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タイトル:コードギアス 追憶のエミリオ  MEMORY−1 シベリア超特急 Y SF

思い切り室内に響き渡る哄笑。

「あーははは! こりゃいいわ! 最高! あの正義の味方の御邪魔女どもとはねえ!」


いかにも笑いが止まらないといったイースリットに対し、それぞれの表情を無言で浮かべる三人。


それらに対し、ようやく向き直り、手近のナプキンで顔を拭きながら。

「どうせならオイアグロやノネットも居てくれれば不足ないんだけどねえ。でもどうしてあの連中なのさ。確かあの連中は超合集国内だけの解決屋じゃなかったっけ?」


その質問に横から加えるアレウス。

「ツングースカか?」


それを受け止め、大きく頷くローランス。

「ああ。従兄貴やオズヴァルドも同意見だ。超合集国連合は今度の紛争を、ツングースカの件に介入する糸口にしようとしているらしいな」


「すると。北部軍の暴走は出来レースか?」


「いや。あれは違うらしいな。中華の強硬派としてはあくまでツングースカを自分たちだけの物にしたいらしい。当然に国際管理など考えちゃいない」


思い切り鼻白むイースリット。

「はん! 何よ何よ! これまでは厄介物を押し付けたゴミ捨て場みたいな扱いをさんざしてきたくせに! それが何? その中から御宝が出てきたら途端に口出ししようってんの!?」


「まあ落ち着け。リア。連中だってそこまで図々しくはあるまい。ただ…」


ローランスの宥めに答えるアレウス。

「…ツングースカをそのままにしておけば、フジに火が付くか?」


「まあそういうことだ。日本の連中の一部には、現在のフジの国際管理に不満がある。あのサクラダイト鉱山は超合集国でなくあくまで日本だけの物だってな」


「『フジも我らの物』ってあれか?」


思い切り吐き捨てるイースリット。

「はん! バッカじゃないの! 自分たちだけで持ち切れなかったから、十年前みたいになったんじゃない!? その折角の安全保障を自分たちから捨てるって!?」


「ま。連中はそう思っちゃいないようだがな」

改めてコーヒーを注ぐローランス。



それらの喧騒を他所に、ただジッと上の地図を眺め続けるエミリオ。

「…」

まるでその地図に映っている物の更に奥を覗くかのように。

JIN 2018年09月29日 (土) 13時18分(17)
 


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