タイトル:コードギアス 追憶のエミリオ PROLOGUE 血の聖夜 W |
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いつしか宴は優雅な舞踏会。
多くの華麗な貴族が華やかな令嬢たちを相手に舞い踊る。
当然に背後では見事な調べの生演奏。
その中でやがて進み出る侯爵。
「卒爾ながら皇帝陛下」
「なにかな侯爵」
「誠に厚かましいお願いながら、どうか我が娘に名誉をお与えいただけませんでしょうか?」
その背後から進み出てくる庶出の令嬢。
一瞬顔を曇らせる皇帝。
微妙に苦笑を口元に浮かべるフードの女。
そこに間髪を入れず口をはさむ騎士。
「いえ。『エミリア嬢の御相手』には、むしろ自分が相応しいと思われますが。皇帝陛下?」
一瞬不快を浮かべる侯爵。
ただし嫡出のエリ−ゼ嬢ならともかく、というニュアンスの前には引かざるを得ない。
「なるほど。確かにこれは失礼を。もちろん皇帝陛下の騎士ならばそれに不足はございません」
いささか当惑気な表情の皇帝。大丈夫なのかといった感じ。
それを無視したように相手に向いたままの騎士。
「もっとも私も不調法なので、出来るのは一つ二つくらいですが構いませんか?」
「もちろんでございますとも」
曲目を告げ、互いに向き合う騎士と令嬢。
曲の開始と共に、始まる優雅なステップ。
まるで水が流れるかのようにスムーズな動きに、次第に感嘆の雰囲気を高めていく周囲。
そんななか皇帝の耳元に対し、スッと口を寄せるフードの女。
(なんだ。おい。おまえなんかよりよっぽど上手いじゃないか?)
(だまれ)
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JIN 2018年08月10日 (金) 22時57分(4) |
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