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旧 図書館の秘密を記すには📙の小説投稿所です。背景はThomas Leuthard様の物を使用。

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タイトル:あの青年は身元不明の機械である。 ノンフィクション

とある宙賊団員の日記より抜粋。

突如現れた赤い目を持つ青年はいったい何者なのか。

とある海賊団員の日記 2017年09月19日 (火) 22時37分(142)
 
題名:赤い目の青年

○月‐×の日
宇宙船を操縦しどこか休む星を探していた時だ。
突然、船の一番前にあるガラス張りのドームの上に、人影が現れた。
アタシは宇宙空間でも生きていける種だが、そいつは見たところ宇宙空間では生きていけない種だった。
だけど、そいつはドームのガラスの上に立ったまま、にこりと笑って

「すまない、何か食べ物をくれないかい?久しぶりに食べたくなってね。」

と言った。
貧乏くさい服装、荷物は肩にかけたカバンだけ、髪はぼさぼさ。
…そして、その右目。
左目は白い部分と飴色の部分がある目だが、右目は全部が赤い。
中心というか奥が暗くて、全体に光がない。この姿を持つ生き物の目じゃない。
どう見ても危ない、無視して進もう、スピードを出せば振り切れる…と思った矢先、そいつはアタシの隣にいた。
そのそばにはアタシたちのボスがいて、そいつを案内してるじゃないの!
ボス、何してるんですか!って聞くとボスは
だって困ってるみたいだったしさ、食事ぐらい、いいじゃないか
…なんて言う。

まったく、ボスはお人よしにもほどがあるよ。
そこがいいんだけどさ。

とある宙賊団員Aの日記 2017年09月19日 (火) 22時49分(143)
題名:無人の星

△kk●ノ月

今日はある星の残骸を見に行った。
少し前に戦闘があって星の住民全てが殺されたらしいが、詳しいことは分からない。
何も残っていないから。
この星の中枢コンピュータがいかれちまったとか、クーデターがあったとか、自然災害だとか、病がはやったとか、はたまた殺人鬼が出たとか。
誰も、何もわからないから、いろんな情報が飛び交ってる。
あの星はこの宇宙の中で1、2を争う大きさだった。
物理的な大きさじゃなく、権力とかそういう意味で。
それがたった23ペレルほどの時間ですべて滅びてしまった。
ネットワークではその話題で持ちきりだ。

…本当に何もなかった…。
なんというべきか、魂が感じられない。
そこら中に骸が転がって、建物も無残に壊れていて。
本当に、何があったのだろう。

ボスと仲間たちと皆でその星をしばらく歩き回った。
もともとその星の中央都市だったらしい、大きな建物がある塔の上に登った。
青年の骸が一つ、その上に砕かれた…あのカケラの形から見て、たぶんタバコのパイプだろう。
むごいものだな、とその場を後にした。

とある宙賊団員Nの日記 2017年09月19日 (火) 23時00分(144)
題名:居候している人、器用だった

×‐×‐×α時
この前、我らがボスが船に知らねぇ人を乗せた。
ボンビーな身なりしてる。
怪しいからあんま喋りたくねぇ。
同室のサバルィが言うには、めちゃ器用だからボスが気に入ってるんだと。そいつのこと。
そんなことよりこないだの賭けの分、早く払ってほしいと言ったらどっかいっちまった。
サバルィのやつめ、いつまで待たせる気なんだ。
今日、栽培室から帰ってたら、そいつと肩がぶつかった。
ちゃんと前見て歩けよクズっていつもほかのやつにするみてぇに怒鳴ったら、そいつがはぁ、ってため息ついて
「君が通路の端によって歩けばいいだろう。私はちゃんと前を見ていた。」
なんて気障にいいやがんの!
俺もちょっと腹が立って、なんでお前みたいなやつがこの船にしれっとのってんだって気持ちもたまってたからそいつにめちゃくちゃ怒鳴ってやった。
そしたら無視して通り過ぎようとしてさ、そいつが。
がしってそいつの腕つかんだんだ。細いっていうか、骨っぽかった気がする。
またそいつがため息ついて、今度は俺、殴ろうとしたんだ。
でも、手が動かなくてさ。
細っこいそいつにあっけなく手を振り払われちまって。
「…腕時計、直したからこれでチャラにしてくれよ」
ってそいつが言うからさ、腕見たらさ、この前壊れた腕時計が直ってて、カチカチ動いてやがんの!
「それと、私の名前はソルク-だ。お前と呼ぶな。君は私より年下だろう」
って。
何が起きたのかよくわかんねぇけど…
サバルィに弁償させるはずだった時計、直っちまったな、どうしよう。

とある宙賊団員Lの日記 2017年09月19日 (火) 23時15分(145)
題名:「赤は血の色、白は骨の色」

◇日▼月
この前からうちの船に居候しているソルク-がティム茶を飲んでいたので、同席した。
彼はやけに器用で、ボスにこの船の機械管理の指導を頼まれたらしい。よくわからないけど。
彼はおおよそ、人型に近い生き物なんだろうが、どうにも不思議な奴だ。
どこから来たのかわからない。何者なのかわからない。やけに器用で、不思議な力がある…というのはチビのラララーるの話だ。
まとう雰囲気も怪しくて。
わかるのは名前だけ。でもそれだって本当の名なのかわからない。
姿だって珍妙だ。
白い髪について言うと、あぁそうかい、と適当に相槌を打って、
昔は髪を伸ばしていたころもあったんだけどね、もう必要ないから切ったんだよ、と言った。
割合話せる性格のようだが、含みがあるというか、たまーに意味の解らないことを言う。
見た目は結構若いし、この姿の生き物は長く生きないはずなのに
年の功を得たもののような喋り方をする。
何より気になるのはその右目だ。
生き物の目じゃない。…たぶん、鉱石のたぐいだと思う。
義眼なの?と聞くと、そうだよと返ってきた。
じゃあ見えないのかと言うと、見えるよ、と返ってきた。
正直気持ち悪い。光がなくて、でも左の人の目に合わせて動く。そして見えている。
そう言おうとしたら、彼が
これはお気に入りでね、もう必要ないから人の目に戻してもいいんだけどね、
と言ったから。
綺麗だな、と言っておいた。
お世辞だとばれたかな。
…きょうの日記のタイトル、彼が言ってた言葉の中で一番かっこよかったやつ。
ピッタッニャにそう言ったら笑われたけど。

とある宙賊団員Zの日記 2017年09月19日 (火) 23時28分(146)
題名:ちょっとメタいネタばらし

とある赤片目の青年の話。
誰だかわかりましたかね?
彼は…ソルク-は…過去設定が長いんです。
その一部をこのように書いてみました。
一応、彼の生涯のあらすじはできてますけど…7つぐらい姿があるんですよねー…
これに出てくるのはその6番目ぐらいかな。
まぁ、雰囲気だけでもお楽しみいただければ幸いです。

中の人 2017年09月19日 (火) 23時31分(147)


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