タイトル:コードギアス 追憶のエミリオ MEMORY−4 流血山河 T |
SF |
北ユーラシア東部。
旧ハバロフスク自治州。
ウスリー河畔。
中華連邦北部軍管区軍橋頭堡。
新旧合わせた雑多なKMF軍の中で、実にゆったりとした会話を交わす兵士たち。
「暇なもんだな」
「ユーロ・ブリタニアの残党ども。いつになったら攻めてくるんだか」
「いっそのこと一気にハバロフスクまで落としてやるか」
「ま。このまま行けば向こうで逃げるんじゃない」
「そうすりゃただ歩くだけだな」
「なんせ旧式しかない向こうさんだからなあ。いまやこっちは新型揃いだ」
「朱禁城の連中は一体何を怖がってんだか」
「おい。聞いたか。例のグリンダ騎士団がこっちに来るらしいぜ」
「け。あいつらがいなかったら、とっくの昔に俺たちは…」
「ほう。おまえ紅巾党か?」
ここ数日来の賑わいと語らい。
いつのまにやらあちこちから集まった商人たちの出店も立ち並んでいる。
「どうだ一服」
「すまねえな」
煙草に伸びた、その手。
突如、それが手首から消える。
「え…?」
そして。真っ赤な飛沫!
次の瞬間。
突如として手近に立っていたKMFが吹っ飛ぶ!
「敵襲!?」
「砲撃だー!!」
突如として大混乱に陥る周辺。
次々と爆裂が生じ、応急の建造物も商人たちの出店も次々と吹き飛ぶ!
そして一瞬の後に降り注ぐ、血と肉の、赤い雨!
混乱の中でも、必死で動き始めるKMF群。
その中の一体の望遠レンズに映し出される敵影。
グロースターやサザーランドのような、いわば旧式化したKMF軍の中で一際目立つ大型のKMF。
両肩に装備された二基のハドロン砲が火を噴き、次々と前方のKMFや陣地を吹き飛ばす!
果敢に挑みかかる中華連邦の新型KMF「赤虎」。
その機動性を持って、火砲を掻い潜っての接近を図るも、ある期待はブレイズルミナスに弾かれ、ある機体は飛んできた鉄球に、そしてある機体は振り下ろされた大斧に両断される!
そのコクピット内。
精悍な表情の中に、残虐酷薄な笑みを浮かべる一人の青年。
「ははは! これは凄い! 全く違うぜ! この『ディナダン』はー!」
その最中に入る通信。
(マニゴルド卿! 侵入部隊は橋頭堡を放棄し、中洲の砦に撤退の模様! いかがします!?)
「決まってるだろう! 親愛なる大公閣下の御墨付だ! 中洲ごと一気に踏み潰せー!!」
(イエス! マイ・ロード!)
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JIN 2019年02月07日 (木) 14時57分(40) |
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