ガイア王国ガイア城内
プリムス砦攻略から2日後、数ヶ月ぶりにガイアに帰還した剣士サードセイバーは既にグレーブス王との謁見もすんで現在通路を歩いている。城の皆に戻ってきたので挨拶しているのだ。それも殆どすんだ。 サード「ふう・・・ちょっと疲れるのです」 城には色々と人が多い、衛兵とか色々と。 サード「まぁ仕方ないです」 そんなサードの目の前に少女が写った。この前のプリムス砦攻略で共に戦ったリーナスだ。 リーナス「あ、サード」 サード「リーちゃんでは無いですか」 リーナス「リーちゃんって・・・と言うか貴方、こんな所で何してるの?」 サード「城の皆様に挨拶、帰還したもので」 リーナス「そうなんだ」 サード「そして貴公は何を?」 リーナス「私?これからGセイバーと一緒に演習場に行くけど、鍛錬よ、鍛錬」 サード「熱心ですね、それならサードとお手合わせ行きましょうか」 リーナス「・・・それもいいかも」 サード「行きますか」 リーナス「まずはGセイバーの所に行きましょ、城の門で待ち合わせてるから」 そうして2人は外へ向かった。
城の門
門の近くではGセイバーが待っていた。 Gセイバー「リーナスの奴まだかな・・・そろそろ予定時刻だ」 そこに戦士ジムストライカーがやってくる。 ジムストライカー「お!Gセイバーじゃん、何やってんだ?」 Gセイバー「ストライカーか、見ての通りリーナスを待ってんの」 ジムストライカー「デートか?」 Gセイバー「茶化すなよ、演習場に向かうの、アイツの鍛錬だよ」 ジムストライカー「そうですかい、俺は門番だ」 Gセイバー「そうか・・・お、予定通りだな」 リーナスが城の方から来た。サードも一緒にいるようだ。 リーナス「予定通りの時刻?」 Gセイバー「ああ、てかサード・・・お前も一緒に?」 サード「まぁね、お手合わせしたいので」 Gセイバー「別に良いぞ、お前の腕がどれほど上がったかこの前の戦いで知ったが・・・まぁ詳しく知りたいしな、腕の上がりようを」 サード「ありがとうございます」 リーナス「それじゃ、行くわよ」 そして3人は演習場へ向かった。
ビンソン湾オースター島教会
ここはガイア本土、つまりリグ地方に面している海・ビンソン湾に浮かぶ島オースター島。ここはジオン族の攻撃に会う事は無かった。だがこの島の地下にはとんでもない犯罪者が幽閉・監禁されていた。ここはそんな島の砂浜近くに建つ教会。ここに神父が一人いた。名はイーワックネロ。 神父イーワックネロ「ふむ・・・ジオン族が復活した・・・だがこの島に攻めて来るかも知れない」 イーワックネロは心配そうに呟いた。ジオン族が最近リグ地方で暴れていることに憂いているのだ。 神父イーワックネロ「無差別に人を殺めるなど・・・神への冒涜を覚悟の身なのですか・・・彼らは」 そこに教会の扉が乱暴に開いた。 ?「神への冒涜は貴方もそうだと思いますよ?・・・神父様♪」 女性の声だ。その声の主はMS族だ。しかもガンダム族である。漆黒でボロボロな体に背中に天使の羽のようなものが4枚あるが、その羽もまた黒くボロボロになっている。胸には十字架のアクセサリーをつけているが中心の宝石は目玉に見える。 ?「弱者に救済?・・・ふざけてるにもほどがありますね・・・お久しぶりですね・・・神父様♪」 イーワックネロはそのガンダム族を見て腰が抜けそうになるほど驚いたのだ。 神父イーワックネロ「!?貴女は・・・デスシスターガンダムルシフェル!?・・・そんな!何故!?貴女は・・・この島の洞窟に投獄されたのでは!?」 ルシフェルと呼ばれたそのガンダムは不気味な笑みをしながら答えた。その笑顔はまるで狂人のような感じだ。 デスシスタールシフェル「ふふ・・・少し苦労しましたがあの束縛は自力で解除しました、大体あんなもので私を束縛するなど言語道断です、私は・・・正義の味方なのですから・・・♪」 神父イーワックネロ「な・・・何が正義なのですか!神に仕える身でありながら・・・シスターでありながら、罪の無い人々を何十人も殺して!それも・・・その7割は子供ではないですか!」 デスシスタールシフェル「はあ?・・・くくくく・・・あははは・・・・」 ルシフェルは突然笑い出した。まるで狂ったように。 神父イーワックネロ「な・・・何がおかしいのですか!?」 ルシフェル「おかしいのは神父様のほうですよ♪罪も無い?子供ですって?・・・違います!力無き弱者は皆、悪、外道なのです・・・あははははは!!」 ルシフェルの笑い声が教会に響く。 神父イーワックネロ「・・・やはり・・・あいも変わらず貴女は狂っている!もはやシスターにあらず!」 そういってイーワックネロは教会のステンドグラスの下にあった剣を取り出し、ルシフェルに立ち向かう。 イーワックネロ「この剣を取るのは10年ぶりかもしれない、人を殺めるのは神に背く事。だが今は外道に墜ちた貴女は滅ぼさねばならない!」 彼はかつてはどこかの国に属する剣士だったが他者を殺める事に嫌気が差して、戦う事を捨ててこのオースター島に流れ着き、神父に身をやつした。だがいずれは教会が襲われる事を考慮し、剣を隠していた。 イーワックネロの攻撃はあっさりとかわされた。ルシフェルは羽で飛んだのだ。 ルシフェル「そんな剣で私を斬るなど・・・無駄、くだらない・・・そして薄汚い・・・神父様、貴方こそがまさに外道!・・・」 そしてルシフェルは弓矢を取り出した。 ルシフェル「正義の鉄槌をくらいなさい・・・フラッシュアロー!」 矢は無数の光弾となって、次々とイーワックネロに直撃した。 イーワックネロ「ぐああああああ!!!」 もはやイーワックネロはズタズタになっており、虫の息であった。 イーワックネロ「・・・こ・・・この・・・外道・・・!」 そういいながらイーワックネロは死んだ。それ垣間見ながらルシフェルは邪悪な笑みを浮かべた。 ルシフェル「うふふふふふ・・・どうやらまた争いごとが起こってるようですね、けれど神父もどきのイーワックネロさん・・・それらは私が終わらせてあげましょう、全ての弱者を根絶やしにして強者だけの強者による真の美しい平和を築いてね・・・」 そしてルシフェルは去っていった。後に残ったのは血の海と死体と化したイーワックネロだけであった。
続く
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