| タイトル:「英雄」の隔離 |
SF |
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(No.1)
「おい。畑方将軍の御孫様はいつまでフェンリルの傭兵連中に預かりのままなんだ」
「ああ。てっきり藤堂将軍と一緒に、今度こそ純粋の日本軍の再建になるかと思ったんだがな」
「噂じゃ、あくまで一介の兵士の扱いらしいぜ」
「なに。まったくその名前を何だと思ってるんだ」
「傍に仕えているのは一応、日本人なんだろ」
「将軍の家族を壊した、あの魔女の孫なんだろうが」
「でも、あの『厳島の英雄』の一人の娘でもあるんだろ」
「ああ。いったい神楽耶様は何をお考えなのやら」
(No.2)
「いつまでもここでやっていても仕方がない。秀作殿と連絡を取る方法は無いのか」
「入隊募集に紛れてフェンリルの中に潜り込む手を試みているが、全て阻止されている」
「くそ。奴らめ。日本人との接触を許さない気か」
「潜り込ませるには相当の実力者を使わなければ駄目だ」
「ああ。入れないわけにはいかないくらいの逸材をな」
(No.3)
ゼラート「彼女の過去を鑑みても、畑方将軍を絶対視する一派の妄念は色々と凄まじいな」
上丹羽「ええ、貴方に言わせればただの『狂信者』なのでしょうがね」
ゼラート「だからこそ面倒だと思うがな。自分の行いが日本の為、ひいては畑方一家の為と信じて疑わないからこそ、常人とは全然違う思考回路で動き、そしてその結果己が破滅すると知って尚迷いが無い…俺はそう思う」
上丹羽「『そんな事をする筈がない』という行動を、当たり前の様に取って来るでしょうからね…」
(No.4)
一種の宗教団体(渦中の人物である秀作からすれば「フン」の一言)な癖にある程度の戦闘力も兼ね備えているのがまた面倒な所。
そして奇想天外奇天烈な発想を持った連中に、刃を持たせる事ほど怖いものは無い。
少なくともその刃が秀作に向かう事は絶対に無いでしょうが、それ以外の人間はまた別。
寧ろ「秀作様を惑わす者達を排除し、我らが秀作様の助けとならん!」と考えたり…?
今にして思えば、行村をこういった「畑方将軍の信奉者」にしたら面白かったのかなぁと。最早修正不可能でしょうが。
実力も本篇や「試練」でのカゴシマで晒した様な無能とは異なり、優秀とまではいかずとも平均点は超えて、その癖無駄な実行力はあるから厄介度が本篇よりも遥かに高まっていると。
(No.5)
まるでSEEDシリーズでのブルーコスモスみたいな感じになってきましたね。
普段は何食わぬ顔だが、影で会合しながら「我らが日本を取り戻すために!」とかやってたりして。
秀作本人については、むしろあくまで「看板にするには格好のガキ」ないし「いざとなれば容易に懐柔できる」と舐めてたりして。
行村については、むしろ自分自身が英雄になりたいって感じですからね。
それこそ「畑方も藤堂も何するものぞ」って。
それでもその自信の強さが一種のカリスマとして作用するから、一定の取り巻きや支持者は常に存在し続けると。
(No.6)
こういう連中の多くは、末端は純粋に組織の理念を信じている一方で、上層部は内心「アホらしい」と思いつつも方便として使っている、というパターンもありますよね。
秀作についても「あんな不倫将軍のイカレた孫」と内心見下し舐めていても、それでも自分達の「目的」の為ならいくらでも傅いてやると。
まあ簡単に思い付いた自分の想像ですので、連中がこのパターンかどうかは知りませんが。
兎にも角にも「ただの頭おかしい狂信者集団」と見下すのは危険な連中ですが、彼らがどう出るかも見物。
純粋に秀作を名実共に頂点にしようといているにせよ、秀作は単なる「神輿」でしかないにせよ、彼と接触する事が当面の目標?
(No.7)
秀作一人ならともかく、多方面に顔の利く千鶴というキーパーソンまでいますからね。
祖父母の時とはまた違った意味での強力コンビになるのかどうか。
あるいは「畑方派」と「秀作派」の対立抗争にでもなるのか否かって。
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| Ryu 2024年05月25日 (土) 07時16分(124) |
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