No.120 菌生虫草 投稿者:錦田 投稿日:2018年06月20日 (水) 23時24分 [ 返信] |
宮城県で先日採取したタンポタケの仲間です。 一つのツチダンゴから最長5p程のストローマが10本も生えていましたが、カビのせいかポロポロ落ちて最後は1本になりました…。 検鏡結果は以下の通りです。
子嚢殻:570〜604×216〜274㎛ 子嚢胞子:254〜332×2.8〜3.3㎛、16個の二次胞子に分裂 二次胞子(両端除く):13.9〜24.8㎛、紡錘形 二次胞子(両端):17.4〜26.6㎛
自分で調べた限りでは何なのか分かりませんでした。 当てはまる既知種はあるでしょうか?
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No.121 投稿者:山鳥 投稿日:2018年06月21日 (木) 08時57分 |
錦田さん、おはようございます。
私自身は、数種しか、地下生菌の冬虫夏草を見た事が無いので よくわかりませんが、詳細な情報をありがとうございます。 これからも宜しくお願いします。
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No.122 投稿者:K.Y 投稿日:2018年06月22日 (金) 22時03分 |
検鏡的特徴が原記載と合わないのですが、外見はミナヅキタンポタケと私が 思っている種に似ています。 原記載は下記論文のp118にあります。 https://ci.nii.ac.jp/els/contents110000008325.pdf?id=ART0000328748 ミナヅキタンポタケは、灰色の頭部、ささくれがあり、地上に捻じれながら 長く伸びる柄、白色で折れやすい基部、宿主がアミメツチダンゴである点が特徴で、 錦田さんの写真の個体はこれらの特徴を備えているようです。 私が長野県で6月に採集していたミナヅキタンポタケとも外見的には一致します。 (イッカク通信に何度か登場するのでご覧ください)
福島県や群馬県では、8月〜10月にツチダンゴを宿主とするミナヅキも採集されて いるようですが(例えば冬虫夏草ハンドブックのミナヅキタンポタケ)、これらは 実際にはチャボタンポタケに似ています。冬虫夏草生態図鑑のチャボタンポタケは 私が撮影したものですが、発生状況を写した方の個体は地中部が短く、ハンドブックの ミナヅキとよく似ていました。 チャボタンポタケは若いときに頭部が被膜で覆われるのが特徴で、ignatiusさんが 福島で採集した"ミナヅキタンポタケ"で顕著です。 http://ignatius.blog3.fc2.com/blog-entry-269.html 6月に採集している真のミナヅキと思っている方では、このような顕著な被膜は 見られません。
現状、ミナヅキタンポタケはアミメツチダンゴ生で、その名の通り6月前後に発生が 見られ、夏から秋に採集されているツチダンゴ生の個体はチャボタンポタケの 可能性が高いと考えます。
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No.123 投稿者:K.Y 投稿日:2018年06月22日 (金) 22時08分 |
余談ですが、フランスタンポタケTolypocladium rouxiiは宿主が アミメツチダンゴで、ストローマの特徴はミナヅキタンポタケに よく似ています。 両者の関係は調べる必要がありそうです。
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No.124 投稿者:錦田 投稿日:2018年06月23日 (土) 06時57分 |
K.Yさん
外見的特徴はミナヅキと大分一致しているのですね。 検鏡的特徴で合致しない部分は子嚢殻のサイズかと存じますが、私の拙い検鏡作業で子嚢殻が変形してしまったのかもしれません。 無理に決定するものでもありませんが、ひとまずミナヅキタンポタケとしておきます。 貴重なご意見ありがとうございました。
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No.125 投稿者:ignatius 投稿日:2018年06月24日 (日) 23時41分 |
K.Yさん、それではこれはチャボタンポタケだったのですね。地元の方にミナヅキと聞いていたのでミナヅキとしていたのです。以前、K.Yさんからミナヅキではないだろうとお聞きしていたのですが、それでは何なのかよくわかっていませんでした。ありがとうございました。
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