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タイトル:コードギアス 追憶のエミリオ  MEMORY−1 シベリア超特急 T SF

広がる果てしなき闇。

そしてその中に点在する幾つかの光。


((…ここは…ここはどこ…私は…誰…?))



((寄らないでちょうだい! あんたなんか妹と思った事はないわ!))



((すっごーい! さっすがーです! エミリーさまー!!))



((まもなく「あの男」が来る。分かってるな?))



((…俺は…俺は…生きる!!))




そこで目を開ける少女。

「…」

栗色の髪を揺らめかせ、ゆっくりと身を起こす。

大き目のベッドの横を見るが、そこに相方の姿は既に無い。

「…」

物憂げな表情で、枕元の時間を確認する少女。

手近のスイッチを操作する。

スーと両側に広がるカーテン。サーと入ってくる白い光。

流れる風景が広がる。まさに一面の銀世界。

思い出したかのように耳元に入ってくるゴトンゴトンという音。

その光に照らされる寝具と姿態。

その表情とは対照的に、いかにも均整良く引き締まったという身体ぶりが強烈に印象付けられる。

「…」


そして続くはプシュッという音。

「あ。おめざめですか。エミリーさまー」

入ってくるメイド服の少女。

対照的に、こちらはいかにも快活で健康優良児といった雰囲気。

「…おはよ…ミン…」

型どおりの挨拶を送り、身体を向け直す。

「あ、いまお目覚めのジュースをお持ちしまーす」

メイドが出て行った後、軽く頭を振る少女。

(…いつもの…夢…)

いかにも物憂げそうに通路側の窓に目を向ける少女。

そこにも広がり流れる銀世界。

まるで先ほどまでの夢の延長にも思えてくる。

そして再びメイドが戻ってきた時。


『ナイトオブリングス各員に告ぐ。今朝の朝食会は予定の通り。定刻通りに中央車両に集結せよ。繰り返す。リングスメンバーは定刻通りに中央車両に集結せよ』

響く車内アナウンス。


それを聞きながら、ジュースを載せたトレイをテーブルに置くメイド。

「うう…いよいよ。いよいよですねー。エミリーさまー」

いかにも興奮しきりという風情で、部屋のタンスを開け、服を取り出し始める。


それをいかにも無表情に見つめる少女。

「…」

JIN 2018年09月12日 (水) 13時43分(9)
 


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