ゾイド系投稿小説掲示板
自らの手で暴れまくるゾイド達を書いてみましょう。
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私管理人の最初の作品です。多少おかしいところがあるかもしれませんが大目に見てください。それと読んでいただいた方はできれば感想のほうもよろしくお願いします。では
今、惑星Ziでは戦闘競技「ゾイドバトル」が注目を集め、繰り広げられていた。ゾイドバトルとは公正なルールのもと、機械生命体ゾイドを愛機とし、荒涼たる大地をバトルフィールドとして行われる戦闘競技のことである! 今日も熱き戦士、ゾイドウォーリアー達が、己の誇りを賭け、己の腕を競い合う!!ゾイドバトルでは、戦力や使用武器などがバルトモードによって定められており、人工衛星から射出される「ジャッジマン」を介して連盟本部からの指示に従いバトルに参加する。これに勝利することによってポイントと賞金が得られ、ポイントを稼ぐことで上位ランクへ上がれるという仕組みだ。
全世界では今、ゾイドバトルが人気を集めている。ここニューへリックシティでは特に、幅広い世代から人気を集めていた。そしてここはとある喫茶店。「なあハル、お前もゾイドバトルやらないか?」そう言うこの男の名はジャック・フェーベル。「ゾイドバトルって・・あのゾイドバトルか?」そう聞き返すこちらの男の名はハル・マクラウド。「当たり前だろ。ゾイドバトルって他に何があるんだよ。」「ああわかったわかった。それで何だって。」「だからお前もやらないかって聞いてんだよ。」「俺が?・・・何で?」「そりゃあ・・お前が一番の親友だからな。それにお前昔やってただろ。元世界チャンピオンの親父に教えてもらって。」ジャックが妙に世界チャンピオンに力を入れて言う。「まあ、そうだけど・・・けどサラにも聞かないとな〜。」ハルの言う女性の名はサラ・フォールド。ハルの彼女である。「あっその点は大丈夫。ちゃんとサラには言っといたから。」「はっ!?」その言葉に驚くハル。「なっ・・いつも間にお前・・」「ああ、結構サラも乗り気だったぞ。もうチーム登録もしに行ったし。」「なっ・・それじゃあもう俺がチームに入るって言ってるもんじゃねえか!・・・それに何でいきなりゾイドバトルなんだよ。」少し怒りながら言うハル。「ん?そりゃ〜ただ毎日退屈な日々を過ごすんじゃなくて何かやりたいと思うだろ?まあそこで今人気のあるゾイドバトルだ。それにお前別にいい就職口があるわけじゃないだろ。だったら楽しみながら金が手に入れられるゾイドバトルがいいだろ。そうだ!目指すなら世界チャンピオンだ。どうだいいだろ。」その説明を黙って聞くハル。しかしやがて口を開いた。「そうか・・・まあ別にやってもいいよ。ただな・・ゾイドバトルをなめるなよ!」急に真面目な顔をして言うハルに驚くジャック。「何だよいきなり・・・わかったよ・・そんな怖い顔すんなって。俺も別に遊びでやるわけじゃない。もちろん真面目にやるよ。生活かかってるんだからな。」「わかればいいんだけどな・・・それでチーム名は決まったのか?」「ああ、もちろんだ。チーム名は『チームサーガ』だ!どうだ、いい名だろ。」「ふ〜ん・・お前にしてはいい名前じゃんか。」「お前それ酷いぞ・・」「悪い悪い。」そう笑い飛ばす二人であった。こうして彼らの新たな冒険が始まった。
チームサーガ誕生から3日後・・また同じ喫茶店に集まった。今度はサラもそこにいた。「さて、じゃあこれからいろいろチームのことについて話し合おうと思う。」ハルの言葉で顔を上げるサラとジャック。「まず、そのチームのチーフだが・・誰かいるか?」「あ!それならいるわ。多分もうそろそろくるんだけど・・・」」サラがそう言った瞬間一人の少し年輩の男が喫茶店に入ってきた。するとこちらの方に向かってきた。「おお、サラ。遅れてすまんな。」そうサラに声をかける。「遅かったじゃない!お父さん。」普通に答えるサラに驚くハル。「お父さん!?・・・えっ・・この人ってサラのお父さんなのか?」「うん、そう。あれ・・紹介してなかったっけ。」「いや全然。」「あっ、そうだった。まあこの機会にいいじゃない。」軽く言うサラ。「君がハル君か?」「ええ・・そうです。」突然の父親の登場に戸惑いを隠せないハル。「いつも娘が世話になっているようだな・・まあこれからもよろしくお願いする・・そういえば名前を言っていなかったな。私の名はグレイ・フォールだ。まあグレイさんで頼むよ。」軽い挨拶をするグレイ。「そうですか・・・あれ・・・ってことはこのチームのチーフって・・グレイさんですか!!」「ああ、もちろんだ。やっぱ男はこういう冒険に限るからな。」先程の口調とは打って変わって情熱的になるグレイ。その時ジャックが突然立ち上がった。「グレイさん!!僕もその意見に同感です!やっぱり男は冒険ですよね!」「おお!やっぱりそう思うか。君の名は?」「ジャックです。ジャック・フェーベル。」「そうか・・ジャック君。君とは気が合いそうだ。これからよろしく頼むよ。」「ええ、こちらこそ。」そのやり取りを黙って見るハルとサラ。しかしやがてサラが口を開いた。「ちょっとお父さん!ここ喫茶店だよ。何考えてんの!」その一言で我に帰るグレイ。「おっとすまんすまん。ちょっと熱くなりすぎた。」「ジャックも!」そのサラの言葉でイスに座るジャック。「さて、みんなそろったことだし・・じゃあ本題に入ろうか。」サラが少し真面目に言う。それを頷く三人。「一応必要な物はあたしのほうでいろいろ用意させてもらったよ。移動用のホバーカーゴも。」「ホバーカーゴ?あの移動用の。あんな物買えたのか?」ジャックが尋ねる。「ああ、お父さんが買ったの。」その言葉にグレイが頷く。「ふ〜ん、そりゃありがたいことです。」グレイを見ながらいうジャック。「じゃあ次にメインのゾイドのほうだけど・・ジャックはディバイソンがあるんだよね。」「ああ、この日のために用意してたんだ。でもハルは何かあるのか?」「いや俺は・・・別に・・」少し返事に困るハル。「お前の親父からもらえないのか?」このハルの父親の名はフレッド・マクラウド。元世界チャンピオンである。「あ〜無理無理。親父がくれる訳がない。ど〜せ自分でやるんだから自分で何とかしろって言われるのが落ちだ。」あきれながら言うハル。「そうか〜・・じゃあどうすんだ?」ジャックがそう言った時サラが口を開いた。「ああ、それなら大丈夫?ハル用にちゃんと用意したから。」「俺用に?」「そう。まあみんなちょっと外に来て。」サラの言われるままに着いて行く3人。喫茶店の外に出るとホバーカーゴがとまっていた。そしてサラがボタンを操作し扉を開ける。すると中に白いライガー型のゾイドが立っていた。「何だこれ?」首をかしげるハル。「これは『ライガーゼロ』まだ量産されていない機体よ。でもちょっと気性が荒いから乗るのに苦労するかも・・まあそのおかげで安く買えたんだけどね。」そう説明するサラ。これがハルとゼロとの出会いだった。
「ふ〜ん・・・たしかに珍しいタイプだな。」ハルが機体を見ながら言う。「まあ少々気性が荒いって言ってたけど・・・ハルなら扱えるでしょう。」「う〜ん・・・まあがんばってみるよ。」苦笑いしながら答えるハル。その時前方から二人の男が声を上げながら歩いてきた。「あははは・・うん・・それでよ〜・・・ん?」その二人がこちらに気付いた。「おっと、これは・・・ライガーゼロ・・しかも4人・・ってことはお前らが新しく出来た『チームサーガ』か。」近づいてくるなり話しかけてくる男。「そっ・・そうだけど・・なんだよ。」ジャックが答える。「いや別に〜・・ただずいぶん貧相なチームだな〜って思ってよ。」「なっ・・何だとー!!」「おいおいそんな怒らないでくれよ。短気は体によくないぞ。」とことんバカにする男。もう少しでジャックが飛び掛るところだったがハルが止める。その時グレイが口を開いた。「君は、バーサー社の社長の一人息子のジョニー・バーサーだな。」「ふん、その通りだ。」鼻を高々にしながら答える。しかしジャックは驚いていた。「バーサー社!!・・って言ったらあのゾイド企業でベスト5に入る・・有名な会社じゃねえか!」「ふん、やっと今頃気付いたか。僕は君らのようなヘボチームと違うんだよ。」皆黙っていたがサラが声を張り上げた。「失礼ね!あたし達だってちゃんとした装備も揃ってるわよ!」その言葉でサラの方を振り返り、見つめるジョニー。「な・・何よ・・・」「美しい・・」「え!?」「なんて美しいんだ。今まで会ってきたどんな女性よりも美しい。どうか僕とお付き合いしませんか。」これには皆驚いた。「こいつ大丈夫か?」小さい声でハルにつぶやくジャック。「いやもうイクとこまでイってるな。」「ああ全く・・・これが社長の息子か・・」あきれたように言うグレイ。その間にもジョニーはサラに熱烈なアタックをしていた。さすがにサラもあきれてきた。「あの〜・・・もうあたしこの人と付き合ってるから・・」ハルを指差しながら言うサラ。「な・・何ー!!・・俺の恋が・・一瞬で終わった・・・くそー!おいお前ら試合だー!」「は!?」全員が顔を見合わせる。「だから試合だっつってんだよ!ゾイドバトルだ。一週間後ブロール荒野でだ。いいな!文句あるか!」一息で言い切るジョニー。「な・・ちょっと何いきなり言ってんのよ!こっちはまだチーム作ったばっかだって言ってるのに・・・」「別にいいじゃん。」いきなりハルが言う。「チーフもいいでしょ。試合ができるんだから。」「ああ、別にかまわんが。」「じゃあ決まりだな。そうだ、何か賭けようぜ。普通じゃつまらない。」「ほう、俺に賭け事を申し込むとは・・それで何を賭けるんだ?」「そうだな〜・・じゃあ俺達が勝ったら賞金の10倍を貰おうかな。」「そうか・・・ならば俺が勝ったらサラさんを貰う!」「いいだろう・・勝負は一週間後。」「ああ、まあそれまでせいぜいがんばるんだな。」そう言うとジョニーは男を連れて笑いながら帰って行った。「ちょっとハル。何あんたあんな賭け事してんのよ!しかもあたしを!」「大丈夫だって、俺に任せろ。」「何でそんな自信があるのよ。」「まあそれは試合でっつうことで・・・おいジャック。早速練習場行って特訓しようぜ。」「ああもちろんだ!う〜ん、俺達の初試合か〜・・かあ燃えてきたー!!」そう言うと二人は走っていった。後にはサラとグレイが取り残された。「もう!全く・・・」ため息をつくサラ。「まあいいじゃないかサラ。」「お父さん・・」「あそこまえ自信があるんだ。何かあるんだろ。それにお前も今まで一緒にいたんだから信じてやれよ。俺は何かハルはやってくれると思うぞ。」「う〜ん・・・それもそうね。」そう元気良く返事をするサラであった。
ここはブロール荒野。そこに2体のゾイドがいた。セイバータイガーEXとTMホーン、どちらも特殊な改造を施されていた。ジョニーと町で一緒に歩いていたビル・ボーグである。「たくっ!あいつらはまだ来ないのか。」時計を見ながら苛立つジョニー。「そう苛立つなよジョニー、どうせ相手はヘボチームなんだろ。」「ああもちろん。何か誰だったかな・・ああそうだハル・マクラウドとかいう奴。あのフレッド・マクラウドの息子らしいいけど・・・この俺達に勝てる訳ねえよ。」「当たり前だ。この装備があるんだからな。」背中の装備を指差しながら言うビル。「まあな。」ジョニーがそう言った時目の前からホバーカーゴが近づいてきた。「やっと来たか。」そう言い体を起こすジョニー。するとホバーカーゴからライガーゼロとディバイソンが飛び出してきた。「おうおうやっと来たか。逃げたかと思ったぜ。」「まさか・・・それより約束を忘れるなよ。」ハルが言う。「ああもちろんだ。サラさんのこともな。」その言葉に体を振るわせるサラ。次の瞬間上空から白いカプセル状の物体が落下し、地面に着地した。するとカプセルが開き中から人状のロボットが姿を現した。「へ〜あれがジャッジマンか・・・実物は初めて見るな。」興味津々に見るジャック。するとジャッジマンがしゃべり始めた。「これより半径3q以内はバトルフィールドと化すので関係者以外は退避してください。」そこでしばらく間が空きまたしゃべり始めた。「バトルモード承認! フィールド内スキャン完了!バトルフィールド・セットアップ!レディー!ファイトッ!!」それと同時に動き出すジョニー達とハル達。「んじゃあ、早速行きますか。」そうジョニーは言うと背中のパルスレーザーを連射する。それを回避するライガーゼロ。それにかまわず打ち続けるセイバータイガーEX。しかしライガーゼロはセイバーを攻撃しようとはしなかった。そのままスピードを上げるライガーゼロ。「ん?・・なんだあいつ。何であっちに・・!!おいビル・・後ろ・・・」「え!?・・・いっ・・!!」ジョニーが叫んだ瞬間にはもう遅かった。ライガーゼロのストライクレーザークローがTMホーンの片側の足を切り裂いていた。「くっそ!油断した。」ビルが悔しそうに言う。「TMホーンは遠距離射撃だから先に行かせたのに・・・くそ!ばれてたのか。」同じく悔しそうにするジョニー。「おい!ハルお前すげーな。さすがだ。」「なーに。この機体のおかげだよ。」「いやお前の腕だよ。よしこの調子で残りの1体もやっちまおうぜ。」そう言い機体を前進させようとするジャックだがハルが呼び止める。「おい待てジャック。俺にいい作戦がある。」「作戦?」「ああ、まあ聞け・・・・・・・・」「なんてこった。ビルがやられるなんて・・・しかしあっちの装備は貧弱。俺が負ける要素は何もない。」自分に言い聞かせるように言うジョニー。すると後方からライガーゼロが接近してきた。「うお!やばい。ここは一時逃げとくか。」そう言いセイバーを動かすジョニー。しかしライガーゼロは横に行ったりとセイバーを好きなところに行かせない。「くそ!しつけえな・・それに横に来たりと・・それよりディバイソンはどこ行った・・・!!」次の瞬間セイバーは物凄い勢いで吹っ飛んだ。「くは・・・な・・なんだ・・」良く見るといつの間にかディバイソンが目の前にいた。「バカだな。まんまとひっかかりやがって。ハルに誘導されて俺がそこを撃つ。最高の作戦だ。」ジャックが満足そうに言う。「くそ・・こんなバカな作戦に・・」途切れ途切れに言うジョニー。そこでジャッジマンが叫ぶ「バトル終了!ウィナーチームサーガ!!」
「ひゃっほー!!見ろよこの金。」ジャックが目の前の大金を見ながら喜ぶ。「ああ、俺達の初勝利だな。」ハルも同じく目の前の大金を見ていた。「本当だわ、これでいろいろ装備が買えるわね。あ〜何買おうかな〜。」サラはいろいろな妄想を頭に浮かべている。「それにしてもあのジョニー、ありゃ笑えたな。」ジャックが思い出したように笑う。「たしかに・・・金を渡した後のあの言葉『サラさん、僕はあきらめません。また行きますから待っててください』だってよ。」「もう!ハルやめてよ。」ハルの再現で少し顔を赤らめるサラ。「まあまあそのへんにしといて、サラ。私達のチームはどうだ。」なだめるようにグレイがしゃべる。そこで気付いたようにパソコンを見るサラ。「あっ!そうそう。私達のチームサーガは・・・ちょっとまだまだ弱小ね。ランクもS・A・B・C・D・Eのうち最下位のEランクだし。」パソコンの画面を見ながら言うサラ。「な〜に、これから上げてけばいいじゃん。それよりさ、この金どうするよ?」ジャックが質問する。「まあいろいろな装備や・・今後のために少し残しといたり・・・でもそれでも少しは残るわね。」「だったらゾイドのパーツを買っていいかな?」唐突のハルの言葉少し戸惑うサラ。「え?・・まあ・・いいけど何で?余裕で買ってたじゃない。」「まあたしかにそうだけど、ライガーゼロには抜群の機動力はあっても火器類が圧倒的に少ない。せいぜいAZ砲位だからな。」「あっ・・まあたしかに・・・これから先あんな簡単にはいかないか・・」「まあそういうこと。だからいいだろ。」「うん、まあいいよ。でもお父さんからもらえないの?ハルのお父さんって前会ったけど結構優しかったじゃん。」「それは無理だ。たしかに普段は優しいけどゾイドバトルになると打って変わって厳しいから・・それにそういうことは自分でなんとかしろって言われるだけだし。まあ俺も優勝者の息子だからって特別扱いされるの嫌いだから。」「ふ〜ん・・じゃあしばらく改造終わるまでバトル受け付けないほうがいいかな。」「いや大丈夫だ。それまでには間に合わせるから。」ハルがそう言った時パソコンの着信音が響いた。「ん?一体何だ。」ジャックが身を乗り出して言う。「あっ!バトルの申し込みだ。」サラが画面を見ながら言う。「よし、次も勝つかー!」張り切って叫ぶジャックであった。
「ハル・マクラウド」 18歳 男元世界チャンピオンフレッド・マクラウドの息子である。昔から父親と厳しい練習をしてきたので腕はなかなかのものである。現在チームサーガのリーダーを務めている。「ジャック・フェーベル」 18歳 男ハルの一番の親友。小さい頃からの付き合いだという。性格は楽観的であるがやる時はやる男である。ゾイド乗りとしての腕はまだまだだが、確実に実力を伸ばしている。「サラ・フォールド」 18歳 女ハルの恋人であり良き理解者。何かと手助けをしてくれる。性格はやや活発的でルックスも抜群である。また男性陣からの誘いが多いことに困っている。「グレイ・フォールド」 41歳 男サラの父親。職業は軍人だったが1年程前に止めている。階級はやや上のほうだったようだ。そこにサラからチーフへのお願いがあったので了解しこうしてチーフを務めている。「ジョニー・バーサー」 17歳 男ゾイド企業ベスト5に入る大企業バーサー社の社長の一人息子である。性格は人に馬鹿にするなど悪い。またゾイド乗りとしての腕もあまり良いとは言えない。どちらかというと装備に頼る方だ。「ビル・ボーグ」 20歳 男ジョニーの友人。どうやら昔からの付き合いらしい。こちらも腕はあまり良くない。装備に頼る方だ。
「チームウルフルズ?」ジャックがパソコンの画面を見ながら首をかしげる。「知らないの。最近出来たチーム何だけど結構有名よ・・・」「いや全く知らない。」ハルとジャックがそろえて首を横に振る。「もしかして・・・ニュースレポートを知らんのか・・」グレイが手に薄いファイルのような物を持っていた。「ニュースレポート?・・・ああ、あれか・・あの売店とかで売ってるやつ。」ジャックが思い出したように言う。「やっとわかったか・・まあそれでここを見てみろ。」レポートにある所々にある赤いボタンの一つを押すと空中に文章が現れた。「ええと・・・チームウルフルズまたも勝利!・・・連勝記録を12に伸ばす・・次回のバトルも期待・・・か・・」ハルが空中に現れた文章を指でたどりながら読む。「そういうことだ。」ボタンを押すと空中から文字が消えた。「んで今度はこことバトルをするってことか?」ジャックの声が妙に高ぶっている。「そう・・だけど・・どうしたの?」嫌な感じをしながらも尋ねるサラ。「どうしたって・・やっと強敵とバトルできんだぞ!・・・サラこのバトル受けよう!」「え・・まあいいけど・・ハルはどうするの。」「ん・・まあ別にいいけど・・」「じゃあバトル受けるね。」そう答えるとキーボードのOKの文字を打ち込むとバトル受付完了という文字が画面に表示された。「しかしいいのか・・相手は連勝12だぞ。」グレイが心配そうに言う。「チーフ、これも経験ですよ・・見ててください俺達が連勝記録ストップさせますから。」「ああそうか・・まあ期待してるよ。」少し不安気な気持ちが残るグレイだった。
カタカタカタ・・・サラがパソコンのキーを打ち込んでいる。すると画面にチームウルフルズのメンバーが表示された。リーダー「ガウル・ファーネス」 コマンドウルフSC 「マギット・ツイン」 コマンドウルフAC「ふ〜ん・・こういう人達なんだ・・」サラばパソコンの画面を見ながらぼやく。今彼らは対戦会場にいた。前のジョニーとのバトルはフリーのバトルだったが今回は相手が12連勝など記事にもなる者達だったので今回はこうした会場でバトルをすることになった。そのため辺りは多くの観客が詰め掛けていた。「おい!サラ。こんなところでやるなんて聞いてねえぞ!」ジャックがサラに詰め寄る。「あら、言ってなかったっけ。まあ別にみんなが見てたほうが勝ったとき有名になるじゃない。」そうあっさりと言うサラ。「いやまあ・・そりゃそうだけどよ・・」「ほらほらもうすぐ始まるから早く控え室に行った行った。」ハルとジャックの背中を押していくサラだった。選手控え室「なあハル・・それにしても本当にこんなとこでやるなんて思ってなかったな。」「そりゃ俺もそうだ。だが・・俺はここで絶対に勝つ!ここで負けたら父さんに顔だせないからな。」「はは・・そりゃいいプレッシャーだ。」軽く笑い飛ばすジャック。「まあどうでもいいけどな・・」その時係りの者が入ってきた。「選手の方はもうすぐ始まるので自分の機体にお乗りください。」「わかりました。」返事をすると控え室を出て自分の機体に乗り込んだ。すると床がいきなり浮かび上がり地上に出た。その瞬間一気に歓声が沸きあがった。「さあ!今日も熱きゾイドバトルの始まりだぁ!解説はおなじみこのDJマイクがお送りするよ。さあまずチーム紹介だ。右レッドゾーン!チームウルフルズ!」会場がより盛り上がる。「左ブルーゾーン!チームサーガぁ!まだまだのルーキーチームだがみんな応援してくれぇ!さてそれじゃぁジャッジマンいってみようかぁ!」それに答えるようにジャッジマンがしゃべりだす。「バトルモード承認! フィールド内スキャン完了!バトルフィールド・セットアップ!レディー!ファイトッ!!」それと同時に両チームの機体が動き出した。まずジャックのディバイソンが17連突撃砲を放つが難なく避けられ地面で爆風を上げる。それに紛れてコマンドウルフACが接近するがハルのライガーゼロが近づいてきたのを感ずると方向を変えロングレンジライフルを連射し弾幕を張る。「お〜と!初回から両チームとも激しい戦闘を見せるよぉ!」マイクが解説する。一方のバトルは弾幕を張ったりと膠着状態が続いていた。「おいマギット、あれいくぞ。」「OKリーダー、見せてやろうぜ。」そう言うとコマンドウルフACが激しくロングレンジライフルをディバイソンに向けて連射する。しかし当てようとはせずあくまでも回りに砂煙を上げるように撃っていた。「くっそー!これじゃぁ良くわからないよ。」ジャックが目の前の砂煙を見ながら叫ぶ。「ジャック落ち着け。敵はこれに紛れて接近攻撃をする気だ。」「ああ、わかってるよ・・ん?」ジャックは後ろに気配を感じた。「ん・・うわっ!」思ったとおり後ろからコマンドウルフSCがストライククローを振りかざしたが何とかそれを避ける。しかし次はコマンドウルフACが横から突撃してきた。「え・・うわちょっと・・」「くそっ!いつの間に・・!!」ハルが助けにいこうとした時にはもう遅かった。砂煙が消え去った跡にはディバイソンが横たわっていた。「な・・バカな・・・」驚きの声を上げるハル。「く・・ちっきしょー!!」ジャックは悔し気な声を出す。「さあ!またこの戦法の餌食になってしまうのかチームサーガ!」マイクが興奮しながら熱狂していた。
「決まった〜!!2体のコマンドによる連携プレー!この勝負勝ち目はあるのだろうかチームサーガ!」「う〜む・・なかなかやるな〜・・」グレイが巨大モニターを眺めながらつぶやく。「こんな戦法があったなんて・・もっと考えとけば良かった・・」サラは頭を抱えている。「くっ・・おいジャック大丈夫か。」「ああ何とか・・でも機体はだめだ・・」残念そうに言う。「これに今までやられてきたのか・・」「その通り。」相手のリーダーのガウルの声が入る。「今までの奴らはこうやって潰してきた・・・まああんたもすぐそうなるだろうけどな「ふっ・・どうかな・・ただの砂煙だろ。」「口だけは達者か・・しかしこの砂煙!他のやつらにゃただ邪魔なだけだが俺達にとってはテリトリー(縄張り)みてぇなもんだ。そこに入ったらそれで最後だ・・行くぞマギット。」「OKリーダー」そう言うと同じくロングレンジライフルで砂煙を辺り一面にたちこませる。「さあ、いつまで避けられるかな。」砂煙に入ると速攻でゼロを狙っていく。それを避けるゼロ。しかし確実にそれは限界に近づいてきた。「そろそろやばいな・・それなら。」ゼロの機体の向きを変える。「おいマギット!相手は向きを変えた。見失うな。」「当たり前だ・・・!!」返事をした次の瞬間コマンドウルフACの機体が地面に叩きつけられた。コックピットにはフリーズという文字が現れた。「なっ・・そんなバカなー!」「マギットが・・くそっ!・・今ので見逃しちまった・・!!」思わぬことに気を取られていたガウルのコマンドウルフSCはゼロの接近を許してしまった。気づいた時は既に遅し・・機体は切り裂かれていた。段々と砂煙が晴れていく。「さあ!一体どちらが勝ったのでしょうか!」マイクが観客に尋ねるように言う。ほとんどの観客はウルフルズが勝ったと思っていた。しかしそれは外れたことを次の瞬間知ることになる。そこには地面に横たわる2体のコマンドウルフ。そしてそこに勝ち誇ったように立つライガーゼロがいた。「なっ・・なんと・・勝ったのはチームサーガだーー!!」「バトル終了!ウィナーチームサーガ!!」ジャッジマンが高々と声を上げる。「ぐ・・何故・・だ・・」かすれる声でガウルが言う。「ふっ・・何もこの砂煙・・テリトリーに出来るのはお前らだけじゃないんだぜ。」「・・そうか・・どうやら考えが甘かったようだな・・いずれまた戦おう。」「ああ楽しみに待ってるぜ。」少し笑みをこぼしながら言うハルだった。
「わぁ!ほらあたし達載ってるよ!・・ほらここ!」サラがニュースレポートを見ながら喜ぶ。「そりゃぁあのウルフルズの連勝記録をストップさせたんだからな・・これで俺達も少しは有名になったかな。」ハルも顔には笑みを浮かべている。いつもこういう時に騒ぐあいつだけいなかった。「そういえばジャックはどこ行ったんだ?こういう時特に喜ぶのに・・」「さあ・・どこ行ったんだろ・・お父さん知ってる?」「わからんな〜さっき出て行くのは見たが・・」首をかしげるグレイ。「まあ、そのうち戻ってくるだろ。」そう軽く言うハルだった。4時間後・・・やっとジャックがホバーカーゴに帰ってきた。「おおジャック、やっと帰ってきたか・・つーか何でお前そんなにボロボロなんだよ!」良く見るとジャックの服は所どころ砂が着いて汚れていたり破れているところもあった。「ああ、これか・・別に何でもないさ。それよりちょっとシャワー浴びさせてもらうわ。」そう言うと一直線にバスルームに向かっていった。「どうしたんだ・・あいつ・・」不思議そうな顔をするハルだった。しかしそれから毎日のようにジャックは出かけるようになっていた。しかし問いただしてみても何でもないと答えるだけだった。「絶対にあやしい・・・」サラが顔をしかめながら言う。この日もジャックは出かけていた。「う〜ん・・たいかにこれだけ続くとな〜・・よし!俺がちょっと見てくるよ。ジャックの後をつけてな。」「それしかないか・・じゃあ頼むよハル君。」「ええ、任せてくださいチーフ。」そう返事をするとジャックの後を追いかけて行った。
ジャックの後を追いかけてから20分程たった。だがまだジャックは足を止める様子はなさそうだ。「一体どこまで行くんだ〜」そんな声を漏らしながらも後を追いかけるハル。やがてジャックが一つの建物に入っていった。「ん・・ここは・・ゾイドバトルリング場?」とても目立つ看板を見ながら傾げるハル。ここは一般の試合もやるが普段は練習として来る人が多いところだ。(・・・ってことはジャックも練習に・・・とり あえずいくか・・)頭のもやもやを振り払いながら中に入っていった。入るとすぐ受付があり、練習場・バトルルームと入り口が分かれていた。隣には暇な時やるようなゲームセンターなどの娯楽施設もあった。ハルは受付を済ませるととりあえず練習場に足を運んだ。そこでは様々な年代の人がゾイド乗りとしても腕を磨いていた。「へ〜こういう風になってたんだ〜俺も通ってみようかな〜」目の前の光景に感心するハル。とりあえずジャックはそこにはいないようだった。ということはバトルルームにいるらしい。早速みて見るがそこではさらに熾烈な戦いが繰り広げられていた。「こいつはすげぇや・・・ん!」その時ある一点に目が止まった。そこには見覚えのあるディバイソンがバトルをしていた。相手はコマンドウルフだがもう既にかたがついたのか動かなかった。やがてディバイソンのコックピットが開き中から操縦士が出てくる。「あ!・・ジャック!」それはまさしくジャックだった。どうやら彼は今までここで練習をしていたらしい。しかし何故秘密にするのか疑問だった。バトルルームは長方形型でその両端に位置に着きバトルをする。そしてバトルが終了するとまた両端の位置に行きそこで機体から降りるようにする。まあ典型的だ。今ジャックはそこから機体に降りたのだが休もうとせず機体の調整をしている。その顔は真剣そのものだ。時折同年代位の男女が話しかけてくる。つまりそれだけ常連だということだろう。ハルはそれにしばらく見入っていた。