タイトル:コードギアス 追憶のエミリオ MEMORY−5 ナイトオブリングス T |
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超多目的指揮支援用KMF「アンブロシウス」コクピット内部。
大小多くのパネルが明滅しており、それぞれの中で多くの映像やサインが表されている。
その中で響いている通信会話。
(…要するに、グリンダ騎士団は我が方と共に、あの死に損ないの残党どもと戦う意思は全く無いというんだな!)
(繰り返します。我がグリンダ騎士団は、超合集国決議に基づき現地停戦の監視のために派遣された物です。一方への戦闘加担は断じていたしません)
(ほう。やはりブリタニアはブリタニアということか)
(ブリタニアは関係ありません。繰り返します。当方の現地権限として、そちらの中洲城砦の現状維持は認めます。ただしウスリー河の再渡河ならびに対岸への再上陸は一切認めません)
(ふざけるな! それならせめて攻撃される前の線への回復を認めろ! それに第一、ウラル以東の全ては元々こちらの物だぞ!)
(繰り返します!)
何度となく同じような内容が繰り返される、不毛の会話。
やがて手元のボードを操作し、別のパネルを点灯させるパイロット。
「聞いたか。アイン」
(ああ。聞こえてるぜ。ツヴァイ。こっちも良く聞こえる。凄いシステムだな。北部軍の連中のツッパリぶりまで良くわかる)
「ああ。強がっちゃいるが、連中も出来ればグリンダ騎士団を引き入れたいところだろう」
(なら。望みどおりにしてやるか。現地のマニゴルドに伝え、いや俺が直接話す。中継してくれ)
「イエス。マイ・ロード」
手元のキーボードを操作。
するとパネルの一つが新たに輝き、「刃を銜えた血染めの虎」の紋章が現れる。
(聞こえるか。マニゴルド卿)
(おう。到着したのか。ジョージ)
(まあな。現地の様子はどうだ?)
(ああ。連中の後方に動きが見える。ありゃ増援だな)
(なら話は早い。現在の左右両翼を薄くし、中央に集まってくれ)
(なるほど。わざと薄くした左右両翼からの連中の再渡河を誘う気か)
(それは相手の考える事だ)
(ふん。しかしそれは俺たちにとって挟撃と包囲の危険を招く事だぞ。大丈夫なのか?)
(あんたらを潰して、今の俺たちが何か得する事でもあるのか?)
(ほう。言う様になったな。ジョージ。あのヘタレがなかなかのワルになったようじゃないか。結構結構)
(俺たちがワルか。相手がバカか。そんな話は暇な連中にでも任せておいてくれ。従兄貴から聞いてるだろうが。あんたらに対する処遇はとにかく今回の件の内容と結果に掛かってるのも忘れるな)
(分かった分かった。それじゃ空の御邪魔女どもは任す。よろしくな)
通信終了。
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JIN 2019年04月02日 (火) 22時44分(49) |
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