タイトル:コードギアス 追憶のエミリオ intermission 治天 |
SF |
超合集国連合。
中心都市フジ。
最高評議会議場。
最上階議長室。
巨大なスクリーンに映し出されているグランベリー。
賛否双方の声を浴びながら、フジの発着場から飛び立つ。
それを見ている一人の女性。
「…」
そこに唐突に入ってくる女性。
「大変です! 神楽耶様!」
「どうしたの。沙耶?」
「たった今、KLLの東南アジア担当部署から連絡が入りました。ミクロネシアの島々で大規模の騒乱があった模様です」
「騒乱?」
「はい。攻撃を受けたのは秘密の武装集団が潜伏していた島々で、かなりの規模と装備だったそうですが、それが完全に破壊の殲滅状態の模様。おそらく最近の移民攻撃の海賊の本拠の模様」
「殲滅?」
「はい。まだ未確認ですが。どうやら生存者は全くいない模様」
「…『あれ』の仕業ね」
「おそらく。今の世界でこれだけのレベルの集中攻撃が可能なのは、グリンダ騎士団と…」
「…噂の『ノース・フェイス』ね」
「はい。そう思います。しかしまさかここまで徹底的にされるなんて」
「背後の関係、すなわち海賊をどこが支援していたなんてことが明るみに出れば政治的に面倒になるってことよ。だから証人になる者を全て消した。明らかな『警告』ね」
「『警告』ですか?」
「そう。『もし海賊行為なんて働けばこうなる』『次は表に引き摺り出すぞ』ってね」
「で。どうなされます」
「どうするというのよ。『海賊退治』の罪で『あれ』に対する討伐決議を出すとでもいうの。そもそもそんな提議を出した国があれば、それこそ自分たちが海賊支援していたと認めるような物よ」
「そうなると。この場合は『仲間割れ』とでもして現地レベルで内々に処理というところでしょうか」
「まあそうでしょうね。まったく。人が表で散々苦労してるってのに。裏で好き放題にやってくれちゃって。桐原老の真似でもしようってんのかしら。それも世界を舞台に」
やがて席を立つ女性。窓の外には広大な海が広がっている。
「ねえ。沙耶」
背を向けた相手に向かって声を掛ける。
「はい」
「あなたも『あれ』の許嫁候補だったってのは本当?」
「…はい。お爺様は望んでいたそうですが、ゲンブ様に断られたと聞き及んでおります」
溜め息をついて。
「要するに。『あれ』にとって日本なんか狭すぎるって事なのかしら?」
「私には分かりません。敢えて言うなら」
「言うなら?」
「ブリタニアもまたそうなのかもしれません」
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JIN 2018年12月20日 (木) 23時29分(29) |
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