タイトル:コードギアス 追憶のエミリオ MEMORY−7 ウスリー上空 W (了) |
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モニターに何度も点灯する信号文字。
「後退厳命。1」
それを無視して攻撃を続行するイースリット。
遂に開く通信。
(いいかげんにしろリア! もう十分だ! 後退しろ!)
「うるさい!! 緊急停止でも、なんでもやってみろ!」
パネルを叩いて強引に通信を切る。
「おまえらなんかに何が分かる!」
脳裏に浮かぶ様々な回想。
(おい。聞いたか。今度のラウンズはアールストレイム家のアーニャ嬢だそうだ)
(ほう。またも選ばれなかったのか。イースリット卿)
(ヴァインベルク卿やクルチェフスキー卿はともかく、あの辺りまで来ると流石にキツイよな)
(仕方があるまい。やはり現帝陛下即位の時の騒動が尾を引いてるんだろうな)
(大きい声ではいえないが。先帝陛下の後継として最も有力視されていたのはイースリット卿の伯父上だ。その辺りの影響もあるんじゃないか)
(しかし父君であるアリューシア公爵は現帝陛下に従ったんだろ)
(公爵は同母の兄上に嫌われていたそうだからな。だから抵抗も少なかったんじゃないか)
(とにかく公爵を厚遇したのは陛下の政治的判断なんだろうが)
(おい!ナイトオブセブンにイレブンが任命されたらしいぞ!)
(なにを考えてらっしゃるんだ陛下は!?)
(これでイースリット卿をはじめとするラウンズ候補の連中としてはますます気が気じゃないだろうなあ)
(まだラウンズには空席があるだろう)
(いや。わざと「空席」を作って気を持たせ、競争させるのが陛下の手口だ)
(あれだけ多くの「王妃」を作っても、肝心の「皇后」は作らない陛下だからなあ)
(いっそイースリット卿を皇后にすれば良いのに)
(まあ。確かに過去にはそういうやり方で内乱を収拾をした例もあるそうだが)
思い切り頭を振りながら、何もかも振り切ろうとするかのようなイースリット!
「そんな…そんな私が、おまえらごときにまで虚仮にされてたまるかー!!」
ブレイズルミナスフィールドを展開し、目の前の三機に突入しようとする、モルゴース!
そのとき!
全くの別方向から放たれる、無数の「光の矢」!!
その壁に阻まれて、素早く反転するモルゴース!!
「何!?」
「あれは!?」
「ええ!?」
同時に放たれた方向を見やる一同。
その前に素早くジクザクの軌道を描きながら稲妻のように飛び込んでくる、黒い影!!
間に立ちはだかる様に空中静止する!!
「これは!?」
「噂の…黒のランスロット!!」
「魔天狼!!」
「ゼロか!?」
「…」
『…それが「彼ら」との初めての遭遇だった…』
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JIN 2019年07月17日 (水) 11時53分(91) |
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