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No.253 騎士ガンダム戦記 フェイズ95「弱者への絶望」 投稿者:GX−9900   投稿日:2012年10月25日 (木) 22時41分 [返信]

2年前 オースター島教会

それはまだルシフェルがちゃんとしたシスターだった頃・・・
ルシフェル「それでは神父様!行ってまいります!」
イーワックネロ「気をつけなさい・・・あの辺りには盗賊が出るとか・・・」
ルシフェル「はい!復興支援のため行ってまいります!弱者に救いの手を差し伸べるのもシスターの勤めです!」
ルシフェルは土砂崩れで滅茶苦茶になったアデン町復興の支援と被災者救済のために現地に向かったのだった。しかし・・・彼女に悲劇は起こる。

アデン町郊外

それは現地に向かう途中の時であった。
ルシフェル「・・・どうしよう・・・」
ルシフェルは緊急事態に直面していた。噂の盗賊に絡まれたのだ。
ルシフェル「あ・・・あの・・・」
盗賊A「姉ちゃんよぉ!金目のものだしな!そうしたら見逃してやるからよ!」
ルシフェル「あ・・・いえ・・その・・・」
盗賊A「あん!?なんだよ!金出せ!」
突然盗賊がルシフェルの首をつかんだ。
ルシフェル「う・・うう・・・な・・・ぜ・・・こんな・・・事を・・・」
盗賊B「兄貴・・・やり過ぎだ・・・」
盗賊A「うるせえ!・・・おい女!何か言いたそうだな!ああ!?」
ルシフェル「何故・・・盗み・・・なんて・・・」
盗賊A「黙れ!」
そしてルシフェルは蹴飛ばされる。
盗賊B「俺達だって貧しいんだ、こうでもしないと生きられないんでね・・・」
盗賊A「喋るな!」
盗賊B「・・・へい・・・」
盗賊A「何にも持ってないんなら・・・連れて行くか・・・!」
ルシフェル「え?」
盗賊B「あ、そうですね!見た所良い女だし・・・」
ルシフェル「ちょ・・・や・・・やめてください・・・」
盗賊A「よし!お持ち帰りだ!」
盗賊B「あいあいさー!」
ルシフェル「い・・・いやぁーーー!!!」
そのままルシフェルは盗賊に連れ去られていった。

盗賊たちの隠れ里

ここはどこかにある盗賊たちの隠れ里。そこでルシフェルは盗賊と村人達に酷い目にあっていた。いわゆる強姦である。
村人A「うひゃひゃひゃ!」
ルシフェル「うう・・・ひ・・・酷い・・・」
村人B「これがシスターだって?だっせー!!」
盗賊C「けど案外可愛いじゃん!」
ルシフェル「うう・・・さらし者になるなんて・・・人生で初めてです・・・」
盗賊D「おいおい!見ろよ!今日は大量だぜ!」
盗賊の一人が持ってきた箱を見てルシフェルは驚いた。
ルシフェル「そ・・・それは・・・アデン町に輸入するはずの支援物資!・・・」
恐らくアデン復興に向かったキャラバンから奪ったものだろう。ルシフェルは少し怒りを感じた。
ルシフェル「それは・・・アデンの人たちの・・・」
盗賊A「知ったことか!さっきも言ったように俺たちはこうでもしないと生きられないんだよ!」
村人達「そーだそーだ!」
盗賊A「さてと・・・そろそろお楽しみだぜ・・・」
盗賊のリーダーがルシフェルに迫り来る。村人達は何気に楽しそうに見ている始末。これが弱者のやる事かとルシフェルは内心思っていた。
ルシフェル(こんなの・・・ありなの・・・?)
村人達「ひゅー!ひゅー!」
ルシフェル「いや・・・いやあ!」
そのときだ。爆音が響いた。
盗賊C「親分!ガイア軍です!」
盗賊A「なにぃ!?」
どうやらガイア軍がここを嗅ぎ付けたようだ。
混乱に陥るも戦闘に入る盗賊たち。逃げるなら今だ。
ルシフェル「隙あり!」
そしてルシフェルはそのまま隠れ里から逃げ出した。だが目隠しされて連れてこられたので、道順はわからなかった。そして森を当ても無く彷徨って2日ようやくアデン町に着いた。だが・・・そこで彼女は見てしまう。

アデン町

ルシフェル「これは・・・」
避難所は大変な状況だった。盗賊のせいで支援物資が不足し、人々は食料やらなにやらを奪い合っていた。
避難民A「てめー!それは俺んだぞ!」
避難民B「黙れぇ!俺のだ!」
避難民C「おらあ!」ばきぃ!
さらに子供も同じような状況だ。
子供A「おめーの食いもんねーから!」
子供B「この野郎ー!!」
殴り合いやら何やらが頻発していた。まさに避難所は戦場と化していた。
ルシフェル「酷い・・・私が止めなくては!」
だが・・・醜い争いをやめろと説くルシフェルの声はとことん無視されるばかりか「黙れ」だの「引っ込んでろ、むしろ」だのと罵倒される始末であった。そしてついに争いの仲介に入ろうとしたら蛸殴りにされると言う結末に陥った。ルシフェルは逃げるようにその場から立ち去る。
ボロボロになったルシフェルは近くに岩場で泣きながらお祈りをした。
ルシフェル「うっ・・・うっ・・・皆何故?・・・弱いと醜くなると言うの・・・弱ければ何をしても良いと言うのね・・・」
あの盗賊たちもある意味弱者である。貧しさゆえに酷い略奪に入る。あのアデンの人々もそうだ。他人の事も考えず、自分達の事しか考えない身勝手ぶり。
ルシフェル「神よ・・・弱者は悪なのですか・・・あは・・・あははは・・・」
狂ったかのような笑い。ルシフェルはその晩、同じことを繰り返し言った。そしてその日を境にルシフェルは幻聴が聞こえるようになった。その幻聴とは「この世は力が全て、強者が正義なり、弱者は人にあらず、外道なり」とのこと。ルシフェルはこれを神の声と断定し。心酔するようになった。それは過酷な事態に直面し続けたために精神がおかしくなったのだった・・・

現在

ルシフェル「ん・・・」
デスシスタールシフェルは木の上で起きた。疲れていたので寝てたのだ。
ルシフェル「あの夢だわ・・・嫌な思い出・・・けどあれで世界を踏みにじる真の悪がわかったのだから・・・」
アデンでの出来事以来彼女は「弱者と言う悪」を根絶やしにすべく、どこかの山にこもって修行を重ね、剣術と魔術を得て、さらに自分で武器を製作し、正義のための戦いと称した惨殺を行い始めた。それが今のデスシスターガンダムルシフェルである
ルシフェル「明日も・・・頑張らないと・・・」
そういって再びルシフェルは眠りに付いた・・・明日の戦いに備えて。

続く




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