[78] 大佐FB中・Sクン独白 |
- 無名 - 2007年07月17日 (火) 21時34分
ごめんなさい
もう ほしい なんて おもわ ないから
てを だ したりしな いから
ごめん な さい
ひとりで あなた に かか わ らない で
じぶんで ちゃんと
にどと のぞんだ りしない から
だから ゆ るし て
切れ切れに漏れる言葉に、俺は彼を縛る鎖を見た気がした。 自らを戒めるその手をそっと撫でて、すべてを拒むかのように強張る体を抱きしめる。 懺悔の言葉を零し続ける唇からは、錆び臭い血の味が伝わった。 記憶に残る懐かしい人の声を真似て、その耳元へ唇を寄せて彼の名を呼んでやる。 弾かれたように顔を上げ、涙に濡れた金色の目が真っ直ぐに俺を見詰める。 そして彼は、その瞳に俺ではない誰かの姿を映して、 その唇にほんの少しの微笑を浮かべて、意識を失った。
力を失った体をベッドに横たえ、その両手を紐で戒める。これ以上自らの肉体を傷つけてしまわないように、せめて夢の中だけでも安らかでいられるようにと願いながら、俺は彼が眠る部屋を後にした。
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