タイトル:コードギアス 追憶のエミリオ MEMORY−8 魔天狼 U |
SF |
戦場から数百キロ。
ウスリー河の注ぐ河口近くの海底。
その中を遊弋する巨大な潜行艦。
その巨大さは全長一キロ近くにも達し、海底空母、いや移動する海底都市と言っても良いくらいの威容を誇る。
これこそ「世界の裏の抑止力」とも呼ばれる「ノース・フェイス」の超巨大母艦「アトランティス」。
その艦から海上に向かって伸びる数キロに及ぶ長い線。
その先は海上に出ながら空中からのあらゆる電波をキャッチし、それを海底の母艦に送っている。
「アトランティス」中央司令室。
多くのメンバーたちが周囲を動く中、その中央の巨大パネルを見下ろしている二人の女性。
そこには現地の様々な情報が映し出されており、その中には現在、魔天狼に対峙しているモルゴースの姿も映されている。
「『レムリア』からの中継状況は悪くなさそうね」
いかにも落ち着いた風情の長髪の女性。
マリエル・ラピエ。通称「エル」。
かつてランスロット・アルビオンの開発において、ブレイズルミナスの応用である「ブレイズ・アロー」を実用化した人物であり、現在はノース・フェイスにおいてゼロの補佐役を務めている。
「戦いは収まってるのかしら」
心配そうに顔を曇らせる眼鏡の女性。
ニーナ・アインシュタイン。
あの超兵器フレイヤを開発した中心人物であり、世相の不穏化に伴い、現在はノース・フェイスの庇護下に置かれている。
「ゼロと魔天狼の威力を知っていれば、どの勢力もおいそれとは動けないわ。まあそれにしても酷い損害よねえ。まあほとんどは北部軍だけど」
「北部軍の援軍は来るかしら?」
「可能性は低いわね。あくまで楽勝気分で始めたからには、むしろこれ以上の被害と犠牲は出したくないでしょうし。他の軍管区が動かなければ単なる独走として処分されるでしょうし」
「そうなると?」
「とにかく一旦は矛を収めて生存者の救助と引き上げという形になりそうね。それにしても…」
「なに?」
「噂に聞く北ユーラシアの隠し戦力。予想以上の代物みたいね。あなたの感想は?」
「そうね。一番気になったのは森林の中で発生したエネルギー反応。サクラダイトの活性反応に似てるけど、その増幅率は遥かに超えている」
「例のメタル・ツングースカ?」
「あるいは」
「その実用化に成功しているとなると…」
「ちょっと待って!」
突如、対峙から一気に動き始めるモルゴース!!
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JIN 2019年09月04日 (水) 23時08分(95) |
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