タイトル:コードギアス 追憶のエミリオ PROLOGUE 血の聖夜 Y |
SF |
突然発生の二つの強烈な「嵐」が飛び出してしまった後の大広間。
さっきほどまでの穏やかな雰囲気はどこかに消し飛び、異様なまでの殺気が立ち込めている。
さっきまでと同じく、あくまで悠然としている最上座の皇帝と、その脇のフードの女。
ただしその前面に詰め寄る連中の顔は完全に一変している。
その最前列の相手にあくまで平静に声を掛ける皇帝。
「いやあ。なかなか実に面白い余興だったな。バーンスタイン侯爵」
それに答えず、むしろ苛立たしげに眦を返す侯爵。
それに構わず言葉を続ける皇帝。
「我がナイトオブゼロを相手に、あそこまで立ち回れるとは大した物だ。他の技量も伴うのならば、いっそ我が新たなラウンズに加えてやってもいいぞ。どうだ?」
それに対し、遂に苛立ちを爆発させる侯爵。
「いいかげん下手な悪足掻きは止めて頂こうか! 皇帝陛下! いや、皇帝弑逆者ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア!」
それに対してあくまで悠然の皇帝。
「私が悪足掻きなら貴様は開き直りか。無様だな。過去歴代のバーンスタイン侯爵なら、今の私の助け舟に敢えて乗ったはずだが。やはり貴様はバーンスタイン最後の当主となるか」
それに対し代わりに答える貴族の一人。
「黙れ! 誰が好き好んで貴様などに従う!!」
「ほう。ならなぜ私に従った?」
「皇族方が貴様に従った理由が分からなかったからだ! そうでなければ貴様なんかに…」
「ほう。なら分かったのかね?」
言葉に詰まる一同。
その中で上がる声。
「そんなことはもうどうでもいい! 我々はもう貴様などに従うのは御免だ!」
「そうだ! あんなどこの馬の骨か分からぬ女から生まれた男など、皇帝どころか皇子でもなんでもない!」
「あーっはははは!!」
「何がおかしい!?」
「いいや! 間違ってないぞ! 確かに『あの女』は最悪最低のクズだ! それこそ『あの男』など比べ物にならないくらいにな!!」
「見苦しいぞ!」
「必■の命乞いか!」
「ええい! いいかげんあの男を黙らせろ!」
「そうだ! さっさとあのお人よしの妹の所に行くがいい!」
その瞬間、ガラリと変わる表情。
「…なに?」
それにも構わず、正面の後ろから飛ぶ声。
「気に入らないか!? お人よしじゃなければ人形だ!」
「それも壊れた人形だ!」
辺りに響く哄笑。
それに対し、今までの余裕の表情をかなぐり捨て、異様な雰囲気すら漂わせ始める皇帝。
「そうか…そこまでいうのなら…貴様らが知りたがっていた事を…今! ここで! 教えてやろう!!」
開いた右手を正面にかざす皇帝!
その手を引くや現れる、赤い紋章の浮かぶ両眼!
それに思わず息を呑む一同。
だがそれに一言を発する前に。
「『■』!!」
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JIN 2018年08月10日 (金) 23時03分(6) |
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