タイトル:コードギアス 追憶のエミリオ intermission 面倒 |
SF |
サンクト・ペテルブルク郊外。
某邸宅。
何やら会談中の模様の数人。
「やれやれ。相変わらずのようだな。クロードの奴」
「ああ。凝りもせず男の尻を追っかけ回しているらしい」
「この前『ロックスフォードの稚児』に痛い目に会って、ようやく退院したばかりというのに、懲りない奴だな」
「妻子を亡くしてから間もないというのに。何やってるんだアイツは」
「悲しみを紛らわせるためとか」
「あいつがそんな殊勝なタマか」
「それにしても中々にヤキが回ったな。あの稚児は基本的に『迫られたら拒まない』そうじゃないか。男だろうが下賎だろうか。そんな奴に袖にされてはそれこそ一門の恥だ」
「よりによってそんな恥をかかせてくれるとはな」
「ああ。こんな恥もあるとはな」
「袖どころじゃない。まともに腕を折られたんだぞ。一体何をやらかしたんだ。あの馬鹿」
「いや。どうも話はいささか面倒らしい」
「どういうことだ」
「ジャネットの腹にいた子供なんだが。どうも父親はあの稚児らしい」
「なんだと?」
「あいつもそんな女だったのか?」
「まあ。どちらかといえば悪いのはクロードだろうがな」
「俺もそう思う。同じ男だが、やはりどうしても非はクロードとしか思えんな」
「いや。仕掛人はむしろジョルジュらしい」
「なに?」
「息子の嫁にそんなことをさせたのか?」
「子供が生まれなければというのもあるだろう」
「生まれる以前の問題だと思うがな」
「するとジャネットの例の事故はその辺りが原因か」
「クロードの奴が不義に怒ってとでもいうのか」
「まさか。あのクロードだぞ。俺としてはあの稚児と寝たジャネットに嫉妬の余りと見るな」
「まあ。確かにそちらの方がありそうだが」
「だとすればますます馬鹿な奴だ」
「それにしても。そうなるとあの稚児がクロードの腕を折ったのはジャネットと自分の子供の復讐ということか?」
「馬鹿な。クロードとは別だが、やはり快楽享楽主義の塊みたいな、あの稚児にそんな人情などあるもんか」
「それにしても面倒な奴だな。あの稚児も」
「ああ。どうせならいっそどこかの大物が問答無用で抱え込んでくれた方が被害も拡散しないで済むんだが」
「それこそ『自分以外が手を出したらただじゃ済まさん』と思い切り睨み付けられるくらいのな」
「それこそアリューシア家のイースリット伯爵みたいにか」
「無理無理。あそこだけは絶対にありえん」
「思い切り蛇蝎のように嫌ってるのを公言までしてるからな」
「やっぱり駄目か」
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JIN 2019年02月17日 (日) 21時06分(44) |
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