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タイトル:コードギアス 追憶のエミリオ  MEMORY−5 ナイトオブリングス U SF

あたりに立ち込める濃霧。

ウスリー河の中華側の高台

そこに着地中のグランベリー。


艦橋。


苛々した素振りで行ったり来たりしているソキア。

「まったく。人が何度も呼び掛けてんのに。どうして応答しないんだニャ―!」


「こちら側には北部軍管区から続々と増援が到着してます。なんとかそちらとは連絡できないんでしょうか?」


レオンの問いに答えるティンク。

「仕方ないよ。そちらには直接連絡できる権限は僕たちには無い。こちらに出来るのは、超合集国を通して、朱禁城に働き掛ける事だけだ」


「マニゴルド卿たちの方は?」


オルドリンの問いに答えるエリス。

「対岸の方は、増援の動きはありません。機体の整備や補給は行っているみたいですが」


「それを咎めるわけには行きませんよね」

ぼやくレオン。


「ああ。マニゴルド卿はああ見えて意外と尻尾を掴ませない方だ。いつもスレスレのところでアリバイを作る」


ティンクの言葉に苦虫を噛み潰すソキア。

「だから腹立たしいニョよー」


「布陣の方は?」


オルドリンの問いに答えるマリーカ。

「はい。少しずつですが、左右の両翼を次第に中央に引き寄せている感じです」


「相手の増援が増しているから、守り易く戦力を集中させる気でしょうか?」


レオンに対し首を傾げるティンク。

「まあ。そこは常識だろうが…」


そこで急に響き渡る非常警報!


「なに!?」


オルドリンの声に答えるエリシア。

「はい! 北部軍が動き始めました! 左右両翼から渡河を開始しています!」


「なんですって!?」


「濃霧で外部センサーが上手く働きません! 展開の詳細は不明!」


「待って…エリス! 河の深度は!?」


すかさず地図を読み取るエリス。

「ちょうど左右両翼の渡河部分が渡り易くなっています!」


それを聞いて顔を向け合うレオンとティンク!

「ということは!」


「『誘い』だ!」


「グランベリー! 緊急発進! 両軍の間に入ります!」 


「イエス! マイ・ロード!!!!」

慌ただしく動き出す一同。


その中で大きな声を上げるエリス!

「騎士団長! 外部から緊急通信! 対岸方向からです!」


「マニゴルド卿から!?」


「いえ! その後方から! それも複数方向からランダムに送られています!」


「声を出して!」


「イエス! マイ・ロード!」


スピーカーから漏れ出す声。

それは恐ろしいくらいにはっきりしており、相手方の高性能を否応なしに実感させる!


(グリンダ騎士団に告ぐ! 聞こえるか! グリンダ騎士団に告ぐ! こちらはナイトオブリングスだ! 警告する! ウスリー河を渡るな! 警告する! ウスリー河を渡るな! もし渡れば侵攻意図とみなし、即時に全面攻撃を開始する! こちらはナイトオブリングス! ローランス・ジョージ・ヴァルトシュタインだ!)

JIN 2019年04月02日 (火) 22時46分(50)
 


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