タイトル:コードギアス 追憶のエミリオ MEMORY−3 イルクーツク T |
SF |
旧ユーロ・ブリタニア(現ヴェランス大公家)領。
イルクーツク市。
バイカル湖を臨む、湖畔に面する巨大基地。
シベリア鉄道からの支線を直接引き込み、その中で多くのKMF群が乱立している。
その中の一体について、コクピットの中で顔を見合わせている、二人の男女。
「…以上が、この『メテスシステム』の特徴です。アレキサンダー卿」
説明を行う女性。
「うん。概要はサンクト・ペテルブルグで聞いていたが、想像以上の物だね。ハルジオン伯爵」
それに答える青年。
「『フェイルノート』の試射テストも行ったが、強烈な破壊力だ。これならばかなりの後方からでも目標を破壊できる」
自慢げな表情を浮かべながら、次には顔を引き締める女性。
「いずれのシステムも安定性にはまだまだ不安があります。初実戦でもあり、出来るならばフロートを使わず、着地さらには静止状態での使用をお勧めします」
「肝に銘じよう」
コクピットから出てくる二人。
大きく伸びをしながら、身近でささやきかける女性。
「しかし。貴方も変わった御方ですね。アレウス伯爵」
「何が?」
「ブリタニアの騎士、特にラウンズのような上級の方々というものは、自らの戦功を尊び、前線で競い合うのが常識の当然です。それなのに貴方はむしろ他の方々を支援する道を選び、自らの戦功を際立て難くしています。貴方ほどの名門出がそこまで謙虚になられるとは」
軽い苦笑を浮かべるアレウス。
「名門出だからこそいいんだよ。出世にあれこれ焦らなくて済むからね。おっと。いま言った言葉は他には内緒にしてくれ。一族の連中にでも知られたらうるさくて仕方がない」
「イエス。マイ・ロード」
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JIN 2019年01月01日 (火) 16時33分(30) |
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