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- NANASI - 2007年11月28日 (水) 23時21分
「許可を出すからには確実に計画を遂行して貰わなくては困るんだよ、 目的が目的なだけに、許可を出す私にもリスクが大きいものでね。 君にそこまでの意思があれば良いのだかね」 豪華な執務室の椅子の上で、政府の高官である中年の男は 机の向こう側に立つ特務機関の大佐との密談を続けていた。 部屋の中には彼等二人しかおらず、 高官の秘書も 特務大佐・ムスカの部下も部屋の外に控えさせている。 「もちろん、ご心配無く」 「口先だけでは困るな。しかしここで君の意思を行動で見せてくれれば、 今すぐにでもラピュタ探索を正式に認める書類を軍に送っても良いと思っている。 どうかね?」 高官のねっとりと絡みつくような目付きに、ムスカは相手が何を求めているのかを悟った。 だが、そんなにおぞましい事が有り得るのだろうか? 「仰る意味が分かりかねますが」 「そんな筈は無かろう。どうかねムスカ君、ここで君の意思を見せてくれるか、 それともこの件は無かった事にして**(確認後掲載)で帰るかね?」 もはや選択の余地は無かった。この高官は、自分の要求を呑むか さもなくばラピュタ探索計画は破棄し、今後も省みられる事はないと言っているのだ。 これでもムスカは、軍でも前例の無い若年齢で大佐という地位に就き 多くの権限を手にしてはいた。それでも最終的には更なる権力者からの圧力には屈せざるを得
ない現実を今、思い知らされている。 ここで高官の言葉に頷けば、ラピュタへの道が開ける。 しかしそれと同時にこれまで守り続けてきた自尊心はボロボロに壊されるのだ。 「どうする、ムスカ君?」 ――必ずラピュタに辿り着いてみせる――そのためなら。 ムスカは、相手に促されるままに高官の座る椅子の傍へと進み出た。
「私もそう暇ではないんだ、無理ならすぐに辞めて結構だよ」 高官が自分の向かっている机の下に向かって声をかける。 その場所――高官の両足の間には、若くして特務の大佐にまで成り上がった男が膝を付いて 床にじっと視線を落としていたが、高官の言葉に顔を上げると 後ろに縛られて自由の利かない両手の替わりに、 高官のズボンの合わせに沿って首を傾けるとその布端をしっかりと咥え釦穴を広げる。 しかし布と一緒に釦自体も引っ張られ上手く外れない。 今度は首の向きを変え、鼻と上唇を合わせ目の奥に差し込む形で布を咥えると 舌で釦を押さえ込み ようやく一つを外す事に成功した。 布越しとはいえ、顔に当たる感触に堪らない嫌悪感を感じつつも 二つ目の釦を外すための「作業」に取り掛かる。
(ラピュタだか何だか知らないが、随分入れ込んでいることだ) この特務大佐が、人一倍プライドも高く神経質な性質である事は これまでのやり取りで十分すぎるほど伝わってきた。 それが今、どうやら本人にとって重大らしい目的のためとはいえ 男の局部に顔を摺り寄せて
いるのだ。 さぞや屈辱的だろう、と その顔を見下ろしていると、 眼鏡の隙間からこちらを覗く瞳と目が合った。 これまで色の付いたレンズ越しでは気が付かなかったが、見事な金色の瞳だ。 それが、このような行為の最中だというのに 強い意志を持って見据えてきている。 どれだけ気丈な男なのか。感心すると同時に、それを崩してやればどれだけ愉快なことか。 見れば困難であったろう釦は全て外されており、その続きへ入る前に 一瞬こちらに目をやった瞬間を捉えてしまったらしい。 「続きはどうしたね?」 そしてこの先の行為には邪魔になるであろう眼鏡を外してやると、それを机の上に置き 改めて相手の顔を眺める。 意外にも幼い顔だ、と思った。元々30そこそこ、随分と若い大佐だと思ったものだが この状態では尚更だ。 こんな幼い顔をして、男の股間に顔を這わせている相手が あの小生意気な特務の若造なのだ
と思うと不思議な興奮を覚える。 そしてその興奮は、足元の相手にもそのまま伝わったようだった。 再び局部に近づけた顔を一瞬びくりと避かせ、また金色の瞳で強く睨む。 ――もっと反抗すれば良い。それだけ壊す楽しみが増えるのだから。
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