タイトル:あの子との約束 |
短編 |
私が拾った古いメモ帳
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最後のあの子 2017年07月08日 (土) 18時06分(103) |
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題名:1枚目(にっき?) |
アルタルフには、二人の神様がいた。一人は土地神、一人は海の神。どちらも住民にとっては大切な神様であり、自らが生活するにしても、大地の恵みも、海の恵みも大切なものであり。欠かせないものであった。
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未明 2017年07月08日 (土) 18時31分(104) |
題名:2枚目(私とあいつの事) |
たが。その神たちは不仲であることが有名であった、時折行われる、小競り合いは、引き分けとなって終わる日々を繰り返した。 繰り返しに行われる力試しが拮抗して終わるのは町人のおかげであった、人々が平等に信仰を行なっていた為、力に差が出ることはなかったのだ、街の人々は、その両方に毎日供え物を手向けた、恵のお返しとして、その地で取れた物を。土地の神には、土地で採れたものを、海の神には、海で採れたものもを。そうしたこまめな努力と、小まめな物が双方の神が片方を殺してしまわいような楔とかしていたのだ……。そして、これは密かなであるが時折、人柱として人も、贄にしていた。
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未明 2017年07月08日 (土) 18時32分(105) |
題名:3枚目(迷惑な喧嘩と謎の魔術師) |
双方の神の力試しは激しく、地が揺れ、波が鳴き、神々の神力によって行われる、幾多の災害は、人に害を与えることのない、が、天災は、土地を枯らし、海を荒れさせた。地面は軋み悲鳴をあげ、人が住む家屋を崩壊させ、荒れ狂う潮の波は、海に住む魚達の命を無残に奪っていった。そんな現状に町人たちは頭を抱えることしかできなかった、双方の神はどちらも欠かせないものだ。だがそんな荒れた町にやってきた一人の人間、本人は、魔術師と言っていたが、そんな奇怪な服装をした女性は口を開け、軽々しく言葉を言ったのだ、 「双方がいるからこうなるのよ、片方に力をつけさせて、片方を滅ぼせばいいじゃない。」 これまでの努力を踏みにじるかのような言葉に、村人たちは頭に血を登らせ、激昂した、八つ当たりするかのごとく、武器を持ちその女を襲ったが、結果は言わずもながである、呆気なく、敗北した。
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未明 2017年07月08日 (土) 18時34分(106) |
題名:4枚目(私とあいつの扱い) |
心が折れた村人達は、なくなくその案に乗ることにしたのだ、魔術師とやらも集め、町全体で軽い話し合いを行なった、「どちらを残すべきか」と。だが女性の口からは一瞬で案が出た。 「土地神の方に決まってるでしょ?貴方達が住むのは、陸よ?」 それは、言葉を失うほどの正論であった、海がなくなろうと、土地の恵みがある、だが陸がなくなれば、自らは溺死するしかないのだから、村人達は掌を返したかのようにその女の言葉を盲信し、放たれる言葉全てを鵜呑みにして実行し続けたのだ。
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未明 2017年07月08日 (土) 18時37分(107) |
題名:5枚目(あの子の心情) |
その日前日 町の皆から最後に何がしたい?などの言葉がかけられた、やはり皆んな優しかった、自分が贄になる前日までにしたい事はしたつもりであった、みんなの為なら、贄になる事だって、本望であった。 だけど夜、なにか言葉にできない感情が込み上げて、涙が出て来た、 なんでだろう、おかし ね、わ は、こん に うれ のに、 んで、こんなに だろう……。
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未明 2017年07月08日 (土) 18時38分(108) |
題名:最後の頁(あの子の心情2) |
その日が来た 沢山の贄と、人柱である私を連れて、町の人々全員で、御神体である要石に向かった、皆んなの足どもりは重く、暗い表情をしていた。それだけが最後私の心残りであった……。
なんにちもたった はなしをきかれ、ねがいをきかれ、いかされた。 かみさまは、おこっていました…わたしは、こんなかていでおわらせたくないって、でも。……わたしはそれのとうそうをおわらせるためにたてられたひとばしらだ、かみさまはかなしげだった、でもわたしをつかってくれるっていってた、こわいけど、それはいけにえになるこわさじゃない、これはわたさのねがいをかなえてくれるかという、かみさまのやくそくがかなうかのもんだい。
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未明 2017年07月08日 (土) 18時40分(109) |
題名:最後の頁(あの子の願い、私の約束) |
ーーーどうか、みんながえがおでくらせるまちになりますように。ーーー
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未明 2017年07月08日 (土) 18時42分(110) |