タイトル:コードギアス 追憶のエミリオ intermission 比較 |
SF |
ハバロフスク。
激しく往来する車両の数々。
それをビルの中から眺めているメイドの一団。
「ずいぶんと通るわねえ」
「まさか戦場で何か?」
「も、もしかして負けちゃったとか?」
「それはないわね。そういう感じじゃなさそうだし」
「そうかあ」
「なら安心ね」
「そういえば。さっき出て行ったのはギベルディ隊長の傭兵部隊よね」
「ああ『白椿のバーラ』様」
「車両にそのマークが付いてたから分かるわね」
「さっき補給で指揮を執っているのを見かけたけど、やっぱり素敵な方よねえ」
「ほんとほんと。女性の傭兵隊長なんてゴツくてむさ苦しいかと思ってたけど、物凄く綺麗で格好良かったわね」
「そうそう。プロポーションも抜群で、どこかの御落胤じゃないかっていう噂も本当じゃないかって気になるのよね」
「迫力があり過ぎて、男が下手に口説けないってのも分かるわ」
「そうそう。さっき見とれてボーっとしていた男の部下を思い切り張り倒してたわね。痺れちゃった」
「そうそう。それなんで腹心の女性の方々を恋人にしてるとも言うわね」
「あら。あんたのところのイースリット様みたいね」
「イースリット様は男を身近には置かないわ。屋敷の使用人は執事のシャーロット様をはじめみな女ばかりだし。それに身元のはっきりしない者は絶対雇わないわよ」
「イースリット様がこちらに来たのは一年前よね」
「ええ。アラスカから来られた時はシャーロット様と二人だけだったわ。私も含めて屋敷の者は皆こちらで雇われた者ばかりよ」
「その辺りはバーンスタイン家のエミリオ様に似てるわね」
「やめてよ。あそこのメイドはほとんど途中で拾った娼婦上がりで、他の連中は屋敷に前から住み込んでいた浮浪者だっていうじゃない」
「当然にデキちゃったのもいるっていうしね」
「『バーンスタインの化物屋敷』って?」
「まあ。あの屋敷を仕切ってるのは伯爵家出身のソフィア様よ。あの方が睨みを利かせてる限りは羽目を外し過ぎる事は無いでしょ」
「そういえばミンは?」
「さっきまでそこで寝てたんじゃないの?」
「そういえば。みなさんが出て行った後にガバッと跳ね起きて、飛び出しちゃったような」
「あたし見ました。物凄い剣幕でギベルディ隊長に掛け合って、一緒に乗って行ったのを」
「なにか悪い夢でも見たのかしら」
「さあ。あの子だけは分からないわねえ」
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JIN 2019年09月04日 (水) 23時13分(98) |
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