タイトル:コードギアス 追憶のエミリオ MEMORY−1 シベリア超特急 W |
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同時刻。
列車最後尾近くの車両。
その中から外に微かに漏れてくる水音。
流れる水の奔流を浴びつつ、その中で身をクルリとくねらす少年。
水玉が綺麗に形になり、見事な線を描いて流れ落ちる。
やがてシャワー室から出てくる少年。
ハンガーに掛けた白いバスローブを軽く羽織り、傍に置かれた水差しを手に取り、グラスに注ぐ。
そのグラスを取り、口に運ぼうとする少年。
その時、突如、掌の中でガシャッと砕ける音!
「あ…」
ツーっと流れ出る鮮血。
少しも慌てず、その傷口を舌でペロリと舐める少年。
たちどころに止まる出血。
スーッとばかりに消える傷口。
ニコリと零れる微笑。
ローブを羽織ったまま、改めてベッドに横になり、大きく伸びをする少年。
流れる車窓から入ってくる白い光。
それがローブから零れる胸元や素足を艶かしく照り輝かす。
もし窓から覗く者がいたら。
おそらく窓を破ってでも、滅茶苦茶にしたい衝動を抑えきれなかったに違いない。
悪魔というにはあまりにも天使。
天使というにはあまりにも悪魔。
− 「ナイトオブアハト」アーデル・ベル・ロックスフォード男爵準将 −
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JIN 2018年09月12日 (水) 13時48分(12) |
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