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黄昏流儀 作品修練場(掲示板)

ここではほぼ自由に作品を投稿し、来場者の評価を二者択一形式で募集することができます。
あわせて評価文も頂戴できます。過去の作品、正式発表作品も含めて、修練の場としてご利用ください。

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修練場に集いし作品たち
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生きるも死ぬも

「眠ったら死んでしまうぞ」
 火も消えて、極寒が訪れた山小屋の中、ジョンとビリーは互いの頬を殴りあう。
「寒い・・・ぬくもりがほしい」
 相棒の震える声に、ビリーは躊躇することなく、ジョンを抱擁する。
「おお・・・暖かい」
「そうだ! 思い出すんだ!」
「思い出す・・・?」
 ビリーは涙をこらえながら叫んだ。
「このぬくもりは、お前の帰りを待っている、妻のぬくもりだ!」
「妻・・・」
「そうとも、お前のワイフだ!」

「ワイフ・・・か」
 そうつぶやくと、ジョンはうなだれ、あらゆる生気を失わせた。
「ジョン!」
「俺のワイフは、こんなに暖かくない・・・極寒の女だよ」

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(16/たそがれイリー/06/24(Sun) 10:25)

俺俺。

ある老いた母親が一人で家でテレビを見ていると、電話がなった。
「もしもし?」
「あー俺俺、俺なんだけどー!」
一瞬、家出同然に東京で一人暮らしをしている息子のことを思い出す。が、近頃問題になっているオレオレ詐偽のことも気になる。母親は尋ねる。
「うちには『おれ』なんて人間は居ませんが。」
すると電話の主は、
「なにいってんの!俺だってば!今ちょっと事故っちゃってさー」
母親は、テレビで見た手口にそっくりだと思い、警戒する。
「――死んじゃったんだけど。保険は掛ってるし相手もいないから安心しろよ。今まで苦労かけてごめんな。」
それだけ告げると、電話は切れた。

そのあとすぐ、警察からの電話で母親は息子の事故を知った。


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(15/玄武/06/02(Sat) 02:31)

クローン

「博士、ついに出来ましたね。クローン人間が」
「そうとも、このまま速成培養すれば、1ヶ月すればもう一人の私が現れる。するとこの研究も加速すると言うものだ」
「本当にすごいですよ。後は機密と違法な行為を少しでも隠蔽して、機が熟するのを待つだけですね」
「そうだな・・・機密を守らねばならんなぁ。そうなると・・・」
「は、博士! 何で私を見るんですか・・・ああっ!」
「悪く思わないでくれたまえ。君がいなくとも、もう一人の私がいる限り、この秘密は私と私のクローンで一生守って・・・うっ!」

「悪く思わないでくださいよ、博士。こういうこともあろうかと、助手は助手なりにクローンを作っておいたわけです。さっき葬ろうとしたのは私のクローンですよ。まあ、後はこの研究データをすべて私のものにさせていただきます・・・あしからず」

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(13/たそがれイリー/04/15(Sun) 08:04)

救命病棟異常あり

「患者は?」
「両足を負傷しています。出血が激しくて、輸血が必要だと思います」
「で、一緒に担ぎ込まれた、こちらの女性は?」
「この男性患者の妻です。一緒に搬送されました」
「それにしても…どうやったら、両足にこんなケガをするんだ…それも、夫婦そろって同じ箇所だ」
「かじられたそうです」
「??」
「息子と娘に、スネをかじられたそうです。もう痛みに耐えられないと」

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(12/たそがれイリー/03/16(Fri) 23:52)

フリーペーパー

「今はちょうど、サービス期間でしてね」
「サービス期間?」
「ええ、このフリーペーパー、こちらに割引券があるじゃないですか。それをご利用いただいたら・・・」
 差し出されたフリーペーパーの一部分を見つめ、目を輝かせる女性。その勢いにおされ、半ば強制的に同意している男性。
 その様子を見て、あえて表情を変えないでいようとする女性医師。

 それから10ヵ月後。
「先生、ちょっと苦しかったけど、案外やろうとすれば、何とかなるもんですね」
「山本さん、これからがまた大変なんですよ・・・で、これを」
「なんです?このフリーペーパー」
 差し出されたフリーペーパーの一部分を見つめ、目を輝かせる女性。その勢いにおされ、半ば強制的に同意している男性。
 その様子を見て、あえて表情を変えないでいようとする女性医師。
「これから、3歳児検診までの医療費が割引になるんですよ・・・おまけに、奥様の検診費用も全部無料になるクーポン券なんですよ・・・」
 女性医師の言葉に、母となった女性は即答した。
「この券、使わせてもらいます!」

 この調子で、この女性が生んだ愛娘が、母親を老人ホームに入所させる際、割引入所券まで行使したことは言うまでもない。

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(11/たそがれイリー/02/16(Fri) 07:36)

品質管理

「ちょっと、おたくの菓子パンに金属片が入ってましたわよ!」
「もうしわけありません・・・では、早速お詫びのお品をお送りしますので、取り急ぎご住所を・・・」

「ふう。やっぱり主婦はしつこいな。買った以上の賠償じゃないけど、とにかくがめつい」
「課長、それにしても・・・最近はこういうの、なんだか多くありませんか・・・もう一度、工場全体のチェック、行なった方がいいと思いますが」
「まあいいじゃないか。金属片の件は、保健所の査察次第だろうな・・・まあ、あいつらのことだ、今日チェックを入れているが、文書指導ぐらいで済ませてくれれば・・・」
「それなら課長、先ほどお帰りになられましたよ。機械のメンテナンスを確実にするようにと、後日文書訓告されるようにおっしゃってました。だから私は・・・」
「ああわかった。とりあえず、この話は終わりだ」
「課長!」
「いいんだよ!あれはバレたとしても、これとそれがバレてなければ、いいんだよ!」

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(9/たそがれイリー/01/28(Sun) 20:34)

ポータビリティ

「番号そのままでお移りいただけますよ!」
「あの・・・ほんとに?」
「嘘は言いませんって。いまなら0円です!」
「ぜ、0円!」
「番号どころか、あなたが今おつかいのデータ、すべてそろってお移りいただければ、0円です!」
「・・・移動しちゃおうかなぁ・・・いや、移動するよ!」
「では、こちらにサインを」

 こうして1人のスパイが、暗号書ともどもCIAに移籍したことは、誰も知らない。

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(8/たそがれイリー/01/24(Wed) 20:21)

高嶺の花

「それにしても山本君、よく総務部のアイドルをモノにできたね。いったいどんなテクニックを使ったんだい」
「テクニックって・・・そんな大それたことはしてませんよ」
「それでも、大学時代にミスコンを席巻した彼女だぞ。引く手あまたじゃないか・・・そんな彼女に、結婚まで快諾させるには相当苦労したんじゃないのかね」
「苦労って言うか・・・プレゼントですよ」
「プレゼント?」
「まあ、どこのカップルもやってることでしょうけど・・・あの子の場合は、ちょっと高価だったってことですかね。明日は彼女の欲しがってた1000台限定の車が届くんです。そんな感じで・・・」
「なるほど・・・確かに、高値の花だねぇ・・・」

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(7/たそがれイリー/01/20(Sat) 23:17)

永遠の願い

「そなたの願いを聞いて進ぜよう」
 神は眼前で祈り続ける女性に語った。
 女はゆっくりと顔を上げ、己の願いを語った。
「永遠の若さが欲しいのです。欲張りな私をお許し下さい」

 神はしばし黙考した。
 そして、何かを悟り、次のように言った。
「永遠の若さを与えてやることはできる。しかし、そのためにはお前は義務を背負わねばならぬ」
「義務・・・ですか」
「そうだ。永遠の若さを背負うからには、お前がその若さを使い、この国の国民すべてに愛される存在であり続けなければならない。それがおぬしに、できるかな」
「やります。このまま老化し、朽ち果てていくのはイヤです」
 女は即答した。
 その言葉を聞き、神はもっていた木の杖を振りかざし、女の眼前に差し向けた。
「この女に、永遠の若さを!」

 女は目が覚めた。
 女の目の前には、週末の茶の間らしき光景が広がっている。
 そして、自分を見つめる無数の目。老人も、子どもも、あらゆる世代が自分を見つめていた。

 ”願いは叶えた。さっそく、義務を果たすのじゃ”
 女の頭の中に、神の声がこだました。
 女は訴えた。早速義務をと言われても、何をすればいいのでしょう?と。
 ”最初じゃからの。1回だけ教えて進ぜよう。目の前でお前を見つめている、多くの民に、これからわしが言う言葉を、明るい笑顔と共に伝えるのじゃ”
 して、どんな言葉で?
 女は神に問うた。

 ”サザエでございます!”
 神は裏声で女らしく叫んだ。

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(6/たそがれイリー/01/16(Tue) 17:26)

溺愛

「なぜうちの和馬ちゃんが踏み切りなんかで事故に・・・いや、これは事件ですわ!」
「お母さん、落ち着いてください」
「いいえ!うちの和馬ちゃんには踏み切りに行かないように仕付けてあります。それに、今日は道哉くんの家に行くって・・・道哉くんの家なら、踏み切りを通る必要なんてありませんもの!」
「なるほど・・・ちなみに和馬ちゃん、おいくつですか?」
「この前5歳になったばかりですの。好奇心旺盛になってきまして、将来が楽しみでしたの」
「好奇心旺盛・・・例えば?」
「最近はプラレールがお気に入りでしてね・・・今度の夏は新幹線に乗ろうって言ってたのに」
「そうですか・・・」
「おまわりさん、それが何か?和馬ちゃんの件とは無関係ですわ!」
「いえね・・・私にも息子がいまして、電車が好きでした・・・行くなといっても踏み切りに行きましてね・・・後は奥さんと同じです」

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(5/たそがれイリー/12/28(Thu) 14:45)


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