毎日新聞より
<皇室>天皇陛下78歳に
東日本大震災の被災者に心配る
毎日新聞 12月23日(金)5時0分配信
天皇陛下は23日、78歳の誕生日を迎えた。今年は11月に気管支肺炎のために入院したことから、負担軽減のため記者会見は行われず、08、09両年と同様にこの1年の感想を文書で示した。東日本大震災に関する記述に多くを割き、「災害に明け暮れた心の重い年でした」と振り返り、「住環境が十分でない所に住む被災者、殊に高齢者の健康が心配です。寒い冬を皆が少しでも健康に過ごすことができるよう願っています」と案じた。
皇陛下は、2月の心臓検査で「ある程度の動脈硬化」が確認されたが、公務は例年同様に続け、震災発生直後には異例のビデオメッセージを公表。3月から5月にかけ、避難所や被災地を7週連続で見舞った。
文書では冒頭、多くの人が健康状態を気遣ってくれたことへの感謝を示し、現在の体調は11月の発病前と変わらないと説明。被災地訪問に関し「強い連帯感を持ち、互いに助け合って困難を乗り越えようとしていることが感じられ、非常に心強く思いました」と記し、救援活動関係者への感謝の念もつづった。
また、大東亜戦争開戦70年に当たることにもふれ、「日本がたどった歴史を繰り返し学び、平和に思いを致すことは極めて重要なこと」と記した。【真鍋光之、川崎桂吾】