ファンダメンタリズムは、20世紀初頭のアメリカ合衆国のプロテスタント共同体の中の運動で確認された信仰の支持者が、社会的福音、自由主義神学と区別するために「ファンダメンタリズム」と記述したのが最初で、その後の「ファンダメンタリズム - 近代主義」の論争の源ともなった[4][5][6]。
この語はその後に転用されて一般化し、批判に直面している色々な信仰や信念に固執する傾向を意味する語として使用されているが、宗教的な意味合いも持ち続けている。冷戦終了以降にムスリム系組織を名乗る勢力によるテロリズムなどを欧米系マスコミ等が「イスラム・ファンダメンタリズム(イスラム原理主義)」と広く呼んだため、以後は「キリスト(教)原理主義」、「ヒンドゥー(教)原理主義」などの表現が増加した。また宗教以外の分野でも「市場原理主義」などが広く使われるようになった。原理主義や原理主義者という語は一般に、他者を侮蔑する場合などの悪口やレッテル貼りとしても使われている[7][8]。対義語は「世俗主義」や「現実主義」などである。
和訳語の歴史 [編集]日本では、プロテスタントの一潮流を指すファンダメンタリズムは、1920年代に宗教学分野において植村正久により「根本主義」との和訳が使われていた。根本主義が神学用語であったのに対し、政治用語として「原理主義」の用語が1920年代に宗教以外の意味でも使用されていた[9]。
上述のように「原理主義」(ファンダメンタリズム)は、本来は「根本(基本)に還る」との意味であり、必ずしも狂信的や急進主義や過激派などの意味は持っていない