タイトル:コードギアス 追憶のエミリオ intermission 待機 |
SF |
旧ユーロ・ブリタニア(現ヴェランス大公家)領サンクト・ぺテルスブルグ。
カエサル大宮殿。
GC待機ブロック。
屋内訓練場。
共に剣を振るい、激しい勢いでぶつかっている二つの影。
一人は若い女性。そして一人は少年。
まだまだ幼さを感じながら、鋭いまでの気合で挑みかかる少年。
それを何度もいなし打ち返しながら、次第に疲れを見せ始めている感じの女性。
それを少し離れた階上から見下ろしている一団。
「ほほう。あれが噂の年の差カップルか」
「ああ。亡きヴィヨン騎士団長の御令嬢にアーウィング家の三男坊だ」
「まるで婚約者同士というより姉弟だな」
「しかしマギーも容赦ないな。やはり噂を気にしてるのか」
「もう少し手を抜いてやってもいいのに」
「汗だくの少年が好みなんじゃないのか」
「その方が終わった後に一層美味しくなるか」
軽い笑い。
「いや。そうじゃないな」
「え?」
「かなり大したもんだぞ。あの三男坊。まあ確かに身体も技もまだまだ未熟だが、気迫だけならもう十分に一人前だ。相手を婚約者だの目上だのと全く考えてない。本気で勝ちに向かっている。あれほどの気骨のある奴はそういない」
「なるほど。とするとやはりヴィヨン騎士団長の真意はやはりあの三男坊の方か」
「こりゃ意外と相手を押し倒す日も近いかもな」
二度目の笑い。
「それでウスリーの様子は」
「ああ。例の噂のリングスがグリンダ騎士団に大打撃を与えたという噂がある」
「ほう。流石はあの面々だな」
「しかしそうなればポーランドの旧スマイラス派の連中が動き出すか」
「ああ。モスクワの本体の一部は既にスモレンスクへの移動を開始している」
「あそこにはブラッドレイ侯爵の第一装甲騎兵師団がいるな。とにかくモスクワ方面への守りは大丈夫だろうが」
「そんな時にこちらに回されるとは俺たちも運が無いな」
「そうでもないぞ。リトアニア辺りの動きもまだまだ油断がならないからな」
|
JIN 2019年08月22日 (木) 22時00分(93) |
|