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タイトル:試練IF 第三次朱禁城事変 C SF

(No.1)

ゼラート「…以上が合同会議で出た結論だ。我々フェンリルは朱禁城奪還戦の側面支援に回る。海岸沿いをネプチューンで北上し、その後は黄河沿いに西に向かう」

イヴァン「陸上正面から向かう主力の指揮は雷峰ですか」

ニコロス「そりゃそうだろ。そうでなきゃ面子が立たねえ」

ネルゲ「それでロンズウォーは主力の後方支援か」

ハインツ「彼らとしては、ここらで何らかの実績を上げませんとですからねえ」

イヴァン「しかしあちらも激突寸前のブリタニア各方面への警戒も考えれば、ここを完全に空けるわけにはいかないでしょう。それはどうします?」

ゼラート「…派遣は第一中隊と直隷隊で行う。イヴァン。君が統合指揮をしてくれ」

イヴァン「こないだは休みでしたからね。ヤー」

ウェンディ「…」



(No.2 「凶狼の乗騎」の内容も一部組み込み)

イヴァン「あとここにいる面子で朱禁城に向かうのは…白兵戦要員としてネルゲさん、ですかな」

ゼラート「ああ、翌日には向こうの白兵戦部隊とその辺りの打ち合わせがある、場所は騎士団本部第三会議室。参加は小隊長以上の人員全員だ」

ネルゲ「ヤー」

ニコロス「今回は俺達はお留守番って事か」

ゼラート「ああ、俺、ウェンディ、ニコロス、ハインツは蓬莱島で待機。他の待機組は藤堂、そして紅月を始めとする騎士団主力部隊、ロンズウォー組は総隊長並びその直隷隊『ヒポグリフ』」

ウェンディ「紅月特佐が待機組ですか」

ハインツ「最強のお留守番ってとこですかね」

ネルゲ「しかしロンズウォーも全員が出るわけでは無いにせよ、総隊長がか」

イヴァン「色々と事情があるんでしょうが、彼女の新型機、まだ完全ではないとのことですからねぇ。ま、それ言ったら私のチェルノボーグもそうなんですが」

ゼラート「だが『ミストルティン』は完成しているのだろう?」

イヴァン「ええ、フフ……上丹羽博士もいい仕事してくれましたよ。固定砲台として運用する分には問題ありませんな。ま、あくまで我々は『支援』ですから、主力部隊で片が付くに越したことはないんでしょうが…無理せず行きますか」

ハインツ「アサドや秀作の新機体のテストとしても手頃というところですかね」

ニコロス「だが敵が各個撃破で、こっちに先に向かってきたらどうする」

イヴァン「その場合は全力後退して、相手の戦力を思い切り朱禁城から引き離してやりますよ」

ニコロス「抜け目ないねぇ」

ウェンディ「…」



(No.3)

イヴァン「…というわけで、今度の派遣隊の指揮を命じられましたので、以後よろしく」

アサド「おう」

ベン「こちらこそ」

イヴァン「重ねて言っておきますが、今度の任務はあくまで『支援』です。くれぐれも出過ぎた真似はしないように」

秀作「フン」



(No.4)

クラリス「宜しく頼むわね、海棠大佐」

海棠「ああ、これもこれで重要な役割、しっかりと任務を全うするさ」

クラリス「ええ、これが今の私達の『現在地』なのだとしても」

池田「…そうだな」

デルク「…部下達の間にも、若干気負っている奴がチラホラ見られる」

海棠「ウチの所もそうさ。このまま『フェンリル』の連中にだけいい恰好はさせられないと…まあ対抗意識持つのが悪いとは言わんが、それも度が過ぎればなぁ」

クラリス「…重ね重ね苦労を掛けることになるわね」



(No.5)

ゼラート「あちらの指揮官は副隊長の海棠か」

ニコロス「まあ。あれなら問題は無いだろうが」

ゼラート「例の御荷物が問題か」



(No.6)

海棠「出来れば行村はここに置いておきたいくらいなんだが…」

池田「それはそれで。問題を起こされた時のこちらへの風当たりも強くなりそうですからね」



(No.7)

リンウェイ「しかし朱禁城の状況は未だ掴めないのでしょうか?」

李範「ああ、クーデターが起きたという事以外は全くわからん。未だに何らかの声明も出していないしな」

雷鋒「かつて俺達が大宦官共にやった様に、各地で同時多発的な蜂起も今の所見受けられん」

リンウェイ「となると、朱禁城にいる何らかの一派のみによる単独蜂起と…?」

李範「…まだわからん、何にせよ情報が無さすぎる」

雷鋒「だがいつ変化するかわからん、その時に備えて、出立の準備は迅速にかつ入念に行う様に」

2人「チェン・ツゥ・ツィー!」



(No.8)

明雲『中華連邦の民、全てに告ぐ! 我々は真に国家を憂う物たちである! 今の黎星刻に主導される政権は外部勢力に魂を売り渡した傀儡政権である! よって我々は真なる「中華」を取り戻すべく、かつて大宦官に擁立された偽者を否定し、正統なる天子様の元に立ち上がった! 心ある物は余所者どもを排除せよ!』



(No.9)

雷鋒「言ってくれるな……まあ実際大宦官共を排除するのに、結局外部の手を借りたのは事実だが」

李範「だからと言って魂まで売り渡した覚えは無いな……まあ向こうがそれを斟酌してやる理由も無いだろうが」

リンウェイ「しかし『正統なる天子』ですか……一体誰を……?」

李範「『正統』と主張できるだけの帝室の血を汲む者となれば、一昔ならともかく近年はそう数は居ない筈だが…」

Ryu 2024年05月29日 (水) 07時54分(131)
 


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