タイトル:コードギアス 追憶のエミリオ MEMORY−5 ナイトオブリングス W (了) |
SF |
雪原の上を、高速で移動する二体のKMF。
やがて停止し、雪の中に紛れる。
その先頭の機体内部のコクピット。
数多くのパネルの一つに映し出される小型飛行母艦。
「グランベリーが動いたぞ。アイン」
パネルの一つから来る通信。
(やはり座視は出来んか。まあ動かなければ立場が悪くなるからな。いろいろと)
そこに飛び込む通信。
(あんたの誘いと狙い通りね。ロル)
(楽しそうだな。フィアー)
(そりゃそうでしょ。一年前のカナダでの借りをようやく返してやれるわ)
(いいか。つまらんことを考えるなよ。連中にはここで潰れてもらうわけにはいかないんだからな。俺たちのためにも)
(分かってるわよ! アイン!)
「で。行動は予定通りでいいな」
(ああ。俺とジーベンは左右両翼、フィアーは空中。ツヴァイは支援。アハトは待機。もし俺との通信が切れたらツヴァイが引き継ぐ。いいな)
「了解した」
(よし。行動開始だ!)
(イエス。マイ・ロード!!!)
パネルの一つの中に映し出される巨大砲。
その砲身が伸び、反対側が地上に接する。
「支えてくれ。アハト」
(いいよ)
機械を通しても、実にゾクゾクと背筋に響いてくるような声。
それだけで多くの男女が催眠術に掛かったようにフラフラしてしまうというのも分かる。
「アンブロシウス」に接触する「アグロヴァル」。
その支えを受けながら、KMFには大き過ぎる巨大砲を肩に掛けて空高く構える「アンブロシウス」。
コクピット内で射程標準と方向を定める。
やがて伸びてくる照準器。
「目標。中央の中州城砦…両翼の中華軍中央部…そしてグランベリー…」
四つの目標が同時にセットされる!
「フェイルノート…発射!!」
巨大砲の先端からほとんど同時に発射される、四つの砲弾!
物凄い反動で、支えがあっても、ほとんど引っ繰り返りかかる二機!
「…移動だ! アハト!」
(…りょう〜か〜い…)
『その責任も関係して、その開戦時期に諸説の分かれるウスリー戦争。しかしその最大公約数がこのリングス参戦の瞬間だった事は異論が無い』
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JIN 2019年04月02日 (火) 22時49分(52) |
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