No.138 クロミノクチキムシタケ 投稿者:錦田 投稿日:2018年08月10日 (金) 22時34分 [ 返信] |
宮城県から報告します。
朽木生虫草、宿主はカミキリムシ幼虫に見えます。 クロミノクチキムシタケだと思うのですが、いかがでしょうか。 もしそうなら、高尾山以外で初の発生地になるでしょうか。
確認のために追って検鏡しますが、取り急ぎ報告まで。
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No.139 投稿者:山鳥 投稿日:2018年08月11日 (土) 08時41分 |
おはようございます。
初めて見せて戴きました。 たしか、最初、S.Uさんの発見と聞いています。 以前、画像をいただいて持ってます。 少し太いですが似てます。 詳細な確認をお願いします。
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No.140 投稿者:錦田 投稿日:2018年08月13日 (月) 01時22分 |
すみません、多忙につき遅くなりました。 子嚢胞子の大きさは70~80×2㎛です。 中央で二つに分かれるという特徴的な胞子なので、本種で間違いないかと思います。
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No.141 投稿者:K.Y 投稿日:2018年08月13日 (月) 17時28分 |
大変驚きました! この掲示板が始まって以来、最も珍しい虫草ではないでしょうか。
宿主といい子実体の外観といいクロミノクチキムシタケで間違いなさそうです。 クロミノクチキムシタケの特徴については、事実上S.Uさんだけがご存知なので、何かコメントが 頂けると良いですね。
ちなみに、本種は始めCordycepsとして記載されてから、おそらく黒っぽいストローマなどに基づき、 系統解析せずにOphiocordycepsに移され、現在に至っています。 しかし、近年クロミノクチキムシタケがオフィオコルディセプス科のPodocrella属(アナモルフは Harposporium)という系統に属することが報告されました。 https://www.jstage.jst.go.jp/article/msj7abst/57/0/57_4/_article/-char/ja/ さらにその後、命名規約の改訂によりHarposporiumの優先権が認められ、Podocrellaはそのシノニムと なりました。 したがって、クロミノクチキムシタケをHarposporium属に移す分類学的な処置が必要と思われますが、 未だにOphiocordycepsのままです。
なお、Harposporium属には他に、ヤスデを宿主とするHarposporium harposporiferum(=Podocrella harposporifera)や、栽培下のヘンヨウボクを食害したゾウムシ類Cryptorhynchus sp.の幼虫を宿主とした Harposporium peltatum(=Podocrella peltata)など、4種のテレオモルフが知られていますが、 いずれも暗色でクッション状の平たい結実部を持つ虫草で、一見すると朽木生のボタンタケ類の子実体を 見間違えそうです。 クロミノクチキムシタケの子実体はフサノミ状のツブタケ型となる点で、他種とは大きく異なります。
また、興味深いことにHarposporium属は線虫寄生菌として有名で、上述のテレオモルフも線虫と培養すると 寄生することが確認されています。分生子はHirsutella型、分節型、Harposporium型の3タイプを形成し、 とくにHarposporium型は湾曲した鎌形で、線虫体内で発芽、感染するそうです。 クロミノクチキムシタケも、線虫寄生菌としてのアナモルフの生活環をもっているかもしれません。
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No.142 投稿者:錦田 投稿日:2018年08月14日 (火) 11時47分 |
K.Yさん いつも詳細で興味深い情報を教えて頂いてありがとうございます。
たった一つの小さめの朽木からのみ発生していたので今後も見られるかは分かりませんが、 絶滅危惧T類とされる本種の新発生地が確認できて良かったと思います。
滅多に見られないのに種として存続できているのは、 線虫寄生菌としての生活環があるからなのかもしれませんね。
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