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タイトル:コードギアス 追憶のエミリオ  MEMORY−8 休戦地帯 W  (了) SF

開かれる目。


「うう…」


頭が痛い。

ここまで打撃が大きいのは、それこそいつ以来だったか。

(ダモクレスでカレンにやられた時だったか…)

あの時にどうやって助かったかすらはっきりと憶えていないが。


「ゼロさん!」

「ゼロ様!」


二人分の声が聞こえる。

スレイとレイア。

そう。今は無きギアス嚮団の生き残り。

それぞれの事情で二人とも偶然に生き延び、巡り巡って今は俺のところにいる。

今のノース・フェイスはこの二人を受け入れた事によって始まったといっても過言でない。


「…ここは?」


「『レムリア』の中です。いまエルの指示で帰還中。もうすぐ『アトランティス』に合流します」


「二人が助けてくれたのか?」


「ええ。激突寸前でレイアと一緒に。ギアスとフェイクデータを使って視界と航跡を遮断しましたから。他の連中には気付かれなかったはずです」


「ゼロ様の敵を撃とうとしたのに! スレイが邪魔をー!」


「仕方ないだろ。ゼロさんを助けるのが先だ」


「でもー!」


いつもながらの微笑ましい光景に顔が綻んでるのが分かる。

俺には弟も妹もいない。

だからこの二人にそれを重ねてるのかもしれない。


「それにしても凄い相手でしたね。まさかゼロさんと魔天狼にあそこまでの手傷を追わせる奴がいるなんて」


「まぐれよまぐれ! ゼロ様に勝てる奴なんているわけないでしょ! 失礼よスレイ!」


またいつもの会話に、殺伐とした胸中も少しは和らぐ。

禁断のギアス能力者を生かしておく、俺は甘いのかもしれない。

しかし彼らが俺を必要としているように、このように今の俺もまた彼らを必要としている。

その是非はやがてはっきりするだろう。





『この時。あそこに「彼女」もいた事を知ったのは、この後の事だった。もしあそこで会う事が出来ていたらその後はまたどうなっていたのか俺には分からない。とにかくこの時点での世界の二つの抑止力が叩かれた事で世界は大きく動く事になる』

JIN 2019年11月17日 (日) 18時51分(102)
 


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