カウンター 交感神経および副腎誕生の過程的構造について - 談論サロン天珠道
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[2466] 交感神経および副腎誕生の過程的構造について
愚按亭主 - 2016年12月13日 (火) 12時00分

 タマゴさんの誤解をときほぐすとともに、交感神経および副腎の誕生に関する私自身の仮説について説明したいと思います。そのタマゴさんの誤解とは以下の通りです。

>>副腎と交感神経が生命の歴史において、どのように造られたかの過程的構造の究明の進展は、人類史上未だ誰も説いたことがないレベルにまで到達しております。

 これも天寿堂さんの勘違いだろうと思います。つい先日も、天寿堂さんのFacebookに
「交感神経はホルモンの働きが実体化したものなので〜」
という趣旨の記述を見掛けました。唖然としましたよ。基になっていた
「交感神経は副腎から増設された」
という幹の部分(一般論)が間違いと判明しているのですから、そこから出たこの枝の部分(各論)も破棄してゼロから考え直さなければならないのに。<

 まず、タマゴさんの誤解は
>「交感神経は副腎から増設された」という幹の部分(一般論)が間違い<
 と思い込んでしまっていることです。なぜそのように誤解してしまうのかと言えば、タマゴさんは事実的にしか考えられず、事実的に違うところがすこしでもあれば、それはもう間違いだとしていしまうことです。これは論理的に考えられない人の犯しやすい誤りです。この問題についてかつて、岡と名乗る人物と議論したことがあります。この人物はタマゴさんより少しは論理的に考えることができる手ごわい人物でしたので、その議論は今から見ても十分に見ごたえあるもので、私自身も大変勉強になりました。

 ここで語られていた問題を、タマゴさんのおかげで、魚類の時代には副腎もまだ萌芽的な形態で発展途上にあって、それが次第に交感神経化(他を創る)とともに、自らも副腎として完成していく過程がはっきりと見えてきて、まだ誰も解けていない、交感神経および副腎の誕生の過程的構造が措定できたのです。とりわけ、副腎髄質の魚類の時代の前身であるクロム神話細胞群が、まだ細胞の集まりにすぎなかったということが、まず皮膚に行って交感神経の忘我を作り、両生類の時代にヒレから足に作り替えるたまに神経化していくことを可能にしたために、仮説が完成できたと言っても過言ではありません。

 では、早速見ていくことにしましょう。少々長くなりますが、その議論をここに再掲します。


       *          *

愚按亭主 - 2009年12月03日 (木) 15時52分

 神経はホルモンの実体化したものであるという一般的なレベルでの発見は、すでに南郷学派が発見したものであることは述べておいたが、またまた、その具体的な事例としての新たな発見が「綜合看護」誌上にて述べられている。それは、何かと言えば、交感神経は副腎髄質ホルモンが進化して実体化したものである、という新説である。

 交感神経系と副腎髄質とは同じホルモン(アドレナリン・ノルアドレナリン)を分泌しその機能も同じであることは、現代医学でも常識であるが、このことを現代医学は「副腎髄質は、実質的に軸索を失った形の交感神経節後神経細胞が多数集まり、分泌細胞としてとしての形態をとったものと考えればよい。」と解釈している。

 しかし、南郷学派はこれを誤りだとしている。その正しい答は「生命の歴史」を見れば分かるというのだ。そこのところを少し長くなるが引用しよう。

「魚類の段階では専門分化したホルモンの一器官として副腎が存在し、副腎髄質ホルモンすなわちアドレナリン・ノルアドレナリンはしっかりと存在しているにもかかわらず、なぜか交感神経なるものは存在していないということです。
 これまで説いてきたように、交感神経系は、両生類段階でわずかにその原基形態をみることができ、哺乳類段階で一気に発達したものとして存在しています。この事実はいったい何を意味するというのでしょうか。
 結論からいうならば、内部環境の恒常性を維持するための統括が、魚類段階までは副腎髄質ホルモンの働きで充分であったものが、哺乳類段階になるとそれだけでは不充分となり、さらに交感神経を必要とするに至ったということです。
 では、それはなぜだったのでしょうか。端的にいえば一番の原因は運動形態の飛躍的発展です。具体的には哺乳類の、迅速な、そして複雑な、ダイナミックな運動形態は、内部環境を瞬時に、激しく変化させるものであり、激変する内部環境の恒常性を維持するためには、もはや副腎髄質ホルモンのみでは生存状態レベルには対応しきれず、交感神経の誕生を必要としたからなのでした。」


[243] サイエンスについて
岡 - 2009年12月05日 (土) 06時14分

>魚類には、副交感神経はしっかりと存在していますが、交感神経系ははっきりとは存在していない、といってよいのです。この事実は、生命体において交感神経と副交感神経は、拮抗的な働きをもつ一対のものとして誕生したという見解をくつがえす、充分な証拠といえるでしょう。

南郷学派には浅野先生という水産学の教授がいらっしゃるのですよね。浅野先生が「魚類に交感神経系が存在しない」と言ってるのですね?

東邦大学の理学部長である大島範子教授のHPを見ると魚類に交感神経系は存在するとなっています。こうした「魚類に交感神経系が有るのか無いのか」という事実レベルの事柄を明らかにするのがサイエンスであって、こういう「魚類に交感神経系が無い」などという間違いを前提として

「科学とは、事実を出発点として対象的現実の体系性に合わせて論理化・理論化・体系化され認識ですから、実験的事実がそく科学ではありません。」

と述べられても、思弁論理体系は科学ではないとしか言えないと思うのです。


[244] 貴重な情報
愚按亭主 - 2009年12月05日 (土) 09時41分
 私もそのHPを見てみましたが、確かな事実である確率が高そうですね!貴重な情報をありがとうございます。これが事実だとすれば若干の修正を余儀なくされそうですね!

 それは瀬江先生のグループが行うことですが、私の想像では、事実レベルの若干の修正はあっても、副腎髄質ホルモンが交感神経になったという大筋の論理的な修正はさほどないのではないかと思います。

 皮膚の保護色への変換は、身を衛るためのものであり、点滴に対するものですので迅速に行う必要があったので、ホルモンが交感神経的なものへと実体化したのでしょう。しかし、この段階では身体全体の調節レベルではありませんから、まだ、交感神経の萌芽といえるレベルですね。

 しかし、魚類の段階ですでにその萌芽ができていたというのは、事実的にはたしかに大きな修正になるでしょう。しかし、私的には交感神経が皮膚のコントロールから始まったというのは、スジのネットワークを交感神経がコントロールしているという仮説を裏付ける有力な情報になりそうなので、大変興味があります。


[246]
岡 - 2009年12月05日 (土) 16時38分
>それは瀬江先生のグループが行うことですが、私の想像では、事実レベルの若干の修正はあっても、副腎髄質ホルモンが交感神経になったという大筋の論理的な修正はさほどないのではないかと思います。

どうして大筋の論理的な修正がないと言えるのか説明して下さい。結論だけでは議論になりませんから。

>以下は私の想像です。やがて激しい地殻変動の中で陸に取り残されてしまったものが、両生類へほ乳類へと発展していくことになるのですが、ほ乳類が生まれる頃の陸上は激しい地殻変動の真っ最中で、まさに生命そのものの危機的状況の中を生き抜かなければならず、その為にはより俊敏より複雑な運動を要求されるようになり、それまでの、ホルモンや副交感神経レベルの悠長な代謝の統括では間に合わなくなって交感神経が生まれた。それ故、交感神経はほ乳類にしか存在しない。

瀬江氏も発表するでしょうが、愚按殿ももっと想像を逞しゅうして下さい。大島範子教授が研究しているのは現生の魚類でしょうが、その交感神経系が視覚刺激によって活動すると記されています。端的には天敵その相関関係を想起します。すると愚按殿が想像した地殻変動による交感神経系の発生にはクエスチョンマークが付くでしょう?一方が視覚由来なのに、愚按説は体性神経系由来となるわけですから。


[247]
岡 - 2009年12月05日 (土) 16時47分
>私的には交感神経が皮膚のコントロールから始まったというのは、スジのネットワークを交感神経がコントロールしているという仮説を裏付ける有力な情報になりそうなので、大変興味があります。

良い機会ですから愚按殿の「スジのネットワーク←→交感神経のコントロール」の仮説を披露して下さい。愚按殿の「スジ」という言葉が表してるものが不明瞭なため学術的にはなり得ないようにも思いますが、数多ある論者の中には「筋肉と自律神経系の相関関係(屈筋・伸筋と交感神経・副交感神経)」を説いている者もいます。端的には筋運動には交感神経も副交感神経も共に関連性があるという主張ですが、愚按殿が単に「交感神経のコントロール」と言い切る中身をご披露下さい。


[249]
愚按亭主 - 2009年12月05日 (土) 23時48分
 科学的な理論体系における論理は、単独の事実だけから導き出されるものではなく、様々な事実や重層的な理論的・論理的な連関性において導き出され確定されるのですから、多少の事実の誤差があってもその論理性に間違いはないものです。ましてや生命の歴史は生命とは何かという一般論を初めとしてその科学性は立証されておりますから、それに支えられてのこの論理ですから、如何なる事実が出てこようともこの論理で説明できるはずです。

 今回のケースも、副腎髄質が先にできてそのホルモンが必要に応じて交感神経化していった、という流れには変わりはありません。副腎髄質は運動に付随しての体内の内部環境を守るための調節をアドレナリン・ノルアドレナリンを使ってしているのですが、天敵から守るための保護色への変化は瞬時に変わるようにしなければならないので、ホルモンでは間に合わないのでそこだけ交感神経化したのでしょう。しかし、他の体内の内部環境の保持については魚レベルではまだホルモンで充分にまかなえたので、そのための交感神経はまだ誕生していなかったと言うことでしょう。

 まだ交感神経の萌芽らしきものが魚類の段階ですでにあったと事実を修正すれば済むことです。


[250] 具体的に説いていただけるよう希望いたします
岡 - 2009年12月06日 (日) 07時37分

>ましてや生命の歴史は生命とは何かという一般論を初めとしてその科学性は立証されておりますから、それに支えられてのこの論理ですから、如何なる事実が出てこようともこの論理で説明できるはずです。

質問いたしますが、ここでどうして「生命とは何か」であって「生物の器官とは何か」ではないのでしょうか?神経の誕生やホルモン分泌をする腺細胞の誕生を語らずに、「他の器官から変化した」という特殊な論理を語るのでしょう?

通常の生物は既存の器官の機能によって内部環境維持が行えない場合に、その内部環境を維持するために新たな器官を内部で作り出すといったことは無いのでしょう?だから科学者の中にはカンブリア大爆発での生物進化を「地殻変動の中で一生懸命に動こうとしたから」ではなく「地球の異変そのままに生物の体自体が変革されたと考えている人も少なくないのでしょう?

当然に、そうした進化レベルの構造変化を空手の稽古のようなものと同一視することなど無理な話です。


[251] 副交感神経と交感神経との違い
愚按亭主 - 2009年12月06日 (日) 07時54分

 副交感神経は魚類の時代に運動器官の統括を主る体性神経と対をなす形でできた代謝器官を統括する神経です。ですから、筋肉などの血管には副交感神経は分布しておりません。交感神経のみです。筋肉を副交感神経も統括しているとは如何なる事実いかなる論拠でそう言っているのか?

 交感神経は、運動時の体内環境を整えるための神経です。魚類の段階ではホルモンでそれはまかなえたのでまだできていませんでした。岡殿が指摘した保護色の問題は、視覚は体性運動系に属します。したがって、運動の一環としての要素が強いので、アドレナリンを使用しているという共通性があるだけで交感神経と言えるかどうか議論の余地のある問題です。

 ここでは仮に交感神経の萌芽であるとして、交感神経が皮膚の色素胞を単一でコントロールをしていたという事実は、これまでの「交感神経系の主要な働きは、激しい運動を支えるために気管や心臓および全身の血管系に作用して、呼吸と循環機能を活発化させ、さらに肝臓に働いてグルコースの産生を活発化させる」という説明のように代謝系統ばかりに焦点が当てられていたものを、より体性系に引き寄せてくれるものとして期待しているということです。

 160のところで引用したものに交感神経細胞の集まったところに結合組織性の線維がたくさん入り込んで癒合しているように見えることが書かれていましたが、この結合組織性の線維がすなわちスジです。したがって、このことは交感神経がスジをコントロールしていることの実体的な証拠となるものだと思います。

 では体中のあらゆる組織に存在するスジはどのような働きをしているのかと言えば、端的には内部環境を実体的に支えているということです。これまでは運動時の内部環境の維持の機能的な面ばかりが云々されてきましたが、実体的な面でも支えることを交感神経が統括しているということです。

 ではもっと具体的にはどういう働きをしているかと言えば、組織の形態の維持です。運動時の維持であるからこれは大変な作業です。運動の中で大事な部分が潰されないように支えるということです。血管や神経の通り道を支えるということも含めてです。次は、体液を保持して細胞の周りの代謝が行われる環境を実体的に支えることです。大きくはこの二つの働きが主な機能です。


[253] 参考までに
岡 - 2009年12月06日 (日) 15時54分
Wikipedia における「副腎髄質」の項から引用いたします。

>起源
髄質の細胞は胚の神経堤から誘導される。これらは軸索と樹枝状突起を失った交感神経系の節後神経線維から修飾され、対応する節前神経線維から神経分布を受け取る。また、節前神経線維と節後神経線維の間のシナプスは自律神経節と呼ばれ、実際は副腎髄質は交感神経系の神経節である。(Wikipedia)

>副腎髄質を構成するクロム親性細胞は、末梢神経になる細胞と同様の神経堤に由来する細胞で、神経細胞と似た性質を持っている。大部分の細胞は軸索、樹状突起などは持たず、エピネフリンかノルピネフリンかのどちらかの物質を分泌する細胞である。一部の細胞は、神経細胞としても性質を保持しており、大型で神経線維を持つ神経節細胞である。自律神経からの刺激が神経節細胞を介して、髄質の細胞に伝わり、これらのホルモンを分泌させる。(Wikipedia)

やはり科学とは総合的に判断していくものなのでしょう。現代科学の捉え方では、副腎髄質を「一般的、標準的な腺細胞」とは捉えていませんし、その意味で副腎髄質ホルモンも「一般的、標準的なホルモン」ではなく「神経伝達物質に近いホルモン」という規定になるようです。

そうした地道なサイエンスを放棄して、ヘーゲルの「発展史観」ないしは「進歩史観」を生物学に持ち込んでの「魚類→両生類→哺乳類」という発展史からの異説には疑問を呈せざるを得ません。 



[254]
愚按亭主 - 2009年12月07日 (月) 08時34分
>スジのネットワークの統括とは、交感神経が体のそれぞれの部位の結合組織の働きを一つに取りまとめているという意味ですね?それとは別にコントロール(制御)と言った場合、また別の<像>を想起するのですが、愚按殿の真意をお聞かせ下さい

 交感神経は交感神経幹の形で連なっていてそれぞれ各脊髄レベル毎に統括していると同時に全体が一体的に統括しているのです。また使い方との相互浸透によって各経絡系統の連関性も技化しているのです。
 コントロールとは、たとえば、気を抜いている時に打撃を受けるとダメージが大きく、気をしっかり入れている時に打撃を受けてもダメージが少ないのは、筋肉に力が入っているからだけでなくそれと一体となって交感神経のコントロールの下にスジも防御的に緊張しているからです。しかし、そのように防御態勢にあってもスジの働きが悪く交感神経のコントロールが行き届いていない場合には、筋肉に力を入れても大きなダメージを受けてしまいます。

>ここでどうして「生命とは何か」であって「生物の器官とは何か」ではないのでしょうか?神経の誕生やホルモン分泌をする腺細胞の誕生を語らずに、「他の器官から変化した」という特殊な論理を語るのでしょう?

 一言で、一般論を媒介にしなければ、その論理が正しいかどうか判断しがたいからです。つまり、部分からすると正しくとも全体から見ると正しくないと言うことが起こりうるからです。
 現に神経とホルモンの関係も、生命全体の発展史からみなければ、正しい答が出せていない格好の現実があります。

 現代医学は、完成した今ある事実が総てだと思っているから、神経がホルモンを分泌するはずがないと思い込み、交感神経がアドレナリンを分泌するからアドレナリンは普通のホルモンではないとし、それを分泌する副腎髄質も普通のホルモン分泌器官ではない。したがって、副腎髄質は交感神経の軸索が消失したものである、と勝手に解釈してしまったのです。

 しかしながら、近年神経がホルモンを分泌していると言うことが新たに明らかになって、研究者の間で、神経とホルモンはどういう関係にあるのか、どちらが先に発達したのかも、どう考えていいか分からない、と答を出せずに大混乱している現状があります。

 ところが、生命の歴史を踏まえると答は簡単に出せたのです。その結果、副腎髄質と交感神経との関係も実は反対であったということが分かったわけです。

 これが、生命とは何かの一般論を踏まえ、その生命の発展史の過程的構造を踏まえることが正しい結論を導き出す王道であることの実証的な実例です。


[257] Wikipedia より
岡 - 2009年12月07日 (月) 22時31分

>現代医学は、完成した今ある事実が総てだと思っているから、神経がホルモンを分泌するはずがないと思い込み、交感神経がアドレナリンを分泌するからアドレナリンは普通のホルモンではないとし、それを分泌する副腎髄質も普通のホルモン分泌器官ではない。したがって、副腎髄質は交感神経の軸索が消失したものである、と勝手に解釈してしまったのです。

 ホルモンを分泌する腺房細胞は一般に上皮細胞であって、神経細胞とは異なります。副腎髄質においてホルモンを分泌するクロム親和性細胞は、腺房細胞とは異なり神経細胞です。それは細胞の発生過程からも理解可能なことで、クロム親和性細胞は自律神経細胞と同じく神経堤から分化します。

 ここで腺房細胞から分泌される物質と副腎髄質から分泌される物質を同様に「ホルモン」と呼んでいるのは「血液中に分泌される」という共通性からに過ぎません。

 つまるところ、他のホルモンを分泌する腺房細胞と副腎髄質ホルモンを分泌するクロム親和性細胞(神経細胞)とは、長門裕之と桑田佳祐のように「いくら似てても遺伝子が違う」存在なのです。

 ですから、瀬江千史や愚按殿のように「血中に分泌されるという機能性だけを捉えて、一般的にホルモン」とし、「ホルモンが交感神経に変化した」などと唱えるのではなく、「神経筋接合部を持つ神経細胞と、血中に伝達物質を分泌する神経細胞との違い」をこそ一般的に説くべきだったと思います。


[258] 何ら変更する必要なし
愚按亭主 - 2009年12月08日 (火) 14時55分
 いつも言うように目の前の部分的な事実から即答を導き出そうとすると誤ることになる。全体のその過程を見なければ正しい答は導き出せない。瀬江先生の論文から引用する。

「神経とホルモンの二重構造の謎を解くためには、生命体において両者が形成されるに至った必然性をみなければならない・・中略・・そしてそこから明らかになったのは、ホルモンはカイメン段階で多細胞化した生命体が一体として生きるために誕生したものであり、神経はクラゲ段階に至って、自ら運動するために、それぞれの部分にそれぞれの刺激を、速やかに確実に伝える組織として実体化したものだったということでした。」

 宗教と言われないために(笑)傍証としてインターネット上で見つけたものも提示しておこう「イソギンチャクなどの腔腸動物において、ホルモン分泌細胞が細胞膜の一部を突き出して細長い円筒状の組織を作り、その遷移に特別に電流を流すようになった...。その電流の刺激によって末端からホルモンを分泌するようになったのが神経細胞です。」

>ホルモンを分泌する腺房細胞は一般に上皮細胞であって、神経細胞とは異なります。

 これに対する直接的な反論として、ホルモンにもいろいろあるのだと言うことを示しておこう。まず、発生学から

外胚葉:上皮組織、神経組織、副腎髄質、肛門、感覚器、口腔、下垂体等
内胚葉:消化管、呼吸器、肝臓、膵臓、胆嚢、膀胱、尿路、胸腺、甲状腺等
中胚葉:支持組織、筋組織、副腎皮質、心臓、血液、腎臓、卵管、精腺等

 つまり、統括系のホルモンは外胚葉由来の副腎髄質・下垂体から、代謝系のホルモンは内胚葉由来の膵臓・甲状腺等々、運動系(生殖系も?)のホルモンは中胚葉由来の副腎皮質や精腺など、ということになる。下垂体には神経細胞から直接分泌されるホルモンもある。

 腺胞細胞から分泌されるのは主に膵臓・唾液腺などの代謝系のホルモンである。膵臓から分泌されるインシュリン等のホルモンは消化に関わってのホルモンだと言うことであり、副腎皮質の糖調節・電解質調節のホルモンは運動に関わってのものだということがここから言えそうである。

 では副腎髄質はどうかといえば、前の二者が専門的な機能を果たすホルモンであるのに対し、包括的な機能を有するホルモンである。つまり、変化に対応して内部環境を整えるホルモンだと言うことである。だから、これは統括系の神経細胞が分泌するホルモンなのである。(ここに関しては私の独断と偏見によるものであるー宗教的と言われるよりマシ)

 では交感神経は、如何にして誕生したのか?何故両生類の段階になって交感神経が誕生したのか。これには二つの構造があるという。長くなるので、その構造は次回に述べよう。


[261] 理解困難
岡 - 2009年12月08日 (火) 20時30分

>以上の生命の歴史の過程的構造を眺めてみれば、魚類の段階で副腎髄質はあっても交感神経はなかったこと、したがって、交感神経が副腎髄質化したのではないことは明らかです。

「交感神経が副腎髄質化した」であろうと「副腎髄質が交感神経化した」であろうとも、既に分化しきってしまっている器官が他の器官に変化するという事態が想像できないのです。おそらく今までに無かった器官が体内に誕生したというのならば未分化な幹細胞から分化していったと想像するのですが、未分化幹細胞が分化して形成された新たな位置の新たな器官であるならば、過去の他の器官が変化したなどという形容はされずに単に「新たな器官(交感神経でもいいですが)の発生」では無いのでしょうか?

 想像しますが、胸髄や腰髄から上肢や心臓、肺に向う神経線維は、生体内部の幹細胞から分化した新たな器官では無いのですか?副腎髄質から変化したという意味を詳細に語ってもらえませんか?


[262]
岡 - 2009年12月09日 (水) 04時00分

>以上の生命の歴史の過程的構造を眺めてみれば、魚類の段階で副腎髄質はあっても交感神経はなかったこと、したがって、交感神経が副腎髄質化したのではないことは明らかです。

 ネットでの情報では「副腎髄質は交感神経からの刺激によってアドレナリンやノルアドレナリンを分泌する」となっています。素直に考えれば副腎髄質が存在したということは交感神経も存在したのではありませんか?魚類の段階で交感神経が存在しなかったというのは、アドレナリンやノルアドレナリンを分泌する神経系は存在したが、分泌物は血液を介して移動していて各器官に直接つながる神経線維が存在しなかったという意味?


[264] 生命史論の理解の最も大事なところ
愚按亭主 - 2009年12月09日 (水) 06時40分

 岡殿との議論のおかげで、これまで知識としては分かっていても本当は分かっていなかった大事なことが分かりました。

 それは、そもそも生命史論とは何かという問題です。すなわち、生命史論とは単細胞段階から生命の最高の発展段階である人間に至るまでの、生命の本流・嫡流の発展の過程的構造を問うものです。

 したがって、現在ある人間以外のすべての動物は、その途中まで本流の流れを共有しながらその流れに乗りきれずに落ちこぼれ、そこから先は直接的な周りの環境との相互浸透を繰り返しながらさまざまな特殊個性的な実体と機能とを完成させたものとして存在しているのです。たとえば、先に問題となった交感神経的な構造を発達させて保護色の機能を完成させた魚の例なども、それは本流から外れた魚としては一般性のないいわば徒花的な実体と機能を完成させたものと捉えることができます。

 つまり、魚類段階は両生類段階のような類としての交感神経が創られる必然性がなく、したがって、やはり魚類には交感神経がないというのが生命史論としては正解であるということです。

 このような生命共通の本流の発展の過程的構造において、最初にホルモンが出現し一体的な運動の必要性からホルモンが実体化して神経が誕生したと言うことが言えるのであり、現代医学が説明しているような、先に交感神経が誕生してしかる後にその交感神経の軸索が消失して副腎髄質が誕生したのではなく、魚類の段階で先に副腎髄質が誕生して、両生類段階になってその副腎髄質のホルモンが実体化して交感神経が誕生したというのが正解であり、これがそれ以後の動物が共通して持つ遺伝的な構造であり、この様に一旦完成したものは「分化しきってしまっている器官が他の器官に変化するという事態」はないのです。

 しかし、後に生まれた構造が優れている場合にはその特性を活かして再編成されるということもあり得るわけで「副腎髄質は交感神経からの刺激によってアドレナリンやノルアドレナリンを分泌する」ことも起こりうるわけです。だからこそ過程的に見ないと駄目だということであり、できあがった事実だけで考えてしまうと誤った結論をだすことになってしまうということです。つまり、現代医学は目の前の事実に誤魔化されてしまったというわけです。

* *

 かつてのこの論争は、7年後のタマゴさんとの論争の中で、次のような形で結実することになりました。これもその時の引用です。

 「交感神経ー副腎系は、どのように生まれどのような働きをしているのかについて、タマゴさんのおかげで魚類の時代にはまだ副腎という独立した器官は存在せず、萌芽的な副腎髄質の可能態、および萌芽的な副腎皮質の可能態として別々に存在していたことが分かりました。その意味で、私の従来の説は事実的に修正しなければならないと思います。

 その一方で、この事実の修正は、従来の私の交感神経ー副腎系生成説の論理を著しく真理に近いものに大きく発展させてくれるものとなりました。これは現代医学の方法論ではまずは不可能だと思えるほどの、弁証法でなければ説くことができない生命の発展の構造であると思います。

 それはどういうことかと言いますと、魚類の段階では副腎という器官は存在していなかった。しかし、哺乳類の段階になると副腎髄質と副腎皮質とが一体化して副腎という器官が形成されている。この違いはいったい何によるものか?それは簡単なことです。その必然性が有るか無いかによるものと思われます。つまり、安定的な魚類の時代では、さほどの必然性がありませんでしたので、機能もまだ未熟であった両者のそれぞれが、別々に自らを完成させていく過程を歩んでいましたが、哺乳類の時代になると環境が激変し、運動も魚類時代とは比べ物にならないほどに複雑かつ高度になりましたので、それに合わせて生命体内でも大改革が行われたものと思います。それが副腎髄質と副腎皮質の一体化、すなわち副腎という器官の形成であり、ホルモンと神経の一体化、すなわち交感神経ー副腎系の完成です。これによって生命体は様々な命を脅かすものから命を守る体制が整った、と意義づけることができると思います。

 これはむしろ副腎の各要素および交感神経の萌芽が、それぞれにまだ完成していなかったからこそできたことであろうと思います。いろいろな萌芽的な要素が絡まりあって、新たな環境に最も見事に適応できる体制が完成したのだと思います。その結果、哺乳動物の交感神経幹はとてもしっかりして大きいのだそうです。」

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