ワイヴ平原補給基地からの連絡が途絶えた為、調査に向かったスカーレットキュベレイと騎士ヴィッシュの二人が見たものは壊滅した基地とデスシスターガンダムルシフェルの姿だった。
ワイヴ平原補給基地
ルシフェルの周りには大量の死体が転がっている。兵士やモンスター達の死体である。腕だけになってたり首を斬られたもの、真っ二つにされたもの、何らかの攻撃を受けて黒焦げになったもの、そしてズタズタにされたものなど色々だ。しかも生首まで転がっているし、鮮血が地面を染めていた事もあってまるで地獄絵図のような光景だ。その中にたたずむルシフェルは天使なのか悪魔なのかわからない。 スカーレットC「あああああ・・・貴女は・・・」 スカーレットCが少しおびえていた。 ヴィッシュ「確か・・・シスタールシフェル!・・・」 ヴィッシュも真剣そうな表情でルシフェルを捉えていた。 ルシフェル「どうも・・・」 ルシフェルはぺこりとお辞儀をする。 ヴィッシュ「元オースター島のシスターでありながら、ジオンがこの地方を荒らしていた数ヶ月前に次々と民間人やらを数十人くらい虐殺した凶悪犯!しかもその殺害数の7割は子供!確かオースター島に封じられていたとか・・・」 ヴィッシュも彼女の事は聞いている。彼女はリグ地方では有名人みたいなものなのだ。汚名と言う嫌な意味で。 ルシフェル「あら?スカーレットキュベレイじゃない・・・お久しぶり♪」 スカーレットC「げ・・・」 ルシフェルはスカーレットに目をやると懐かしそうに挨拶した。 ヴィッシュ「スカーレットキュベレイ・・・お前、奴と知り合いだったのか?」 スカーレットC「え・・・ええ・・・まぁね・・・子供の頃にね・・・」 スカーレットは妙にビビッていた。 実はスカーレットCとルシフェルは子供の頃からの付き合いだった。家は近所で学校も同じだった。しかし2人が18歳になると道は分かれた。スカーレットは魔術に興味を抱き、魔法使いへ。ルシフェルは神に心酔してシスターへとそれぞれの人生は分かれていった。ルシフェルが殺人鬼に変貌した当時スカーレットはグレムリー軍にいたが彼女の悪行には戸惑った。かつてルシフェルはスカーレットの事が好きだった、少し病的に、だが神に心酔してからは普通の友人程度にしか思わなくなった。当時のスカーレット本人は少しうざったいと思っていたが彼女の殺戮行為は噂で聞いていた程度だが「まさかあんなことをするとは・・・」と戸惑ったのだ。 そしてルシフェルが逮捕された後、もう彼女に関わりたくないとスカーレットは心に誓った。だが奴は現れたのだ、スカーレットの目の前に。 ルシフェル「見ないうちに可愛くなったねぇ・・・」 スカーレットC「あははは・・・貴女こそ・・・」 ヴィッシュ「それはさておき、貴様どういうつもりだ?」 ルシフェル「はい?」 ヴィッシュ「ここは我々の補給基地だぞ、それを壊滅させるとは・・・何のつもりだ?」 ルシフェル「私も神様も弱いものが大嫌いなのです、だからこの基地の連中は弱いので滅ぼしてあげました」 スカーレット「うわあ・・・昔よりも性格悪い・・・」 ヴィッシュ「・・・面白い奴だな・・・だが狼藉を働いた罪は重い!」 ヴィッシュがルシフェルに襲い掛かった。ルシフェルは瞬時に剣を出す。そして鍔迫り合いに突入した。 ルシフェル「へぇ・・・やるようですね・・・けど」 ルシフェルが後ろにステップして距離を詰めた。そしてもう1本の剣を出すと既に右手に持っている剣とあわせてクロスする。すると剣の刃が光りだした。 ヴィッシュ「何!?」 スカーレットC「これは・・・もしや魔法技!」 ルシフェル「神に祝福された十字架!ブラストクロス!」 クロスしていた剣の刃からX字型の光が発射された。 ヴィッシュ「!?うお!」 ヴィッシュはそれを咄嗟にかわした。そしてX字型の光はそのまま基地の壁に直撃した。ばーん!直撃を受けた壁にはX字型の穴が開いていて、煙まで上がっている。これは破壊光線だ。 ヴィッシュ「な・・・なんと言う奴だ・・・噂どおりの強さだ・・・面白い!」 スカーレットC「ヴィッシュ殿!とりあえず私も加勢しまーす!」 ヴィッシュ「そうかい!知り合いだからか?」 スカーレットC「この子には関わりたくなかったけど・・・」 だがルシフェルは突然後ろを振り向いた。 ルシフェル「はぁ・・・さてさて・・・行きますか」 ヴィッシュ&スカーレットC「!?」 ルシフェル「それでは・・・」 ヴィッシュ「ちょっと待て!どういうつもりだ!?俺達を見逃すのか!?」 ルシフェル「貴方は強者です。私のブラストクロスをかわすとは・・・なかなかやりますね、と言う事で、強者である貴方は生かしておきます」 スカーレットC「きょ・・・強者って・・・」 ルシフェル「神もその神に使える私も強者が好きなのです、強者は生かすべき存在、この世の支配者なのです、世の中は力が全てですから、スカーレット・・・あなたは友人なのでオマケで見逃しておきます」 スカーレットC「オマケって・・・!」 ルシフェル「それじゃあ、神に栄光あれ」 そのままルシフェルは飛び去ってしまった。 ヴィッシュ「一体なんだと言うのだ・・・」 スカーレットC「あの子は・・・なんだかかつて以上におかしくなってる・・・」 2人はルシフェルが飛び去った空を少しだけ見つめていた。
続く
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