カウンター 太極療法の太極の効能を知るに絶好の症例 - 談論サロン天珠道

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[2012] 太極療法の太極の効能を知るに絶好の症例
愚按亭主 - 2016年03月23日 (水) 14時01分

 昨夜≪名医のセカンドオピニオン≫という番組を見ましたが、思わぬ大収穫がありました。その収穫とは、太極療法の太極の構造についての理解が大きく前進したことです。そういうとても興味深い症例が題材として取り上げられていて、偶然とはいえおおいに触発されました。

 その症状が紹介されている場面を見て、私は、即座にこれは交感神経の問題だと直感しました。しかし、それにしては症状が重すぎるなという若干の疑問がありましたが、それがじつは重大な意味を持っていることに後で気づくことになりました。そして、現代医療は、これに対して夏風邪でしょうと診断して解熱剤と抗生剤を処方しますが全く効きません。いろいろ検査しても異常が見つからず、お手上げのようでした。そこで名医が登場して見事解決して、番組としては、めでたしめでたし終わりました。

 ですが、症状が治まればよいというものではありません。何故そうなったのか、そうならないような体にするためにはどうしたらよいかがないまま、ステロイド剤で炎症を抑えて終わりというところに、現代医学の性格である治已病の限界が見えた感じです。これがこれが治未病療法としての太極療法との対比としてとても興味深かかったで、さっそく詳しく見ていくことにしましょう。

 その名医は、どこに行っても原因が分からず、病名の診断がつかなかった二つの症例を最終的に〈自己炎症疾患・家族性地中海熱〉〈前皮神経絞扼症候群〉と診断しました。この二つの症例は、普通の病院では診断がつかず、総合診療科の鈴木先生という名医によってようやくその診断がついて症状が改善されたのですが、しかし、その真の正体についてはさすがの鈴木先生にも分からなかったようです。ですから、症状が抑えられただけで体が根本的に改善されたのではないので、再発する可能性は否めません。

 まず〈自己炎症疾患・家族性地中海熱〉からみていきましょう。この例の症状は、午後一時頃という決まった時間に、異常な寒気が起きて38度程度の熱が出て両上腕と両太ももの締め付けられるような強い痛みと若干の腹痛とが生じ、いったん収まった後、夜中の12時過ぎの寝ているときに再び39度以上の発熱と全身に針で刺されたような痛みが起きるということが発病期間中判で押したように定型的に出現し、不思議なことに翌朝には熱も平熱に戻り、痛みも治まって仕事に行ける状態になるという日が一定期間続くと、その後は症状がピタッと治まって普通に戻って平穏な生活が続くが、またしばらくすると再発するということが一年以上周期的に繰り返されるという状態が、名医に巡り合うまで続いていたようです。そして、これに対する名医の処方は〈コルヒチン〉という副腎のホルモン剤つまりステロイドで炎症を抑えて症状が出なくなるようにしたわけです。

 この症状的な事実を、学問的な医学・治未病療法の立場から読み解くと、この症状は、何らかの過程を経て〈交感神経ー副腎系〉が弱って、とりわけ副腎が弱ってしまったことを受けて、交感神経が自発的に自浄作用を発動したために生じたものであると解くことができます。

 ここでいう〈交感神経ー副腎系〉というのは高名な生理学者のキャノンが提唱した概念で彼の言葉を引用しますと

「このような危急の状態のいずれの場合にも、交感神経―副腎系の働きは内部環境の恒常性を維持し、からだの安全を図るものである。筋肉を働かせているあいだ、血流を変え、その速度を速めて、酸素圧は一様に維持され、酸―アルカリの均衡も一定に保たれる。また、大量の熱が失われれば、多量の熱を生み出すように代謝速度は上がる。
 血液中の酸濃度が下がったり、とくに必要が生じたときには、肝臓から糖が放出される。出血のあと、循環している血液の運搬効果が悪くなりそうになれば、血管系の容積は、減少した血液量に適応する。一口にいえば、これらの例から示されるように、内部環境がかき乱されそうになると、ただちに交感神経―副腎系が自動的に働いて、生きている組織に対し正常な内部環境を維持するために必要な調整を行う。
 交感神経―副腎系が果たす役割の驚くべき特徴は、これまで記してきたようないろいろな障害に対して幅広く適用できることである。さきに述べたように、一般にこの系は一つの単位として作用する。このように統一された作用が、低血糖、低血圧、低体温などのようにさまざまの状況で利用できるのは、実際、ひじょうに驚くべきことである。」(W・Bキャノン著「からだの知恵」舘隣、舘澄江訳、講談社学術文庫)

 つまり、〈交感神経ー副腎系)とは、いのちを守ること全般を統括するものなのです。その構造として、まず挙げるべきは外界との境界面および全般における危機管理・防衛の統括です。具体的には皮膚や粘膜の統括、免疫システムの統括およびステロイド系ホルモンによる炎症の統括などです。次にあげるべきは、体内環境の恒常性の維持です。具体的には、血管・リンパ管などの輸送網の統括および血液の中身の統括、環境の維持のための内臓の統括およびスジのネットワークの統括です。最後に個々の細胞の活性のレベルの統括です。具体的には闘争時の個々の細胞の活性を高めて酸素の取り込みを促進する統括や、寒冷時に末端の細胞の活性を落として寒冷の影響が中央部へ及ばないようにする統括などです。


 私がこの症状を〈交感神経ー副腎系〉の弱まりだと判断した根拠は、一定の時間に高熱が出るというあり方が、通常の交感神経の自浄作用としての風邪のあり方と違っていてとても特徴的であることです。つまり、部分的でありながら高熱を発するという点です。これはつまり、修復の対象が副腎に限定されたもので、通常の風邪のように交感神経全体を対象としたものではないからだと思います。もう一点は、副腎皮質ホルモンの投与で症状が治まったことです。しかし、これには問題があります。このおさまったという意味が、炎症が治まったという意味なのか、副腎が本来出すべきものが出ていなかったためにそれを何とかしようとして発症していたのが、外からの投与によって一応満たされたために治そうとする症状が出なくなったという意味なのか、という問題です。検査の結果は若干の炎症反応はあったようです。これは右の副鼻腔の蓄膿のせいのようで、大したことはなく、そのために高熱が出るということは考えにくく、コルヒチンがその炎症を抑えるように働いた結果として発熱などの症状が出なくなったのではないと思われます。やはり、副腎が本来出すべきものが出ていなかったための発熱だと考えた方が自然です。だとすると、コルヒチンの投与はせっかくの治そうとする働きを妨害したことになります。

 そもそも、交感神経はもともとは副腎だったのですが、天変地異の激しい時代に生を受けて発展した哺乳類の段階になって、副腎の役割はホルモンによる調節では間に合わなくなって瞬時の対応が可能となる神経が増設され神経とホルモンによる二元的な統括をするようになったのですが、その神経がほかならぬ交感神経なのです。ですから副腎と交感神経は同じものであり、交感神経主導で一体的に協働しているのです。ですから副腎がおかしくなれば当然交感神経がそれを何とかしようとする働きが生じるのです。

 したがって、その観点からこの症状を見てみますと、午前中は何でもなかったのが、午後の1時ごろになると、決まって予兆的な腹痛が起きて異常な寒気がおこり、熱を測ってみると38度以上の熱で両腕・両太ももの両脇が締め付けるように痛み出すというのは、弱った副腎を何とか治そうとする交感神経が起こした現象です。予兆的な腹痛は、副腎の周りのスジが痛み出すのだと思います。そしてその副腎からのスジが背中の中央部の太極を介して腕の三焦経・心包経のスジのネットワークが引きつって痛みだし、足のほうへは太極からつながっていく胆経・肝経のスジのネットワークが引きつって締め付けるように痛みだすのだと考えられます。これらの症状は、すべて副腎の異常から来たもので、その系統の筋のネットワークの要の位置に太極があって悪くなる場合もよくなる場合も大きな影響を及ぼしていることが考えられます。

 そして夜の12時過ぎになると、今度は交感神経の本格的な自浄作用が始まります。熱も39度以上となり、全身の神経がはりっでチクチク刺されたような痛みがでてつらい状況となりますが、翌朝になると熱も痛みも消えて普通に仕事できるようになる、という繰り返して、〈交感神経ー副腎系〉の状態がある程度回復してくると、そういう症状はしばらくは出なくなるのですが、しばらくするとまた〈交感神経ー副腎系〉の状態が悪くなってぶり返すということだと思います。

 これに対して鈴木先生はコルヒチンという副腎皮質ホルモン(ステロイド)を投与して炎症を抑えて、この発症をおさえたということになっています。番組的にはさすが名医ということで万々歳ということになっているのですが、本当にこれで万々歳だろうかという疑問がどうしても残ります。これが現代医学の限界と言ってしまえばそれまでですが、現代医学は普段あまりなじみのない病名を探り当て、その治療法として認定されている薬でその症状が抑えられれば、それで完結することになります。

 しかし、本当にそれでよいのでしょうか?「家族性地中海熱」という病名が分かってその治療法が確立されていれば、その構造をそれ以上深く追求しようとしません。しかし、この症状的事実から私が導き出せる構造は、明らかに〈交感神経ー副腎系〉の機能の低下・異常です。これに対して、人工的な副腎皮質ホルモンの投与によって症状を抑えることは、〈交感神経系〉の働きを治すどころか、ますます治らないものにするものでしかありません。

 もしかしたら、過去にもこういう経過があって副腎の機能が悪くなったのかもしれません。何故なら、現代医療の薬は、〈交感神経ー副腎系〉の統括をないがしろにするものばかりだからです。〈交感神経ー副腎系〉は、免疫システムも統括しているので、このような薬の使い方が、〈交感神経ー副腎〉の免疫の統括を狂わせているケースが多くなって、昨今は自己免疫疾患が途方もなく増えているのではないかと思います。

 これに対して治未病の東洋医学的治療には、この〈交感神経ー副腎系〉の異常を、本来の状態に自分の力で戻っていけるように整える治療法があるのです。それが、太極療法です。天珠療法は、この太極療法の真髄にして副腎を治す要ともなる太極と、体表から交感神経を通じて内臓を見事に整える平田式熱鍼法と、内臓の働き陰から支える腹膜を見事に整える健康戦療法とを三位一体的に止揚・統一したものです。したがって、このような症状を治療するのに威力を発揮するものであることは、間違いないことだと思います。

 次の〈前皮神経絞扼症候群〉の例については、稿を改めて論じることにします。

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