equation総合けいじばん
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御絵描き刑事VANで書いたのですが。
小説? のようなものです。 途中、夕ご飯を食べたりしてたら、よくわからなくなってしまい、消しました。 でもけっこう長い文章だったので、少しもったいなくなって、こちらに一時保管しときます。 コメントを削除 コメントを編集 歌帖楓月 2006/8/9 (Wed.) 17:23:01 断片 ゆいちゃんはこの世界に絶望なんてしてませんでした。 でも、 おかあさんの絶望に付き合うのは、 もううんざりだったのです。 だから、 おかあさんの絶望のもとを ざっくり切り捨てることにしました。 「それでおとうさんを刺し殺しちゃったの?」 「うん。おとうさんは嫌いじゃないけど、おかあさんがずーっとずーっと、お父さんの悪口言い続けるの。そうしてるうちに、わたしもおとうさんのことゆるせなくなったの。心の中ではおかあさんがいなければそれでうまくいくのかも、ってわかってるんだけど、」 でもね、と、ゆいちゃんは、少しだけにっこりしました。 「でもね、おかあさんがいなくなったら、ご飯が食べられなくなるの。洗濯してもらえなくなるの。外から帰った私の話を聞いてくれる人が誰もいなくなるの。おとうさんは嫌いじゃないかもしれないけど。それをしてくれないの。めいれいばっかりしてうるさいの。」 コメントを削除 コメントを編集 Re:むらさきとくろの童話。 歌帖楓月 2006/8/9 (Wed.) 17:34:29 おかあさんはむらさき色がきらい。 おかあさんは色っぽい女の人がだいきらい。 おかあさんはしなだれかかる女の人がだいっきらい。 おかあさんはぐちっぽい人がだいきらい。 おかあさんは病気で気弱な人がだいきらい。 おかあさんは心の弱い人がだいっきたい。 だったの。 でも、私が思うおかあさんの色は、どう思ってもむらさきいろなの。 おかあさん。 おかあさんはそういっていたけど。 簡単な病気にかかったときに、じぶんが世界で一番弱い人みたいな言い方してたね。 もう自殺したくなったっていってたね。 おかあさん。 おかあさんはかんごふさんなのに、 ガン患者さんが病気のことについて詳しく相談したかったときに、 無視してたね。 そしてわたしにいったね。 「ガン患者なんて湿っぽくて嫌い」 わたしはひどいと思ってたよ。でもひどいっていったら、わたしのことを「あんたはわたしの仕事の大変さがわからない悪い子なのよ」って責めるでしょ?だから黙ってたの。 心の弱い人のための相談所が開設されるって、町の放送であったときに、 おかあさん、こう言ってたね。 「こんなものに頼る人間の気が知れない。年がら年中暇を持て余して怠けてるから、変なこと考え始めるのよ」 わたしは、かんごふさんなのに弱い人のことをどうしてそんなに悪く言うんだろうって、怖かったよ。 でも、そう言ったら「あんたもヒマだからそんな馬鹿げたこというのよ。頭がおかしいのねアンタも」って言われるから、黙ってたんだよ。 おかあさんは、今、とても簡単な病気で、でも苦しくて起き上がれなくって、退職して自由時間がいっぱいいっぱいいっぱいあって。私が外に遊びに出かけようとすると、必ずこういうの。 「……わたし、うつ病かもしれない。心療内科にいってみたいな」 おかあさん。 うつびょうのひとはそんな感じじゃないんだよ? おかあさん。 おかあさんは、私が、実はうつびょうで、でも人が怖くて怖くて、心の弱い人を罵るお母さんにそのことを知られるのが怖くて怖くて、そうして大人になって、今ここにいること、 しらないでしょ? おかあさんのはうつびょうじゃないよ。 おかあさんはひどいね。 自分ではあんなにいってたのに、 少しの病気であのひとたちとおなじこといいはじめるんだもの。 ねえおかあさん。 おかあさんが癌になったら、どうするんだろう。おかあさんは。 わたしはね、 あのときのがん患者さんのかわいそうな顔が忘れられないんだよ? コメントを削除 コメントを編集 Re:むらさきとくろの童話。 歌帖楓月 2006/8/9 (Wed.) 17:40:31 おかあさんはね、わたしをおかあさんと同じ棺おけにひっぱりこむつもりなの。 だってね。 私が一人立ちしようとすると、 かならずその簡単な病気の発作を起こすんだよ。 おかあさん。 おかあさんは、若い時間を好きなように過ごしたんでしょ? おかあさんは、若いときのお給料を、お洋服代とお靴代に使い果たしたんでしょ? どうしてわたしには、 おかあさんの年代の人と同じ服をきせようとするの? どうしてわたしには、 一番貧乏なかっこうをさせようとするの? わたしが買ってきた服を褒めて、そのあと、「みっともない」って吐き捨てるのは、どうして? おかあさん。 コメントを削除 コメントを編集 Re:むらさきとくろの童話。 歌帖楓月 2006/8/9 (Wed.) 17:43:52 わたしが若いころは辛抱に辛抱を重ねて生きてきた。 あんたたちみたいな贅沢な子たちは、今、日本が戦争を起こしたら真っ先に死んでしまうのよ。おかあさんたちはいつまでも生きていけるけどね? って、小さい私達に、おかあさんはニヤニヤ笑いながらそう言ったの。 おかあさん。 大人になってから聞いたよ? 戦時中、みんながひもじい思いをしてる中で、お母さんの家族は、きれいな混ぜご飯を食べたり、砂糖でできたお菓子をたべたり、チョコレートを食べたりしてきたってこと。 おかあさんは好き嫌いが多い。 お母さんは車に酔いやすい。 お母さんはすぐ疲れる。 わたしはそんなことないよ? お母さんのほうが、今の子供みたいだよ? コメントを削除 コメントを編集 Re:むらさきとくろの童話。 歌帖楓月 2006/8/9 (Wed.) 17:45:26 「でも、ゆいちゃんは、お父さんを刺しちゃったんだね」 コメントを削除 コメントを編集 Re:むらさきとくろの童話。 歌帖楓月 2006/8/9 (Wed.) 17:50:30 おとうさんは命令ばっかりしてうるさいの。 おとうさんは、いつもお酒を飲んでよっぱらってるの。 おとうさんは、酔っ払って暴れることがあるの。 おとうさんは、酔っ払って、包丁を持って私を追い掛け回したことがあるの。 でも、 おとうさんは年上の人をとても大切にするの。 おとうさんは、ごはんをとてもきれいにたべるの。 おとうさんは、お母さんの両親もとても大切にするの。 おとうさんは、人がいいの。 「でも、ゆいちゃんは、お父さんを刺しちゃったんだね」 コメントを削除 コメントを編集 Re:むらさきとくろの童話。 歌帖楓月 2006/8/9 (Wed.) 17:52:54 だってうるさいんだよ? おかあさんはまいにちまいにちお父さんのわるくちばっかりいってるの。 おかあさんのおかあさんも、病気でうちに世話になってるのに、お父さんの悪口言うの。 おとうさんは、のん気に生活してて、家に帰ってくると私にあれこれ命令するの。 わたし、もう、うるさいの、嫌になったの。 お父さんがいなくなれば、静かになるとおもったの。 おかあさんがおとうさんを悪く言うのが、 許せなかったの。 だからおとうさんを刺したの。 コメントを削除 コメントを編集 Re:むらさきとくろの童話。 歌帖楓月 2006/8/9 (Wed.) 17:53:59 おとうさんのことは嫌いじゃないの。 おかあさんがおとうさんのこと好きだったら、 わたしはおとうさんを刺したくなかったの。 もう、うるさいのは、嫌。 コメントを削除 コメントを編集 Re:むらさきとくろの童話。 歌帖楓月 2006/8/9 (Wed.) 17:56:40 おかあさんもおばあちゃんも、おとうさんに世話になってるくせに、悪口ばっかり言ってるの。じぶんたちがいちばんかわいそう、って顔をしているの。 おかあさんもおばあちゃんも、ぜいたくにそだてられたワガママなお嬢様なの。 お父さんは小さい頃に大きな病気をして死にかけたりしてるの。 ほんとはお父さん、かわいそうなの。 ……おかあさんとけっこんしないで、別のふつうの女の人とけっこんしてたら、おとうさん、しあわせだったのにね。 コメントを削除 コメントを編集 Re:むらさきとくろの童話。 歌帖楓月 2006/8/9 (Wed.) 17:57:16 ごめんねおとうさん。 コメントを削除 コメントを編集 Re:むらさきとくろの童話。 歌帖楓月 2006/8/9 (Wed.) 17:58:03 でも包丁で追いかけたウラミは忘れてないよ コメントを削除 コメントを編集 Re:むらさきとくろの童話。 歌帖楓月 2006/8/9 (Wed.) 17:59:53 おかあさんは黒が好き。 派手好きだったお母さんは、最近地味になった。 目がちらちらするから、着たくないみたい。 なんでもかんでも、黒なの。 コメントを削除 コメントを編集 Re:むらさきとくろの童話。 歌帖楓月 2006/8/9 (Wed.) 18:06:38 だから、おそうしきのときは、うれしいよね、おかあさん。 だってすきないろだものね。 コメントを削除 コメントを編集 Re:むらさきとくろの童話。 歌帖楓月 2006/8/9 (Wed.) 18:10:15 ああそうか。 おとうさんが飲んで暴れることがあったのは。 おかあさんがおとうさんを心の中でバカにしてることにがまんできなくなったからだ。 おとうさんはよく、おかあさんのことを「このバカ」「ブタ」「できそこない」って言ってたのは、 おかあさんが心の中でおとうさんのことを同じように考えてたからだ。 おとうさんのお父さんもお母さんも兄弟も、いいひとばっかりなの。 おかあさんのお父さんもお母さんも兄弟も親戚も、他人を見下す人たちばっかりなの。 おかあさんが、きっと最初に、おとうさんのことを見下したんだ。 コメントを削除 コメントを編集 Re:むらさきとくろの童話。 歌帖楓月 2006/8/9 (Wed.) 23:57:27 ……間を開けると、何を書きたかったかわからなくなった、そんな夜のひととき……。 ごーん 2006/08/10(Thu) 01:11[83]
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