手を使うことになるとは、これも因果という奴か」ダイゴは頭を抱えながらデススティンガーとの戦いと夢の内容を思い出す。「あの時俺は・・どうしてもテロをやった奴らが許せなくてテロの奴らに挑みかかった・・。ザコは手加減できたけど・・・リーダーには手加減できず・・禁じ手で殺してしまった。それからあの禁じ手は勝負を超えて倒さなければならない敵以外には絶対に使わないと心に決めていた・・・。」だがあの砂漠で遭遇したゾイド、デススティンガーは文字通り「勝負を越えて倒さなければならない敵」だったのだ・・・。破壊と殺戮だけを目的としたゾイド・・。倒さなければダイゴが死んでいただろう。「まあ少なくとも・・・人間乗ってるゾイドにはもう使いたくねえな・・」ダイゴはそう呟くと、戦闘用の服に着替え、シールドライガーが待つ格納庫へ向かった・・・。
いやまさかいきなりデススティンガーが出てくるとは・・・しかもそれを倒したダイゴはやっぱり強い!とはいえますますあの少女の謎は深まるばかりですね。戦いを終わらすとか何とか言ってましたけど・・どういう意味なのか。ではこれからも期待していますのでがんばってください!
ダイゴとチャクトは出撃命令を受け、岩に囲まれた平地に急行した。そこでオペレーターの通信が入る。「今、貴方達のいる地点に今までにない強力な電磁波が観測されました。今日の任務はそれの調査です。くれぐれも勝手な行動は慎んでください。」「こちらチャクト。今現場から電磁波のデータを送信するぜ。」「む・・この気配・・気にいらねえ。嫌な気が近づいてやがる。」ダイゴがそう言った直後、大量のゾイドがダイゴとチャクトに向かってきた。「な・・!なんて数のゾイドだ!?どこの軍だよ!」「識別信号無し、無人機です!」「んなバカな!ゾイドが無人でこんなに群れになっているわけねえ!」「とにかく、すぐに離脱してください!道を塞がれてしまった場合、倒して活路を開いて下さい。」オペレーターが言い終わると同時にダイゴのシールドライガーがゾイドの群れに突っ込んで行く。「とにかく、強そうな奴を倒してこいつらの陣形を崩すんだ!俺はジェノザウラーを、チャクトはゴジュラスを頼む!」「おっしゃあ!やってやるぜ!!」チャクトもすぐにゾイドの群れに突撃した。シールドライガーはゾイドの群れの中の一体となるジェノザウラーにミサイルを撃った。だがジェノザウラーはミサイルをかわさず、そのままくらいながら突っ込んできた。「こいつ・・防御してこない!?」ダイゴが気を取られた瞬間、ジェノザウラーのレーザーガン、パルスレーザーの一斉射撃がシールドライガーを直撃した。これにはさすがのシールドライガーもダウンする。「うおっ!?やばい、このままだと・・・」ダイゴの予想通りにジェノザウラーは苛電粒子砲を撃つ体制を取り始めた。「くっ!起きてくれ!ライガー!!」ダイゴの叫びに呼応するようにライガーは起きあがる。それと同時に苛電粒子砲が発射されたが、危機一髪かわすことができた。「この・・頭にきたぜ!!」ダイゴの叫びと共に、ライガーがジェノザウラーに向かって行く。「行くぜ!トリプルドラゴンアッパー!!」シールドライガーは瞬時に二本足で立ち上がり、ジェノザウラーにジャンプアッパーを三連続で決めた!ジェノザウラーは後ろに吹っ飛び、爆発した。だが、陣列は崩れず、無人ゾイドの群れは次々に襲いかかってくる。「なんなんだこいつら!?倒しても倒しても向かってきやがる!まるで痛みを感じていないみたいだ!」「こいつら・・・ゾンビかよ!?」ダイゴとチャクトが無人ゾイドに追い詰められた時、突如白い影が無人ゾイドを薙ぎ倒した。それは白いブレードライガーであった。「白いライガー・・?ついて来いってのか?ダイゴ、どう思う?」「ついていく・・・しかねえだろ。このまま戦い続けたってキリがないだけだ。」「くそ!こうなりゃあどうにでもなれ!!」ダイゴとチャクトは白いライガーについていくことで、なんとか戦場から脱出した・・・。
白いライガーについていく事で危機を脱したダイゴとチャクト。チャクトが白いライガーに問いかける。「お前何者だ?どうして俺達を助けたんだ。」「別に・・・貴方達を助けたつもりは無いわ。ゾイドを助けたかっただけよ。」「君は・・あの時の!」白いライガーのパイロットはダイゴとチャクトを戦場で見つめていたあの少女だった。「ねえ、聞かせて。貴方達はどうして戦っているの?」少女の答えにダイゴが先に答える。「強え奴と戦いたいからだ!強え奴に勝った瞬間のあの爽快感・・・それを感じることだけが俺の生きがいなんだ!軍とかそう言うことはあんまり気にしてないな・・・。」「そんな理由で・・・それで貴方はどうなの?」今度はチャクトに質問する少女。「どうしてって・・・俺は自分の国の為に・・。」「そのためならどんなにゾイドが傷ついてもいいの!?」チャクトが二つ目の問いに答えようとするが、それを遮るようにダイゴが答える。「元々ゾイドは兵器なんだから傷つくのはしかたねえだろ。まあ俺は素手のケンカも得意だが勝った時の爽快感はゾイドでのバトルに勝る物はない。相手が強ければ強いほど楽しくなる!だからゾイドでの戦いは止められねえ!」「兵器・・そう。貴方達にとってはそうなんだよね。でも・・やっぱり貴方人間じゃない・・・貴方は目の前に立つ者全てを倒さないと生きていけないの?」カノンが悲しげに言った時、基地より通信が入った。「ダイゴ准尉、チャクト准尉!もし無事なら至急基地に戻ってください!攻撃を受けています・・・至急援護を要請します!」「話はここで一旦終わりにするしかないな・・・。お前の問いにはまた今度会った時に答えるから・・それで勘弁してくれ。」「私もこれ以上話をする気はないわ・・・ここから先は知らない。がんばってね。」ダイゴとチャクトはもう何も言わずに基地への道に戻って行った。だがダイゴは心の中で悔しさが渦巻いていた・・・。「戦いに生きる事の・・何がいけないってんだよ!」ダイゴは苛立ち混じりに言うと、基地へと急いだ・・・。
また削除キーを入れ忘れて間違えてしまいました・・。第10話を第9話と書いてしまいました・・・。対処ができないのでこのまま続きを書いていこうと思います・・・・。本当にすみません・・・。
基地にかけつけたダイゴとチャクトが見た物はほとんど壊滅寸前にまで破壊された基地の変わり果てた姿だった・・・。そこでオペレーターからの通信が入る。「全部隊は直ちに基地より退避して下さい!以後、ナビゲートにしたがって仮設基地へ向かってください」「この基地を捨てていけってのか!?」「敵軍の勢力は絶大です!一度退避して体勢を立て直してください。」オペレーターの言葉が終わると共に、基地を破壊した物の正体が姿を現した。デススティンガーだ。「な・・嘘だろ!?デススティンガーがなんで・・こいつが基地を!?」「チャクト・・・俺はこのデカサソリをぶっ飛ばすからお前は生き残った奴を避難させるんだ!」「バカ言うな!デススティンガー相手に一人で戦うなんて!死ぬかもしれないんだぞ!」「心配するな!俺はあいつに一度勝ってる。今日だって勝てるさ!」「しゃあねえな!ダイゴ・・死ぬなよ!」チャクトはそう言うと生き残った仲間達を避難させに向かった。「久しぶりだね・・探したよ。大陸の軍人もたいした事はない。立ったこれだけの攻撃でこのザマだ!」通信モニターに映ったデススティンガーのパイロットは逆立った髪にサングラス、そして黒いマントのような服を羽織ったマッドサイエンティストだった。だがダイゴはそれに構わず、地面に横たわっている犠牲となった自分の軍の仲間のゾイドを見つめていた。そこにはもう助からない怪我を負いながら、すでにこときれた恋人に手を伸ばす女性パイロットがいた・・。「あ・・・あ・・う」その女性がもう少しで恋人の亡骸の手を握れるという所で無情にもデススティンガーのビーム砲が発射され、恋人もろとも吹き飛んでしまった・・・。「てめえ!」「ふん!こんなときに下らん事を・・そんな奴らでは私のデータは満たされないのだよ!君のように強い者のデータで無ければね!」「うるせえ!人の命をなんだと思ってやがる!!ぶちきれたぜ・・てめえは!魂の欠片も残さずグシャグシャに叩き潰してやるぜ!!」ダイゴは怒りに任せてシールドライガーでデススティンガーに襲いかかり、ストライククローでダメージを与えた。「むぉおおお!?うむ、いきなり接近戦とは・・前とは違って気が狂ってしまったようだな」「へっ!殺し合いは・・・まだ始まったばかりだ!」ダイゴの目は怒り狂い、凶暴な獣の目をしていた。そこでさらにシールドライガーのビーム砲、ミサイル砲が火を吹いた!「ふふふ・・・いいぞ。予想以上だ。」マッドサイエンティストの言葉と共にデススティンガーはダイゴの放った攻撃をかわした。その瞬間!「もらったぁ!くれてやる!!」ダイゴのシールドライガーはデススティンガーの懐に飛び込み、オーラをこめたストライククローの一撃、獣牙龍王拳を放った!だが・・・「残念だが・・・その技のデータは前回の戦いで取ってあるのだよ!」信じられない光景だった。なんとデススティンガーが空高くジャンプし、獣牙龍王拳をかわしてしまったのだ!「それと・・おまけをやろう!」さらにデススティンガーが着地すると同時に衝撃波が発生、シールドライガーにダメージを与えた。「ぐああああ・・・がはあ・・」「そろそろ終わりにしてやろう!」ダイゴは今まさに絶体絶命のピンチを迎えた・・・。
基地を破壊したデススティンガーに怒りに任せて挑んだダイゴだったが、逆に追い詰められてしまった。だがダイゴはダメージを受けた事で冷静さを取り戻す。「ち・・何をやっているんだ、俺は!怒りに任せて挑んで行ったらあのマッドサイエンティストと変わらないだろうが!」「何をごちゃごちゃと・・・とにかく、君にはわが研究の糧となってもらうぞ!」デススティンガーの大口径衝撃砲が火を吹く。その内の一発がシールドライガーに直撃した・・。もう後一〜二発攻撃を受けたら負けになるであろう。そこでダイゴは信じられない行動に出た。シールドライガーの防御を解き、立ち尽くしている状態にしたのだ。そしてダイゴ自身は目を閉じて瞑想に入った・・・。「ふははは!遂に諦めたか!ならばとどめを刺してやろう!!」「・・・・」マッドサイエンティストの言葉を無視して瞑想を続けるダイゴ。「さらばだ・・・君のデータが私の新たなる力となるであろう」マッドサイエンティストはデススティンガーの大口径苛電粒子砲を撃った。その瞬間、ダイゴは瞬時に目を見開き、命中する寸前の所で苛電粒子砲をかわした!「な・・何?ならば・・・これならどうだ!」今度はビーム砲と大口径衝撃砲を一気に撃つ。だがそれも全てかわしきるシールドライガー。そして、デススティンガーの側面に回りこみ、ミサイル砲とレーザー砲で大ダメージを与える。「バ・・バカな?どこで計算を誤ったのだ!?」「違うな・・・今、この戦場ではお前の言う計算などは一切通用しない。何故ならここはもはやこの俺、ダイゴ・シシガミが勝つ事が決まっている世界なのだからな!」「なんだと!そんなバカな・・・デススティンガーがシールドライガーごときに負けるはずが無い!その攻撃力の差で勝利が決まっているなど・・!」「簡単に言えば、俺の目から言えばお前の時間と動きが止まっている世界と言うことだ。嬉しかろう?いたぶり殺す側から、いたぶり殺される側の気分を味わえるのだからな!」ダイゴは精神統一を行い、怒りを静める事で常識では考えられないスピードアップに成功したのである!「これから三つ数える。その間に投降しろ!そうすれば命だけは助けてやる。」「退かぬ!私は最強のゾイドを完成させるまでは退かぬぞ!!」マッドサイエンティストは最後のあがきにデススティンガーの武器を滅茶苦茶に使い襲いかかってきたが、ダイゴのシールドライガーはそれを全て避け、逆に攻撃を叩きこんでいく。「一つ、二つ、三つ!時間切れだ!!」シールドライガーはデススティンガー目掛けて猛スピードで突進して行く・・・そして!「一閃!!」シールドライガーは突進し、すれ違い様にデススティンガーの腹部にストライククローの強烈な一撃を見舞った!デススティンガーはゾイドコアを両断され、爆発、黒焦げになった・・・。「悪いな・・つい本気でやっちまった!手加減出来るほど俺は器用じゃねえんだ!!」ダイゴは勝負を決めた後、デススティンガーのコクピットを確認した。マッドサイエンティストの姿は無い。逃げたのだろう。「ち・・あの状況でよく逃げれたな、あのオッサン!って言ってる場合じゃない、仮説基地へ向かわないと!」ダイゴは崩壊寸前の基地を脱出し、共和国の仮説基地へ向かった。仮説基地に着いたダイゴはチャクトの元へ急いだ。「チャクト生きてるか?」「ああ・・なんとかな。それにしても・・こうやってなんとか基地から脱出できたものの・・得体の知れない無人ゾイドには襲われるし、絶滅したはずのデススティンガーまで襲ってきやがるし!一体俺達は何と戦っているんだ!あんなのが敵国の兵器なのかよ!?」「わからん・・・とにかく、なんだかとんでもねえ事になっちまってるのは事実だな」ダイゴとチャクトが話している時に、オペレーターの声が上がった。「中立市街地から緊急信号!無差別攻撃を受けています。動ける部隊は直ちに現場に急行、必要ならば交戦し破壊行為を止めさせて下さい!なお、現場には例の無人機が多数出没中!」その指令にチャクトが怒鳴り声を上げた。「またかよ!一体どうなってるんだ!!」「とにかく・・現場に急ぐぞ!中立市街地まで俺達の本部の様にしてしまう訳にはいかない!」ダイゴとチャクトはそれぞれのゾイドに乗り、攻撃を受けている中立市街地へと急いだ。
何だか無差別攻撃を受けたりデススティンガーが出てきたりとどんどん大変な方向に向かっていますね。それにあの少女も良く分からないまま・・う〜ん気になりますね。では次も期待しています。
ダイゴとチャクトは攻撃を受けている中立市街地に到着した。だが・・・。「うわっ!?どうして中立の街がこんなに一方的に破壊されてんだ!?」「おい!どういうことだ!どうして街がこんなになっちまうまで情報が遅れたんだ!?」中立市街地は共和国基地と同様に壊滅寸前になっていた・・・。ダイゴがオペレーターに怒鳴り声を上げる。「申し訳ありません・・何者かが放った強力な電磁波が我々のセンサーに目くらましをかけている様です・・。それと、もう一つ良くない情報が・・・。」その通信を来た直後、ダイゴとチャクトの心に悪寒が走る・・・。「中立市街地を破壊しているのは白いブレードライガーであるという情報が入りました。直ちに攻撃、白いライガーを破壊してでも破壊行動を止めてください!」「んなバカな!なんであの子が・・そんなバカな事があってたまるかよ!」チャクトが驚愕の叫びをあげた時、通信機に白いライガーのパイロット声が飛び込んできた。「やめて!ミラージュ、私の言う事を聞いて!」「あの子の声だ!ライガーの中か!?まさか暴走してるのか・・ぐあっ!気をつけろ、ダイゴ!他にも敵機がいるぞ!」「いや!お願い、止まって!ミラージュ!どうして・・どうして・・・。」もはや、迷っている時間は無い・・ダイゴは決意した。「チャクト・・他の動ける仲間と白いライガー以外の敵機を倒してくれ・・俺は・・・白いライガーを倒す・・・!」「わかった・・無茶はすんなよ!」チャクトは他の仲間の援護に向かうため、ダイゴの元から離れた。ダイゴはシールドライガーで暴走する白いライガーの元へ向かった。そこでダイゴは言った。「こんな形で再会する事になるとは・・敵にとどめを刺す事に迷い始めたって時に・・・今は彼女のゾイドを殺すしかないってのかよ!」ダイゴのシールドライガーが白いライガーに挑みかかる。だが、ミサイル砲、ビーム砲を使う様子はない。「最後の最後まで・・・とどめを刺さない様に倒す方法を考えるぜ・・」シールドライガーが来るのを見るや、ブレードライガーは両肩に装備された、高圧ビーム砲を撃ってきた。危機一髪でかわすシールドライガー。「おいおい・・・地面に大穴が・・これはきついぜ。」それでも諦めずに接近戦を挑もうするシールドライガー。だがその度にブレードライガーは、高圧ビーム砲を乱射して追い払ってくる。「くそ!止むを得ん!悪く思うなよ!」シールドライガーのミサイル砲が発射された。「きゃあ!」ブレードライガーに乗っている少女が悲鳴を上げる。「今だ!」隙を突き、接近戦に持ちこむシールドライガー。ここから二体のライガーの一進一退の接近戦が展開されるが・・・。ブレードライガーが至近距離でのブレードアタックの体制を取った!「うおっ!危ねえ!!」シールドライガーがジャンプすると同時にブレードを展開して突っ込んでくるブレードライガー。シールドライガーはなんとか回避する。「ちくしょう!もうとどめを刺すしかない!」再びブレードアタックで突っ込んでくるブレードライガー。シールドライガーもぶつかるほどの勢いで突進する。「くそったれ!ドラゴンアッパー!!」シールドライガーのジャンプアッパーがブレードライガーの腹部に突き刺さる・・ゾイドコアを貫通したのである。ブレードライガーは地面に叩きつけられ、活動を停止。それと共にパイロットの少女も気を失った。そこでオペレーターの通信が入る。「ブレードライガーの破壊を確認。ゾイドコアの停止を確認しました。」「こちらダイゴ、白いライガーのパイロットは意識を失っている・・。意識が戻り次第基地に連れてくるから・・」「だめです・・・今すぐに連れてきてください。上層部からの命令です。」「うるせえ!少し待ってろ!!」ダイゴは怒鳴りながら通信を切った・・。ダイゴはシールドライガーから降り、ブレードライガーのコクピットをこじ開けた。「この子の・・命に別状は無さそうだな・・・。」ダイゴは少女を抱き上げ、ブレードライガーから降ろした。その直後、少女が意識を取り戻す。「う・・ううん。」「気が・・・ついたか?」「あ・・あなたは。ミラージュは・・・?」ダイゴはしばらく黙り続けた後、答える。「俺が・・・殺した・・もう、そうするしかなかったんだ・・・。」その瞬間、少女の美しい顔が怒りに歪む。「どうして・・・ミラージュは何も悪くなかったのよ!?どうしてミラージュが殺されなきゃいけないの!?許さない・・・殺してやる!ゾイドを傷つける人間は皆殺してやる!!」少女は隠し持っていたナイフを振りかざし、ダイゴに襲いかかってきた!「ちょっと待て!落ち着いて話を・・・くそ!」ダイゴは少女の攻撃をかわし、当て身を入れて気絶させた。「あう・・・!」「すまねえな・・俺はまだ死ぬわけにはいかねえんだ。俺が極めるべき道を極めるその日まではな・・。」ダイゴはその後、活動を停止し石化したブレードライガーを見て、不機嫌そうに言った。「こんな・・・不快な気分は・・初めてだ・・・。」
ダイゴは少女を気絶させた後、毛布をかけて寝かせていた。その時、カノンの額を見て彼女の正体に気付いた。「彼女は・・・古代ゾイド人だったんだな。あの額の紋章・・この星の戦争の歴史の本で同じような紋章を額に持った人間を見た事がある。つまり軍が躍起になって彼女を捕らえやがろうとしている理由は・・。」ダイゴの言葉の途中で少女が目を覚ます。「う・・ん。あなた・・私のナイフを!」「ああ・・預からせてもらった。俺はまだ死ぬわけにはいかないからな。」「あなたがそうまでして生き延びようとする理由は・・何故?」「最強のゾイド乗りとしての道を極めるため・・だな。」ダイゴの答えに冷たい目で睨みつけてくる少女。「あなた・・・どうしてそうやって戦う事でしか生きられないの!?」「他に・・生き方なんて無いんだよ!俺みたいな熱い心を持った時代遅れには・・・!」ダイゴの怒鳴り声に黙り込んでしまう少女・・しばらくして再び口を開く。「あなた・・大陸の軍人なんでしょう?だったら・・早く私を基地に連れて行ったらどうなの?」「お前・・軍に投降する気か?止めておけ・・お前、古代ゾイド人だろ?軍の奴らがお前を捕まえようとしているのはお前を実験動物にするためだ・・。生きて帰れる保証は無い・・。」「私はそれぐらいの事は承知の上よ。痛い目にあうことも覚悟できてる・・なにより、私を突き出さないとあなたが危ない目にあうわ・・。早く軍に連れて行きなさいよ!それぐらい簡単でしょう!?」ダイゴは少女の答えにしばらく考えこんだ後、こう答えた。「バカ、簡単なもんか」ダイゴは少女に不思議な感情を持ち始めた・・・それは「彼女と離れたくない」という感情であった。「なあ、教えてくれないか。この馬鹿げた戦争を起こした黒幕を・・・突然暴れ出した無人ゾイドの群れ、絶滅したはずのデススティンガーの復活・・どう考えても帝国の仕業とは思えないんだ・・・。」「分かったわ・・黒幕の名前はザルカ・・。」「男の名前だよな・・それ。もしかしてそいつ、逆立った金髪にサングラスかけて、黒いマントみたいな服着た奴じゃなかったか?」「どうして・・わかったの?」少女の問いにダイゴは表情を険しくして答えた。「あいつが基地をデススティンガーで襲ったときに通信機に映った・・。あいつは俺達の仲間を殺しやがったんだ・・・あいつは俺の手で殺さないと気がすまない!」ダイゴの言葉に少女の心は複雑になった・・ザルカの被害者は自分だけでは無かった事に。「話を続けるよ・・ザルカは元々はゾイドを治すお医者さんだったの。でも大切にしていたゾイドを軍に殺されてしまった時から彼は変わってしまった。彼は軍に復讐するためだけに軍事用ゾイドの研究を始めて、遂には禁断のゾイドにまで手を出してしまった。」「最初は復讐の為にゾイドを使っていたのに、今では力を見せつけるための道具になっちまったって訳か。なんて悪党だ・・ちょっと待て!?さっきの話だと前にもここに軍が来てたみたいな事になるが・・」「うん・・来てたよ。この島の鉱物資源を奪いに来てたみたいだけど・・。私も必死になって追い返した。でもザルカのゾイドは助けることが出来なかった。」「なんてこった・・軍はこの島に来るのは始めてだって言ってたくせに・・俺達は騙されてたって訳だ」ダイゴは愕然となった・・この戦争の原因が、軍が島を荒らした事だという事実に。そして少女はダイゴに協力を願い出た。「お願い!私に協力して欲しいの。ザルカを倒して、この島を救って!」ダイゴは少女の願いに困惑しながら答える。「ちょっと待て・・お前、まだ俺の事、憎んでいるよな?」「当たり前じゃない!私の大切なミラージュを殺したあなたを許せるわけ無い!」「だったら・・俺に頼むのは筋違いじゃないのか・・?」ダイゴの問いに少女は黙り込んだ・・その目にはいっぱいの涙が浮かんでいた・・。「わかった!わかったから泣くなって!ザルカは俺の仲間達の仇でもある・・ぶっ倒してやるさ。でも・・お前は俺がザルカを倒しても許す気は無いんだろ?」「う・・うん」「なら・・・とりあえず俺がザルカを倒すまでお前のナイフは俺が預かる。ザルカを倒したらナイフを返す。その時は、俺に全力でそのナイフで挑んで来い!ただし、俺も素手で抵抗させてもらう。俺もまだ死ぬわけにはいかないからな。それでいいだろ?」「わかったわ・・礼は言わないから・・・。」言葉こそ冷たいが、彼女からはもう他人を寄せ付けないような雰囲気は無くなっていた。「そうだ、聞いてなかったな。お前、名前なんていうんだ?」「カノン・・・」「どっかの国の言葉で歌って意味だな。いい名前だ。俺の名はダイゴ。ダイゴ・シシガミだ!呼ぶ時はダイゴって呼び捨てで良いぜ!」「わかった・・あの・・・ダイゴも私の事カノンって呼び捨てで良いから・・。」その後、ダイゴとカノンはシールドライガーのコクピットで眠った。明日からダイゴにとっての「贖罪の聖戦」が始まるのだ・・・。
夜が明けた。目を覚ますダイゴとカノン。朝食を済ませ、二人はシールドライガーに乗りこんだ。「じゃ、そのザルカって奴のアジトへ行くためのナビゲートを頼むぜ、カノン」「わかったわ・・ザルカの研究所はこの島の北西端、旧ゼネバスの基地の跡地にある筈よ。嫌な予感がする・・ひしひしと感じるの。感情を無くされてしまったゾイドの波動を・・」ダイゴはカノンのナビゲートに従いザルカを倒す旅に出発した。そのころ、共和国の仮説基地ではダイゴが帰還しなかった事、そして古代ゾイド人の少女を確保できなかった事で問題となっていた・・兵は軍の上層部の陰謀など何も知らない。そしてチャクトにダイゴと古代ゾイド人の少女の確保が命令される。「チャクト大尉。相手はダイゴ・シシガミです。一筋縄ではいきません。そこで・・・このゾイドを薦めたいのですが、いかがですか。」オペレーターの女性の案内で格納庫へ招かれたチャクトは驚いた。そこには、共和国軍が持つはずの無いライガー系ゾイド最強クラスのエナジーライガーが保管されていたのだ。「こ・・このゾイドは!?」「昨日、中立市街地での戦闘とは別の場所での帝国との戦闘で奪取した機体です。どうですか?」「願っても無い・・!コマンドウルフは他の仲間にくれてやるから、俺はこれでダイゴに勝って見せるぜ!」チャクトは新たな機体、エナジーライガーでダイゴとカノンの確保へと向かった。ダイゴとカノンが順調にザルカの研究所への道のりを歩んでいた時、突如、一体のゾイドが立ちはだかった。チャクトのエナジーライガーだ。「見つけたぜ!おいお前!何してるんだ!」「見ての通り脱走さ・・女を連れてな・・」「確かに・・・中立市街地を破壊したその子を俺達の基地に連れて行くのは・・とは思うけどな!」ダイゴは黙ったままだ・・チャクトが軍に踊らされている事に気付いていない事を複雑に思っているのだ。「チャクト・・・お前は俺達の軍が嘘偽りの無い綺麗な物だと思うのか?」「そんなことはどうでもいい!お前、このまま基地から離れて行ったら、脱走者扱いで軍法会議ものだぞ!」「そりゃあそうだろう・・脱走してんだから」「ざけんな!俺は・・お前を基地に連れて帰るように命令されている。それに歯向かうようなら・・倒す!最初にやられた時の借りを返してやるぜ!俺の新しい必殺技でな!」ダイゴはため息まじりで操縦レバーを握った。「しゃあねえな!」「ダイゴ!できるだけ彼やゾイドを傷つけないで!」「わかってら!ゾイド殺しも人殺しももう二度とごめんだ!」ダイゴのシールドライガーとチャクトのエナジーライガーが互いに睨み合う。ライバル同士の戦いの幕が切って落とされた!「めんどくせえ!」ダイゴの叫びと共にシールドライガーのミサイルが発射される。だがチャクトのエナジーライガーは悠々とかわしてしまった。「遅いぜ!くらいやがれ!!」今度はエナジーライガーのバルカン砲が火を吹く。シールドライガーはその直撃を受けた。「うおっ!ちっ・・あいつ、新しい機体の性能に乗せられてるだけじゃなさそうだな・・」ダイゴのシールドライガーも負けじと二連装ビームキャノンで応戦、エナジーライガーに命中させた。「ぐあっ!腕は落ちてねえみたいだな!ダイゴ!」「このままストライククローでケリをつけるぜ!」「だが、甘いぜ!チャクトハリケーン!!」シールドライガーがストライククローを決めようと間合いを詰めた瞬間、エナジーライガーがもうスピードで回転、体当たりを敢行してきた!「ぐはぁ!これがあいつの新しい技かよ・・・。」「ダイゴ、大丈夫・・?」「ああ・・なんとかな」シールドライガーが倒れている所にエナジーライガーはとどめを刺すべく、もう一発、回転体当たりで突っ込んできた!「同じ手はくわねえ!そして、お返しだ!」シールドライガーは瞬時に起きあがり、体当たりをかわし、同時にストライククローの一撃を叩きこんだ!「ぐああ!こうなりゃあ、ケンカだ!」「おっしゃあ!行くぜチャクト、派手なケンカの始まりだ!」二体のライガーのクローがぶつかり合う接近戦・・・それはまさしく血湧き肉踊る激闘であった・・。二体はしばらく殴り合いを続けていたが、シールドライガーが隙を突いてエナジーライガーの体を掴んだ!「何!?ダイゴ、何をするつもりだ!」「そっちが新技なら・・こっちも新技で決めるぜ!シールドスラッシュ!!」シールドライガーはエナジーライガーの体勢を崩した後、一旦間合いを離し、エネルギーシールドをフルパワーにして体当たりを浴びせ、さらにストライククローで斬りつけた!「ぐあああああ!!おいおい、冗談だろ!?俺が負けるわけがねえ!」もはやエナジーライガーは限界だった。ダイゴもそれに気付き、倒れているエナジーライガーを後にしてザルカの研究所へ向かおうとした。そこでチャクトが怒鳴り声を上げる。「まだ勝負はついていねえ!もう一度勝負しろ!!」「今のお前じゃ何度やっても俺には勝てないぜ、チャクト。俺に勝ちたいなら、まず俺達の信じてきた軍を少しでも疑って見る事だな・・。」走り去って行くシールドライガー、残されたエナジーライガー。チャクトは悔しさのあまり叫びを上げた。「ちっくしょおおおおおおお!!!」ライバル同士の戦いは悔いの残る決着となってしまった・・・。
チャクトに勝利したダイゴ達はザルカの研究所へと急ぐ。だがその道のりは長く険しい・・・。そこでザルカに操られた無人のジェノザウラーが立ちはだかる。「ダイゴ、できるだけゾイドを傷つけないで!」「わかってる!行くぜ!」シールドライガーは牽制にビーム砲で攻撃、一気に間合いを詰める。「寝てろ!」ストライククローがジェノザウラーに炸裂する。ジェノザウラーは活動停止したが、ゾイドコアは動いている様だ。「先を急ぐぞ!」ダイゴはジェノザウラーを後にして突き進んで行った。ダイゴ達がザルカの研究所へと続く道を行く途中、凄惨な光景が広がっていた・・・。カノンが悲しげに呟く。「ここは・・戦場の跡?酷い・・敵味方なんて関係無く滅茶苦茶になってる。どうしてこんな事が・・まさか。っ!この大きな爪痕は!?」戦場に残された爪痕は一体の大型ゾイドの大きさと同じぐらいの大きさであった・・形状は恐竜の爪に似ている。「カノン・・ザルカは禁断のゾイドに手を出したって言ってたよな?つまりこれは・・デスザウラーの物の可能性がある・・。」「もしそうなら・・!早く、ここから離れよう?ここは危険だわ!」そう言った直後、一体のディバイソンが立ち塞がった。パイロットは帝国の少佐、シュバルツの弟にして帝国の大尉、トーマ・リヒャルト・シュバルツだ。「くそ!壊滅している・・間に合わなかったか!ん?おい貴様!この戦場を壊滅させたのは貴様か!確保させてもらう、行くぞ!」「あーあー!チャクトといい、こいつといい、なんで勘違い野郎ばっか集まるんだ!?」ダイゴはやさぐれ気味に言うと、ディバイソンに挑みかかった。シールドライガーはミサイルでディバイソンを攻撃するが、かわされた。「とぉおおおーーーーー!!!」トーマは雄叫び声を上げ、ミサイルを一斉発射してきた。全部避けるのは難しいだろう。「それなら!こいつで防ぐ!!」シールドライガーは避けきれないミサイルをエネルギーシールドで防いだ。「おのれ!貴様がどうあがこうと俺の戦術が勝つ!」「いい加減にしやがれ!死にたく無かったら・・そこを退け!!」シールドライガーは空高く飛び上がり、ストライククローをディバイソンの胸に振り下ろした!「ぐぁあああああ!!!」「手加減はしておいた・・悪いが行くぞ!」「急いでダイゴ!こうしてる間にもゾイド達が・・!」ダイゴはシールドライガーを大急ぎで走らせる。ザルカの研究所はまだまだ先なのだ・・・。
ダイゴ達がザルカの研究所を目指して突き進んでいる頃、共和国軍の二つの目の仮説基地、つまりダイゴ達とは別の共和国軍基地では、元盗賊にして、バン・フライハイトと共にデスザウラーを倒した英雄、アーバインがゴジュラスのテスト操縦を行おうとしていた。ゴジュラスに乗る準備をしているアーバインに、小麦色の肌を持つ美女が話しかけた。バンやアーバインと共にデスザウラー撃破に協力した運び屋、ムンベイだ。「調子はどう?アーバイン」「ばっちりだ!今日のテスト操縦の結果は期待してくれて良いぜ!」「でも・・無茶しすぎて怪我しないでよ・・・あんたっていつも無理するんだから・・。」「心配するなって!ムンベイ、この仕事の報酬が出たらうまい飯と酒おごってやるぜ!」「ありがと!楽しみにしてるわ。」アーバインはゴジュラスに乗りこむとテスト操縦を開始した。だが、テスト操縦を開始して数十分後、ゴジュラスは操縦にかかわらずコースを外れ、暴走し始めた。「アーバイン!帰還して!!」「くっ・・無理だ!ムンベイ・・・こいつ、暴れ出しやがった!!」アーバインはゴジュラスに乗ったまま、無限の荒野をさまよい始めた・・。その頃ダイゴ達は少しずつ、確実にザルカの研究所への道のりを歩んでいた。「ここを越えれば、後もう少し。できる限り静かに進んで。なるべく無駄な戦いはしたくないの。静かに、できるだけ急いで」カノンがそう言った矢先、暴走して暴れまわるアーバインのゴジュラスを見つけた。「放っておけないな、あれを止めるぞ!カノン。」「ちくしょう!俺の相棒はどうしちまったんだ!?ん?やいやい、それ以上近づくってならどうなっても知らねえぞ!」「気にするな、ちょっとしたボランティアさ!」シールドライガーは一気に接近しようとするが、ゴジュラスはロングレンジバスターキャノンを撃ってきた!かろうじて避けるシールドライガー。「危ねえ!さすがはゴジュラス、共和国最強だけのことはあるぜ!だがな!俺は負けねえ!!」シールドライガーも負けじとミサイルを撃つ。ゴジュラスに直撃するが、蚊ほどのダメージしか与えられない。「それなら!これならどうだ!!」シールドライガーは一瞬の隙を突き、ゴジュラスの懐に飛び込みストライククローの一撃を浴びせた!だが、ゴジュラスはまだ倒れない。「くそ!これでもか!!ドラゴンアッパー!」シールドライガーは死力を尽くしてジャンプアッパーを決めた。この一撃でようやくゴジュラスは動きを止めた。アーバインがダイゴに通信を送る。「借りが出来ちまったな・・ん!?お前!今軍で騒がれてる脱走兵じゃねえか!」アーバインの言葉にカノンが通信に割って入る。「お願い!今は見逃して!!この戦争には黒幕がいるの!そいつを倒さないとこの戦争は終わらないわ!」「嘘じゃなそうだな・・わかった。おいお前!そのお嬢さんに感謝しろよ!」「ち・・負けたくせに」ダイゴが面白く無さそうに言った直後、突然悪魔の叫び声のような鳴き声が上がった。「グアアアアアアアア!!!」「えっ!?」「なんだ・・・この叫び声・・」「おいおい・・また「アレ」が出てくるってのか!?」あまりにも大きすぎる邪悪な気配にカノンはアーバインにこう言った。「この子は可哀想だけど・・あなたはこの子を捨てて逃げて!この子を治して逃げる時間は無いわ!」「言われなくても逃げるよ!俺は・・・あの声の持ち主がどんなに恐ろしい化け物か知ってるからな・・お前等はまさかあの化け物と戦う気か!?」アーバインの問いにダイゴは自信たっぷりに答えた。「俺の強さは天下一!化け物ごときにはやられねえよ!」「そうか・・お前似てるな・・俺と腐れ縁のゾイドバカと!絶対に死ぬんじゃねえぞ!!」アーバインはそう言うとゴジュラスから降り、基地へと走っていった。と、そこで通信機に新たな通信が入った。それは味方の物ではない。「何処へ行こうというのかね?ふふ、せっかくの研究の邪魔をしないでもらいたい物だ。まあ君達もこれから「成果」になってもらうがね。」「て・・・てめえ!この声はザルカだな!!どこにいやがる!?出て来い!」「この叫び声・・凶暴で強い力の波動。まさか、今ザルカが操っているゾイドは・・!」ザルカの操るそのゾイドは姿を現した・・それは見た者全てが絶望する最強最悪のゾイドであった・・・。
ダイゴとカノンの前に立ちはだかったザルカの操る巨大ゾイド・・それは惑星Ziに二度も滅びを与えようとした最強最悪のゾイド、デスザウラーであった・・。しかも、デスザウラーの出現と共に頭が割れるような音が鳴り響く。「これは・・この声は。デスザウラー!でも、それだけじゃない!」「ぐああああ!!なんだ音は!頭が割れる!!」「そう。君の可愛い相棒を天国へと導いた物をもっと広範囲に伝わるように改良した物だ。」「ひどい!ミラージュを暴れさせたのもやっぱりザルカが・・!」「そうだ!この声を聞いた者全てが、戦いという快楽に身を委ねる。私の最高傑作の「神の声」だよ!」ダイゴは神の声に頭を抑えながら言葉で抵抗する。「くそったれ・・無人ゾイドみたいに操られてたまるかよ・・!」「抵抗しても無駄だ!このすばらしき声を島中に響かせようじゃないか!そうするれば、明日には君の憎き軍隊など一晩で消えるだろうさ!」その時、カノンの体が白く光り出した。それと同時にダイゴは頭が割れるような頭痛から開放された。「させない!」「ふん!古代ゾイド人の力か・・・それも何時までもつかな。この強力なジャミング波に対して。戦いに身を任せてしまえば楽になるのに。あえて破壊の魔獣と戦う道を選ぶなら・・それもいいだろう。」「お願い!私の力も長くは持たないわ!あいつを、あいつを倒して!」「まかせとけ!剛にいきる風来坊、ダイゴ・シシガミ!化け物退治は引き受けたぜ!!」ダイゴは勝利出来る確率があまりにも低い、破壊の魔獣との戦いに挑んだ・・・。「うおりゃあ!!」ダイゴの叫び共にシールドライガーの全武器が一斉発射された。デスザウラーに命中はするがほとんど効いていない様だ・・・。「さすがに効いていないか・・手強いぜ!」「では次は私の番だ!行くぞ!」デスザウラーの十連装ミサイルポッドと、頭部のレーザーガンが一斉発射される。どうにか回避するが、何発かもらってしまう。「ぐぁああああ!!こいつは正攻法じゃ勝てない・・こうなったら・・」シールドライガーは、射撃武器でデスザウラーの片足を集中して攻撃し続けた。「バカめ!そんな攻撃で私の作品が倒せると思うか!」「やってみなきゃわからねえだろ!」こうして、何発か集中攻撃をしているうちにデスザウラーの体勢が少しづつ崩れていく。が、ザルカは気付いていない。「ははは、今度こそ終わりに・・・何ぃ!狙いが外れた!?」「今だ!ドラゴンアッパー!!」足を集中攻撃されたデスザウラーはレーザーガン、十連装ミサイルを外してしまう。その隙にシールドライガーがジャンプアッパーでダメージを与えた!「むぉおおおお!おのれぃ!」「ゾイド研究してるマッドサイエンティストが俺みたいな風来坊に負けるのか?情けないとは思わないのか。」「よくも私を愚弄してくれたな!消し去ってやる!!」ザルカが怒りの声を上げた後、デスザウラーの大口径苛電粒子砲が発射された。寸前で避けるシールドライガー。その直後、苛電粒子砲が命中した個所から広範囲に火の海と化した。「やばかったぜ・・さすがに強いな!あの化け物は!」「ダイゴ!楽しんでないで早くあいつを・・・!」「わかってら!そろそろあの化け物、地獄に帰さないとな!!」ダイゴとザルカの死闘はほぼ互角の展開・・勝つのはどちらか!?
シールドライガーとデスザウラーの死闘にもようやく終わりが近づいていた。「ありえん!私が二度も計算を誤るなど・・私の勝利する事に変わりはない筈なのだ・・」「ゾイドは計算だのなんだので動かすもんじゃねえ!ゾイドを相棒として信じて動かせるかどうかで強さが決まるんだ!」シールドライガーがデスザウラーの懐に飛び込む。そして、闘気を込めたストライククローの一撃を決めた!!獣牙龍王拳だ!「こいつで!決まりだぁ!!!」シールドライガーのクローと闘気がデスザウラーの体をゾイドコアごと両断する!「バカな!私の作品が・・たかが一体のゾイドに立て続けに敗れるだと!?私の計算にどこか間違いがあったのか?私の研究にどこか過ちがあったのか?私の、私の・・・うぁああああああ!!!」ザルカの叫びと共にデスザウラーの上半身がずり落ちる。それと同時に、上半身、下半身共に爆発し、そのまま白い光となって鉄屑の欠片も残らず、完全消滅した。デスザウラーは消滅した。だがダイゴの心には不安が残っていた・・・ザルカが生きているのではないかと。「カノン・・ザルカは?」「残念だけど・・・まだ・・生きてる。」「そうか・・・あいつ、逃げ足だけは早いからな。」落胆するダイゴにカノンが励ますように言う。「でも、デスザウラーは倒せた・・信じられない、あのデスザウラーを・・すごい、すごいよ。あなた、すごくかっこいいよ・・・。」「へへっ!それほどでも・・あるけどな!」調子に乗ったダイゴにカノンは気持ちを切り替えて言った。「あ・・ええと。私は・・まだあなたの事許したわけじゃないからね!まだ終わりじゃないし・・行きましょう!ザルカのところへ!」二人は自分達の間に「絆」が生まれた事を、まだ自覚していなかった・・。ザルカの研究所まで後わずか。そこでカノンが表情を険しくして言った。「ここを越えればもうすぐなのに・・この先ですごく激しい戦闘が行われているみたい・・。」「ああ・・俺も何となくそういう気配を感じるぜ。」「うん・・早くしないと・・ここでまたあの「声」を使われたら大変な事になる。でも・・「声」を使っても使われなくてもどっちにしても、ゾイドは傷ついていくのね・・。」そこで、シールドライガーの警報機が鳴る。「くっ、前方で戦闘中の部隊に発見されたみたい!できる限り回りこんでここを抜けましょう!」「よし、やってみよう!俺達の狙いはただ一つ!ザルカの首だけだからな!」シールドライガーは帝国、共和国の攻撃を避けながら抜け道を使い、できる限り戦わずに突き進んで行く。ザルカの研究所までもうすぐだ!がんばれ、ダイゴ、カノン!
なんとあのデスザウラーを倒すなんてさすがダイゴですね。強いです。しかしこの戦争の原因がもとは軍が起こしてたくさんのゾイドが傷ついているなんて・・・悲しいことですね〜。あと少しで研究所につくダイゴとカノン、ザルカの野望を打ち砕くことはできるのでしょうか?
ダイゴとカノンがザルカの研究所までもう少しで着けるという所で、バーサークヒューラーが立ちはだかる。「退いて!あなた達と戦っている暇はないの!」「貴様らこそ退け!これは国のためだ!!」「どうして無駄な戦いをするの!?ここにあなた達の望んでいる物なんかないわ!お願い、道を開けて!あなた達と戦いたい訳じゃないの!」カノンの言葉に構わず襲いかかってくるバーサークヒューラー。「ち・・・軍の仕事ってのは命に値する仕事かよ?退きな!!」シールドライガーも戦闘態勢をとり、ミサイルで牽制を図った。「ダイゴ、できるだけ射撃武器は使わないで!」「んなこと言ったってヒューラー相手じゃ・・ん?そうだ!あれをへし折っちまえば・・!」ダイゴはそう言うとシールドライガーでヒューラーとの間合いを一気に詰め、ヒューラーの片方のドリルの根元を掴んだ。「せーのっ!」ダイゴが気合を入れる共に、ヒューラーのドリルは折れてしまった。「もう一発・・!」もう一本のドリルも同じ要領でへし折った。ヒューラーは最後のあがきに、苛電粒子砲を撃とうとするが・・。「させるか!」ダイゴは発射前にストライククローを浴びせ、ヒューラーを沈黙させた。「まだ生きてる・・・ありがとう。ダイゴ」「礼ならザルカを倒した後だろ?とにかく、先に進むぞ!」どうにかきり抜け、ダイゴとカノンは再びザルカの研究所へ向かう。ダイゴとカノンは後一歩の所で戦闘が邪魔になって先に進めない状況に陥ってしまった。「きりがない・・・このままじゃザルカの所にすら辿り着けないわ。」その時、天をつんざくような凄まじい声が戦場にこだました。「天が名を呼ぶ、俺を呼ぶ!惑星Ziの英雄チャクト様!ただいま参上!!」「あなたは・・・」「いいか、俺が今からこの戦場に一本の道を作る!そこをお前達は突っ切れ!」チャクトの言葉に困惑するカノン。「どうして・・?」「ゆっくり話してる暇なんてねえんだろ!今俺が戦場にドデカイ穴を開けてやる!俺はダイゴに2回も勝ち逃げされてるから犬死してもらうわけにはいかねえんだよ!絶対帰ってこいよ!!」チャクトは叫びと共に、エナジーライガーの回転体当たりで戦場に巨大な道を作った。「よし!今だ!!」ダイゴはシールドライガーで全速力で道を走り、戦場を脱出した。「ねえダイゴ・・あの人は・・・」「大丈夫だ・・・とにかく今は・・ザルカをぶっ倒すことが先決だろ?」「うん!」ザルカの研究所が近づいてきた・・・そこに待ちうける最後のゾイドは・・・。
ダイゴとカノンは激しい戦場を潜り抜け、遂にザルカの研究所に辿り着いた。シールドライガーで研究所の内部に突入、奥へと進んでいく。「ここは・・こんな巨大な施設があったなんて。」カノンが言葉を漏らすとほぼ同時に研究所の最深部に辿り着く。それと同時にザルカの声が響き渡った。「戦争が始まった当時・・。」「ザルカ・・!」「おいてめえ!勿体つけないで出て来い!叩き潰してやるぜ!!」ダイゴが叫びを上げてもまだ姿を現さないザルカ。「当時劣勢だった共和国軍が、何故帝国に対して優勢に戦いを進めることが出来たか。わかるかね?それは優秀な旗艦があったからだ!私の研究の最大の成果を見せよう!最強の旗艦に、時空を超えた力を持つ武器を持って!」ザルカの操る最後の巨大ゾイドが姿を現した。ウルトラザウルス・・グラビティキャノン、パルスレーザー砲、多段式ミサイル砲を装備した、かつて古代ゾイド人が復活させたオリジナルのデスザウラーを倒す鍵となったゾイドだ。「ウルトラザウルス・・こんな物まで・・」「さあ、遊びは終わりだ!この狂った時代に私の研究で風穴を開けてくれる!貴様らはその最初の犠牲者となれ!」「ったく!つまんねえモンに手を出しやがって!反吐が出るぜ、バカ博士!ぶった斬ってやる!!」今、ダイゴVSザルカの最終ラウンドのゴングが鳴った!ウルトラザウルスが先手を打ってミサイル砲とパルスレーザーで攻撃してきた!「あらよっと!」ゆうゆうとかわすシールドライガー。「うおりゃああああああ!!!」今度はシールドライガーがミサイルとレーザーで攻撃する。ウルトラザウルスはその巨体ゆえか、シールドライガーの攻撃の直撃をくらった。「ぬぉおおおお!?ならば・・これならどうだ!!」ウルトラザウルスの肩からあまり大きくないレーザー砲のような物が飛び出す。「危ない!ダイゴ、避けて!」「ふはははは!くらうがいい!!」ザルカの笑い声と共に強力な超重力弾が発射される。かろうじて避けるシールドライガー。すぐ横で巨大な重力波の柱が噴き上がる。「おいおい・・・あんなのくらったら即死だったぜ」「ふははは!どうした。私を倒して戦友たちの仇を取るのではなかったのかね?」「きたねえツラと声を近づけるな!!」ダイゴの叫びと共にシールドライガーはウルトラザウルスの懐に飛び込み、シールドを展開して体当たり、さらにストライククローで切り裂いた!!「むう・・・おのれい!」「軍もてめえの復讐も関係ねえ!俺はてめえが気にいらねえ!だからぶっ飛ばす!!!」凄まじい戦いがいつ果てる事も知れず続けられた・・。そして・・・ついに戦いの幕が下ろされる時がやってきた。一瞬の隙を突きシールドライガーがウルトラザウルスとの間合いを一気に詰める。「これでも・・・くらいな!!!」「ぐわぁああああああ!!!バカな・・」シールドライガーの闘気を込めたストライククローの一撃がウルトラザウルスの胸を貫いたのだ!
シールドライガーの一撃がウルトラザウルスの胸を貫く。だが、まだゾイドコアには届いていない。最後のあがきにウルトラザウルスを前進させてシールドライガーを弾き飛ばそうとする。「まだだ・・・まだ終わらぬぞ!」「俺の強さは・・・天下一!冥土に逝っても・・・忘れるなーーーーーー!!」ダイゴの叫びと共にウルトラザウルスの体内へ突っ込むシールドライガー。そのままゾイドコアを貫き、ウルトラザウルスの背後に着地した。「バカな!そんな・・バカな!どうして・・私の研究は完璧。大陸の奴らに、鉄鎚を・・!ぐわあああああああ!!すまない、私の・・・可愛い・・ゾイド達よ・・・。」ウルトラザウルスが爆発し、崩れ落ちていく。ザルカは己の罪を悔やみながら死んでいった。「お前は自分のゾイドの力に溺れるあまり、大陸に復讐する戦う理由まで見失っていた。自惚れるあまり修行を怠るが敗因よ!」口では救いの無い事を言うダイゴも心の奥ではザルカの事を哀れんでいるのだ・・・。戦いが終わり、シールドライガーから降りるダイゴとカノン。ダイゴはカノンにナイフを返した。「約束だったな・・ナイフを返すぜ・・。」「うん・・・」「じゃあ、かかってきな・・」「えっ!?」格闘の構えを取るダイゴに困惑するカノン。「おいおい、俺に復讐するんだろ・・?」「う、うん。忘れてた・・。」「よし、来な。俺もただじゃあやられねえぜ・・。」だがカノンはナイフは持っているが構えようとしない。そうしてしばらく沈黙した後、ナイフを研究所の機械内部に続く穴にナイフを投げ落としてしまった。「お・・おい!カノン・・・。」「ねえ、ダイゴ。知ってる?死は・・償いじゃない。諦めなの・・・。もし私があなたを殺してしまったらあなたに諦めと開放を与える事なってしまう・・。私、そんなの許さない!」「カノン・・お前」「ダイゴ・・あなたはあなたの好きな様に生きればいいわ!でも・・あなたは一生苦しみ続ける。私の大切な友達を殺した罪を背負って!私も・・あなたへの憎しみを糧に生きていくんだから!」残酷な言葉を投げかけるカノン・・だがその目には涙が流れていた・・・。ダイゴはカノンの本当の心に気付いた・・。「カノンは・・気付いているんだ。俺への復讐を果たしたら、自分がザルカと同じになってしまう事に。だから俺にこんな言葉を・・・」だがダイゴはそれを口には出せなかった。彼女の心を傷つけたのは自分なのだから・・・。「くっ・・!」ダイゴは思わずカノンを抱きしめていた。「きゃっ、ダイゴ・・・?」ダイゴはカノンを落ち着かせるためにある言葉を言った。それは一歩間違えれば逆効果になる言葉・・。「カノン、お前の今の感情がどういうのか、わかるか?今、カノンは俺の事がす・・・」「待たせたな!惑星Ziの英雄チャクト様ただいま参上!さあ、敵はどこだい?」ここにきて、最悪のタイミングでの乱入者・・チャクトだ。チャクトの乱入にダイゴとカノンは唖然とするだけだ。だがしばらくして、突然カノンが笑い出した。「うふふふ・・・あはははは!」「どうしたんだよ!カノン・・」「だって・・・もう、なんだかとっても可笑しくて!」「ぷっ・・・そうだな!なんか俺達がバカみたいだしな!あはははは!」「ダイゴ・・・それに・・君。大丈夫か?つーか敵はどこだ!?」ダイゴは笑いながらウルトラザウルスの残骸を指差した。「お前は来るのが遅すぎなんだよ!もう俺達が退治しちまったよ!」「ちっくしょー!手柄横取りされちまったじゃねーか!」「あははははは!」カノンが笑う姿を見てダイゴは思った。「こうして笑っている間でもやっぱり俺の事、憎んでいるんだろうな・・でもそれでもいい。俺は罪を背負って生きなきゃならないんだ・・。でも後悔は無い。俺にはカノンがああやって笑い続けられるように見守る目標が出来たんだから・・・。」ダイゴは自分の心の中で「贖罪の形」を見つけたのだ。
全ての戦いが終わり、緊張が解けて一緒に笑いあうダイゴとカノン。そこでチャクトが不意に真剣な表情になり、口を開いた。「昔、どうして戦うのかって聞かれた事があったよな。」「え・・う、うん。」「俺達はきっと・・戦いを終わらせるために戦っているんだ!」「ねえ、あなたもそうなの?」カノンの問いにダイゴは少し考えこんだ後、こう答えた。「俺は・・最初は強い奴と会ってそいつと戦う事が出来ればそれでよかった・・だが、今は違う!俺は最強のゾイド乗りを目指しながら、同時に戦争を終わらせる事も目指していくぜ!」「やっぱり・・戦いに生きる事には変わりないのね。ダイゴ・・・。」「ああ・・すまねえ。やっぱり俺は戦いを捨てられねえみたいだ・・・。」ダイゴの答えに少しだけ悲しい表情になるカノン。「私は・・軍人は嫌い。私の家族みたいな存在のゾイドを傷つける人は皆嫌い・・。あなた達も・・嫌い。でも・・・。」そこでカノンの表情が悲しそうな表情から、微笑みに変わった。「ありがとう・・そして、死なないで。また、会いたいの。だから、絶対・・ね?」カノンはそう言った後、ポケットから首飾りを出し、ダイゴの首にかけた。「これを・・俺に?」「うん・・お守りになるから・・・。」「そうか・・ありがとな。カノン、約束する。また・・必ず会おうぜ!カノン!」「本当にありがとう・・二人とも・・・いつかまた!」カノンはお別れを言い終えるとダイゴとチャクトに背を向け、自らの足で何処かへ去って行った。ダイゴとチャクトはカノンを見送り終えると、それぞれのゾイドに乗りこみザルカの研究所を後にした。そして島から脱出するべく二人で港へ向かおうとした時、重要な事を思い出した。「チャクト・・この島を脱出できる確立は厳しいぜ。俺達は完全にお尋ね者。港は軍に占領されてて、船を乗っ取るどころか、港に入る事すら難しいだろう。」「だー!お前は何にも考えないであの子とあんな大それた約束したのかよ!」「仕方ないだろ!ああいうときには素直に約束するのが正しいモンなんだから!」ダイゴとチャクトが口ゲンカを始めた直後、突如通信が入った。「ダイゴ大尉、チャクト大尉。どうか私を信じて、私のナビゲートにしたがって来て下さい。」その声はダイゴやチャクトを何度か手助けしてくれた女性オペレーターの物だった。「ダイゴ・・これは罠じゃねえのか?」「いや・・彼女は信頼できる。彼女は俺が基地からはぐれた時にナビゲートしてくれた。例え罠でももうこれに賭けるしかないだろ・・」「仕方ねえな・・その賭け、乗ったぜ!」ダイゴとチャクトはオペレーターを信じて、ナビゲートに従い、目標地点へ急いだ。ダイゴとチャクトがオペレーターのナビゲートに従い、辿り着いた場所は軍達の警備からは死角となる海岸であった。そこには女性オペレーターが大型ゾイドを3〜4体は乗せられる船と共に待っていた。「早く乗ってください!軍に見つかってしまいます!」「あ・・ああ!わかった!」「ええい!こうなりゃあ、やけだ!」ダイゴとチャクトはゾイドに乗ったまま船に乗りこむ。そして船は共和国本土を目指して発進した。船が出てから、ダイゴとチャクトはゾイドから降りて、オペレーターに尋ねた。「なんであんたが俺達を・・?」「軍のコンピューターをハッキングして調べてわかった事があります・・。軍はあなたが連れて脱走しようとした少女を確保して・・・実験動物にしようとしていたらしいです・・。もう・・私は軍が信じられなくなりましたから・・。」「そう・・・か。それで、あんたはどうするんだ?」「あの島の軍の秘密は全てディスクに移しました。大陸についたら共和国と帝国の両方に公表するつもりです・・。大尉達はあの少女とは別れたようですが、大陸について、すぐに公表すればあの少女に危害が及ぶ前に両軍に撤退命令が出るはずです。」「わかった・・ありがとな。」ダイゴの言葉にオペレーターは言葉は返さなかったが、微笑で答えた。ダイゴとチャクトは大陸に着くまでに休もうとベットルームに入った。そこでダイゴがぽつりと言った。「しかし・・結局あいつには会えなかったな」「ん?ダイゴ、あいつって誰だよ?」ダイゴはチャクトに聞かれて恥ずかしそうに答える。「ああ、言ってなかったな・・。俺の今の本職はシングルバトル専門のゾイドウォリアーなんだが・・俺は15歳の時は公式じゃないストリートのゾイドバトルばかりしていた・・。その時に始めて負けた相手だ」「それで・・誰なんだ?そいつ・・」「15歳にして負け無しだった俺に黒星をつけた男の名は、バン・フライハイト。あいつは共和国のガーディアンフォースの一人だからな。ストリートは犯罪まがいのモンだから、止めにに来たんだろ」ダイゴの言葉にチャクトが大声を上げた。「バン・フライハイトだと!デスザウラーを二度も倒した英雄じゃねえか!」「ああ・・・そこで俺を打ち負かして言った言葉は「まだまだだな。強くなりたかったらもっと広い世界で場数を踏む事だな」だってよ。そのことがきっかけで今の俺がある・・・。」ダイゴの話を聞いているチャクトはどこか嬉しそうだ。「なんでそんなに嬉しそうなんだ?チャクト・・」「いや、お前でも負けたことがあったんだなって思ってな。これで俺もお前を倒せる自信がついたぜ!」「勝手に言ってろ!俺はもう寝るぞ・・」「あ・・おい!ちっ・・急にノリ悪くなりやがって。」ダイゴが眠った後、チャクトも渋々眠りについた。それから何日かして、ダイゴ達は共和国に着いた。3人は港で別れる事にした。「それでは・・私は軍の不正を公表せねばなりませんのでこの辺りで。ダイゴ大尉、チャクト大尉、ご武運を祈ります!」オペレーターが去って行った後、ダイゴとチャクトも別れの言葉を交わす。「ダイゴ、今度会うときには俺とお前のケリをつけるときだぜ!」「ああ、その時まで・・・」ここから先、二人は声をそろえて言った。「その時まで・・お互い頑張ろう!」別れの言葉を終えると、チャクトもエナジーライガーに乗り、何処かに去って行った。そしてダイゴもシールドライガーに乗って旅立とうとした時、ふと海を見てみた。夜が明け、太陽が昇っていくのが見える。「強い奴がいる限り・・俺の旅に終わりはねえ・・・。この道の行く先は傭兵の道か、または修羅道か・・。まっ、そんな事は戦ってから考えるか!」ダイゴは明るく笑うと、シールドライガーに乗り、「強い奴」に会う旅に出た。銀河の遥か彼方に存在する惑星Zi・・そこに古の機械生命体の力を借り、己が生きる道を極めんとする男がいた。あまりに壮絶な生き様故、凶事身に纏う事は偶然ではなかった。その男、ダイゴシシガミは今日も強き者を求めて歩く。この世に凶事を起こす「魔」がいる限り、ダイゴがダイゴである限り戦いは続く・・・。
ようやく完結しました。ですが、よりによって最終話でまた削除キー入れ忘れたまま、間違いをしてしました・・。間違った所はストリートは犯罪まがいのモンだから、止めにに来たんだろの所です・・「に」が多くなってしまいした・・。もし載せるのであれば編集お願いします・・。本当に、本当にすみませんでした・・。それとこの小説はアーケードゲーム「ゾイドインフィニティ」をベースにしていますが、「ドラゴンアッパー」や「獣牙龍王拳」の等の技は使えませんので注意して下さい・・・。(言わなくてもわかるかも・・)ではまた。
おお〜ついに完結ですか〜今まで読ませてもらいましたが読んでいて飽きず、とても楽しませてもらいました。それにしても特に戦闘シーンが良かったです。恐れながら改善点などはもう少しスムーズに場面が移っていくといくことと、感情描写を細かくするといいと思います。では次回作も期待していますのでがんばってください!