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タイトル:コードギアス 追憶のエミリオ  MEMORY−2 新グリンダ騎士団 T SF

西太平洋。


その上を飛行する空中浮遊艦。

− 対武装勢力遊撃部隊グリンダ騎士団旗艦グランベリー −



その艦橋から響く歌声。

それも能天気を絵に描いたような。


「う〜み〜はひろい〜にゃ〜おお〜き〜いにゃ〜♪」

− 「騎士団長補佐」ソキア・シェルパ −


その背中をいきなりバンと叩く大柄の男。

「上機嫌だね」

− 「副騎士団長(重装部門)」ティンク・ロックハート −


「ハニャー!?」

思い切り飛び上がる少女。

床の上に引っ繰り返り、その上で更に七転八倒。

「あた!? あた!? ナニすんだにゃ−!?」


「どしたの?」

いかにもデリカシーに掛けるといった口調の男。


「そういえば。こないだ海岸で思い切りシズの子たちと遊び回ってましたよね」

後ろから入ってくる青年。

− 「副騎士団長(天空部門)」レオンハルト・シュタイナー −


「ああ。なるほど。日焼けね」


「あ、あ、あそこはお日様が強すぎんだニャ〜」


二年前から変わらぬ風景。

階下のオペレーターたちからも笑みが零れる。


その後から苦笑混じりで入ってくる少女。

− 「騎士団長」オルドリン・ジヴォン −


その後に更に続く、いささか硬い感じの表情の少女。

− 「筆頭騎士」ドロシー・ガーランド −


「団長。そろそろフジですか?」

目の前の騒ぎなど目に入らぬかのような口調で質問の筆頭騎士。


「ええ。そういえば。ドロシーたちはフジに来るのは初めてだったわよね」

問いに答えつつ、目の前の島の、更に向こうに思いをはせる団長。

(北ユーラシア…旧ユーロ・ブリタニア地域…そういえば私たちの最初の任務は本来サンクト・ぺテルスブルグに向かうはずだった…)

曇る表情。

思い出す初の実戦。そして双子兄との邂逅。

(それがベジャイアで引っ掛かって…本国に帰って…もしあの時そのまま向かっていたら…どうなっていたんだろうか…)

当時の顔ぶれを思い出す。

少なくとも三人はもういない。

JIN 2018年10月13日 (土) 21時02分(21)
 


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