| タイトル:「皇帝」と学友 |
SF |
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(No.1)
スザク「カルロヴィッツ卿とは知り合いなのか?」
ルルーシュ「ああ。俺の皇子時代の同年代の学友だった」
スザク「どんな奴だったんだ」
ルルーシュ「昔のおまえと同様、遠慮の無い奴だったな。それに…」
スザク「それに?」
ルルーシュ「俺が皇帝に直訴しようとした時にも止めようとした! 『自分にも迷惑がかかる』とな!!」
(No.2)
スザク「…ずいぶんと苛立ってるな。らしくないぞ」
ルルーシュ「当然だ! 当時に奴の言った事は全部正しかった! それなのに俺は…ええい! 思い出したくもない! なのに奴はなぜ今になって俺の前に現れる!?」
スザク「…」
(No.3)
(数か月前)
スザク「ルルーシュ」
ルルーシュ「どうした」
スザク「ジェレミア卿が鎮圧に向かったガルベストン基地だが…既に恭順の意を示しているらしい」
ルルーシュ「…あそこの基地司令は俺に対して憚る事無く『偽帝』呼ばわりして徹底抗戦の構えだった筈だが…何が起きた?」
スザク「簡単に言えば内部崩壊…こちらへの恭順を考えている一派が、徹底抗戦を叫ぶ一派を完全制圧した、との事だ」
ルルーシュ「何にせよ、こちらの手間が省けたと考えると悪い事ばかりでは無い、か……他に情報は?」
スザク「まだ詳しい内容は届いて無いが…そこの恭順派のリーダー格の士官の情報だけは届いている」
ルルーシュ「名前は?」
スザク「ギャレオ・カルロヴィッツ大尉、年齢は19…俺達と同世代だな」
ルルーシュ「……!?」
スザク「? どうしたルルーシュ?」
(No.4)
「隊長。一体なんであんな成り上がりに付くんですか!?」
ギャレオ「嫌なら辞めてもいいぞ。止めはしない」
「まあ、隊長のお考えですから何らかの成算はあるとお思いでしょうが…」
ギャレオ「一番面白そうだからだよ。他に理由がいるか?」
(No.5)
ガルベストン基地陥落から数日後、ギャレオは単身帝都ペンドラゴンに呼ばれていた。
ギャレオ(……さてさて、わざわざ俺を呼び出してどうするのか、いっそ感動の再会といこうか?)
「カルロヴィッツ大尉、こちらへどうぞ」
ギャレオ「おう……しっかしまあ可笑しな仮面を付けているものだな。陛下の趣味だとでも言うのか?」
「…」
(No.6)
ルルーシュ「…久しぶりだな。ギャレオ」
ギャレオ「これはこれは。お久しぶりです。皇帝陛下」
ルルーシュ「俺を『皇帝』と認めてくれるわけか?」
ギャレオ「それはそうでしょう。他に『皇帝』をお名乗りの方はいらっしゃらないのですから」
ルルーシュ「…『あれ』でずいぶんと貴卿には迷惑を掛けたようだな。それについては詫びておこうか」
ギャレオ「なになに。内地の閑職巡りも悪くありませんでしたよ。なにせ激戦地に送られずに済みましたからな。ハハハ」
ルルーシュ「…」
(No.7)
ギャレオ「ただ正直に言うと厄介払いの体で、ルーカス殿下の軍に放り込まれそうになった事もありましたがね」
ルルーシュ「貴卿の任官後の経歴についても調べて貰ったが、まあ色々な所に行ってたものだな」
ギャレオ「ええ、そんな訳ですからまあ色々と『知人』があちこちにいる訳でして。それも自分の様に諸事情で日陰者に追いやられた様な連中を」
ルルーシュ「…」
(No.8)
C.C.「なかなかに面白い男じゃないか。馴れ馴れしくもなく恨みがましくもなく。それでいて巧みに売り込みも掛けている。はっきり言ってあれほどとは思わなかった。おまえの性格も読んでいるみたいだしな」
ルルーシュ「…」
スザク「君がもし皇族のままでいたなら、彼こそが『騎士』に相応しかったかもしれないな」
C.C.「全く同感だが。ああいうタイプを使いこなすには相当の器量も必要だったろうな」
ルルーシュ「…何が言いたい?」
※この後のギャレオはジェレミアの指揮の元、国内の鎮圧に従事し「知人」の多くを引き入れる事に成功。
第二次ハワイ攻防戦にも一部隊長として参戦し、そしてダーティ・ウィングス結成。
(正式命名は美恵のラウンズ叙任後の事であり、それより前からそれに相当する部隊は存在していた)
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| Ryu 2025年07月30日 (水) 11時25分(141) |
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