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お祭り小説板

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タイトル:「さよなら」 短編

注意事項
・オリジナルのキャラクター(少女)視点。
・冷めたというか別に好きな物ができたのでお別れの設定で。話は無理やりまとめてます。
・Not台本小説。
・語彙力。

名無し 2016年09月05日 (月) 16時42分(150)
 
題名:Story1 暗黒城にて

※誤字脱字にご注意を。原作、公式とは無関係です。※

私に決まった名前はないけれど、人は皆、私の事を「くろ」と呼ぶ。
暗黒城だか何だかしらないけれど、色々な次元を行き来しているので記憶が曖昧になっている。
今日は、前まで好きだった「彼」へのお別れを言いに来た。
ちょいと頑張ってみますかね。

「ディメーンさん。」
「ん? くろか、ボクになにか用でもあるのかい?」

相変わらずの声で言われるが今となってはときめきも何もない。
悲しいかな。

「今日ね、私、ここを出ることにしたんだ。」
「えっ? 今日?」
「そう、今日。」

珍しく驚いた声が聞けた。
……まあ、要るだけ邪魔だろうし、必要もないよね。彼等になら、任せられるし。

「でももうすぐで……」
「いいよ、そんな世界、私は望まない。そんなの、私には必要ない。」
「けれど!」
「いいの、いいのよ。それにさ、好きがなくなってしまえばモノクロにしか見えないんだよ、この世界って。……つまらないんだよ、笑顔さえ作れないのさ。」

確かに、もうすぐで終わりがくる。
でも、私はそこに居なくていい。そこに居てはいけない。
……知っているから。

「だからさ、私の最後に少し付き合ってくれるかな。伯爵にはもう挨拶してあるからね。」

名無し 2016年09月05日 (月) 16時49分(151)
題名:Story2 白ノ世界

「ここは……?」
「私が作った、通称白ノ世界(ホワイト・ワールド)。」
「ホワイト、ワールド……?」
「そう。心中するならここでもいいかなぁって。あと、これ合鍵ね。」

白い短刀にも似た腕の長さ程のそれを投げる。
作り出したものだから斬れるとは思えないけれど、守り刀くらいにはなってくれるかな。

「いつか魂だけになっても、ここは精神世界みたいなものだから、来れるはず。」
「何を言って……?」
「ふふ、あのね、ちゃんと聞いてほしいんだけどね。」
「ん?」
「……私、初めてあなたと出会った時、一目で恋に落ちて仕舞ったんだよ。」

返事も様子もうかがわずに、言葉を続ける。
そうじゃないと、今じゃないと、言えなくなってしまうから。

「だから、ここにいた。貴方がいなければ此処に留まってはいなかった。……けれどね、私には他に好きな人ができてしまったんだ。……いや、人というより妖怪に近いかもしれないけれど。……だからね、お別れをしたかったんだ。……あ、他の皆には手紙一通で済ませてるよ。」

未来のことを言ってはいけない、それだけはわかっていた。
今ここで私が話せば、彼の命だって、救えただろう。
けれども。

「私には、未来が見えるんだ。……でも、いってはいけない約束だから。これだけ伝えておくよ。……悔いのないように、頑張ってね。また会ったら、その時は一緒にお話ししようよ。ね?」
「……ボクにはよくわからないよ。」
「それでいいよ。わかってはいけないことも、この世の中にはあるのさ。……そろそろ時間だ。最後の見送り、頼んでもいいかな?」
「……構わないよ。」

名無し 2016年09月05日 (月) 16時58分(152)
題名:Story3 さよなら

「最後は呼び名らしく、黒く染まろうか、なんて考えたんだ。」

その白ノ世界を切り裂いて出ると闇と音だけの世界に出た。

「何も見えないね。」
「うん、そういう狭間の世界みたいなものだから。私が消えればこのズレは生じる、残った手紙以外はほとんど記憶から消えてしまうよ。……さっきの合鍵を持っていなければね。」

忘れないで欲しい、なんて未練がましい事を言うつもりではないけれど。
いつか会えた時に、名前で呼んでくれたらな。

「私の名前は、鍵に刻んであるから。」

空間に五芒星を描くと青い空の色が輝き出した。
その闇に吸い込まれる青に指で蓋をした。

「それじゃあね。また会える日まで。さよなら。……ディメーン。」
「……うん、さよなら。またいつか、ね。……元気でね!」

可愛いな。
名残惜しい気持ちがない訳ではないけれど、そろそろ行かなきゃ。
これ以上此処にいると彼まで巻き込んでしまう。
息を止めて、手を離して。堕ちるように、その星へ体重をかける。
吸い込まれる様に身体が消えていく。
遠くに見える黒い星から硝子にも似た滴が輝いていた。

「……さよなら、私の愛しかった人。」

名無し 2016年09月05日 (月) 17時05分(153)
題名:Story* ××××

「……ほんとに黒く染まっていったなぁ。」

らしくもなく、ボクは笑顔を崩していた。
誰かに見られたら……特にマネーラに見つかると厄介だなぁ。
いつものように鏡を作り笑顔を作る。
うん、上手く笑えてる。上々だ。

「それにしても、彼女の名前は何だろうね。」

貰った剣か何かをそっと抜く。
彫られた字にボクは思わず笑いそうになった。

――D.Bloods Scarlet――

……全然黒関係ないんだよね。どうしてはじめて会った時にそう名乗ったのだろう。

「あ、いたいた。ディメーン!」
「あ、見つかった。」
「伯爵さまが御呼びよ、早く行きなさい。……あれ、それどうしたの?」
「ああ……もらい物だよ。」
「ふーん……。どうでもいいけど、早く行きなさいよ、待たせてはだめよ。」
「はいはい、わかってるって。それじゃ、行ってくるよ。」

そっと大切に仕舞うとボクは伯爵の所へ向かった。
……はあ、またくだらない話かな。

名無し 2016年09月05日 (月) 17時13分(154)
題名:作者より

一時別名で投稿していました。
まあ、それはいいとしてですね。
供養というほどの者でもありませんが、終わりはきちんとしておかないとな、と思いつくままに打ち込んでいきました。
時間的には暗黒城で戦いが繰り広げられる直前と言ったところでしょうか。
ミスターLがルイージに戻った後ですし、その頃ですかね。


……思いのほか長くなってしまいましたが、回覧ありがとうございました。
では、またいつか。



Thank you for watching.
Goodbye then, take care.

名無し 2016年09月05日 (月) 17時20分(155)


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