タイトル:コードギアス 追憶のエミリオ MEMORY−6 剣と刃 ] (了) |
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「やめろシーベン! やりすぎだ! グリンダを潰せとまでは言ってないはずだぞ!!」
リングス最大の重KMFライオネル。
そのコクピットのモニターに映る、グリンダ騎士団の六騎のKMFとファタ・モルガーナ。
(…殺せ…殺せ…殺せ…)
通信機に入ってくるファタ・モルガーナのコクピット内音。
そしてモニターに映る内部光景。
明らかに普通ではない。
「おいおい。また『あの発作』かよ」
思わず頭を掻くローランス。
(殺せー!!)
突如として、猛然とこっちに突っ込んでくるファタ・モルガーナ!
しかし、それを手馴れたように受け止めるライオネル。
大剣で長剣を巧みに流し、時には足払いを掛けて引っ繰り返す。
「やめろジーベン! いいかげん『MTブースト』を切れ! 自爆するぞ!」
それでも警告に逆らうように、黄金色の発光をより高めるファタ・モルガーナ!
「やむをえん! まあ他の連中が動けんならいいか…」
グリンダ騎士団の動きを見ながら、すかさず手元の収納パネルを開け、いくつかの操作をするローランス。
そして前方のモニターに映し出される「Emergency stop」「Tranquilizer spraying」の表示。
そして「On」。
たちどころにガクンと動きを止めるファタ・モルガーナ。
全身の黄金色も見る見る消えていく。
そして同時にコクピット内に強烈に吹き付けられる、噴霧剤。
「ウガー!!」
その中で激しく暴れるも、やがてガックリと意識を失い、前方に倒れ伏すエミリオ。
「やれやれ」
コクピット内の姿を確認し、一息を付くローランス。
「世話を焼かすなよ。おまえにもしもの事があったら、今度こそソフィアに俺が殺される」
またしてもパネル操作のあとに現れる表示。
「autopilot」。
機械的に動き出すファタ・モルガーナ。
そのまま森の中に走り出す。
それを見ながら、別方向の機体に呼び掛ける。
「聞こえるか。ジヴォン騎士団長。俺が最初に警告したローランス・ジョージ・ヴァルトシュタインだ。この領域に侵入した北部軍の機体は全て殲滅した。よって君たちがここにいる理由も無くなった。そこまで手傷を負った以上、君たちも十分面子が立ったろう。大人しく引き上げてくれ。以上だ」
相手の返事を待たずに切られる通信。
先行のファタ・モルガーナの後を追って走り出すライオネル。
『あくまで仮定であるが。もしここで彼女が意識を失わされなかったら、あるいはその後の歴史も違っていたかもしれない』
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JIN 2019年07月12日 (金) 22時17分(85) |
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