[8510] 菖友会研修会
投稿者:naka
投稿日:2012年10月19日 (金) 06時00分
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今夜の研修会は B64−3号「胡茄曲 王昌齢」です。担当は池田菖黎先生。
胡茄曲 <>王昌齢<> 城南虜已合 城南 虜(りょ) 已に合し 一夜幾重圍 一夜 幾重にか囲む 自有金笳引 自ずから金かの引(いん)有り 能令出塞飛 能く出塞をして飛ばしむ 聴臨關月苦 聴は関月に臨んで苦(さ)え 清入海風微 清は海風に入りて微かなり 三奏高楼暁 三奏す 高楼の暁 胡人掩涙歸 胡人涙を掩うて帰る
北方から押し寄せる胡人の軍勢、既に要塞の南方まで集結している。 晋陽で優勢な敵軍の包囲をうけ、寵城も力尽きようとした、 明るい月の夜、楼上にのぼって胡茄を吹いた。 その哀切なしらべに、包囲していた異民族の兵士はみな嘆声をあげたが、 真夜中にふたたび吹くと、敵軍は望郷の思いをそそられて、涙を流しはじめ、 彼が暁に三たび楼上から胡茄を吹いたときには、敵の大軍は包囲を解いて引きあげたという。 いかにも王昌齢らしい詩です。「従軍行」を思い出します。 辺境の地に異民族の大軍と苦戦する晋の将軍、劉現の故事をうたった詩だという。 (胡茄は西北方の異民族の楽器、芦笛とも木管)
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