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[8583] 愛読の天声人語誌の銘文 投稿者:naka 投稿日:2012年12月06日 (木) 12時04分
 
 nakaが愛読している朝日新聞一面の天声人語誌に掲載された中村勘三郎さんの記事があった。
本当に惜しい人を喪ったと思いながらこの記事を読んでいると、nakaの知らなかったことを多く知ることができた。
天声人語誌のおっしゃる通りにnakaも共感している。その記事を掲載してみます。
  【天声人語誌12月6日号】同世代の死はこたえるが、きのうは心底もったいないと沈んだ。
歌舞伎の開拓者にして当代きってのエンターテイナー、中村勘三郎さんはまだ57歳。満席の客を残し、早すぎる幕である。
▼「あんた、渋谷で歌舞伎なんて都落ちだよ」。若者の街でコクーン歌舞伎を始めると、祖母に泣かれたそうだ。
野田秀樹さんら、現代劇の異才とも組んだ。そして平成中村座。観衆を楽しませ、ファンの裾野を広げる熱と技は人一倍だった
▼地方公演の楽屋で、女形の化粧を落としていると「拍手が鳴りやまない」という。
コールドクリームまみれで舞台に戻ったサービス精神は語り草だ。おちゃめな人柄そのままに、時事のアドリブも交えた自在の芸である
▼あるフラワーデザイナーが、「藤娘」の踊りには造花より生花がいいと持ちかける。
勘三郎さんは「女形そのものが造花ですから」と拒んだ。攻めて崩すのみならず、守るべきものを知る人でもあった。
▼初舞台から40代まで名乗った勘九郎は長男に譲った。
孫を加えた三代での共演を夢見て、来春の歌舞伎座こけら落としを心待ちにしていたという。
十八代目の襲名にあたり「勘と嗅覚(きゅうかく)、あとは運」と語っていたが、最後の一つがままならなかった。
▼この日の東京は朝から日本晴れ。
勘三郎さんが完成を待ちわびたその小屋も、同じ思いで中村屋の復帰を念じていたに違いない。
仕上げに入った唐破風(からはふ)の屋根が、青藤(あおふじ)色の工事用シートから透ける。
人目をはばかり、泣いているように見えた。 以上。

 そうそう、「おちゃめな人柄そのまま」の勘九郎坊やでした、もったいない。
天才と努力家と、秀才と、全部合わせ持ったすごい偉人でした。
「偉大な芸術家を失った」とnakaは朝の来ない夕暮れ時のように悔やんでいます。




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