タイトル:名もない少女のお話 |
文学 |
それは、私の人生を狂わせました。
私の先祖は心を読んだり記憶を見て、それを元にカウンセラーやアドバイスをして代々受け継がれて来た一族の分家、奏巳家に生まれました。
本家は御悟家(おさとりけ)で一族の中でも能力のある方々がそちら側に、本家と橋渡しをするのが私達、分家の役割としてに成って来たのです。
小学校までは幸せでした。
でも、中学校のある時から私の人生は狂ってしまったのです。
…何故なら突然、能力が目覚めたからか人の記憶や思い、思考を読める、聞けるようになったから
その日は、ノイズの様な周りの音と気持ち悪さで家に帰って来たことを凄く覚えてます。
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奏巳 遊衣 2017年04月03日 (月) 21時03分(66) |
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題名:その追憶 |
『良いわよね、奏巳さんって名家の分家だけど権力はあるんだもの。』
『うわ、あの女ブスだよな…』
『居なくなれば良いのに…ほんっとウザい』
自分に向けられたモノ、他人に向けられた痛い心許ない言ノ葉の刃、それが一気に耳に入って来て、憎悪を増して行く。
その時の私は……ただひたすらに怖かったのかも知れません。 だって、急に他人の心の声が聞こえる様になってしまったのだから
そのまま、保健室に入り早退をしたいと願い出て早退をその日、しました。
でも、私の運命の歯車はこの時点でボロボロになって居ました。もう、修復しようにも出来ない肌に、歯車は…狂ってしまって居ました。
急いで耳にイヤホンをして音楽を聴いている風な体をしていると、周りの声は薄らぎはしないものの心の声が聞こえない様になって来て居ました。
急いで帰って来た私に母は驚いて居ました。
「どうしたの、遊衣…そんなに慌てて…」
「………お母さん、私、能力があるのかも知れない。」
本当に心配してる母の心の声と本当の事を言ってくれてる母の声が重なって、涙が溢れてしまって………この時、全てを話してしまったのが、間違えだったと今は思います。
自分のこの先を最悪にするとは知らないで、地獄の扉を開けることになったのだから
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奏巳 遊衣 2017年04月04日 (火) 07時33分(67) |