カウンター 大東亜戦争の真実 - 談論サロン天珠道
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[3053] 大東亜戦争の真実
愚按亭主 - 2019年08月14日 (水) 17時49分

 「大東亜戦争の真実」というネットの討論番組を見ました。歴史的・事実的に大東亜戦争の真相に迫る議論は、大変勉強になりました。その鋭い精力的な議論も、今後日本はどうしたら良いかという段になると、袋小路に迷い込んだような重苦しさがありました。それだけ今の日本の現実が、もどかしい状態にあるからに他ならないと思います。焦っても仕方ありません。急がば回れ!とのこと技にもある通り、原点に立ち戻って考え直してみたいと思います。

 本物の真理とは、ただ単に事実と合っているかというだけではなく、全体とのつながりにおいても、つまり学問的に体系化されてその真理性が揺るぎないものになって、はじめて真正の真理といえると思います。もう少し具体的に云いますと、体系的真理は、世界の本質である全体性の絶対精神と、事実から導き出された部分性の相対的真理との、否定的媒介を通じた統一・統合によって、はじめて出来上がるものだということです。

 この真理の体系化、すなわち学問の体系化の道を史上初めて解き明かしたのは、ヘーゲルです。ところが自称弟子のマルクスは、その学問の体系化の道を破壊してしまいました。その結果、以後の西洋の学問の発展は、学問の冠石を失ってフラフラと歪なものになってしまいました。その学問の冠石を失って糸の切れた凧のようになった学問は、力のある邪な我欲によって、いいように悪用されることが多くなり、人類を正しい方向へと導いていくものとはなりませんでした。そのことが如実に表れたのが、科学技術を発達させた白人が、それを用いて有色人種を殺しまくり、植民地収奪や、奴隷としてこき使って富を蓄積していったというじじつです。

 一方、その学問を生み出し、発展させた西洋から遠く離れた東の最果ての地に、もう一つの学問的な潮流が芽生え、世界に類を見ない独自の発展を遂げている国がありました。言うまでもなく、その国は日本です。日本は、縄文の太古からヘーゲルの学問と似た構造の哲学的認識を持っておりました。その哲学的認識とは、対自的な全体性としての天・神・天皇・国家と、それに対するところの即自的な部分性としての自己・臣民・国民とを、見事に統一した認識を、国民の下層に到るまで皆が普遍的に持っていました。このように対自の見方ができるので、相手を思いやる心が育ち、自己よりも対自を重んじる共存共栄の精神が育まれ、それが言語にも反映されて、世界最高唯一無二の弁証法的な日本語が作られたのです。

 ヘーゲルは、絶対精神の本流の流れを継ぐ人類の歩む道を、次のように規定しました。<生命ー認識ー学問>と。つまり、人類は、絶対精神としての己自身を自覚し、学問を創り上げて己自身を絶対理念として、以後の世界創造を学問的・神的・合理的に行っていく存在である!と。

 その通りに、人類の歴史を大づかみに見ると、学問をものにした流れが本流となって、人類の歴史的発展を牽引していくことになります、大東亜戦争は、そういう観点から見てとる必要があります。すなわち、学問を真の学問にする要となるヘーゲルの学問の冠石を駆逐することに成功した、国家を否定する金融グローバリズムと共産主義グローバリズムは、全体性を否定し、対自を否定して、歪んだ学問を歪んだ目的に奉仕させて、世界を席巻していきました。それが、人種差別的植民地体制の構築であり、共産主義という人類を滅ぼす熱病の蔓延でした。

 これに対して、ヘーゲルの学問を自力で独自に実践してきた日本は、江戸期に理想的国家の実現して、ヘーゲルの国家論の学問性を実証し、武士道精神を社会の隅々にまで浸透して、ヘーゲルの対自即自の認識論をも実現していました。このような土壌があったからこそ、西洋から学問が入ってきたときに、瞬く間にそれを吸収して自分のものとし、高山先生が紹介してくれたように、北里柴三郎のように、西洋の研究首が手も足もでなかったペストの謎を、あっという間に解き明かして、香港の人々を救済できたのです。

 大東亜戦争の真実・真相は、日本の本物の学問勢力と、西洋のニセモノの学問勢力との闘いだったということです。本物の学問勢力は、圧倒的不利の中、孤軍奮闘して、敗れたりとはいえ、欧米の人種差別的植民地体制を崩壊させ、アジア・アフリカの独立の道を切り拓いて、人類の歴史を大きく前進させたのです。

 今の世界は、ニセモノの学問である共産主義グローバリズムも、金融グローバリズムのいずれもが、人類を救い導くものでないことが実証されて、行き先を求めて混迷しているのに乗じて、嘘を平気で事実であるかのように騒ぎ立てる非学問的勢力が、大きな顔をして騒ぎ立てて、世界をますます混乱させようとしています。

 以上の観点から、私が常々説いている、日本の復活のカギは、ヘーゲルの学問の復活をはかり、その学問をもって国家の再興を図るべきであると考えます。そしてそれが、人類の歩みをまともな軌道に戻す唯一の道であると信じています。

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